237 それは午前2時の噺。
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[途端、部屋一室を震わすような泣き声。 はた、と現へと戻った意識が一人の女から、母の顔を呼び起こす。 くしゃりと顔を歪ませて叫ぶように響く声は、人肌の揺籃を求めているかのようだった。 変化にこの子は気付いたのだろうか。気付いて、しまったのだろうか。 抱き寄せる腕は僅かに震えを灯していた。緩やかに、揺籃を、漕いでいく。]
……だいじょうぶ、だよ。ほら、だいじょうぶ。
[だいじょうぶ。ね、だいじょうぶだったでしょう。 あやす為に漏れたたった一つの言葉を何度も、何度も噛み締めるように繰り返す。 その言葉を取りこぼさないように。 消えてしまわないように、何度も。 何度も。*]
(-18) 2018/03/21(Wed) 23時半頃
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助手席のドアが開く音で、浅い眠りから目を覚ました。 徹夜明けの現場は30を過ぎた身体には応える。背中を伸ばすと骨が面白いように鳴った。大きな欠伸をして滲んだ目を擦るとカーナビに表示されている時間が見える。午後11時56分。助手席に入ってきた女性は雑にレジ袋を置いた。
「まだ動かないんですか〜?」
レジ袋から眠気覚ましの栄養ドリンクを一気に飲み干すと、六掛紫乃は仕事帰りに一杯引っ掛けた中年のような声を漏らした。 三割方はガムを摘み、くちゃくちゃと音を立てる。 斗都良町の繁華街の片隅に、1台のレクサスが停まっている。一眼レフのレンズを向けてから4時間が経過しようとしていた。
「現場ってこんな暇なんですか?」 「ゴシップってのはな、7割の暇と3割の一瞬だ」 「3割の一瞬って、全然一瞬じゃないですか」
六掛はため息をついて、レジ袋から冷えピタを取り出す。バックミラーを見ながら髪をかきあげておでこに貼った。
「どこ行ってたんだよ」 「お花摘みに行ってたんですよ。コンビニに」 「その割には随分長かったじゃねえか」 「女の子ですもん。色々かかるんですぅ〜」
(29) 2018/03/21(Wed) 23時半頃
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三割方は舌打ちをすると、ガムを包み紙に吐き出した。
「その間に一條が出てきたらどうすんだ、バカ」 「……だって私、新人ですし」
センテンススプリング。不倫から性事情までゴシップを得意とする出版社。三割方正はその前線でカメラとペンを武器とする記者である。彼は編集長の頼みで、入社したての新人記者、六掛紫乃の教育担当となった。
「撮れなかったらどうすんだ。責任取れんのか」 「……三割方さんだって居眠りしてたクセに」 「お前が原稿書けなかったからだろ!」
センテンススプリングは毎週木曜日に発刊される。火曜の会議で記事のラインナップが決まるため、月曜日までに原稿を上げなければならない。先日、国民的アイドルとニュースキャスターの熱愛記事の原稿を紫乃に任せたのだが、そのアイドルの熱狂的ファンだった紫乃はすっかり失望してしまいペンが進まず、仕方なく三割方が原稿を仕上げたのだ。
「私の青春だったんですよ!?コンサートだって何回も行ったのに……」
これ以上責めたら泣き出しそうな紫乃を前にして、三割方は頭を抱えた。
(30) 2018/03/22(Thu) 00時頃
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「まさか、国会議員までファンだなんて言わねえよな」
一條聖司。斗都良出身の国会議員で、人望が厚いことで有名だ。テレビのバラエティ番組から報道番組まで顔が広く、人当たりも良い。田舎町の聖人君子とまで呼ばれている。そんな一條を尾行していると、繁華街にあるガールズバーへ入っていった。店内は貸切状態。となれば、店から出てきたところを激写すれば記事はもう決まりだ。『独占スクープ!田舎町の性人君子!?』
「大丈夫です!私は塩顔が好みなんです」 「ケッ。そうかよ」 「三割方さんは泥顔ですよね」 「喧嘩売ってんのか」
煙草を咥え火をつけると、日付が変わっていることに気づいた。六掛は煙を浴びると露骨に怪訝な顔をして、車の窓を開ける。昼間の暖かさが嘘のように、今夜はよく冷える。シャッターチャンスには未だ程遠いようだ。
(31) 2018/03/22(Thu) 00時頃
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紅客連盟 イスルギがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(紅客連盟 イスルギは村を出ました)
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ねえ、何してるの?ねえ、帰らなくていいの? 誰かと遊んでたの?何して遊んでたの? お名前は?いくつ?何処に住んでるの?ねえねえ……。
[わたしはちょっとだけムカついていた。 さっきからずっと、真横のブランコに座ってその子にずっと話しかけてるのに、ちっとも返事してくれない! なんかドラマとかでよくある、なんぱ(へいカノジョ!ってやつ!)みたいでちょっとやだ。 無視するのはよくないことだよ!って誰も言ってあげなかったのかなあ……。
もしかしたらお友達ができるかもってちょっとだけワクワクしてた気持ちは、穴が開いちゃった風船みたいにしぼんでいく。]
ねえってばぁ……。
[ほんの少し地面から離れたつま先をぱたぱたさせても、頬っぺた膨らましても、ダメ。]
(32) 2018/03/22(Thu) 01時頃
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[わたしが黙ってしょんぼり下を向いてしまえば、後は公園にブランコの鎖が軋む音が響くだけ。 空はだんだん赤から紺色に染まっていく。]
……帰らなくって、いいの?
[もう一度、確認するみたいに、わたしはその子の顔を覗き込んだ。 俯いた顔は、逆光になって全然見えない。]
あんまり遅いと、お母さんに怒られたり、しないの? お夕飯に間に合わないよーって、言われたりしないの?
……もしそうなら、わたしと一緒。
[視線を落とせば、お気に入りのカーディガンが目に入る。 おばあちゃんが寒くないようにねって編んでくれたのに、やっぱりちょっと寒い。]
(33) 2018/03/22(Thu) 01時頃
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おうちにいると、思い出したくない大事な思い出とかが頭に溢れてきて、なんだか胸がきゅーってなるから……わたし、たまに誰もいない公園に遊びに来るの。
[ブランコに腰かけた女の子は、聞いているのかいないのか、ずっと黙って俯いたまま。 わたしも、カーディガンの袖をぎゅっと掴んで、ぎりぎり届かないつま先を睨む。]
……誰もいない方が、心が落ち着くかなって思ったんだけど、でも、誰かがわたしと一緒の気持ちかもって思うと、ちょっと安心しない?
[よく見れば、女の子の髪の毛はぼさぼさで、ボロボロの服から見える身体もがりがりだった。 おうちに帰れる子ばっかりじゃないのと一緒で、おうちに帰りたくない子の中にも色々いるのかもしれない。 ……そこまで考えて、ふと思った。]
……ねえ、もしかして、あなたがブラン子さんだったりとか、ないよね?
[信じてないけど!全然信じてないけど!一応確認!]
(34) 2018/03/22(Thu) 01時頃
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[そうしたら不意に俯く女の子の頭がふるふると横に振れて、小さい声だけれど「チガウ」って答えが返ってきた。 返事があったらいいなって思ってたけど、いざ返ってくるとびっくりしちゃうから、返事するときは返事するよって言ってほしいな!]
あっ?!あ、わたしもそんな変な名前じゃないよ! わたし、……エリっていうの!
[びっくりしすぎて笑えるくらい声が裏返っちゃったけど、その子は俯いたまま笑わなかった。
それでも、キイキイ鳴いてるブランコに消されそうな声で「……アヤ」って返事が返ってきたから、いいの!]**
(35) 2018/03/22(Thu) 01時半頃
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[テーブルの上には、運ばれてきたばかりのカフェオレと、『月間マー』。保良吹社が発行する月刊オカルト情報誌である。]
(36) 2018/03/22(Thu) 01時半頃
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[おばあちゃんに編んでもらったカーディガンが自慢の可愛い女の子のこと、覚えてる。
大好きなおばあちゃんが死んじゃって、悲しくなるから公園に来てた子。
わたしと一緒に遊んでお友達になった。
……だけど、わたしには、カーディガンを編んでくれるおばあちゃんなんて最初からいなかった。]
(-19) 2018/03/22(Thu) 01時半頃
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[ずるいなあ、って思った。
わたしはずっとひとりぼっちなのに。
だから、カーディガン、ちょうだい。
寒くないように守ってくれるあたたかいもの、ちょうだい。
……だめ?どうして?]
(-20) 2018/03/22(Thu) 01時半頃
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[……いじわる言う子は、お友達にはなれないの。
でも、みんな私にいじわると言うの。
お父さんからもらった頭のポンポンが大事な子 じぃじにつけてもらったエリって名前が自慢の子 ママが誕生日に買ってくれたガラスの靴が自慢の子
みんなずるい。ひとりぼっちだって言うくせに、全然ひとりぼっちじゃない。
だから、わたし、ちょっとずつもらったの。
これでやっと、寂しくない。]*
(-21) 2018/03/22(Thu) 01時半頃
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/* さて自分で書いててややこしくなってきた…… あといするぎさん待たせてたと思うからとてもごめんなさい。
(-22) 2018/03/22(Thu) 01時半頃
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/* えり すき
(-23) 2018/03/22(Thu) 01時半頃
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抜荷 錠がいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(抜荷 錠は村を出ました)
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[ 照明の温度すら計算されたショウ・ケースの中で、整列した主役達は、誰かに選び取られるのを待っている ]
(37) 2018/03/22(Thu) 01時半頃
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/*申し訳ない……ちゃんと村人でございます。頑張ります。
(-24) 2018/03/22(Thu) 01時半頃
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[ 誰も起きてはいない。
薄いサテン生地のカーテンを透き通る明かり。 飲みかけのコーヒーが通勤鞄の影に在る。
立ち昇る温かさを見下ろしながら、 痛々しい程の沈黙の中でネクタイを結ぶ衣摺れだけを聴いていた。
潔癖な沈黙を守る癖。 隣室で寝ている相手を「止むを得ず」で起こしたくはなかった。
" 全部綺麗に片付けないで。 一緒に暮らしてるのに一人で居る気分になっちゃう "
確かに、君の言う通り。]
(38) 2018/03/22(Thu) 10時半頃
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[ 静かに玄関のドアを開ける。
水滴一つ残していない机の上。 飲みかけのコーヒーだけが揺らめいていた。]**
(39) 2018/03/22(Thu) 10時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2018/03/22(Thu) 10時半頃
許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2018/03/22(Thu) 10時半頃
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/* wikiにチップCOの上、って記載するのを忘れてたか。 備忘録としてメモっておこう。
(-25) 2018/03/22(Thu) 11時頃
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斗都良町の繁華街。都会の真似事に過ぎないこの町は老舗の居酒屋はめっきり減って、チェーン店ばかりが立ち並ぶ。が、キャバクラやストリップ、風俗店など、いかがわしい店はどの町の路地裏にも付いて回るものだ。商業ビルの一角にあるガールズバーもその1つだ。まさかここに、この町の希望の星が入り浸っているとは夢にも思わないだろう。 車内で三割方が頬杖をつく隣で、六掛はコンビニで買ってきた雑誌を捲る。月刊マー。オカルトを中心に取り上げる月刊誌だ。
「日本にもオカルトブームなんてあったんですね」
三割方は仕事柄、月刊マーのカメラマンと顔を合わせたことがあるが、彼は酷くやつれていた。日本中の心霊スポットや禁忌と呼ばれる場所に足を運んだため、おおよそ説明不可能なほど身体に支障が起きており、あらゆる霊媒師が転職を志願するほど取り憑かれているらしい。あの会社の専属にだけはなりたくないと心に誓った。
「オカルトなんざ信じるんじゃねえよ」 「別にいいじゃないですか。趣味なんですよ」 「だいたい、オカルトなんて9割嘘っぱちだろ」 「嘘ならゴシップも似たようなものじゃないですか」 「ウチは3割真実なんだよ。3割は」
(40) 2018/03/22(Thu) 12時半頃
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ぷうっ、と頬を膨らませて六掛は雑誌を閉じる。
「ジャーナリズムって何なんですかね」 「知るか。糞食らえだ」 「……じゃあ私達の仕事って何の意味あるんですか?」
その質問に、三割方は答えなかった。 人様のプライベートを暴いて何の為になるのか。三割方自身もわかっていない。わかるのは、人はありのままの姿を知りたがるが、ありのままの姿というのは大抵ロクなものでは無いのだ。 そして、ロクでも無い姿を撮る者は他ならないロクでなしだ。
煙草を咥えると、車の窓を叩く音がした。 外にはサングラスをかけた男が立っている。三割方はその顔に見覚えがなかった。窓を開け、男の言葉に耳を傾けようとしたその時、窓が叩き割られた。サングラスの男は金属製の棒を窓に叩きつけたのだ。ガラスの破片が車内に飛散し顔に突き刺さった。六掛が悲鳴をあげる。三割方は声をあげる暇もなく、男に車から引きずり出されコンクリートに打ち付けられた。痛覚の信号が身体に行き渡る。顔を見上げた時には、もう全てが手遅れだった。男は既に手にしたモノを振り下ろしていた。頭蓋骨の砕けた音がした。煙草が口元から力なく落ちる。 三割方正は死んだ。
(41) 2018/03/22(Thu) 13時頃
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/* ?!?!?!
(-26) 2018/03/22(Thu) 13時頃
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/* プロローグで死人が出た……だと……
(-27) 2018/03/22(Thu) 13時半頃
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