250 ─ 大病院の手紙村 ─
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
3
4
5
6
7
8
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
全て表示
|
[ 敷地内禁煙。という張り紙は、 もう何度も目にして知っていたのだから、 たどり着くまでの過程で一服して来ればよいものを、 加賀はそうはしなかった。小さく息を吐く。
部屋に入るのに躊躇うなど、 いよいよ加賀は、自分でも何がしたいかわからない。 自分が何を欲しているのかも、何も。
これは、加賀が引き受けた依頼の一つだ。 浮気調査や家出人の捜索と何ら変わらぬ、 加賀の日常の一端でしかないものである。
……今日は、手土産はなかった。 昨日の、何もかもが気の迷いだった。 依頼に、そこまでは含まれていない。 薄気味の悪い子をかわいがる理由もない。]
(21) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
[ 扉は、相も変わらず滑らかに開き、 加賀は硬い床を踵で叩き、ベッドサイドに立つ。
加賀が声をかけるより先に、 その子は耳を加賀に向けるように首を傾け、 「 パパ? 」と嬉しそうに言った。]
……よく分かったな。
[ 加賀が驚いたように言うと、その子は、 「 足音が 」と。加賀は少し面食らう。 「 それに、ママはこんな時間に来ない 」
……仕事をしている人間が見舞いに来るには、 確かに違和感のある時間帯である。なるほど。]
(22) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
[ 少年とのとりとめのない話も、 連日、会話ばかりしていれば底をつく。
過去二日よりも沈黙の多い時間を過ごし、 加賀は何気ない動作で抽斗を開いた。 そうっとトレイを持ち上げる。
昨日の気の迷いを、そう、気の迷いだった。 あんなもの、気が付くやつがあるとすれば、 傍らの子でなく、母親たる女であるのだろう。 ならば回収してしまえばいいと加賀は思った。
──しかし、 そこにあるのは素気のない手帳の頁などではなく、 きちんと封のされた手紙であったからして、 加賀は、少しの間驚愕して動きを止めた。]
(23) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
[ 手を伸ばし、それを拾い上げれば、 他にも一通、手紙らしいものが敷かれていた。
あの女か。と加賀は思ったが、 それにしては二通というのはおかしい。
そのどちらをも加賀は拾い上げ、 何事もなかったかのように、その子に向き直る。
気もそぞろに相槌を打ちながら、 加賀は順に手紙を開いた。一通目。
差し出し人も分からぬその手紙。 便箋や記された文字からして女だろうが、
奇妙なその文面に加賀が思い出したのは、 昔流行ったチェーンメールであり、 思わず、クスリと笑みをこぼした。]
(24) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
[ 何人かに回せば恋が叶う、願いが叶う。 ──などという暇つぶしまがいの噂話。
いつの時代も、加賀はそんなもの、 信じたことなどなかったはずであるが、
なるほど、リ・ジアン様のお導き。 こういう使い方もあるのか。と、 どうやらこの奇妙な現象にも慣れつつある。
なんにせよ、もらって気分の悪い手紙ではない。 返事を求めるその文面に応えるように、 加賀は手帳にすらすらと文字を綴る。]
(25) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
merと名乗る人へ
幸運の手紙をありがとう。 君がしがない入院患者だというなら、 私はしがない見舞客とでも名乗ろう。
入院生活は退屈か。 私の見舞いの相手も、もう長くここにいるらしい。
つい一昨日、初めてここに来たので、 君の手紙は役に立ったよ。
ちょうど相手は甘いものが好きな男の子だ。 今日は喫茶店に連れて行ってやろうと思う。
退屈な生活を紛らわすものがあれば、是非教えてくれ。 菓子以外、土産の一つも思いつかないんだ。
(-6) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
追伸 ところで、merというと母や海の意味がある。 と記憶しているが、果たして君はどちらだろう。 前者であるなら、さしずめ私の署名はpereとしよう。
(-7) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
[ 折り畳まれた手帳の1頁。 子供らしさの欠片もない、 文字を書き慣れた大人の文字で綴られた手紙。
気まぐれな神様のお導きのまま、 君の元へと舞い戻るのは、きっと少し先のこと。]
(-8) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
あ……
[ …大事だけど、別にいらないもの。 提出、したくないと思ってたもの。 そんな紙が一枚、確かに消えていて。
別に、それが無くなったからって どうせ新しいのをください、と言えば もう一枚貰えるんだろうけど。
渡されたあのとき。 確かに、わたしの何かがざっくり傷ついた。 ……退部届。]
(26) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
[ 一人、笑いを零した加賀に、 その子は控えめに「 どうかした? 」と尋ねた。
なんでもない。と答えながら、 加賀は千切った頁の角を揃えて折り畳み、 ポケットの中に仕舞おうとした。
──そこに、覚えのない手触りがあり、 指先でつまみ出せば、それもまた紙片である。
皺の寄ったメモ切れ一枚。 加賀には縁のない、愛らしいキャラクターが躍る。]
(27) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
[ 奇妙に思いながらも、 自分の書いたものと入れ替わりに、 つまみ出したそれと、抽斗にあった手紙を、 手帳にでも挟んでおこうと思ったのだ。
手帳の後ろの頁から千切りとっていくのが、 加賀の常の習慣というやつで、 そこではない、途中の頁に手紙を挟もうとして、
そこにもまた、見覚えのない紙を見つける。]
(28) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
[ それは愛想のない白の紙切れではあったが、 端に穴が開いていることから察するに、 ルーズリーフか何かの類なのであろう。
きっちりと角を揃えて二つ折りにされたそれを、 加賀は、本当に何の気なしに開いたのだ。
──不可解な文面。 加賀は我欲には忠実であったが、 それは結果としての話であり、 一々それらに名を付け、分類をし、 理性的に取捨選択を施した訳でもない。
薄気味の悪い。と、加賀は思い、 そこに手紙二通と、メモ一枚を共に挟もうとして、
加賀は、二日前の気の迷い、 いつしか加賀の元から消えたソレを思い出す。]
(29) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
[ どうやらその、可愛らしい紙切れは、 明らかに加賀に宛てられた返事であった。
気の迷いであった。 間違いなく、それは間違いであった。
それは、何かを血迷った男の、 当てのない神頼みであって、 誰かに返事を求めたワケでもなかった。
消えたはずの紙片。それへの返事が、 忠実に手元にあることに、加賀は寒気を覚える。]
(30) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
[ 気付けば、その子も沈黙していた。 加賀が黙りこくっていたのだから当然だ。
病室はしんと静まり返っており、 それは、到底よい沈黙とは言えない。
反射的に、何かを綴ろうとした手を止め、 加賀はベッドの上で静止している子を見やった。
恐る恐る、と言ってもよい目をしていたが、 盲目の子がそれに気づくことは、恐らく、ないはずだ。]
(31) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
[ 「 どうかした? 」と、再度その子は言い、 今度は、躊躇いがちなどではない声音であった。]
……いや。 そうだ、喫茶店にでも行くか。 昨日ママと行ったんだけどな、
[ 平静を装って、加賀は口を開いた。 一度話し始めてしまえば、言葉を紡ぐのは簡単だった。
提案すれば、その子が少しは嬉しそうな顔をし、 「 ……行く 」と答えるので、加賀は安堵した。
手を引くべきなのか、加賀は逡巡したが、 その子は迷いなく、子供用の白杖を手に取った。 そんなものがあることさえ気づいていなかった加賀は、 少し面食らいながらも、彼が立ち上がるのを見ている。]
(32) 2018/09/24(Mon) 11時半頃
|
|
[ デリカシーも無くやって来た部活の顧問は、 あきらめるな、また歩けるようになるんだろ、 お前には力がある、いい走りが出来る、 ここで腐っちゃあ勿体無いぞ、大丈夫だ また部活にも戻れるさ、なんて言ってのけて]
なんにも聞いてないんですね。 わたし、……もう、走れないんです だから、部活も、無理です
[ そう言うのが精一杯だった私に、 先生は悪びれも何もせず、なんだそっか、と じゃ、退部するんなら、届け出してくれよな、と 私の事はどうでも良さげに、 大事なのは走れるかどうかだけと言うように――]
(33) 2018/09/24(Mon) 12時頃
|
|
……は い
[ もう二度と来ないでください、って言いたかった。 喉元がきゅっと締まったような心地で、 私に興味を失った大人は、ペラ紙を一枚置いて それじゃあお大事に、と 背を向けて出て行った。]
[ ふざけんな。 わたしは静かに泣いていた。]
(34) 2018/09/24(Mon) 12時頃
|
|
[ 今更、今更! 既に失ってどうにも出来なくなったものを、 今更評価しないで欲しい! しょうがない、事故だったし、そんなに本気じゃなかった。 そうやって達観して、諦めようとしてたのに。
中途半端に、また歩けるようになるから、 余計に惨めになる。
いっそのこと、もう二度と歩けないくらいに 両足がぐちゃぐちゃになっていれば良かったのに。]
(35) 2018/09/24(Mon) 12時頃
|
|
………。
[ 嫌ぁな事を思い出した。 メモ帳を一枚取って、思いのままに綴る。 ポケットのあなたが、誰かは知らないけれど、 ……知らない相手だからこそ…だったのかな。
そのまま、勢いのまま、がりがり綴る。]
(36) 2018/09/24(Mon) 12時頃
|
|
ポケットのあなたへ
届いた。変なことが書いてあったと思う。 でも、今回もきっと怪文書だ。ごめん。 わかってるのは、リ・ジアン様は居る。それは確実。 願いは叶えてくれないけど。
神様は、中途半端に奪ってった。 完膚なきまで、全部持ってってくれたら 諦めもついたのかもしれない。本当に悪趣味だ。
メモ書きの私より
(前のメモよりは少し整ってはいるが、 それでも勢いのまま書いたような文字。 メモの端には、クローバーの柄がプリントされていた。)
(-9) 2018/09/24(Mon) 12時頃
|
|
[ ……書き終えて。 ふて寝をするように、ごろんと横になる。 どっかの傷が、またぐずりと痛んだ。
あの子への返事は、こんな気持ちで書きたくなかった。 レターセットにはまだ手を付けないまま。]
(37) 2018/09/24(Mon) 12時頃
|
|
[ 病弱で可哀想な男の子 そんな目で見られるのが、昔からなんとなく嫌だった。]
(38) 2018/09/24(Mon) 14時頃
|
|
[ よくある話だと思う。
僕は世間一般に想像される「可哀想な子」の テンプレートみたいなやつだったし そういった目に対する僕の反応も やっぱりテンプレートみたいに反抗的なものだった。
勉強だけはよくできる方だったけど それも『病弱な男の子』のイメージに 当てはまる気がして気に食わなかった。 弱々しい見た目が悪いのだろう、と 髪型を変えたり、体を鍛えようとしたこともある。 ……後者は途中で具合が悪くなって諦めたけど。
あぁそうだ、幼馴染のヤマトに頼んで ピアスを開けようとしたこともある。 結局、それもビビってやめちゃった。 ]
(39) 2018/09/24(Mon) 14時頃
|
|
[ そうしているうちにそういう目にも慣れてきて 僕は病弱で可哀想な男の子であることを受け入れた。 実際今でもまあまあ可哀想な状況だとは思うし。 何かを変えたって、僕の体がそうであることは ずっとずっと、変わらないんだから。 ]
(40) 2018/09/24(Mon) 14時頃
|
|
[ だけど、もしも変えられるとしたら?
───── 僕は、なにになってしまうんだろう。 ]
(41) 2018/09/24(Mon) 14時頃
|
|
[ 朝、起床時間よりも早く目が覚める。 いつもと変わらない景色を眺めては お決まりのように小さく息を吐く。
いつもと違うのは、体を起こしてすぐに 抽斗の取手へ手をかけたこと。
昨日の手紙は無事に届いただろうか 新しい手紙は届いただろうか。 期待と不安を胸に抱き どきどきと脈打つ音を聞きながら そっと抽斗を開けてみた。 ]
っ、 わあ…ほんとに───…
[ そこには 青い便箋が、一枚。 ]
(42) 2018/09/24(Mon) 14時頃
|
|
( うわあ、うわあ、すごい )
[ 二日連続! 魔法みたいだ、と子どもじみた感想を抱き 浮かれ気分で便箋を開いた僕は 宛名として書かれた文字をみてぴしりと固まった。 ]
( やっぱり送られてたぁーー! )
[ るんるん気分とは一転、崩れ落ちる僕。 看護師さんに見られていたら 情緒不安定だと心配されたかもしれない。 ]
(43) 2018/09/24(Mon) 14時頃
|
|
[ 内容はどうあれ、 日記を誰かに見られるのは恥ずかしい。 ましては相手は女の子だ。 可愛いデザインの便箋、そして丸い文字と文面から そうであろうと判断して僕は眉を寄せた。 ]
………………
[ 読み始めれば、 そこには僕を気遣う優しい言葉が並ぶ。 ───どんな子なんだろう。 生まれるのは、純粋な興味。 僕とは違うはずなのに どこか似通ったような印象を受けて 不謹慎、かもしれないけれど 僕はちょっとだけ、嬉しくなった。 ]
(44) 2018/09/24(Mon) 14時頃
|
|
う…………
[ 最後の文面には、ちょっとだけ頬を赤くして。 ]
『 mer 』……… ま…まー………め……めぇあ……
『 める 』……かな
[ 最後に書かれた短い三つの文字を声に出して それから辞書で調べてみた。 『 海 』の意味を持つそれとブルーの便箋に 同じ『 海 』の名を持つ僕は その子がもっと、気になるように。
昨日のレターセットを取り出せば 僕は早速、シャープペンシルを手に取った。 ]
(45) 2018/09/24(Mon) 14時頃
|
|
To mer
こんにちは、初めまして。 手紙をありがとう。とてもびっくりしました。 送るつもりはなかったんですが、 変な日記を読ませてしまって、ごめんなさい。
熱は下がって、今はすっかり元気です。 お気遣いありがとう。
あなたは怪我をしたのかな。 傷は痛みますか? 痛いのはどこかへ飛んで消えてしまいますように。
前にはできたことができなくなるのは すごく辛いことだと思います。 最初からできなかった僕よりも きっとずっと、苦しいでしょう。
(-10) 2018/09/24(Mon) 14時頃
|
1
2
3
4
5
6
7
8
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る