248 冷たい校舎村6
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[ 男であれば、女であれば、という妄想は 何億何千と繰り返してきたが 何度やったって虚しく 意味の無さと言うのを反芻するだけだ。 想像の中でどれだけ型に嵌められても 現実の世界はとっちつかずの自由があり、 虚しさが胸から溢れて行った。
目が覚めたらきちんとした性別を持っていた など 世界がひっくり返らないと在り得ないのだし 平成最後の夏の甲子園は結局強豪校が勝ったのだから 漫画やドラマや、空想の童話のように 都合のいい展開は現実に用意されていない。 ]
(757) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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「そうじゃない」「違う」と言える人の口 形作れない俺の唇
(758) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[ 男であるとか、女であるとか、 性自認の性、性的指向の性、外見の性、 一つ一つ自ら選んで当て嵌めていくなど どれだけ自己が強いのだろう。
英司の脳みそで出来損ないであったので 自分では判断できずに立ち尽くしていた。 女に分類されるなど意味が分からないし、 男に分類されるのと言うのも居心地が悪い。
その間など、社会には存在しない。 ]
(759) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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青い空 …… 見えないままで空は赤 間にあるはず、紫は何処
(760) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[ ただ、どちらでもないこの身体が 英司は単純に気持ち悪かった。
何よりも気持ち悪い と思っていた。
それは純粋な嫌悪であり、 母が 気味が悪い と大袈裟に怖がらず 叔父が 気色悪りい と嘲笑わずとも思うものだ。
人間が害虫を見て鳥肌を立てるのと同じだ。
もし容れ物が違えば と夢想するように もし中身がもうすこし柔軟であれば 此の身体さえも受け入れられただろう。 ]
(761) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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魚なら、楽だったかもしれないな 水の中には、人権が無い
(762) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[ 下手に人権が在るから と英司は思う。 入浴の度に体調を崩して 上等に生きられない英司は、思う。
出来損ないであると分かったのならば その瞬間に間引いてくれれば良かったのだ。 事情を話せば 恐らく同情をして 大丈夫だよ、居場所はあるよ と 宣うだろう世間と言うのは、 かといって簡単に意識を変えられないのだ。
流行のラブソングに自分を重ねるなど 英司には到底出来そうに無い。 ]
(763) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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皆の言う物語には居なかった 俺の姿は、影も、形も
(764) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[ やはり、この学校と言う箱庭にも この異常な事態を綴った物語にも 英司のような生き物の席は無いので ささっと退場するべきなのだろう。 ]
(765) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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今晩も死にたくなった 水滴と、死よりも暗い深淵に触れて
(766) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[ …… 水は完全に教室を満たし 只管に もがく だけとなった。
英司は魚では無いので息が出来ず 意識も朦朧とし来たので 喉の辺りに爪を食いこませていた。
窓の外など気にも出来ないくらいに ただ ただ 苦しい。 此処が学校である所為であろう、 走馬灯のように同級が思い出される。 彼等に関する事物 や もの も、思い出す。
最期に思い出したのは あかね の揺れるマフラーでも 理 の吸っていた煙草でも無く、 幼馴染の温かい手であった。 ]
(767) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[ 学校と言う箱庭は赤青つけたがり嫌いだが 其処に居た彼等の事は嫌いでは無かった。 恋と言うのは、誰の恋愛対象でも無い 英司は出来ると思っていなかったが 其れを知れたのも 嬉しく思う。
性格は良くなかったために 馬鹿にすることは多かったのだし 嫌われる方が多かった。
だから、決して口には出しやしないのだが 英司は、 俺は、 ]
(768) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[ お前たちの全てが羨ましいよ。 ]
(769) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[ とうとう息の出来なくなった英司は 瞼を閉じることにした。
その奥で、不思議な光景を見る。
水の中で ぷかり と浮かぶ自分の死体。 それを上の方から 水面に浮かぶ虫の羽根のような視点で ただ穏やかに眺めている。
ようやく あれ から離れられたのだ と 英司はそのとき何年かぶりに 酷く満足げな顔で 微笑んだ。 ]
(770) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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ただ、俺が笑えたら良い
(771) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[ 教室に湧き出た水と言うのは、 今思えば 英司の涙だったかもしれない。 ]
(772) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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ただ、俺が嫌うのだから 嫌いきる だけ
(773) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[ …… 英司が居なくなったとしても 皆の分かっている通り世界は回るので ただ只管に、その後の話をしよう。
安藤のマネキンの置かれた教室の さらに隣の空き教室に いつまでも水浸しなマネキンがある。
特にコンプレックスでも無い喉から たらたら と血を流す、 ポケットに煙草の入ったマネキンが 廊下と教室の境界線を跨ぐようにして 誰にも言わず 死んでいる。** ]
(774) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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/*エーーージ!!!!!!!
すっごいなぁ
(-132) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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―― 現在 / 職員室 ――
……おまえ。
[俺は日夏の心の内を、初めて覗き込んだ気がした。 日夏が滔々と語る言葉>>716に、 口を挟むことができない。 唖然として、呆然として、日夏を見つめるんだ。
死ぬなら、勝手に死んでやる。 誰の手だって煩わせない。>>717
その断定した口振りから、 日夏自身が自分が“死ぬこと”を 真剣に考えたことがあるであろうことが 朧気ながら察せられた]
(775) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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日夏、日夏……ッ!!
(776) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[目の焦点が定まらず、壁に手をつく日夏の肩を 強引に掴むと、思い切り揺さぶってやる。
遠慮なんかしてやるものか。 俺の目を見ろ、と言わんとばかりに その顔を覗き込んでやるんだ]
矛盾だらけだよ、おまえは。 死ぬなら勝手に死ぬ? さっき俺に言ってたことと全然違うじゃないか。
[日夏が何を悔やんでいるかは分からない。 だから、不器用な俺は思ったことを そのままぶつけることしかできない]
(777) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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何もいわずに死んでほしい>>1:620、 なんて思うほど。 俺は薄情者じゃないんだ。知ってるだろ。
[じっと、日夏の夜の瞳を見つめる]
おまえに何があったかは分かんない。
けど、おまえは閉じこもってた 俺の悩みをこじ開けたんだ。 だから――……
[正気に戻れ、って。日夏の肩を持つ手に力を籠めた]
(778) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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……そんなにひとりで、抱え込むなよ。
[おまえが、俺にそう言ったんだろう?*]
(779) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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/* さすがだなっておもってる。 さいちさんのロールほんとすき。 そして、設定が あかね の上位互換だった。 やば。
(-133) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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― 保健室 ―
え。あれが安藤くん? 確かに、似ていたけれど。 かえったって、どういうこと…
[考えもしてなかったことを言われて、混乱する。>>735 なんでそんなことを思うんだろう。…分かるんだろう。 すこし恐ろしいような気持ちで後ずさる。]
ああ、そうなんだ? じゃあ、わたしが探しに行ってくるよ。 ふたりとも、眠たかったら 帰りを待たずに鍵を閉めたまま寝ていいから。
[一色さんが夜中に出て行くのは考えにくい。 封都さんにしても同様なことを思って、>>737 くるりと背中を向ける。 保健室の扉を開いて、軽く振り返って、]
(780) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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いってくるね。
[微笑んで、保健室を後にする。*]
(781) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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— 朝 —
[流石に音楽室で寝るのに慣れてはいなかった。 身を起こした時、バッハのおじさんの肖像画と目が合って、ぎょっとした。
……眠い。
どうやら他の皆はまだ寝ているらしい。 ならばまだごろごろしていようか、などと思うものの、 ……妙に落ち着かない。]
餌やりでもするか……さくらの。
[結局、インコの世話については忘れていて、 まあ委員長がパンをやっていた気がするし、 優先度が低いことだったので、まあ別にいいか、なんて思うわけだけど。
とりあえずあくびをひとつして、 昨夜、教室から持ってきていた自分の鞄の中身を漁る。]
(782) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[毎朝のスケジュール確認が癖だった。 今日は誰に何を貸す日か、今日は誰に何を返してもらう日か。 その確認を欠かさずして、学校で忘れないようにする。 約束破りにはなりたくないから。
……そのはずだったのだけど、 この異常事態に、すっかりペースを乱されてしまっていて。]
あ、やべ。
[委員長に返すはずだった漫画と、空木から返してもらうはずだったノート。 それをすっかり忘れていた、ことを思い出した。
……いや、でも、覚えていたにせよ、 こんな状況でそれを口に出すほど平和な思考ができていたかというと、自信がない。]
(783) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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[眠っている委員長の枕元に、借りていた漫画をそっと置く。 その中には、感想を綴ったメモをしっかり挟み込んでいた。
あとは、空木からノートを……と。 しかし寝ている彼をわざわざ起こして取り立てるほどのことではないので、 起きてからでいいだろう、ということにした。
スケジュール帳を無意識のうちに抱えたまま、 ぼくは音楽室を出て、顔を洗いに行く。]
(784) 2018/08/26(Sun) 00時頃
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