268 オリュース・ロマンスは顔が良い
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/* なんかこう、お相手さんを困らせてる予感ばかりしている……! 表面的には無表情なのに、すごく表情豊かな感じが、すごく好きなんですありがとうございます……!!
こう、こう。アリババがどうして惚れられてるんだろうってなるけどそうか顔か……
(-11) 2019/07/28(Sun) 02時頃
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[車掌の激昂が落ち着くにつれ、緊張で張りつめていた空気が撓む。やや惚けた一言のあと、みるみる沈静化していく表情の移り変わりを、じ、と見据えて。]
ええ、承知致しました 元はといえば私の不注意もありますので……
[まさか掏摸を痴漢と勘違いした──とは被害者目線では到底、思い難く。 此方は事務所へ伺った際に名乗るつもりでいるので、とうに把握していた名前を告げられ、無言で頷き。]
(46) 2019/07/28(Sun) 02時頃
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/* ザーゴは、イフタフ・ヤー・シムシム唱えてくれて嬉しかったやつ……絶妙な間合いで詰めて来るのすごく上手くて、感謝しかない。 ハワードさんの回想もどこかで拾いたいなぁ!ありがとうございます!
(-12) 2019/07/28(Sun) 02時頃
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[重なる謝罪、何となし縮こまるよな背中に、大丈夫、と再び彼にだけ聞こえる声音で耳打ちの後。 せめて電車が停まるまで、男を制止する介助をと伸ばした腕は、意外にも宙を掻く。>>42
おや、と眉を上げた先には、腕を引っ張られ眉根を歪める加害者と、いつも通りに近い、否、どこか妙な牽制を顕わにする車掌の笑顔があった。
あくまで己は乗客のひとりで、この場においては被害者で、彼は、電車内の保安を任されている身だ。 互いの立場と現状を紐解き、彼の態度をこれ以上余計な手出しは無用、と解釈して。]
(47) 2019/07/28(Sun) 02時頃
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― 幕間・友人達との晩餐 ―
明らかに怪しいおっさんが隣の客の尻触ってたら、 誰だって痴漢だと思うだろ? 車両《ハコ》で掏摸より現実的だろ?
[その日の夕飯は友人らと囲んだ。 奢りと聞いて出掛けないほど詰まらぬ男ではない。>>40 しかもその日は仕事の失敗を愚痴ってしまいたくて仕方なかったのだ。気心知れた彼らになら丁度良い。無論、詳細は被害者の人権に考慮して暈した。――― 主に性別と年齢を。]
俺は車内で犯罪行為なんかしないが、俺なら尻を狙う。 金なら稼げば良いだろう? だが尻は違う。 いや、しないが例えだ。フィクション。
[ジョッキを握って真顔で語る酔っ払いは責任ある車掌ではなく24の若造の顔をしていた。酔ってからが長い絡み酒は酒を覚えた頃から変わらないまま。
お前らは?と聞いたがどんな返事を返されたか記憶に曖昧。ただサイラスは妙に機嫌が良かったし、ヤニクは気前が良かった。 お蔭で落ち込みがちの心も浮き、感謝を込めて自分の代金は自分で払った。結局いつも通りの割り勘だ。――― それがまた、心地良かった。**]
(48) 2019/07/28(Sun) 02時頃
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/* >>48 わらい過ぎて苦しいし最後の発言が消えた。 君は堂々と何を言ってるんだ……。
あーすき。やっべ、惚れ直した。 青臭くてええかっこしいな若造のオンオフのギャップたまんねーです。
(-13) 2019/07/28(Sun) 02時頃
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[来客が去った後。窓の向こうを見れば陽は和らいで>>45]
いや、余計な口をきいた。悪かった
[用意してくれたシャツにも、これだとアイアンメイデンを着て歩く感じになるわと苦笑へ戯言を返しながら、礼の言葉は率直に述べた>>45 心にもないことも、心からの言葉でも、いずれも素っ気ない温度の声なのだから同じことだ]
5年は長いか短いか。 保守的になるのは此処が好きだからだろう?
(49) 2019/07/28(Sun) 02時頃
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/* この面子の飲み会ちょうぜつ混じりたいけどオッサンが呼ばれることは屹度永遠にないんだな……
(-14) 2019/07/28(Sun) 02時頃
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いえ、……ありがとうございました また助けて頂いて
[周囲へと詫びる声に、遅れての感謝を告げる。 不可解な点はいくつかあれ、彼は彼なりの正義に基づいて動いたのだろうことは理解できる。 素早く制圧したことで、他の乗客に至っては鳥渡した余興を堪能したと、どこか高揚する空気さえ漂っていた。
停車駅に降り立ち、徐々に小さくなる姿が消えるまで、窓越しにじっと見つめる。 再びレールの上を滑り出した車内では、まるで何事もなかったかのように、差し込む夕陽が街と海を朱く煌めかせ、車両のあちこちに飾られた木彫りの人形を見つけたと少女のはしゃぐ声、それから。
『さっきの顔みたァ?マジやばくない?』 『あーん、アタシもあんな風にお仕置きされたぁい』
──何とも反応に困る黄色い声には、聞こえぬ振りを。]**
(50) 2019/07/28(Sun) 02時半頃
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/* これは私が言ったわけではないので……
(-15) 2019/07/28(Sun) 02時半頃
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[どうしてもと言うなら肩を貸すもやぶさかでないが高いぞ、と比較的柔らかい声で素っ気なく返し]
しかし──電話が遮ったにしてもずいぶんあっさり引かれたな もう少し熱心に口説いても良さそうだったが、機嫌を損ねたくないか。……もしやお前、偏屈だと思われてる?
[初対面の氏の表情バリエーションは知らず>>30、けれど言葉の途切れ方から、断られるのは意外だったのではなどと想像した。 自分のことはチェストに放り込んで、友人を偏屈呼ばわり。
結局、一年ぶりの再会を終えてホテルにチェックインするのは、日が沈む頃になろうか**]
(51) 2019/07/28(Sun) 02時半頃
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/* ハワードのおしり いいよね わかるよ>>48
(-16) 2019/07/28(Sun) 02時半頃
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執事 ハワードは、メモを貼った。
2019/07/28(Sun) 02時半頃
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/* 起きたらやること
・ホテルへの手配の確認 ・ソウスケ様の様子を窺いたい ・マダムにもちょっと触れたい ・事務所に行く ・前にオスカーのとこに寄れそうなら寄る
(-17) 2019/07/28(Sun) 02時半頃
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/* >>>> トレイル様 <<<<
メモで様付で呼ばれるだけで動機息切れが激しくなるので多分これから先も沢山しぬことになる。
(-18) 2019/07/28(Sun) 02時半頃
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銀行屋 ザーゴは、メモを貼った。
2019/07/28(Sun) 02時半頃
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─市場─
[暖まった懐で向かった先は当然のように市場だった。 ペルセウス・マーケットに先駆けて開店している飯屋の露店を物色しながらブラブラ歩く。 途中、鳥を肩に乗せた男に近づいてゆく顔見知りの後姿>>0:111を見かけた気がした。あの食堂の店員も、あんな風に印象的な明るい髪の色をしていた筈だ。 ほんの少し、立ち止まる。 観光客の若者が、急に止まるなよと言いたげに眉を顰めて、彼と足元の猫を避けるようにカーブして通り過ぎる。
…、新しい人の流れが出来て、すぐに彼と猫と視線の行方は飲み込まれた。]
(52) 2019/07/28(Sun) 03時半頃
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あーーー メシ。買お。
[肉とタレの焦げる香ばしい匂いがする。すぐ近くだ。 彼は止めていた足を動かして目的の露店探しを再開した。]
(53) 2019/07/28(Sun) 03時半頃
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[露店で購入した鶏肉とプチトマトが交互に刺さった串焼きを、あっという間に竹串だけの姿に変えて。 唇についた甘辛いタレをちろりと舐め取る。 足元ではブチ猫と茶猫が生魚を頭から丸ごと齧っていた。 漁港で規格外の魚を安く譲ってもらうのは殆ど日課のようなものだ。 硬い骨がリズミカルに砕ける音が港町の喧騒に溶け込んだ。
茜色がオレンジの屋根を一層色濃くし。 気の早い灯りがポツ、ポツ…と点り始める時分。 猫達はゴロゴロと喉を鳴らし。 腹が満たされ機嫌良く伸びをする。
特に手を伸ばして撫でることは無いけれど。 足元に擦り寄ってくるから其れはそれでいいと思っている。
あの近くて遠い街灯りと同じで。 暗い石畳を照らしてくれさえすれば其れ以上は求めない。]
(54) 2019/07/28(Sun) 03時半頃
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明日からはマーケットも始まるなァ。
[つまり、オシゴトの時間だ。]
、あーーーーー…
[不意に顔を顰める。前回の苦い思い出が蘇ったせいだ。]
今回はヤベーやつに見つからないようにしねェと。
あんにゃろ。めいっぱい腕掴みやがって… しばらく指の痕残ったンだからな。
[調子よく観光客からシアワセのお裾分けを無断拝借していたら、不意に鍛え上げられた腕>>0:147が伸びてきて邪魔するように此方の腕を掴んできたのだ。 ナニを言うでもなく全くの無言だったが、じろりと睨んできた双眸の剣呑さはまだ憶えている。あれは間違いなく数々の荒事を渡ってきた野郎だ。 警察に突き出されなかっただけマシ。だがアレでケチがついて……前回の成果は散々だった。]
(55) 2019/07/28(Sun) 03時半頃
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[『スリには気をつけましょう!』なんて陳腐な張り紙を街で見かけたことはあるし。 前回だって綱渡りだった──いつまでも捕まらない保証はない。 アタリマエのように皆働いているんだから。 自分も同じようにすればいいのかもしれない。
でも。]
……・・・
夕陽 沈ンじまった。
[水平線に今は姿を消した太陽を仰ぎ見るのに似て。 自分には、すこし、眩しいのだ。*]
(56) 2019/07/28(Sun) 03時半頃
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─海の寝どこ亭─
[ペルセウス・マーケットの始まりはいつも此処と決めていた。 次から次へと店の入り口を跨ぐ客>>13に混ざるようにして、いささか緊張気味の顔が暗い夜から引っ張り出されるように明るい店内へ足を踏み入れた。 なお、油断すると足元をうろついているブチ猫はお留守番だ。 流石に飲食店に猫を連れて入れない。]
あーーーーー 、… え ッと、
[こじゃれた珈琲ショップで長い名前のこじゃれた飲み物を頼む時の緊張感によく似たやつが襲ってくる。 何度も来ているのに何度でも慣れない。 席に案内され、乾いた唇を舌で軽く湿らせてから、]
…、ハイボール。 と、 チーズ で。
[注文して、ちらと上目遣いにウエイターの顔を伺った。**]
(57) 2019/07/28(Sun) 03時半頃
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――前日――
[帰宅後は、夏の暑さに負けたのもあっていの一番にシャワーを浴びた。 汗を流し、傷を洗い。時々水とソープが沁みるのに眉をひそめつつ、身体を清めて作業場に戻る、と。]
……あ。
[そこでようやく、開けっ放しの窓に気付いた。 何ならBGMに利用していた気に入りのジャズナンバーも、最終トラックを再生し終えて久しいまま、次のディスクを待っている状態だ。]
(58) 2019/07/28(Sun) 05時頃
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[念の為作業場の様子を確認したが、特に荒らされたような様子はない。 カーテンの端に、可愛らしい足跡のスタンプが残っていたくらいのもの。 それはまあ、軽く洗えば落とせそうだ。]
やー……けど、これは、何というか……
[鍵は閉めたとすっかり自慢気にしたことを思い出して、耳が赤くなる。 アリー本人には知られていませんように、と内心祈りながら、マーケットの準備を再開した。]
(59) 2019/07/28(Sun) 05時頃
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[準備するものはマーケットに並べる品ももちろんだけれど、何より灯りが欠かせない。 日暮れから立つ市は夜通し続く。 例年早めに店じまいをして逆に買い物に行ってしまうが、それでも少しは灯りがなければ、品物を見てもらうこともできない暗さだ。
花や小鳥を透かし彫りにした板の裏に乳白色の樹脂を組み合わせたキャンドルホルダーをいくつも吊るすのが、毎年の恒例になっている。 その灯りを売ってくれと何度か頼まれたこともあるのだが、元が木な上中の樹脂もそれほど強いものを使っていない。 つまり安全の保証ができないということで、今まで人に譲ったことはなかった。 これに火を入れるのは、唯一星の流れる市だけと決めている。]
(60) 2019/07/28(Sun) 05時頃
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――ペルセウス・マーケット――
[手彫りの『So』の看板を掲げるのは普段の工房前ではなく、賑わう港の方だ。 市電で数駅、海風がずっと濃くなる港の広場に、簡素なテーブルを置いて商品と名刺を並べるのが常のこと。 木彫の人形、小さなチャーム。壁掛けのレリーフやチャイム、素朴な音の笛やらが所狭しとひしめき合う。
金属のポールに布を張っただけの屋根からキャンドルホルダーを吊るし、マッチを擦っては蝋燭に火を入れる。 微かにエスニックな香りのするキャンドルは、潮の匂いに混じって仄かな存在感を主張していた。]
(61) 2019/07/28(Sun) 05時頃
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……―― ふぁ。
[そうして、一通りの準備を終えたあと。 己が作り上げた小さな城の、どこか幻想的な雰囲気とは真逆に、情けなくも頬に絆創膏貼った露店の主人は欠伸を噛み殺していた。 昨晩結局ほぼ日が昇りかけるまで、追加の作品を彫っていた報いだ**]
(62) 2019/07/28(Sun) 05時頃
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── 土曜日・朝 ──
[日に日に目覚めが早くなるのは加齢の所為でもあるだろうが、この日は違う要因もあった。
海岸線沿いの歩道を、暁光射す中をゆったりとした足取りで走る。全盛期ほど肌に張りもなく、船で働く同世代に比べたら肉の隆起も浅いが、執事としての職務を果たすための体力や見目の維持のため、何十年も続けている日課の一つ。]
やあ、おはよう!オスカーにロバート いよいよ今年の流星群が始まるな
今日は星が良く見えそうだ
[犬の散歩や、同じくジョギングに勤しむ住人に声を掛け合い、一定のルートを走り終える頃、朝の始まりを報せるように、港の車庫から始発駅へと走り出す。
水分を摂り、首に提げたタオルで汗を拭い、赤い背中を見送りながら帰路に就くのは、ここ最近増えた習慣。]
(63) 2019/07/28(Sun) 08時頃
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[執事として従事する予定はなくとも、抱えている仕事はある。 例えば顧客が宿泊するホテルへの様々な手配。 定期的な依頼や、自宅にて直に御世話をするのでない場合、顧客との事前打ち合わせはより綿密なものとなる。>>8
ザーゴ=シェーンベリ氏の体質は特に、細心の注意を払う必要があった。細やかな注文を叶えらえるホテルを探し、足りないものは此方で手配、或いは本人の私物を持ち込み、指示通りに配置。 滞在中に部屋を訪れる従業員も指定し、注意を徹底した。手袋越しでも握手は控え、深く腰を折り、好い時間を提供できることを約束した。
違えることなく、無事に5回目の約束を果たす今年。>>7 ホテル側も慣れただろうが、それでも、チェックイン前後の確認は怠らない。環境や経験によって、症状が変化することも考えられる。
特に苦情や追加の要望がなければ、引き続きのケアを念押した。上乗せされた報酬の幾らかは、ホテルへチップとして還元したが、それでも十分な額。 遠慮なく受け取るのは、プロとしての矜持。]
(64) 2019/07/28(Sun) 08時半頃
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[──事務所に立ち寄り、必要業務や報告を終えると、予定の時間より早くマーケットへと足を向けた。 まずは数刻前にも顔を合わせた馴染みの靴磨きへ。]
やあ。久しぶりに君の仕事ぶりを勉強したくてね ……頼めるかい?
[そう笑いかけ、差し出すのはやや年季の入った白のウイングチップ。時折相棒の毛並みを梳きながら、視軸は少年の鮮やかで無駄のない手元から動かない。これだけの才能があれば、弊社の専属コーチとして十分に働ける、と、あながち冗談でもないスカウトを向けるのも何度目か。
今宵も同じ文句で口説き、同じ数だけのお断りを受け。]
(65) 2019/07/28(Sun) 08時半頃
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うん、いつ見ても素晴らしい。ありがとう 今夜のマーケットで、君に素敵な出会いが ありますように
[靴の手入れは日々欠かさぬし、然程汚れているつもりもなかったが、ビフォーアフターを並べれば違いは歴然。 左胸のポケットから取り出す二つ折りの財布。船乗りから弾んで貰った報酬は、ここで靴磨きの少年と相棒へのチップに変わる。
特に何かの注意を添えるでもなく中を開くのは、パスケース部分に何が挟まれている、この少年は知っているから。]
(66) 2019/07/28(Sun) 09時頃
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[──嘗て、今と同じかそれ以上のチップと代金を預け、 街の似顔絵描きへ代理で依頼して描いて貰ったもの。>>0:101
冬の星空と、赤い電車と。 裾の広がったロングコートに身を包んだ青年の横顔が、掌ほどの紙片にバランス良く収まっている。キャンパスの小ささと構図によって、個人を特定するのは難しい。
誰、と分かるのは屹度、モデルとなった本人だけ。 ──彼を描き慣れた絵描きなら、察しはつくかもしれないが。>>0:23]
(67) 2019/07/28(Sun) 09時頃
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