267 【突発】Sanatorium,2880【RP村】
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[ この記録は そんな車内にて書き始められたようだ。
…… ところで 驛舎まで見送りに来た母や同胞と別れの抱擁を 交わしたと記録上では記されているが、>>12 ヨリックの症状を考えれば無理があるため、 これは改竄された記憶であると考えられる。 ]
(48) 2019/06/06(Thu) 10時半頃
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・・ [ だが 抑、私の読んだ彼の墓標が どこまでが真実でどこからが虚偽なのか、 確かめようもないことだ。 実際に交わされた言葉や出来事について、 この記録は事細かに書かれているわけではない。 書いた当時の主観が亡霊のように漂うのみだ。 ]
(49) 2019/06/06(Thu) 10時半頃
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琥珀の採れる北の海にも 療養所はあるといつか本で読みましたが、 ここは樹に囲まれて、浜辺は見えるだけ。
だけど、呼吸がとても楽でした。 冷たい空気が身体をめぐるのが心地よくて 僕は暫く積もった雪に横たわっていました。 あの時、せんせいに見つけてもらって 一緒に白亜の建物に入っていなかったら あのまま思わず眠ってしまったでしょう。 **
(50) 2019/06/06(Thu) 10時半頃
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「 よろしくおねがいします、せんせい 」
(-3) 2019/06/06(Thu) 10時半頃
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嘴のついたマスクを着けていたから、 その時には顔すらわからなかったのですが 僕が罹った病気がせんせいに感染しないなら それ以上のことはありません。 ちゃんと微笑むことは出来ていたでしょう。**
(-4) 2019/06/06(Thu) 10時半頃
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/* 地の文が読んでいる人の主観。 等幅フォントがヨリックの主観の記録。 秘話が……実際?(一部改竄して認識している)
どこにも正確なものがない……どどどどうなる……
(-5) 2019/06/06(Thu) 10時半頃
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[ しろいろの花弁から、透明が滴る。
ぶったいからしょくぶつへと代わり行く其れの 何かを求めるように遺った ──── 恐らくは指先だったのだろう、剥き出しの象牙に 恵みの降るよに 灰色の跡。
靴底のかたちに汚れちまッたこおりにも ぽつ ぽつ 孔を空け、]
(51) 2019/06/06(Thu) 12時半頃
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「 花の上で溶け行く水の、 何と香しいことか! 」
(52) 2019/06/06(Thu) 12時半頃
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[ くちばしのむこうで 薄い口脣が 細く 笑み、 ]
(53) 2019/06/06(Thu) 12時半頃
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[ どうせ燃されてしまう儚いいのちを 水滴を振り回すよに振りながら、
・・ ( ───嗚呼、また これだって燃されてしまう。) ( いのちの痕に濡れた引き摺る程の影。 )
格好に違う跳ねる足取りで、 いつか よりも また青へと刺さる、 寒色を着た幹を縫い、 くろいろに惹かれた細かな虫どもを弾き、]
(54) 2019/06/06(Thu) 12時半頃
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「 さァ、 最近全く興味がなくて。 」
[ 街なんか 疾うに死んでいて 其れでも 汽車は動くのだという。
たくさんのpieceが抜け落ちても 機械をうごかす歯車ひとつ たったそれだけ残っていれば かれらは いきることができるらしい。 …もう、 時間通りに動くという美点は、 なくなってしまったろうが、 ───────
遠くに白煙を眺め、碧を ぱち と 瞬き、 ]
(55) 2019/06/06(Thu) 12時半頃
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「 ぜんぶ亡くなれば しょくぶつと昆虫の天下だよ。 」
[ ひとけのない街並みを 浸食し得るいのちに、 そっ と、 讚美さしあげて。
せんせい と しては 144を数える其れが しょくぶつには関わらない事実が 結局、 何よりも 嬉しいんだ。
──── ひとの医者ですら 無いのだから。* ]
(56) 2019/06/06(Thu) 12時半頃
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「 しょくぶつなら 白菊ってかんじ。 」
[ そうそう、 思い出した。 ある かんじゃさま のはなし。
軽口の延長、 けしてわるくちでもなかった。 ──── ひとを悪く言えるほど、興味もないから、 せんせいの中で浮かばすよに 自然と、 truthを 呼称して。
何処か、 海の向こうの国では びょういんでは倦厭される花だなんて。 そんなのは、上位に座していた時のはなし。]
(57) 2019/06/06(Thu) 12時半頃
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──── しらぎくさーん。
[ それから、 パラチーノというおとこは かんじゃさま 全部を しょくぶつの名で 呼ぶようになったんだ。
コップ一杯の其れを手に、 薄笑み貼り付けて、**]
(58) 2019/06/06(Thu) 12時半頃
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蕾の頃。
(59) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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両親を見ていた。汽車の前。 持たされたトランクの中に、わたしの物は無く、 白い息はすべてを凍らせるよう。
「ミサ」あなたたちが言う。 笑っているのか、泣いているのか、 わたしはまるで興味が無かった。
おんなじものを食べていた筈なのに、 得た養分は、わたしだけ違うものだったのでしょう。 わたしと、あなたたち、 それからあなたの胎に眠る可愛い誰か。
(60) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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可愛い誰かさん。顔も合わせない誰かさん。 あなたはわたしとおんなじかしら。 花開いた頃に、疎まれる其れになるのかしら。
(61) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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名前は 呪いのようだと思う。 本人が、わたしが、己をどう捉えたところで、
あなたたちにとって わたしは 「ミサ」。
ひとり養分の異なるおんな。 両親の顔も碌に覚えちゃいない、何時かの子供。
(62) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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だから、あなたに呪いをかけてあげる。 死に近い彼の花のように、そっと。 うまれゆく生命に、一言。冷たい息を添えて。
おんなじにさせたい訳じゃあないけれど、 忘れられていく子供の痕跡を残すために、
(63) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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「 さようなら、"ミサ" 」
(64) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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わたしが決めた、あなたの名前
*
(65) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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[ 幾ら、わたしの方が旧いとは言え、 "せんせい"だから名乗ってはいた、確か。朧気。
真白な"苗床"から 起き上がって、 スリッパをちぃさな爪先に引っかけた、ところ。 扉の音が聞こえてくれば、 そりゃあ 動きだって、止まるから。
持ち上がった二つの黒いわたしの瞳は、 特に笑いを見せること無く、
ぽと、と、 ]
(66) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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──── 、せんせい。
[ 何時も思う。しらぎくって。 言われてわたしを思い出すけれど、 そのしょくぶつ、知っていても見たことが無いの。
……嗚呼、でも、死に近いというのなら、 きっとわたしに、よぅくお似合いでしょう。
貴方にとってわたしはそうなのでしょう。 此処で偉いのは"せんせい"たちなのだし、 番号管理されようが、わたしのことだもの、 きっと文句一つ言わない。 ]
(67) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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[ しょくぶつは大人しく苗床に戻って、 ( ─── 元々、水を取りに行こうとしたのだし、 )
脚とおんなじ、蒼白い腕を伸ばして、 一杯の其れを頂く。
仄かに色づく唇を湿らせ、 湖面を 眺めたまま、何時も通りの飽きた顔。 ]
(68) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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─── 今日は何の用事?検査でもするの? でも貴方 此処とは違う香りがするけれど、
[ 鼻を鳴らして。 "消毒はしているの?" なんて、態とらしく。
一杯の養分だけなら それは、それで良いのよって、 わたしは追い返すでしょう、きっと。 ]
(69) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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菊についてすごい調べてるんですけど めっちゃ養分くうらしいですねミサさん
(-6) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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/*
そんな あれで、 よろしくおねがいします(おじぎ)
(-7) 2019/06/06(Thu) 22時頃
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白菊会 ミサは、メモを貼った。
2019/06/06(Thu) 23時半頃
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はじめまして、こんにちは。 あたらしいせんせいです。
(70) 2019/06/07(Fri) 00時半頃
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[ ちょっと前のはなし。 かわいいかわいい アンジェリナの挨拶に あたらしいおとこは 欠片も名乗らず、
そのわりには 派手な素顔には笑みが在り、 碧には僅かな興味さえ乗せていた。
恐らくは 人に向けられたものではなかったが……、]
(71) 2019/06/07(Fri) 00時半頃
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[ きっと それからすぐのはなし。 ──白菊の貴女とのはじめましても その頃。 前任の誰かに連れられて、 各病室をひとまわり。
おんなじように 名乗ることなく、 嗚呼でも、白衣に縫い付けられた簡易の名札には、 T・Palatinoと あるから、 言わなくッても問題はないでしょう?
譬えば、 なまえ を 聞かれたならば、 碧は ふる と 迷い、困ったように 笑むばかり。]
(72) 2019/06/07(Fri) 00時半頃
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