159 戦国 BATTLE ROYAL
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[齢80の老女が戦の陣頭指揮を執るなど、桜どころか優曇華の花ほどに希有な光景である、が、番瓦衛門を狼狽させたのはそのことではなかった。]
櫻媛様──
[実は八重とは、番瓦衛門がまだ十歳にもならない頃、まだ「嵐丸」という幼名で呼ばれていた時分に会っている。]
(39) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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[何かの冠婚葬祭に父が招かれ、その伴をした時だ。 いつもと違う枕に寝付かれずグズっていた子供を慰めるため、八重は手指で影絵を作って見せてくれた。
蟹、兎、狐、鷹──障子に投射された影の生き生きとした動きもさりながら、それを生み出す白い指の嫋やかな艶かしさは子供心に強く焼きついた。 むろん、八重はその頃でも大年増をとっくに越えていたが、綺麗なひとだと憧れた。
さすがにあれから三十余年を過ぎて、ほろ苦い感情は諦めたものの、あの日の印象はいつまでも引きずっている。 さて、あちらは今、ここに立つのがあの時の嵐丸と思い出すかどうか。 多勢の客のひとりであったし、なによりこちらも様変わりが甚だしい。]
…奇しき縁よ。
(40) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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[そんな感傷に浸る間もあらばこそ、熊狩りの号令一下、山芭の花嵐が森軍に襲い掛かる。 寄せて光るは神楽鈴か槍の穂先か。
桃源郷と惑った地が儚い花筏であったと察するも遅く、小熊たちは扇の波に分け入って、そのまま戻らぬ。 番瓦衛門を囲んだ蝶と蜂の群れもしなやかに翻り、刺し、風に舞う淡い花弁に朱を散らした。]
月は船 星は白波 雲は海 いかに漕ぐらん 桂男はただ一人して
[あの夜、八重から教わった今様が口をつく。 まさにその謡のごとく孤立無援かと自嘲気味な笑みが口角にのぼった。]
(41) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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[だが、やすやすと討ち取られるわけにはゆかぬ。]
ぬおお…!
[危地に陥った大熊は自ら独楽のように回って、巨槌で全方位からの攻撃を防がんと試みる。
くるくるくるくる。ひとり円陣。 足を止めてはならぬ。山芭の花と伴に舞うを怠れば肝を喰われよう。
くるくるくるくる。世界が流れる。 頭がクラクラして、もはや自分がどちらの方向に進んでいるのかもわからぬ。]
…ぐぬう、
(42) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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/* なんかこういうびじゅある的なスタイリッシュさが足りないな俺の戦いには
(-14) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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[と、そこに遠く法螺貝が吹き鳴らされた。
切なく尾をひく響きは西軍総大将の急を告げるものであったが、とっさにそこまではわからぬ。 ただ、周囲の歌舞音曲にはそぐわぬ不協和音であった。]
──うぬ、
[一瞬の乱調に活路を見出し、番瓦衛門は敵中突破を試みる。]
(43) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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[これまでとは軸を変え、槌を抱えたままの連続前転。 ゴロゴロとでんぐり返しで突進をかます。]
轟 破 ・ 地 獄 車 !!
[馬も人も跳ね飛ばす勢いで巨躯は転がった。**]
(44) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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○ボタンをポチッとな。 (←無双発動
(-15) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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/* ところで十六夜とふくちゃんしか中身わかってないけどぼく大丈夫かな みかんさんといちねこはだいたい愛が強いところにいるので検討はつくけど自信ないや
(-16) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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/*よし
(-17) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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ッ……!
[重い刃の一撃>>30に、腕から全身に痺れが走る。 足元の天下人を蹴り右脚も退くが、手甲と刀の根比べでは分が悪い。]
羨むか。生まれは選べん。
[根っからの忍であることを羨む風間のほうが、己にとっては鮮やかに見える。 この男には忍以外の世界があったのだろう。 それは情けをかける理由になど、ならないが。]
(45) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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気が合うな。
[狩られる気はない、と。同感だ。 気力で笑みを作り、皮肉んだ。 しかし手負いが透けて、ち、と短く舌打ちをする。今更隠すまい。 この程度、手負いのうちに入りはせんと意識から振り払う。 触れるほどに近づく。痛みなら耐えられるとばかり左腕で掴みかかろうとした、その刹那。 耳を打つ音があった。]
(46) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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[黒千代。 たった四音のそれが、身体の心底から血を沸かせる。 どこでその名を、と思うと同時、記憶が一斉に襲いかかってきた。 ああ。 この男、あの時の。]
そんな名は……知らん!!
[ほんの瞬きの隙。読んだ名に反応して、手甲持つ身体が強張ったことを、見逃されはしないだろう。 癇癪を起こす子のように、闇雲に手甲を薙ぐ。 噛み合っていた刃は崩れ、手首から肘にかけて鮮烈な赤が走った。 装束の深色より、あかく。 唇の紅よりも、あかく。 赤は、殺した感情にすら火をつける。]
(47) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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[この男を殺す。 この男を殺す、この男を殺す、この男を殺す、この男を殺す。 腕が無ければ、脚で。達磨になれば、噛み付いてでも。 この男を殺せばいい。この男を殺せば黒千代はこの世の何処にもいない。 この男は、己の弱さだ。この男は、]
(48) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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がああああッ!!!
[燃え盛る殺意を御しもせず、吼える。 主命など、とうの昔に頭になかった。 針穴を通すような偶然が、結果風間を殺るという主命に近づいたに過ぎない。 匕首を握った右腕が、風間小太郎の首を真っ直ぐに狙う。 小太郎の左腕の苦無は首を僅かに逸れ、頬と頭巾を切り裂き肩口に刺さった。 解けた頭巾が、隠した黒髪を風に晒す。]
死ねェッ! 風間ァッ!!
[匕首を振り下ろす。 乱心のままに振るそれは、風間小太郎を討つ決定打になるはずだ。]
(49) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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[はずだが、その鋒は、届かなかった。]
(50) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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――な、
[ぐらり、足元が傾ぐ。 落馬から意識取り戻した祭文軍の生き残りが、飛び込んだ右脚を足袋の刃厭わず引きずり込んでいた。
風間との距離が空く。血塗れの大地が、近づく。 たたらを踏む地を求め脚が探す、瞬きにも足りないだろうその時が、深淵への旅路のようにひどく長く感じられた**]
(51) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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森番 ガストンは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 19時頃
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>>41は「梁塵秘抄」より
(-18) 2015/05/19(Tue) 19時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 19時半頃
三元道士 露蝶は、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 20時頃
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― 関ノ原 北方面 ―
[舞いて光るは扇の冴え、蝶はひらひらと揺れ動き、森奥の穴倉より戦場へ這い出てきた小熊達を桃源の夢へと誘う]
きりがすみ ひらひら揺れいて こたびはちたび 妖しの舞いは 仙女か化生か
[八重は元々、八霞流の舞妓としてその美貌と舞いに山芭家当主に嫁へ迎えられた。 今でこそ山芭家の大奥としての印象が勝れど、若かりし頃は影遊びや紙遊びも、達者な方であった。 五十、六十となる前の若かりし頃は、冠婚葬祭の宴の折には舞いに遊びに歌にと。山芭の妻として、山芭舞妓の看板として、多くの緒家の方々を愉しませるべく努力した頃もある]
(52) 2015/05/19(Tue) 20時頃
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[独楽の様に、親熊の鋭い鉤爪のごとし巨槌で舞い踊る、槌熊の周りを八重が舞う>>42。
ひらりひらり、くるくるひら。 風に撒かれる桜か霞、番瓦衛門の正面に現れたかと思えば、後ろの正面に桜咲く]
回りがたりまへんえ! 帯をまわされはる生娘のがよう回りますえ!
[八重は決して、巨槌を相手取る大胆な身動ぎが出来るワケではない。 舞いの静かなすり足で極最小限の所作で、暴れ親熊と舞い踊る。 響く戦場の法螺貝が、舞踊の調和を乱したのはその時だ>>43]
(53) 2015/05/19(Tue) 20時頃
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[舞妓たちの妖しさ美しさに、桜の森が生えて見えた関ノ原が、割れる。 まるで地獄から噴出す化生の群に、桜の舞いが弾かれて、舞妓達の扇が、地獄から荒れる嵐に浚われてしまう如し]
…山芭ぐぅうぅうん! 転戦開始どすえぇぇぇえ!!
[馬すら転がす、地獄熊の破竹の突撃に、八重が離れ退き、突破を許した。 その塞ぐ者を薙ぎ払う轟破に、吹き飛ばされる舞妓達、幾十余名。 桜の幹を手折りて進まんとする熊槌の勢いと共に、山芭軍もまた、全軍が動きはじめる]
(54) 2015/05/19(Tue) 20時頃
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なんや、南蛮ちぃ混じりおって、怪しば知恵つけおって。 かぶれん熊襲ば、とんとあほらしゅう家なって来おったば決めておったら、まあ!
ぐずりん洟垂れがいっぱしんもののふなっておる! かははは!こりゃこがいな老いぼれにゃ持て余すわ!かははは!!
中央じゃあ! 乱れ戦もちこみながら流れにのりますえ!!
[現在、互いに友軍も無いまま合い争う山芭と森は、互いに南進こそが戦況を変える活路になる。緒戦での森軍が起こした怒涛の猛攻に、山芭軍も三百余、四百余の兵が討ち取られているからこそ、八重は考え。 山芭軍は徐々に戦場を南下していき、敵味方入り乱れだす、関ノ原の中央を目指そうとしだしていた**]
(55) 2015/05/19(Tue) 20時頃
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山姥 八重は、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 20時頃
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八重、艶やかじゃのう。うはうはする。 今更な縁故も受けていただけて感謝。
八重が明日の墓落ちなんで、独占申し訳なく、他の人ともバトルどうぞというつもりで逃げを打ったけど、メモ見ると不本意であったかな、すまぬ。 「逃がさぬ」と言われたら残り30時間かけて一騎打ち受けるつもりはあったのぜ。
と呟いて風呂なー
(-19) 2015/05/19(Tue) 20時半頃
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おいおい、マジかァ……
[碧如が目標の方角を見れば、そこは一面に広がる焔の赤(>>36)。
北からの風(>>28)が強く吹いているせいか、焔の勢いは強く思うように軍は進められない。]
(56) 2015/05/19(Tue) 21時頃
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あらぁお上手。
[口遊むは節付の唄。>>36 姫さんといい、最近の若い子は戦をよくよく愉しんでいるように見える。
けども、愉しむはまた年長者も同じこと。 下からの振りと共に飛ばされた火球へと向かうよう、軽く踏み込み下段から斜めに長刀をもって空気を切り裂いた。
刀の軌道にある空気を奪えば、燃料を失った炎の球はそこで力尽きる。 軌道からうまく外れていたもう一球は、真空を埋めようと動く空気の流れで勢いを失い軽く踏めばぽふんと消火完了だ。>>37]
(57) 2015/05/19(Tue) 21時頃
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火遊びにしてはまだまだ弱いんじゃなくて? この程度じゃ、火傷どころか焦げもつかないわ。
[お互い小手調べと判じた上で軽口を舌に乗せ、攻勢に出るべく大きく踏み込み相手の中心目がけて横薙ぎに真空の刃を飛ばした。
関ノ原の中央付近。 除々に周囲の喧騒が大きくなっているのは他の軍も近くにいるからか。 近づく友軍敵軍どちらの影も感じとりつつ、しかし今は黒猫との戯れに興じる。]
(58) 2015/05/19(Tue) 21時頃
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[>>47―――黒千代。 その名を口にした瞬間、露蝶の時が止まった。 刹那。ぶわ、と露蝶の全身が凄まじい殺気が滲み出る]
血迷ったか。
[闇雲に手甲を薙ぐその姿は、児戯に等しい。 先程までの、訓練によって研ぎ澄まされた身のこなしではない。 駄々っ子のようなその姿に、目を剥いた。なにを考えている。 右腕を切り裂く確かな忍刀の手応え。宙に蝶が如く、鮮血が迸る]
……っ。
[思わず、息を呑んだ。 飛び散る鮮血の中に小太郎が見たのは、女の朱い目だった。 爛々と。殺意の炎がその中で激しく揺れていた>>48。 真っ赤な憎悪を燻らせた露蝶の視線に射抜かれ、動きが鈍る]
(59) 2015/05/19(Tue) 21時頃
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[咆哮>>49。今まで表情を殺してきた女が。 感情を爆発させた瞬間だった。 小太郎は思わず気圧される。苦無を持つ左手の軌道が逸れる。 それが命取りだった]
しまっ……!
[己が苦無の一閃は、露蝶を捉え切ることができない。 刃の軌跡は、露蝶の頬と頭巾を切り裂き。 肩口に刺さって止まった]
(60) 2015/05/19(Tue) 21時頃
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はは。
[思わず笑みが零れた。 露蝶の荒ぶる匕首が。まっすぐ。こちらへと>>49]
避けきれねえ。
[瞬間、死を覚悟する]
(61) 2015/05/19(Tue) 21時頃
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[走馬灯のように。様々な思いが去来した]
[しゃらん、と。眼前で露蝶の黒髪が揺れた>>49。 こんな時だというのに、心底美しいだなんて思う自分がいて。 ゆっくりと迫りくる刃を、呆然と見つめていた]
[出会いからやり直したいと思った。最初から。 幼少の頃に、死体の前で出会って。 そして今。死体の前で命のやり取りをしている。 まるで、自分の今までの人生の縮図みたいだと思った。 死体の山で築かれたそれに成り立つ生は、ひどく血生臭くて]
[ひでえ人生だ。おまえも。俺も]
[―――時が動き出す]
(62) 2015/05/19(Tue) 21時頃
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