250 ─ 大病院の手紙村 ─
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/* ソロルだからって好きなペースで書きすぎ問題。 ごはん食べてから続き書きます…… またギリギリになるぞ!急げ!
(-18) 2018/09/23(Sun) 19時頃
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/* 手紙村ってさぁ こう、出来るならさぁ コンプしたくなるよね ならない?
諸々済ませつつアオ[[who]]さんへのお手紙考えるぞ
(-19) 2018/09/23(Sun) 19時半頃
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/* アオさん!!!!めっちゃしわくちゃなん送った!!!!
あらため!フローラ[[who]]さん!!
(-20) 2018/09/23(Sun) 19時半頃
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[ 一瞬、部屋の入口に立ち尽くしていた。]
……ああ。 今日はな、プリン買ってきてやったぞ。 食うだろ? 一緒に食べよう。
[ 詰まった息を吐き出すように、加賀は言った。
その子は嬉しそうに頷き、 「 抽斗にスプーンがあるよ 」と言った。 母親が、ある程度のものは揃えているらしい。
木のスプーンをつけてもらっていたが、 使い慣れたもののほうが良いのだろうと、 加賀はそのときようやく思い至る。
慣れた手つきでベッドサイドの抽斗を開け、 その子はスプーンを二つ探り当てた。]
(38) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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[ 蓋を開け、加賀は丸っこい瓶を一つ渡してやる。
器用にそれを食べだした姿に少し安堵し、 加賀は何をするでもなく、それを見ていた。
スプーンを一つ手渡されてはいたが、 加賀は甘いものが好きというのでもなく、 自分の分など買ってこなかったので当然だ。
スプーンを指の間に挟み、 手帳をぺらぺらとめくっていた。 最近はスマホが便利などともいうが、 手書きというのが加賀に馴染んだやり方だった。
しばらくは静かだった少年は、 プリンを一つぺろりと平らげて、 加賀の言葉を待つように、顔の角度を上げた。]
(39) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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[ 一瞬の沈黙のあと、口を開いたのは少年だった。
「 よく覚えてたね 」とその子は言った。 少しの間があき、「 ぼくの好物 」とも言った。
するりと、言うべき言葉は簡単に浮かんだ。]
……聞いたんだよ、ママに。 正直、聞くまでは忘れてた。ごめんな。
[ 下手にすべてを嘘で塗り固めないほうがいい。 と、嘘をつき慣れた加賀はよく知っていたし、
加賀は、自分の子がなにを好んでいたかなど、 もうどんなに記憶に潜ったって思い出せない。
「 パパらしいね 」とその子は言ったので、 加賀の選択は間違いではなかったのだろう。]
(40) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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ほら、貸せ。瓶とスプーン。 洗ってきてやるから。
[ 手を伸ばし、少年の手元からそれらを受け取る。
触れた指先が、その子の体温を拾う。 じとりと湿っているようにさえ思い、 加賀は動揺を懸命に押し隠した。
手早くスプーンと瓶を洗い、 加賀はそれでも病室へとまた戻った。
タオルの類の使い分けなど分からなかったので、 ティッシュを取り、スプーンの水気をふき取る。 その子が饒舌に語るのを聞きながらのことだった。]
(41) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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/* フローラさんかぁ〜〜〜〜〜〜自分へのお手紙ぱーとつーいくか
(-21) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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[ ティッシュを敷いた上に瓶とスプーンを並べ、 加賀はしばらく、その子の話に耳を傾けた。
あちらこちらに話が飛んだが、 今日も今日とて加賀の役割は、 飽きた様子を見せずに相槌を打つことであり、 これならばAIにだって取って代われそうだ。 と思いながら、ひたすらにその子の話を聞いた。
昨日と少し違うのは、話が過去に遡り、 加賀の知らないパパとやらの姿が垣間見えたことだ。
面白おかしく自身の昔話を語るなど、 加賀が依頼人に聞いたパパの姿とはつながらない。 彼らが昔住んだ家に広い庭があったことも、 ……よく、両側から両親を手を繋ぎ、 近所を散歩したことも、加賀には初耳である。]
(42) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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[ ……あの女。と加賀は内心思う。
適当に話を合わせ、微笑み、 時折「 そうだったか? 」と忘れたフリをしながら、 相手の目が見えないのをいいことに、 加賀はずうっと、苦々しい表情を浮かべていた。
あの女の仕組んだ嘘がバレようが、 加賀にはなんの不利益もない──いや、 もう数日分の報酬が惜しい程度のことで、 何も心を痛める必要などないはずであるが、
久々の再会と相成った我が子が目の前にいるとして、 思い出話にひたすら相槌を打つばかりで、 こちらからはエピソードの一つもない、というのは、 あまりに不自然であるように加賀は思った。]
(43) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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[ ……思って、加賀はゆっくりと口を開く。]
……ああ、おまえは昔から、 砂遊びが好きだったよなあ。 たまに公園に連れてってやると、 砂場から離れようともしないで。
つるつるの泥団子を作ってやったら、 喜んでしきりに撫ぜていただろう。
[ 覚えているか、と加賀は声に笑みを含ませたが、 当然、それは首をすげかえた他人の思い出である。 目の前にいる盲目の子のエピソードではない。
幼少のころの記憶なぞ、 いくらでも誤魔化しはきくだろうし、 そんな覚えはないと言われたとて、 忘れてしまっただけだろうと笑えばいい。]
(44) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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[ 案の定、「 そうだったっけ 」と言った子に、 加賀は知らんそぶりで、笑って言ってやる。]
忘れてるだけだよ。 なんせ、小さい頃の話だからな。
[ 「 そうかも 」と少年は笑った。
気づけば日が暮れかけており、 加賀は、乾いたスプーンを手に取り、 ベッドサイドの抽斗に戻してやる。
抽斗の中は、几帳面に整頓されており、 トレイごとにモノが分類されていた。
そういえば。と、少年が苦労なく、 抽斗からスプーンを取り出したのを思い出した。]
(45) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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──…………。
[ ほんの、気の迷いだった。
加賀は手帳にペンを滑らせ、 途中、迷ったようにペンを止めつつも、 千切った頁を、トレイの底に忍ばせる。
「 どうかした? 」とその子が言うので、 加賀は、スプーンを戻しておいた。と答えた。
……瓶は、帰りにゴミ箱にでも捨てよう。
そう思い、加賀は立ち上がり、 「 そろそろ行くよ 」とその子に言う。]
(46) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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もうこの部屋から出られないかもしれない君へ
君がこの手紙を読むことなどないのだろう。 可哀そうだが、君を取り囲む世界など嘘まみれだ。
だが、もし万が一にも君が、この手紙に気付き、 ……或いは、違和感の正体を看破するなりして、 真実を突き付けてくるようなことがあるならば、
その時は、願いの一つくらい叶えてやってもいい。 ふざけた名前の神さまなんぞに縋らなくとも、 おまえの望みの一つくらい、 お父さんが。
(-22) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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[ 千切り取られた手帳の1頁。 文章の終わりだけ、筆圧が弱く、 奇妙に間が空いている、そんな走り書きだ。
とある入院患者の部屋に忍ばせたはずの手紙は、 いつしか貴方の身の回りに、紛れ込んでいる。]
(-23) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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[ 立ち上がろうとした加賀に、その子は声をかけた。 「 パパ 」と呼ばれて、加賀は思わず動きを止めた。
人と話すとき、首を少し傾けるのが、 その子の癖であるようだった。薄く微笑んで言う。
「 たばこ、やめればいいのに 声がなんか、ガラガラしてるよ 」
加賀がぎょっとした顔をしたことも、 その子にはわからないのであろう。口を開く。]
──そうだな。
[ 今度こそ立ち上がろうとした加賀の手を、 その子はやはり今日も握り締め、 「 明日も来てくれるよね 」と、穏やかに言う。]
(47) 2018/09/23(Sun) 20時頃
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/* わーーー! 加賀さんから!手紙が!きた! しかも今父親関係のこと落とそうとしてたら! おいしい手紙が!きた!!
うわー、ほんと加賀さんすき…… 明日なんて返そう…
(-24) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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ほんとにいるんだ、リ・ジアンさま……
[ 未だふわふわとした心地のまま 届いた紙を手にベッドの上でごろごろして そうして僕は気が付くのだ。 ]
………っ!! 僕のも送られた!?
[ がばっ! 勢いよく起き上がればげほげほと咳き込んで ややあって呼吸を落ち着けたなら 日記のノートをぱらぱらと慌てて捲る。 そういえば、捨てようとしてた紙を挟んでいたはず。]
(48) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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…………ない…
[ たぶん、きっと。 捨てた覚えもないし、 他に送られるようなものもない。
ただの男子高校生の愚痴を零した日記。 あれを送られたからなんだという話だけれど 送られた人は困惑していることだろう。 せめて受け取ったのが どうか知り合いじゃありませんように。 そう祈りながら僕は小さくため息を吐いた。 ]
(49) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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[時間が止まったまんまのアタシは おんなじくらいの女の子だって ニコニコ笑って、小児病棟の子みたいに 無邪気に、クレヨン握った。
動く椅子にも、ぐるぐるの下にも アタシはなんにも言わなくって
たったひとつの、オシャレなほーたいに したいね って。]
(50) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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[それが、ほんとのほんとの ハジメマシテ。]
(51) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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[会おうと思えば、すぐに会える女の子に 出会うたんびに、ハジメマシテ。
どのアタシも、きっと その子とお話できて、いっぱい喜んだけど 起きたらおわりのリセットステージ。
年頃の女の子は、噂話が大好きだから 多分、あることないことお話しては アタシ、くすくす笑ってたんじゃ、ないかな。]
(52) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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[でもね、そんな、お話好きなアタシにも どうしても、お話出来ないこともありました。
ここに来てからの時間のこと ここのこと アタシの見てる世界の、はじっこにゆれる 赤っぽい、茶色っぽいのと、 同じ色の髪をした、おねーさんのこと。]
(53) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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[それから、それから、 …………]
(54) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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[握った紙切れと、可愛いお手紙。 にっこりお目目は、じぃっとみつめて。 そして、まぁんまるに、なったんだ。]
……おとー、さん?
[なんでだろう とっても、おかしなかんじのコトバ アタシの口は、それを、初めて言ったみたいに へたっぴに、呟いた。]
(55) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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[■■■■■、 ■■■■■。
誰かと一緒に、追いかけて おっきな背中、つかまえた。
────埃の下、うずもれた一幕。]
(56) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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[白い服のおねーさんが びっくりしたみたいな、顔、したからね。 アタシ、その紙をどーんって、見せて。]
あのね おとーさん、だって。 メイの、おとーさん。来てたの? アタシ、寝てたのかなぁ。
[真っ黒に塗りつぶされたとこに 自分の名前があるなら、いいな、って。
おねーさんの、おかおは なんていいたいのか、よく、わかんないけど。]
(57) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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[あとね、あとね、って。もういっこ。 オレンジの封筒に入ってた、お手紙。 アタシの知らない、お名前と。]
あったこと、ある。
[アタシの知らない、ワンシーン。 カンチガイなのかも、って、思わなかったのは ちゃんと、アタシのお名前を、書いてくれてたからなのかな。 お友達のお顔は、忘れたこと、ないんだけどなぁ。 なんだか、とっても、不思議な気分だったけどね なんでだろ、なんでだろって、おもってたら。]
(58) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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[ ぷ っつん ]
(59) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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[アタシはちゃんと覚えてるよって。 そうやって、センセーたち、困らせるのは 今でもまったく、かわんない。
学校への道、お友達の名前、近所のわんちゃんに、花壇のお花。
全部全部、知ってるもんって。 じゃあ、■■■は? って聞かれたら あれれ、って、なって。ホワイトアウト。
そして、ちょっとしたら メイはもっかい、にっこりわらって 知ってるの、すごいでしょ? って ■■■のことは、なかったことに、しちゃったの。]
(60) 2018/09/23(Sun) 20時半頃
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