84 ― 手紙 ―
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レオナルド先生の待っている人が、きっと、先生のすきなひとが、 先生の元へ来てくれることを、祈っています。 そして、新しいお仕事が上手くいきますように。
でも、もうひとつ、 私は自分の我侭で、先生を驚かせることを書きます。
私なら、先生を待たせません。 いつまでも先生を待っています。 誰よりも、待っています。
我侭な、ポーチェ
(-2) 2013/05/27(Mon) 10時頃
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[いつもの薄桃色の便箋に、丁寧な文字ばかりが並び。 最後の一節だけ、くせのある字が綴られていた。
待ち人、きっと大切な人なのだろうと思った瞬間に、傷んだ胸の奥が気付かせた気持ち。 思いついた悪戯、もやもや、戸惑い、行き場のない感情の全てにすとんと納得した理由。
きっと困らせ、きっと返事は来なくなる。 そう思っても、それでも、親しみと憧れ以上だと伝えたくなった少女こそ、我侭だ。]
(-4) 2013/05/27(Mon) 10時頃
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待たなくていい。 そう突き放される予想はしても。
(-3) 2013/05/27(Mon) 10時頃
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[書き終えて上げた少女の顔に、寂しさを混ぜた微笑みがある。
導き出した自分なりの答えはちくちくと痛いけれど、何も分からなかった頃よりも、表情は晴れ晴れとしていた。]
さてと…… 家出でもしちゃおうかしら。
[表向きのお嬢様は、不穏な単語を気楽に口にした**]
(7) 2013/05/27(Mon) 10時半頃
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[ある者の名が記された封筒は、行き先を失い一所に留まり、 またある者の名が記された封筒は、彼女を愛する家族の元へ届けられた。 暫く返事が書けないことを記したメッセージカードは、あるいは級友へと渡されることもあるかもしれないが。 それを託されたのは郵便屋ではない。
郵便屋が託されたのは、ある一つの伝言。 それも「もし」という言葉付きのもの]
(8) 2013/05/27(Mon) 20時半頃
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[渡された想いを受け渡す、橋渡しにすぎない郵便屋。
どこでもない道端でふと立ち止まった彼は、 ポケットから一通の封筒を取り出した。
ゆっくりと封を開き、中の便箋を取り出して――**]
(9) 2013/05/27(Mon) 20時半頃
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/* 村たてのリアルが予想以上のアレなので ちょっとほんとうに、すまな、い
(-5) 2013/05/27(Mon) 20時半頃
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[昨夜、叔母さんから話をされたジョージは、部屋に戻っても何もする気が起きませんでした。 書きかけの手紙や、開かれたままの本、ページを押えるように置かれた文箱の中で、私はジョージをずっと気にしていました。 灯りをつける気力もないようです。 暗い部屋に、嗚咽を堪える音が響きます。 子供らしくないわ、そんな泣き方。 そう笑ってくれる人は、此処にはいません。
その日、部屋に灯りがともることはとうとうありませんでした]
(10) 2013/05/27(Mon) 20時半頃
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[翌日、ジョージは二通の手紙を郵便屋さんから受け取りました。 もう、ジョージは元気そうに見えます。 ありがとうございます、ってお辞儀をして笑顔を見せることまでしました。 郵便屋さんを見送ってから、送り主の名前を確認します。一通は知らない手紙だって、すぐにわかりましたから]
……あっ
[嬉しいのか、悲しいのか、どんな顔をすればいいのか。よくわからない、そんな顔をジョージは見せました]
(11) 2013/05/27(Mon) 20時半頃
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[窓辺の机に肘をつき、物憂げに外の景色を眺めて溜息。 先ほどから万年筆はちっとも進まず、便箋はまっしろなまま]
どうしてこんなに、気持ちがざわつくんだろうね。
[ぽつりと呟く声を、聞く人がいるはずもなく]
(12) 2013/05/27(Mon) 21時頃
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―― 自室・昨日深夜 ――
[帰宅してからもしばらくは手紙を開くことが出来ず ようやく封を切ったのは深夜の時間帯になってからだった。
封筒の中身すら、元上官らしい清廉なものだ。 入っていたのは漂白されたような青白さすら感じる便箋が一枚と、片道の汽車のチケットが一枚。]
…………。
[手紙を読み進めていくうちに、穏やかだった表情は徐々に引き締まったものに変わっていく。 まるで、警察官だったころのように。]
(13) 2013/05/27(Mon) 21時頃
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ポーチュラカさんへ
お手紙ありがとうございます。 ポーチュラカさんがお家に来るなんて、夢みたいです。 もし、そんなことが起きたら
とても、嬉しいです
ジョージ
(-6) 2013/05/27(Mon) 21時半頃
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―― 自室・翌朝 ――
[久しぶりにベッドで眠った青年は、まだ街も覚めやらぬ早朝に目を覚ます。 これもまた、警察官だったころの名残。]
……お見通しですね。
[今までずっと、喉の奥に引っ掛かったようにしてあった思い。 言い聞かせて宥めてきたけれど、それを再び引きずり出した手紙は机の上に広げられたまま。
手紙には近況の報告と、ある仕事の誘いが細かく書かれていた。 それは警察官とは少し違っているそれだが、青年の心の奥底で燻り続けていた思いを形にするには十分なものだった。]
戻ると言ったなら、何と言われるでしょうね――
[口にして思うかべるは職質から知り合った友人のこと。 彼に出した手紙の返事は未だ来ていない。手紙の中で願ったそれが叶うことがあれば、そのリアクションも期待できたのだろうけれど]
(14) 2013/05/27(Mon) 21時半頃
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いらっしゃいませ。
[郵便のやり取りが終われば、いつもの日常。 年頃の少女たちに混ざって、おばあちゃんのような人がいたり、親子連れだったり、それは様々だが。
たまに、男性がくることもある。 プレゼントを真剣に選んでいる人、悩んだ挙句なのかテイストがごちゃ混ぜで包んで欲しいという人。 すこし、羨むような気持ちがないわけでもなく]
[レジの奥に腰掛けて、帳簿とにらめっこをしていれば ふと入ってきたのは男性で 小物が並ぶ前で固まっているあたり、なれないことはよくわかる。 あまり声はかけない方だけれども、こういう時は]
(15) 2013/05/27(Mon) 21時半頃
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[結局一度ペンを置いて、引き出しの中を探りだす。 見つけたのは誰かが旅行の土産に買ってきたポストカード。 美しい花の咲き乱れる庭園が描かれたその絵ハガキに、 万年筆でさらりと絵をかき足した]
……ふふ。
[明るい光の中でたたずむのは、タキシードを身に纏った、すらりとしたシルエットのウサギ。 ついでにたくさんのトランプカードも舞わせてみた]
たぶん届かないだろうな。……うん、その方がいい。
[返事が遅くなったから、もう発ってしまっただろう。 出発が決まったとは書かれていなかったけれど、 きっとそうだろうという、確信に近い予感がしていた]
(16) 2013/05/27(Mon) 21時半頃
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[机の上の上官の手紙の下には、広げられたままの原稿用紙。 もう最後の章に突入しているジュヴナイル。
今あの職業に戻るのなら、この小説というものは手放さなければならない。 手放さなくとも、しばらくは書き上げることは難しいだろう。
選ぶことは容易く、しかし手放すことは難しい。 ――否、手放したくない。 手紙のやりとりででも、楽しみにしていると言ってくれた人がいる。 いっそのこと、上官の手紙など届かなかったと破り捨ててしまおうか。二転三転する思いに揺さぶられ、手紙を取ろうとしたそのとき]
……っ、お、まちください。
[玄関先でチャイムが鳴る。 不意のそれに驚きぎこちなく返事をしつつも、指先はとうとう手紙を引き裂くことはなかった。]
(17) 2013/05/27(Mon) 21時半頃
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なにかお探しですか?プレゼントとか。
[顔はまだすこし幼さが残っていて、高校生だろうことはわかった。 それゆえにまだ慣れていないのだろう、こんなところには。 たまにわかり切ったような顔をして買って行く人はいるけれど]
今ですと、女の子に人気があるのはこれですけれど。 …あ、すでにこれは彼女さんお持ちなんですね。
それがお気に入りのようですと、こういうのが好きかなと。 あとはベーシックにハンカチとか、お手紙がお好きなようでしたら文房具の類とか、レターセットなど、買われて行く方は多いですよ。
[にこりと笑って、その場を離れる。 あとは彼自身が選ぶのがいいだろう。 あんまり追求するのは良くないことは学んでいた。
…たっぷり1時間ほど悩んで行った結果を包みながら、 うまく行けばいいなと見知らぬ二人を思ってみたり]
(18) 2013/05/27(Mon) 21時半頃
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/* 眠い
(-7) 2013/05/27(Mon) 21時半頃
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[届かぬつもりで出すハガキ>>16。 表書きにはルーカスの名前と、住む人のいない元の住所]
――あなたの傍にいつも、女神の祝福があらんことを。
[ハガキの隅に書いたのは、 届くことを期待しない、自己満足としてのエール]
(-8) 2013/05/27(Mon) 21時半頃
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『見合い結婚らしい』 『お相手は、―――――』
『急なことで、他に当てが』
『断ってくれても良い。でも、もしも、』
『本当は、―――になりたかったんだろう?』
(19) 2013/05/27(Mon) 21時半頃
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『本当は、教師になりたかったんだろう?』
(-9) 2013/05/27(Mon) 22時頃
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[玄関先に姿を現したのは、ウェーズリーだった。 いつもより早めの訪問に驚きつつ、手紙を受け取る。]
はは、昨日は夜更かししなかったものですから。 はい、ありがとうございます。
[いつものように雑談を交わし、礼を述べて見送る。 扉が止まる刹那、待ってほしいと唇は開きかけたが、声になることはなかった。]
――……。
[手元にある、2通の手紙。 どちらも手紙でのやり取りが長い相手だ。
先ずは何も考えずにそれを読もうかと、自室へと引き返した。]
(20) 2013/05/27(Mon) 22時頃
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―――今日―――
[ころりころり。 腹部の重みと、聞き慣れない音色に意識が浮上する。 ゆっくりと身体を持ち上げると、頭の奥に鈍痛を覚え、思わずこめかみに触れた。昨日は飲み過ぎてしまった。
ベッドに潜り込んだ記憶もさてないなと 皺になったシャツの襟を惰性で整え、視線を移す。 一日の大冒険を終えた白が、にゃあ、と鳴いた拍子に、木製にころころした音が響いた。 先ほどの音は、これだったようで。]
何処までほっつき歩いてたんだ………
また、ジェフリーくんのところか?
[名前しか知らない手紙の主の住所は、決して近くはない。 苦笑を漏らして子猫を抱き上げると、チャイムが響く。]
(21) 2013/05/27(Mon) 22時頃
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―― 自室 ――
[先ず封を切ったのは、特徴的な文字で宛名の書かれた手紙。]
ああ、彼の字だ。 ……いや、でも……?
[前回とは違う、いつもと同じ筆跡。 しかしやはりどことなく違和感を感じるのは何故だろう。 無理やり乱雑に書いたようにも、取れなくもない。
それでも彼のファンである青年はそれ以上の詮索はやめて 便箋に目を通していった。]
くまが、三匹。 ああ、あれですね。
[青年も好きだったそれを思い出しながら、微笑を浮かべ。 けれど最後には少し、切なげに眸を伏せた。]
(22) 2013/05/27(Mon) 22時頃
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[次に封を切るのは、美しい孔雀の切手が貼られた手紙。 彼女の名を見るだけでも、元気を貰っている青年がいる。 常と同じ穏やかな顔で、その便箋を開いた。]
――――……、
[初めは表情はそのままだったが、視線を滑らせていくにつれゆっくりとそれは変化していく。
驚きと、無と、悲しみと。 常のように相槌を打つ声は、でなかった。]
……あなたは、
[便箋がふわりと手元から落ちて、机の上に広がった。]
誰よりも、勇敢ですよ。
[そう、直接伝えられたら。 しかしもう手紙を出しても、すぐに彼女の目に届くことはないのだろう。]
(23) 2013/05/27(Mon) 22時頃
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お、ととと…
[懸命に首を振り、鈴を鳴らそうとする子猫を抱き 床に足を漬けると、地面が安定せず身体がぐらついた。 酒に飲まれるとは歳か、と 小父さんと言った旧友の顔を思い出して、眉を顰めた。
立て続けにもう一度、チャイムが鳴り、早足に玄関へと向かう。 訪問者は、見慣れた郵便服。]
―――ああ、ご苦労さんです。 今日も、近くに? ………用事がないならチャイムも鳴らさないか。
[差し出された手紙に、決まり悪そうに項を掻く。 茶封筒、鮮やかな青緑、薄桃色、雛罌粟、天使の象徴。
色とりどり、大小の様を胸に、かさついた口唇が綻んだ。ありがとう、と小さく呟いたのは、郵便屋に届いただろうか。 背を向けた背中が見えなくなって、そっと、玄関を閉じた。]
(24) 2013/05/27(Mon) 22時頃
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/* ミナカタ先生大人気!すごいな!
(-10) 2013/05/27(Mon) 22時頃
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/* >懸命に首を振り、鈴を鳴らそうとする子猫を抱き
ミナさんかーわーいい そんなミナさんと交流があるのは私だけですね、ふふふ。
(-11) 2013/05/27(Mon) 22時頃
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え、品評会?もうそんな時期ですか。
[同業者からの連絡にすっかり忘れていた行事を思い出す。 数日店を空けることになるかもしれない。]
返事は明日でも?ええ、はい。
[代わりの店番が見つかったのなら行きたいが、 誰か引き受けてくれるだろうかと手帳を捲った。]
(25) 2013/05/27(Mon) 22時頃
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[次に手に取る封筒はいつもより少し重くて、封を開けて目をまたたく]
あら、ステキ。
[まぁるく目を見開いて、ぽつりと出る言葉は無意識のもの。触れるとその手触りは上質のものに感じられて、繊細な刺繍を指先でなぞる]
いいのかな、ほんとに。
[ちょっとの気後れは、それが上等なものであるということ以上に、自分の犯す「偽り」にも端を発し。 けれど手紙を読むうちに、そこにしたためられた真摯さに、心の強張りはほぐれていく]
(26) 2013/05/27(Mon) 22時頃
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