76 ─いつか、薔薇の木の下で。
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ん…。 [―目覚めた時、毛布に包まっていたロシェはどうしていただろうか。 もそもそと起き上がれば、両手を順番に天井に向かって伸ばす。] ……あれ? [体感的にはたっぷりと寝られた筈だ。けれど、外は未だ暗い。それに気付けば首を捻り。] 寝過ぎたとか、そんな事はないよな…? [寝台から降りると、窓に張り付いて空の様子を確認する。]
(15) 2013/03/26(Tue) 10時半頃
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[―空には‘満月’が煌々とその存在を示していた。]
嘘だろ…。 [昨晩に見た満月が、今も空にある。 ―寝すぎて翌日の夜になっているのなら、月は少し欠けている筈だ。
自分が寝ぼけて時間を錯覚しているのだろうか。 けれど、薔薇の香りも少し勢いを増したような気がして。 ―警鐘が頭の中で鳴っていた。]
…ヴェス。 なぁ…。
[彼がまだ寝ていたら、その肩を揺らし、声を掛ける。 そして目覚めた彼に自分の感じた違和感を話しただろう。]
(16) 2013/03/26(Tue) 11時頃
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[ロシェとはどんな話になっただろう。 けれど、結局不安は拭いきれず。]
…寮母さんか、先輩に…。
[自分一人では何もできない。 年上の誰かに相談したいと思った。
一番に思い浮かんだのは、昨日部屋まで送ってくれたエリアスの顔。 冷静そうな彼なら、何かいい考えを示してくれるのではないかと考え。 そう、ロシェに話しただろう。
話を聞いた相手がその場に留まるか、他の場所に行くようであれば、それを止めずに。 鼻と口元を覆う為のハンカチを持って、昨日の格好のままで部屋を後にした。
途中で誰かに会ったなら、先ほどロシェに話したのと同じような話―同じ夜が続いているのではないか。薔薇の香りが強くなっていないか。といったような事―をその人に話しただろう。**]
(17) 2013/03/26(Tue) 11時頃
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[その金髪に顔を埋め、抱きしめる腕にわずか力を込めて
ヤニク、と小さくかすれた声]
(18) 2013/03/26(Tue) 11時頃
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……ぅ、…うん? どうした?
[揺り起こされて、寝ぼけまなこで見返す。 外はまだ暗く、満月は高いまま?]
…あれ、俺……寝ちゃって…
[座ったまま眠ってしまって体が軋むくらい経ったはずなのに。]
そうだな、確かにおかしい。
朝は、もう来ないの?
[不安そうに見返す月は、あまりに美しい。]
(19) 2013/03/26(Tue) 11時頃
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/* 昨日はヴェスにべったりだったので、そろそろ離れた方が良いかな、と。 他の方ともお話しないとだし。
PL視点が濃いけど…。 離れてた方が、ブレンダとヴェスも接触しやすいよね?
(-4) 2013/03/26(Tue) 11時頃
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/* あっー。 ヴェスー!
…でもタイムアップだ。後で補完します。(しょぼん)
(-5) 2013/03/26(Tue) 11時頃
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うん、そうだね。誰かに。
俺は……外の様子見てくるよ。
[それぞれ手分けして、部屋を出る。 中庭へのドアを開ければ、吹き散らされて折られた枝葉の惨状。]
ひどいな……
[甘く香る花の香りに、くらりとした。]
傷ついた庭なのに、なんでこんなに香るんだろう…? むしろ、傷ついたから…?
[月の下にふらふら歩み出て、痛々しく折れた枝へと手を伸ばす。]
(20) 2013/03/26(Tue) 11時頃
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[声に気づくと、その表情を流しみて]
落ち着いたならいくといい。 また、耐えきれなくなったらおいで。
[やはり優しく髪をすいた。]
(21) 2013/03/26(Tue) 11時半頃
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[枝の向こうに聞こえたのは、夜会に集まった妖精たちの囁くような笑い声? 気になってそっと垣間見たその先に……]
……ぇ?
[漏れ聞こえる声、重なり合って揺れる姿と長い髪。
自分の知っているそれとあまりに違う姿は、この世のものとは思えなくて。]
……夢魔。
[いつか彼が語ったそれを思い出す。
それを聞いたのも、ついさっきだったのか、遠い昔だったのか。]
(22) 2013/03/26(Tue) 11時半頃
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[触れていた枝が、がさりと大きな音を立てる。
その光景があまりに幻想的で、現実味がなくて。 両目を丸く見開いたまま、茫然と立ち尽くしていた。]
(23) 2013/03/26(Tue) 11時半頃
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妻 ブレンダは、メモを貼った。
2013/03/26(Tue) 11時半頃
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[サイラスとの情事のあと、 彼は立ち去ったか否か。
薔薇の眸はサイラスから反れ、 茂みの向こう。
銀色の影を捉えた。]
(24) 2013/03/26(Tue) 12時頃
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ロシェ・・・・・・
[掠れた声で、 シルヴァの愛おしい同級生を薔薇は呼ぶ。]
ロシェ・・・・・・ ロシェ・・・・・・
[名前を繰り返し]
(25) 2013/03/26(Tue) 12時頃
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あ…れ。 サイモン?
[すれ違った影の名を呼び首を傾ける。 妙な足取りと、妙な表情。 だが妙でありながら、この甘ったるい空気の中において、 彼の姿はよく似合っているような気がした]
おい…
[呼び止めるも既に影は遠くへ。 苛立ちの混じった溜息を落とし、足早に進む。 不安。 取り残されてしまうのではないかという、不安が。 珍しく己を急がせた]
(26) 2013/03/26(Tue) 12時頃
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…っ、 オスカー!?
[間もなくして膝を抱える同期の姿を見つけたろうか。 らしくもなく駆け寄って膝をつき、鋭い声で名を呼んだ]
大丈夫か?熱ないか? やっぱりこの変な空気のせいだってのか…
[勢いのまま言い募っていたことに気がつき、口を切る]
さすがに廊下に座り込んでたら、身体痛くする。 お前の部屋…は、入れるのか? 荷物の山の中で良ければ、俺の部屋で休んでも… 動けないなら、肩貸すよ。
[深く息を吐いてから、切り替えるように。 なるべく平坦な調子で言葉をかけたものの。 動揺は隠しきれなかったように思う**]
(27) 2013/03/26(Tue) 12時頃
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……シリィ。
[カラカラの咽喉から何とか搾り出した声は、彼のものよりずっと掠れていた。]
きみ、なに…して……
…ほんとうに、君なの? [そんなことをするような奴じゃないと、信じていたから。 困惑を眼差しに載せたまま、動けず。
いいやつだから、なんてのは何の根拠もない盲信でしかないのに。 それでも、愚かな自分は何も知らず、何も見ようとして来なかった。]
(28) 2013/03/26(Tue) 12時頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2013/03/26(Tue) 12時頃
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[風が揺れる。 薔薇が香る。
ふらふらと覚束ない足取りで、その香りに絡め取られるように歩み寄った。]
(29) 2013/03/26(Tue) 12時頃
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[ブレンダがすいてくれる髪、目を閉じて受け入れて 小さくその声に頷いた
ゆる、と離れるけれどそこに名残はなく。 ふと蒼はブレンダを見るけれど、その視線はすぐにそれる]
(30) 2013/03/26(Tue) 12時半頃
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[薔薇は問われて微笑む。 本当に君かという問いに答える気はない。 ただ、月明かりの下、血の匂い性の匂い、そして植物の青臭い香り。 それらを薔薇の芳香にくるみ、細い手首はゆらり彼を求める。]
寒いよ。ここは冬なんだ。
(31) 2013/03/26(Tue) 12時半頃
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サイラスは、ヴェスパタインとは目があったかどうか。虚ろな脳裏は覚えていない
2013/03/26(Tue) 12時半頃
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…さむい?
[ああ、中へ連れて戻らなきゃ。 暖炉の前で、温かい飲み物を…
そう思うのに言葉は口から出ず、唇は震えるだけ。 しなやかな蔦のように伸ばされた彼の細い手を、掴むことも振り払うことも出来なかった。
月明かりの下、ただ薔薇の香りが胸に苦しくて。]
(32) 2013/03/26(Tue) 12時半頃
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[へたりと、彼の足もとに膝を折る。
これがきっと夢ならば、明日はきっと高熱に寝込むんじゃないかな。 そんな他人事のような思考が、頭の片隅によぎった。]
(33) 2013/03/26(Tue) 12時半頃
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いっておいで。 眠りの仔猫。 僕の愛おしい片割れよ。
[指のふしに絡めた彼の髪が解けると同時に、 新緑は一瞬、寂寥を滲ませ、 かくり落ちる腕は地に落ちた。]
(*6) 2013/03/26(Tue) 12時半頃
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…なに、してたの?
ラスと、こんなとこで。
[自分へと向けられたシリィの眼差しと、どこか虚ろな様子で身を離すラスの姿を、 理解の追い付いていない視線はただ不思議そうに見つめた。]
(34) 2013/03/26(Tue) 12時半頃
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…片割れ、俺が?
[それは薔薇を受け入れたこと。 言葉に抵抗はない。 離れる間際、指を絡めてキスをした。
あいしてるよ、と言葉は吐息に溶かす。 きっと人とは違う意味で
蒼い目はやはり秋月の湖水]
(*7) 2013/03/26(Tue) 12時半頃
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[目の前で膝をつくロシェに、 新緑の眼は細まって。 吐き出す言葉には薔薇の香の魔性を。]
なにをしてたか。 見てた?
[手は取られないから、その髪に指先を伸ばす。]
君と僕がしたいことをしていたんだよ。 ね。そうでしょう?
[薔薇は、笑うのではなく、 その時は乞うような顔で。]
シルヴァが君の髪に触れたいって。 冬の氷のように綺麗だから。
[眉を寄せ、]
(35) 2013/03/26(Tue) 13時頃
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ロシェ・・・・・・ 寒くて痛いよ。
でも、愛おしい。
[かすれた声は、必死に。 ああ、それは薔薇か。シルヴァか。 それとも薔薇を被った欲望か。]
行かないで。
[懇願の響きを、絞り出した。]**
(36) 2013/03/26(Tue) 13時頃
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[戻らないと。大事な彼が寂しがる。 だけど。薔薇を受け入れてしまった今は もう普通に顔をあわせる自信がない。 触れてそのままでいる自信がない。
好きなのに、大事なのに。 触れたいと思うのが。肌を重ねたいと思うのが 酷く彼を汚してしまったような。そんな罪悪感]
(37) 2013/03/26(Tue) 13時頃
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[月光の下の彼は、いつもの彼よりずっと…
したいこと。 そんなのわからない、と怯えた様子で首を振るけど、 長い髪を絡め取る指先から、逃げることは出来なかった。 月光の中で、彼の枯藁のような色のはずだった髪が、秋の小麦畑のように輝いたから。
それでも、彼は冬の雪の下にでもいるかのよう。]
(38) 2013/03/26(Tue) 13時頃
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[痛くて、寒い。 その懇願に思わず、胸の内へと引き寄せていた。 外に居た彼の体はきっと、自分よりも冷えているだろうから。
抱き寄せた胸の下、布地と皮膚との下で燃える太陽炉のような心臓が、乱れた鼓動で彼を温めれば良いのだと。
愛おしいの意味なんて知らない。 けれど、]
寒くて痛いままじゃ、ダメだ…… [懇願を振り払うことなんて、出来やしなかった。]
(39) 2013/03/26(Tue) 13時頃
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[ふらり。校舎の中。 首筋にはブレンダが刻んだ赤い華。
戻らないと。早く戻って、また名前を呼んでもらって、 髪にふれてほしいのに。 だけど足は部屋へは向かってくれない。 そこは薄暗い図書室、
本を読む彼がよくここに来ることは知っている。 インクと紙の香りが涼やかに香る。
一冊、本を手に床に座り込んで書架によりかかる。
旅立った星の王子様。 取り残された薔薇の花 特別を恐れるキツネ。
状況は勿論全然似つかわしくない。 こんな色めいた空気の中に]
(40) 2013/03/26(Tue) 13時半頃
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