167 ― さいごの手紙 ―
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企画書(清書)
目的:空を見上げる機会を増やす 今日は、新しい星座を皆さんで探してみましょう。
狼座 → 素敵ですね! 煙草座 → 火は一等星ですか? 珈琲座 → 珈琲がお好きなんですか?
ナナボシ放送局 イアン 明日、企画を提出しようと思います、有難う。
[切れ端ではない原稿用紙を四つ折りに畳んだ。 青ではない、黒いインクの走り書きで まだペン先が真新しいのか、細く掠れている。]
(-24) 2015/09/01(Tue) 20時半頃
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[すらすらと原稿用紙を走るのは、真新しいペン先。 放送局の、デスクの備品を拝借したものだ。 矢張り書き慣れないインクは、ところどころ掠れた。
遠く、汽笛が響き渡る。
明日の原稿を如何しようか、考えながら 繰り返した所為で皺が寄った方の原稿用紙を空に透かした。 この企画が通るか如何か、如何かな。 空の眩しさに目を細めた。]
煙草座………
[その一点を眺めて、記者は笑う。 どうやらこの受取人は、随分ユーモアが富んでいるようで。]
(31) 2015/09/01(Tue) 20時半頃
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フランクへ
昨日はどうだ、今日はどうだ 明日はどうだ、ってラジオに聞かれたよ
いつもと変わりはしない日々さ 君からの手紙と、星が降ること以外はね
君の本を見つけたよ なんとも、退屈な本だった ……なんてね、泣くなよ? 最後まで読まなきゃ、感想なんて言えやしない
(-25) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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大事なものは捨てない、って言っただろ
おかげで俺の部屋はものだらけ 頭の中も大混雑だよ
さて、星が降るのは今日だったか、明日だったか 今日も夜を見上げてみよう
Ralph
(-26) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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[薄茶色の便箋。 手帳の上で書いたそれの、ラインにはまっすぐフォントが並ぶ。
名前の横に、下手くそなひよこの絵を添えて――それがひよこに見えるかは書いた当人にもわからない――薄紅色の封筒とともにぽすとへと託された]
(-27) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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イアン[[who]]
(-28) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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[深夜、浜辺でみたきらきらと落ちる流星群の余韻が、まだこの胸に残っている]
せっかくの双眼鏡、持ってくの忘れちゃったしなあ。
[今日も日課の家庭菜園に水をあげながら。 ポストを開ければ手紙が4通と、絵葉書。
真っ先に住所がここで合っているのかを確認した。だって、こんなに手紙がいっぺんに来ることなんて無いもの]
星空の便箋、一枚で終わりかあ。 よし、新しいものと、絵葉書と。
あとはー、
[いるものを指折り数えれば、麦わら帽子をかぶって外へ出向いた。
未だ、蝉の声は――― どうしてか、いつもより蝉の声が静かな、そんな気がした]
(32) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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[買い物を済ませ、帰路を辿る。 家に帰れば手紙を書いて、またここまでおりてくるんだから、買い忘れがあっても問題はない。
空を見上げた。 真昼の星、と表現すればいいのだろうか。 不思議に思うも、不審に思う事は、なかった ]
(33) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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ユージンさんへ
はじめまして。 私としたことが住所を間違えてしまうなんて。恥ずかしい。 ご丁寧に返信ありがとうございます。 間違えたことに気付かずまた送ってしまうところでした。
いえ!謝るのはこちらの方です。 大したことは書いてないですし、読んでいただいたお陰でこうやって、巡り逢えたわけですし。
ええ。流星群がやってきていない、普段の星空でも凄く綺麗なんです。手を伸ばせば掴めそうなくらい鮮明で。 話がずれてしまいました。 ……そうですね。そうだと嬉しい。忘れられてやしないかって、とても怖いんです。
(-29) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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昨日、星が降りましたね。はじめての方とこんなお話が出来るなんて思ってもなかった。 ユージンさんも見ましたか? 手を伸ばせば、掴めそうでした。
ありがとうございます。少しばかり元気をもらいました。 ユージンさんはお優しい方ですね。
貴方に降りそそぐ光が目映いものでありますよう。 どうかお身体にお気を付けて下さいませ。
メルヤより
[間違えて送ってしまった時と同じ、星柄の便箋で]
(-30) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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こちらメルヤ、感度良好おーけい。 ヒナコ、はじめまして。 宇宙まで届いてくれなかったのは、残念だな。 ……冗談よ。届くなんて、思ってなかったから。
もちろん。貴女の目に触れて、お返事までもらって。 これ以上望むことなんて無いよ。
ありがとう。想いをつかまえてくれて。
(-31) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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お手紙ありがとう。 いつもラヂオ聴かせて貰ってます。
双眼鏡は遠方のおじいさまがプレゼントしてくれたの。 母と一緒に、賑やかな都市まで買いにいってきたんだ。 でも流星群を見たのは浜辺で、双眼鏡持っていくの忘れちゃった。
願いごと、は無いかな。私が何かを望むなんておこがましいって思ってるから。
匿名でも、記名でも。お好きなように。 代わりに、IAさんのことも教えてもらえるととても嬉しいです。
メルヤ
(-32) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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ラルフさんへ
ほんとう?ありがとうございます。 昨日の流星群、ラルフさんも見たでしょうか。 蝶々は今の季節あまり見かけませんが、空を見上げたでしょうか。 私は浜辺で寝転がってみていたので、砂まみれての姿を母にこっぴどく叱られてしまいました。
中々、手を伸ばしても、掴めないものですね 同じ空を見上げていたなら、幸いです
メルヤ
(-33) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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絵葉書とどいたよ。 いつもありがとう。近々、また沢山のお野菜を持って母とそちらへ尋ねます。 今年は、トマトがとっても美味しくできたんだ。
昨日の流星群、ザックさんも見た? とっても、とても。綺麗だった。
メルヤ
[所々に、赤が鮮やかにひかる金魚が描かれた絵葉書。 少し丸みの帯びた文字がその上に踊った]
(-34) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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[ポストへ手紙を投函する。 なんてことはない、いつもの日常。
だけど、少し、少しだけ。 なにかが変わってしまったような、これから変わっていってしまうような。 そんな気がした ]
(34) 2015/09/01(Tue) 21時頃
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[川辺は星の話題で盛り上がっていただろうか。 それとも晴天の中の輝きを見つけた男達が、 獲物の引きにも関わらず、空を見上げていただろうか。
翁はねぐらで、たっぷりの昼寝をとっていた。 空を見上げ過ぎて、腰が、首が、ほんの少しだけ痛くて。]
………、はァい?
[車輪がぎぃぎぃと去っていく音がして、目を覚ます。 自転車、だろうか。 戸の立て付けは相変わらずでも、一つ違うことがある。 昨日、猫に揉み起こされてから思い立って作り直したのだ。 あの時は、何かせずには居られない。そんな心地だった。
新しい白木の郵便箱。 いつか糸を買った時の箱を、郵便箱に仕立て直したものだ]
(35) 2015/09/01(Tue) 21時半頃
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おンや、こげに…?
[蝶番で留められた蓋を開いてみれば、 するすると幾つかの手紙がずり落ちて来る。 この間、久々にまともな手紙を書いたのだったが 返ってきた返事は送ったものよりも1通多くて、首を傾げた]
(36) 2015/09/01(Tue) 21時半頃
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[掃除夫は今日も空を見上げない。 夕暮れもとうに超えた深い夜。
微かな灯のもと、きらりと光るペン先を ゆるゆると温い水にくぐらせる]
(37) 2015/09/01(Tue) 21時半頃
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[部屋に引き上げ、まだ明るい室内で寝転がり 届いた手紙を順繰りに、検めていく]
…ふふ、覚えとってぐれたがやなぁ。
[一通目は、奇妙な縁の元に辿り着いた彼からの返信だ。 一文字一文字、昔よりもどこか小慣れた様に見える。 もう随分顔を見ていないが、ほんのり老けた顔が眼に浮かび 自分も笑い皺を目元に刻んだ。 さて、やつはおらんが、と開きっぱなしの戸を見やるが 今日は顔を出した形跡が無い。矢張り家猫になったのだろうかね。 肩をすくめ、文机にずるずるにじり寄って 一昨日の書き損じや、失敗の紙を探しつつ次を開く。
二通目、の差出人にまばたきする。 宛先を綴る筆跡に心当たりが無い。 開いてみて、読み進めて。……咳き込んだ。]
(38) 2015/09/01(Tue) 21時半頃
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捨てないために、捨てる依頼
大変結構、承りました
……と、申しましても万年筆の手入れは見様見真似 人に聞いて、馬鹿正直にそれを繰り返しただけです
あなたの望みが叶えられていますように
(-35) 2015/09/01(Tue) 21時半頃
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ッか、かふっ………ん、んんんんん!?
[あの習慣を始めたのはいつ頃だったか! 少なくとも初めて、彼–––若しくは彼女–––からの『返事』が届いたのだ。 いやいやありえない…と思わず手紙を閉じかけたが、 年を経た便箋上の美しいインクの色は何処か神秘的で、 文面から感じる素っ気ないようであたたかな雄大さは、 己が敬愛するそれに似ている様にすら思えてしまう。
だが肝心の、そのインクが綴る字は。 何やら、のたうったようで神々しさは無く。 誰かの遊び心ある気紛れだろう、と殆ど分かっているのに 逆に「もしかしたら」と思ってしまうような。 そんな絶妙さ。
さほど長くもない文面を何度も何度も読み返す。 同業者であればサイズに関して言及しただろうか。 一体誰が、どのような者が、と暫く頭を捻りながら どこか味のある魚の絵を指で撫でていた]
(39) 2015/09/01(Tue) 21時半頃
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[薄茶色の便箋に、包んで返す万年筆。 欠けていたとしても、そうとは気づかぬ掃除屋の出来ははたしてどうだったか。
薄紅色の封筒に、ただRと書かれて郵便ポストへ託された]
(-36) 2015/09/01(Tue) 21時半頃
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[三通目に、おや。と声を上げる。 彼女からの返事も来たとは。胸の中が擽ったく心地よい。 柔らかな文字から、彼女の釣竿を握る手を思い出す様だ、と 便箋を持ち上げれば。はらり、と便箋とは違う硬質の紙が落ち、慌てて拾い上げる。]
ん、焼げだなぁ。メルヤ。
[写されていたものにふと、昨日の己が重なってくすりと笑った。 そっと引き出しから鋲を出すと、文机の前の壁に翳す。 丁度いい場所をなんとなしに見つけると、ぷつり、と壁に鋲を立て。 その側に双眼鏡を立て置くと、満足そうに頷いた。 同封されていた別の字の手紙も読み終わる。 水の中に居るように、喧騒が、遠い。 心地よい。]
ほォ、こんなものが。
[ 四通目は心当たりの無いものだったが、 最後の差出人名に「心当た」った。 この手のものは初めてだ。先ほどの手紙も併せ、流星群の余韻は中々離れない]
(40) 2015/09/01(Tue) 21時半頃
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[少年時代、青年時代、壮年期… いつかで流星群を見た機会はあっただろうに。 この齢になってやっと、空を見上げられたのだろうか。
齢をとって、全てがゆっくりと、喧騒になる。 別の世界に引き離れていく。 それは少し虚しいことで、だけれど、だったからこそ?
どちらにしろ、ほら。 読み終われば、また耳が震える。
凭れかかるように身体を預けていた文机に、座り直る。 墨を、擦る。 夜の川みたいに真っ黒な闇が、こなれ、とろける。
騒音が帰ってくる前に、息継ぎして。 静かさの中へ、もう一度深く、深く、潜って、沈んで、 筆を取った。]
(41) 2015/09/01(Tue) 21時半頃
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[どこか後ろめたい手紙が手から離れたせいか、 ポストから上へと昇る視界には、 自宅からの往路には気にもとめなかった光景に気付く。]
そっか、今夜だった……。
[急がないと。 そう思って、商売道具でもある船へと駆け出していた。
ラヂオでは双眼鏡の準備を呼びかけていたけれど、 昔両親に買ってもらった双眼鏡は、 もうどこへしまいこんでしまったか憶えていない。
それを探している間に見逃してしまうのは、 とても勿体無く思って。]
(42) 2015/09/01(Tue) 22時頃
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っはぁ、 はぁ……。
[船着場に着くと、勢いのままに船へと飛び乗る。
グラグラと揺れるのも気に止めず、 船を漕いで、街明かりから離れるように上流へと。 そこまでしなくても、流れ落ちる星は十分に見られたのだけれど、 より好条件の場所で見たかったのだ。
青年が向かったのよりももっとよい場所もあったのだが、 今はその存在を知らないまま。]
この辺で、……いいかね。
[一度岸へと寄り、手近な木へと長めにロープをかけたなら、 櫂で岸を突き、なだらかに流れる河の中程へと。
そこで船に仰向けになって、降ってくる星をその身に浴びた。]
(43) 2015/09/01(Tue) 22時半頃
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[遮るものもなく、視界いっぱいの星空の中。 現れては流れ、消えていく星々。
初めはゆっくりとしたペースだったのに、 夜が深まっていくのに比例して、次々と―――。
雨のように降る様は、 青年が幼い頃に見た光景よりも遥かに綺麗で、
たった一人で見上げる夜空が綺麗すぎて――
このまま自分も、どこかへと流されてしまうような気がした。]
(44) 2015/09/01(Tue) 22時半頃
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/* 更新してから発言落とさないで寝てしまったのだな。
あぶないあぶない。
(-37) 2015/09/01(Tue) 22時半頃
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こんにちは。あなたの作品を読ませていただきました。 こういった恐怖ものは初めて読んだのですが、日常が侵食されていく恐ろしさにはらはらしながらページを進め、いつしかその恐ろしさをも楽しんでいる自分を発見したことは、新しい楽しみでもありました。続きを楽しみにしています。
暑い日が続いておりますが、どうぞお身体に気をつけて。
(-39) 2015/09/01(Tue) 22時半頃
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|
/*
お、や……… 流星群の夜がいつだかわからn
まちがえた???????????????
どどどどどおっどどう
(-38) 2015/09/01(Tue) 22時半頃
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