191 The wonderful world -7 days of MORI-
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── 西エリア・彼ノ岸公園 ──
[ そうして、戻ってきた先に、 新たな競合者がいたことは、 ちょっとした想定外で、
なぜか、ブタに水浴びをさせている女>>331に、 おれは、コメントすることもなく、 それは間違いですよと教えてやることもなく、 ぺこりと、形だけは会釈した以外、 声をかけることもなく、歩み寄り、
── というよりも、まっすぐ、ブタに近づき、]
……どいて。
[ こっちはもう、答えが分かっているのだ。]
(336) 2016/06/12(Sun) 11時頃
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[ そして、おれはきみを振り返り、問う。]
── どうする?
”身柄を確保”なんだから、 殺しちゃ、ダメなんだと思うけど。
ホントに”餌”に反応するなら、 そこを、おれが捕まえる……かな。
[ 戦いに向かないおれと違って、きみの力は、 戦闘特化、と言っても差し支えないくらいで、
”確保する”って言葉に従うなら、 これほど、おれに打って付けのミッションはない。
言うなり、おれの腕には、 気味の悪い模様が浮かび上がっただろう。]
(337) 2016/06/12(Sun) 11時頃
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[ ── ほんとは、あんな話を聞いた直後。
トドメはやっぱりきみに、と言いたいきもちもあり、 やっとこさ、ここはおれにまかせて、 と胸を張れるようなきもちにもなり、
整頓されない頭の中、そのままで。
おれは、モブ参加者AとBはさておき、 といった調子で、きみの反応を伺った。*]
(338) 2016/06/12(Sun) 11時頃
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── わかった。じゃあ、やってみる。
[ おれは、きみにそう言って、 さっき拾ったおつまみの袋を、 その、すやすやと眠る食い逃げ犯とやらの前で、 べりべり と、開けて。
がさがさと、その中身を、掌の上に、出して。
── とすれば、ブタはこちらに向かってきたか。>>341
それを、おれは焦ることなく、 ソレが、餌に食らいつくのを、待ち構えている。 タダ飯の代償は大きいぞ、なんて、 言ってやることはないけれど、 ”おれの手に触れたら”、きっと動けない、って。
なんなら、目覚ましに一発、殴ってたってもいい。*]
(355) 2016/06/12(Sun) 12時半頃
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[ 確かに、やつは食欲の権化であった。
袋を開封する音か、かすかな匂いか、 何に反応したのかは、わからない。
けれど、小袋を開けると同時に、 その獣は、一目散に駆け寄って、きて。>>341]
(395) 2016/06/12(Sun) 17時半頃
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……バカだなあ。
[ 掌の上、”餌”に飛びつくピグノイズを、 おれは、静かに見ていただけ、で。
手助けはいらない、なんて、言わなくとも、 直に、ギャラリーたちにも分かっただろう。
小魚を貪るそのブタが、おれの肌に触れた瞬間。
── 前触れ無く、とも見えるタイミングで。
やっぱり、ばちん、とか、 音がしそうな決定的な感じがして、 ピグノイズは、文字通り、動かなくなる。]
(396) 2016/06/12(Sun) 17時半頃
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[ そうすれば、掌のタイマーは、少しは薄まっただろうか。]
……食べ物で目を覚まします。 東西南北、味の好みが違うそうです。 こいつは、塩辛い。
[ 他も聞けばよかった、って、 おれは気づき、後悔しつつも、
その丸々としたブタを”拾い上げて”、 その場に留まっていた参加者>>361に淡々と告げる。
東西南北。そのひとつをクリアして、 以前、掌のカウントダウンは、消えない。]
(397) 2016/06/12(Sun) 17時半頃
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── ネル、次に行く?
[ 話しかける先をかえて、きみへ。 おれがこうして持ってる限り、 ブタは動けない、はずだけど。
コイツはそこそこ邪魔だな、なんて、考えながら。*]
(398) 2016/06/12(Sun) 17時半頃
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[ 目の前の男が、昨日、何を見たかなんて、おれは、知らない。
掌に刻まれた数字は、今この瞬間も減り続け、 おれは、目の前の競合者がどうこう、とかより、 はやくミッションをこなさなければ、という思いでいる。
きみの提案に、男の反応は芳しく、 こちらに、方角を選ばせるような様子さえ見せた。>>406
── だから、おれは、遠慮なんてせずに、 会話に割り込むようにして、口をはさむ。]
── じゃあ、南。もらっていいですか。
[ このときばかりは、きみに尋ねることもなく、 まっすぐ、その、競合者ペアに向かって。]
(413) 2016/06/12(Sun) 20時頃
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[ 理由は、ふたつ。
ひとつは、単純。距離の問題。 モリ区の北端、というと、 またあのスクランブル交差点なんかを経由し、 ぐるっと、スカイタワーの方に出ることになるけど、 南なら、駅のほうに、ずうっと道なりに行けばいい。]
(414) 2016/06/12(Sun) 20時頃
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[ もうひとつは、彼らは知らないだろう。
さっきの、小魚をくれた死神の来た方向。 北の方角から、歩いてきた彼女は、 あっさりと、おれたちに質問の機会を与えた。
── 北で、他の参加者と会ったのかもしれない。
だとしたら、そいつもヒントをもらっている可能性は高く、 そして、このミッション、 ヒントがあれば、そう難しいクイズじゃ、なかった。
つまり、ポイントになる可能性なら、南のほうが。
……なんて、絶対、口には出さないけれど。]
(415) 2016/06/12(Sun) 20時頃
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[ ── もっとも、彼はともかくとして、 彼女>>412が、どんな反応を見せたか。
どうにもこのゲームの参加者の女の子は、 あまり友好的な態度を取る気がないらしい。
と、いつぞやの元同級生・森さんを思い出したりもして。]
(416) 2016/06/12(Sun) 20時頃
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[ そして、ミッションに使えそうなものは、 それがなんであろうと、使っていく方針である。
モブAあらため、 きみと楽しそうに話していた気の良さそうな青年が、 食料を差し出す>>406なら、 おれは、平然とそれを受け取るだろう。
もちろん、礼は言う。 ありがとうございましたと、頭は下げる。
こっちは食べものなんて持ち歩いていない。 代わりに差し出すものがないのは、仕方ないのだ。
なんて、変わらぬ表情の下で、考えながら。*]
(417) 2016/06/12(Sun) 20時頃
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/* ミームちゃんのト書きがとてもすきです
(-97) 2016/06/12(Sun) 20時半頃
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── 焦ってますよ。
[ 当たり前じゃないか。
北か南か。選べと言ったのは彼>>406だ。
これって、結構重要な選択だと思うんだけれど、 それを、こちらの判断に委ねようとするワタルさんとやらも、 無作為に決めようとする彼女>>418も、
なんだか、なんにも考えてないんだな、って。
思った、から。]
(424) 2016/06/12(Sun) 20時半頃
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ワタルサンたちは、焦らないんですか?
[ おれは、淡々と問い返す。
ああ、そういえば、昔から、 何考えてんだかわからない、って、 たまに言われては、いたけど。
焦らないわけ、ないじゃないか。 ミッションは、未だクリアとならず。 カウントダウンは、無情にも進み、
生き返りを賭けたゲームは、 ポイント制度以前に、 ミッションクリアを以て成立する、のに。]
(425) 2016/06/12(Sun) 20時半頃
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── 生き返る気がないなら、どうしてここにいるんですか?
[ その態度って、その選択って、 死んでもいいってこと、なんだろう。
── って、気もちを込めて、おれは首を傾げる。
こんな問答をしている間にも、残り時間は減ってゆき、 だけど、これは結構、おれにとって、 きみを取り戻したい、おれにとって、 大切な質問だったり、するので。
例えば、黙りこんで、答えてくれないなら、 おれは、きみに、次へ向かおうと促して、 歩き出そう、とは、考えている。*]
(426) 2016/06/12(Sun) 20時半頃
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[ 彼女の言葉に>>433、首を傾げるだけの反応を返した。
ルールが明示されているこの世界で、 彼女の言う意味は、わからない。
七日間で幕を下ろす世界の四日目に立って、 もう、往く先よりも、来た道のほうが、長いのに。
”やり方”なんて、たくさんはない。 ひたすらにポイントを稼ぐか、他者を蹴落とすか。 どちらも取らないなら、生き返る気がないなら、 ……とっとと、死ねばいいのに。]
(449) 2016/06/12(Sun) 21時半頃
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[ ── 答えは、聞けたけど、
それを、頭の中で反芻して、 やっぱり、生きる気、ないんじゃないか、って。 もうひとり、ワタルサンとやらも答えてくれたなら、 それも、噛み砕くように、しながら。]
お菓子。ありがとうございました。 ── ネル、行こう。
[ おれは、もう一度だけ頭を下げて、 きみとともに、南へ、南へと、歩き出す。*]
(451) 2016/06/12(Sun) 21時半頃
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── 南エリア:モリ駅付近 ──
[ きみが、言葉に詰まった>>522のと、 おれが、掌のタイマーが消えた>>#8のと、
きっと、ほとんどおんなじくらい。
きみの視線を追って、おれは、 倒れているひと>>510にも気づいて、 それに寄り添うようなひとにも、 ふたりに、見覚えがあることにも、気づいて。
……目が良くて、良かったな。 って、思った。]
── ネル、あの人たち、怪我してる。
[ ……そうでもなきゃ、町中でへたり込まないか。
ともかく、おれは、こちらを見るきみ>>523に、 駆け寄ろう、でも、なく。]
(531) 2016/06/12(Sun) 23時頃
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……おれ、様子見てくる。 ネル、そこのドラッグストアで、 包帯とか、ガーゼとか、救急セットみたいなもの、
[ 買ってきて、って。
言うだけ言って、おれは、駆け出す。 きみの答えを聞くよりも前に。 おれのほうが走るのが速いとか、 そういうことを、きみが考えず、 納得してくれたことを祈って。
人影のほうに、ひとりで。*]
(533) 2016/06/12(Sun) 23時頃
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── 4th day:南エリア ──
[ 掌のタイマーの消滅が、ミッション終了を示してから、 おれに与えられるボーナスタイムは、 いつも、そうも長くは、ない。
から、おれは、急がなきゃ、って、思って。]
── 北見さん。
[ きちんと、あの日聞いた名前を呼んで、]
── どうか、したんですか。
[ 見りゃ分かるだろ、って。 言う余裕も、彼らには、ないかもしれない。
そんなことは、どうだっていい。]
(536) 2016/06/12(Sun) 23時頃
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[ 時間切れになる、その前に、 もし、彼らが勝手に死んでくれるなら、 それが、一番、なんだけどさ。
おれは知っている。 これまでの怪我も、日付をまたげば、 幾分かは、いつも、回復していて、 親切な仕様だなあって、感謝もしたけれど、
今は、それが、邪魔でしかなくて、]
……大変そうですね。
[ そう言いながら、おれは、彼らに歩み寄り、 北見 圭一の、背後から、 そのパートナーを、覗き込むような素振りで、
そっと、”力”を込めた、腕を伸ばして、]
(538) 2016/06/12(Sun) 23時頃
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[ ── ばちん。]
.
(539) 2016/06/12(Sun) 23時頃
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[ まだ、わりかし元気そうな、 北見 さんの首筋に、べとり と、掌を押しあてて、
彼が、反応する、というより、崩れ落ちる かな? それよりも、先に、 ウエストバッグの中の、大ぶりな刃物に手をかける。]
── 良かった。
[ ポイントを持ってそうな彼らを、 ここで、排除しておくことができるなら、 こんなに、良いことはない。
少し、癖のある黒い髪。 その、脳天めがけて、刃物を振り下ろす。]
(543) 2016/06/12(Sun) 23時半頃
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── はい。おかげ様で。
北見さん、昨日は、ありがとうございました。 あと、ネルと、仲良くしてくれて。
[ おれは、そう、言いながら、にっこり、微笑んだ。 ── せめて、笑顔で送ってあげようと思って。>>541
包丁の柄を握りしめたその掌に、 ちゃんと、手応えがある、その瞬間まで。]
(544) 2016/06/12(Sun) 23時半頃
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── おつかれさまでした。北見さんと、ええと……、
*
(548) 2016/06/12(Sun) 23時半頃
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── 巻き戻し:彼ノ岸公園 ──
── 口だけなら、なんとでも言えますよ。
[ って、おれは、言ったのだ。
あせってまちがえたくない。 協力は大事。>>481
── 七日で終わる世界。 実質は、そんなにもない。
はじめから、正解も見えずに、 焦りもせず、切羽詰まりもせず、 悠長に構えて、他人から、奪う気概もない。
そんなやつに渡せる椅子は、どこにもないんだって。]
(573) 2016/06/13(Mon) 00時頃
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[ そんな思いで、彼の答え>>484を”見て”いた。
生きたい。死ねない。 なんて、きっと、みんな、言ってる。
だけど、そのほとんどは、嘘。 本気で、誰か蹴落としてでも、なんて、 ほとんどのやつは、実行しない。
口だけお化けの戯れ言なんだって、 おれは、よく、よく、知っていて、
だけど、おれは、本気だよ、ネル。 ── きみのためなら、なんだってする。]
(575) 2016/06/13(Mon) 00時頃
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[ いっしょに、って、 やけに言われる日だ、って、思いながら。
おれは、彼に渡された紙切れ>>486を、 無造作に、ポケットに押し込んだ。*] .
(578) 2016/06/13(Mon) 00時頃
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