246 とある結社の手記:9
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[いたい くるしい]
[さむい]
[なにも きこえない]
[許して ][(──許されるわけがない)]
[いたいいたいいたいいいたいいたいたいいたい罰なのかな ころしたから たすけて いやだ、しにたくない ]
[ あつい さむい なんでなんでなんでなんで! ]
(+60) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[なんで] [どうして]
[─── 名乗り出たから?]
[皆の前で、話を、したから?]
(+61) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[疑わなければならないことで、もがく人間が苦しそうで、つらそうで、守りたいなんて──そんな気を起こさなければよかったのか。
慣れない頑張りをしたのが。 いけなかったというんだろうか。]
[それとも、奥様を。 殺そうとしなければよかった?]
(+62) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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(+63) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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─回想、三日目の夜─
[>>4:56ピスティオが信用を口にするのに、 男は、はー。とそこで息を吐いた。]
ティオ。
にんげんかどーかって話じゃないんだよ。 奥様は、答えを偽ってる。 だから信用ができないって言ってるの。
…… オレねー、人間も。 嘘を吐くって思ってるから。
[だって、そう。自分だってかつては似たようなことをしていて。それがどういう被害を出すかは、──わかってた。]
(+64) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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… そうして、その嘘はね。
他の人を、惑わせる。 間違わせるウソだよ。
人狼を、助ける嘘だ。
[だから、真実占い師である可能性を考えながら、嘘を撤回しないのなら、彼女に。イヴォンに票を入れると決めた。]
(+65) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[懇願めいたピスティオに、困って眉が下がった。イヴォンの方を見る。自分の問いかけへの答えを待つように。]
…
[責めるような棘に、 はあ。と顔を掌で擦った。]
(+66) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[>>4:57そっくり返す。と言われても、そー。としか言えなかった。
そうなのだろう。必死なのだろう。大事な人を連れていかれたくなくて。 それはきっと、ピスティオの正体に関わらず、本当の気持ちなんだろう。]
…
オレが。 奥様を信じられないから、殺すの。
[チョップをした手より、別のところの方がしくしく傷んだ。罪悪感と、悲しい気分とが曖昧に混じった。 ──ピスティオは守られている。でも。その代わりにローザスの奥様に自分たちはすっかり見捨てられていて。だから、自分は彼女を見捨てている。]
(+67) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[情報にならない。
突き詰めてしまえば、 それが彼女を殺した理由だった。
もう、彼女の口からは、 ウソしかでてこないだろう。と、 そう思ったからだった。]
(+68) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[──ピスティオ以外の人を、全員見捨てたと。 そう、思ったからだった。]
(+69) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[疑いたくない。殺したくない。 見て見ぬふりをしたい。
そんな気持ちは胸の中に充満してる。 だってそうじゃなきゃ、 逃げるのを──あきらめることはなかった
──それでも。あの幼いマリオに向かって、よく考えろといったからには。票を手に取る道を選んだからには。ベッキーに、考えろと促したからには。考え続けなきゃならないと、それだけは。
自分に課された、──選んだ義務だ。]
(+70) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[でも。]
うん。……
[ピスティオがマリオについて怒っていたとイヴォン話をする。直接的には、彼女が殺したわけじゃない。それは、そうなんだろう。とは思った。 人間の、占い師。 その可能性を思っていたから。]
そうだね。
…… イヴォンさんの、 そういうとこ、 オレは、嘘じゃないと思う。 [全員いいひとなんじゃないのか。と、ピスティオが言っていたことが思い出された。 イヴォンが、怒っていたことを疑う気は起きない。ただ、彼女は、──彼女の大事な存在以外を、切り捨てただけだ。昔の自分のように。]
(+71) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[いいひと。なんて言い方は。
──自分に当てはめてみれば、 疑問符がつく話ではあったけれど。
だって。
もう、何人も何人も見捨ててきた。
その自分への認識は、 "薄情者"から、動かない。]
(+72) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[ああ。でも、だけど。
人間だって、──人狼にだって。
いいところはある。
優しい心はある。
そう。そういう風に、信じたかった。]
(+73) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[人を殺しながら、泣いていた彼女みたいに。
きっと。
この中にいる人狼にだって、 心はあるんだと。
ノアを、ピスティオを疑いながらも、 憎むようなことをしないのも。
腹が立たないのも。同じ理由だった。]
(+74) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[──── だって "人" 狼 なのだから。
ただの、獣じゃないのだから。
せめてそうでも信じてなきゃ、 逃げようなんて、言わなかった。]
(+75) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[他人の心の中なんてわからない。 だから、これは願望かもしれない。
これまでの、楽しかった時間を疑いたくなくて。 彼女を生かした選択を、
──── かつての、自分の選択を。
丸ごと、断罪するようなことは。 どうしてもきつかった。
せめて、瞬間だけでも。
… 真実が、紛れていてほしいと思った。]
(+76) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[でも]
[ああ]
[でも]
[ ── 死ぬことが、 こんなに痛くて辛くて苦しいなら ]
[あの時、人狼を見逃したオレは、 ──断罪されるべきだったんだろう。]
(+77) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[どこかで、どこからか。
死んだマリオが、泣き叫んでいる声が 聞こえる気がした>>4:+43。]
(+78) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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─回想、四日目:ユージンの部屋>>4:128─
[部屋の中にはもう死体はなかった。麻袋に詰められて、結社の手で外に運び出されて、──ラルフの手により掃除をされて。
生きているものの目には、宿の一室。 それだけのものに見えるだろう。]
[ことりと、ピスティオの手で グラスが置かれた。]
(+79) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[──ユージン、と名前を持った男と、 同じ形をまだ保った"それ"は、 グラスを挟んだテーブルの向こう。]
ぃ …
ゥ…
[呻きながら。 暗がりに蹲って、いる。]
(+80) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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『俺っちさあ、……ひとつ。 ひとつ、ユージンに言い忘れたことがあったんだ。 ほら、前に聞かれたろ?人狼が怖いかって。>>2:326
俺っち、怖いって返した。 そりゃ怖いだろ。 …怖くなかった?こんな目に遭わされてさ。』
………………。
[床のシミは、答えない。ピスティオが語る間、だらりと頭を垂れて、蹲っている。腕は投げ出されたままだった。]
(+81) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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[宿の部屋に、男のいた痕跡は薄い。壁には、いつもかぶっていた彼の帽子だけがまだ残っていた。]
>>4:130 『でもさあ、
… でも。 憎いとかは、よく分からなくて』
……………
[答えはない。]
(+82) 2018/08/03(Fri) 03時半頃
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『憎いっていったら憎いんだよ。 今はさ、奥様を殺したやつらが。
多分ユージンも。パティもさ。 憎たらしいって思ってる。 人間をさ、いやもしかしたら人狼かも知れないけど。 どっちでもいいけど、嫌なのは嫌だなって。
そんな風に──…、 そのくらいに、思ってて。
嫌、なんだよな。 なんでいきなりみんな、人狼の「やつら」とか言うのかな。 なんで「あいつら」なのかな。 なんで「一匹」なのかな。』
(+83) 2018/08/03(Fri) 04時頃
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[憎たらしいと思ってたわけじゃなかった。 他からどう見えたかは知らない。
人殺しってだけなら、 自分だって同じだし。
ただ。人狼については。
──── わからなかっただけだ。]
(+84) 2018/08/03(Fri) 04時頃
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[人を殺すことを、人を食べることを。 どう考えているのか。
悩んでいるのか、苦しんでいるのか。
なんとも思ってはいないのか。]
(+85) 2018/08/03(Fri) 04時頃
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[サイモンを殺して、マリオを殺して。]
[にんげんを食べることを]
[───どう思っているのか。
わからなかった。]
(+86) 2018/08/03(Fri) 04時頃
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[せめて、悲しんでいるなら、 助けたいと思ったかもしれない。]
[(ああ、だって 大事な人を失うのは。 人間だって。人狼だって。きっと、)]
[せめて、苦しんでいるようであるなら。 納得できたのかもしれない。]
[(オレは、自分の罪を、贖いたかった。
───許されたかった。)]
(+87) 2018/08/03(Fri) 04時頃
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[でも]
(+88) 2018/08/03(Fri) 04時頃
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[部屋には、ピスティオの言葉がだけがある。赤黒く変わった姿は視認されない。] >>4:132
[ここは さむい]
『みんな仲良かったのにさ。 いいやつら、ばっかだったのに。』
[ ぼた ]
[ああ。目の前が、真っ暗だ。──目の前が暗く濁って、意識が混濁する。熱いような痛みと、氷のような寒さだけが否応なしに意識された。
『なんで…いきなり隣のやつを化け物扱い出来るんだろ?』
[ぼたた と、暗がりに血が落ちる。喉から声の代わりのように。腹からはまだ血が染み出している。寒い。どんどんと、感覚が冷えていく。]
(+89) 2018/08/03(Fri) 04時頃
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