108 裏通りの絆
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今はもう、 ホレーショーは深く考えることを諦めていた。
奴が小悪党であっても、悪魔よりはマシだ。 きれいな金で生きて行けるのは、何かの才能を持っている奴だけなのだから]**
(18) 2014/01/18(Sat) 03時頃
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/* ごそごそしてたら人が増えてた。にゃぁ。
よろしくお願いします。
(-5) 2014/01/18(Sat) 03時半頃
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ケヴィンの残念パンが好き。
そして、欧米らしさを出すためにスパム缶にしてみたけど、 あれって結構小さい物だった気がしてきt
(-6) 2014/01/18(Sat) 03時半頃
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>>16 1ドルコインのつもりだったが、「いちばん小さい硬貨」っていったら、1セントコインやん……。 2セントで茶が飲めるかよ!(ちゃぶだいバァン
(-7) 2014/01/18(Sat) 13時頃
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[寂れた裏通り。 下水と排気が凝ったような泥の匂いを、港から流れ来る油臭い北風が撫でていく。
掃き溜めに暮らす貧困層には、東方の人間も多い。 診察代や薬代が払えなくても、針やら熱やらで病気が治せると思う者のおかげで、鍼灸医院「ロン」は辛うじて細々とやっていたらしい。
それも今は昔、先代のロン老人が随分前に"いなくなっ"て、地上2階地下1階の古い医院には、別の男が棲んでいる。 看板は掛け替えられることなく放置されているので、今の住人もそのままDr.rongと呼ばれた。
不動産主である地元のマフィアには、以来家賃が滞らなくなり。 鍼の腕は先代の方が良かったらしいが、表向きは兎も角、医院の裏口を開けて"ロン先生"を訪ねる患者はむしろずいぶん、増えた]
(19) 2014/01/18(Sat) 13時半頃
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― 路地 ―
『あなたのほんの少しの温もりで、世界は変えられる』
[石壁の猥褻な悪戯書きの上に、街と同じように薄汚れたビラが貼ってあった。 文字を読むのに使ったエネルギーの無駄。 立ち止まることもせず、弱く息を吸う。
咥えた手巻き煙草の先端がじわりと赤くなり、甘い煙が肺へと流れた]
(20) 2014/01/18(Sat) 13時半頃
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[チャリン、硬貨が立てる薄っぺらい金属音>>16が耳につく。 視線を上げれば冷えた小道に座り込む浮浪者と、 浮浪者よりは幾分マシな格好の男]
[奇特なことだ、という感想も特に思い浮かべず。 前方へ歩き続けながら片手に提げた鞄の持ち手を軽く握り直した。
自分のポケットから小銭を取り出す気はさらさらないようで]
(21) 2014/01/18(Sat) 14時頃
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[>>17雑貨屋のオヤジの言葉をふいに思い出したりしたのは、 手を離れたコインの冷たさのせいだろう。
オヤジが言いたいことは分かる。 この町じゃあ、ワルだとか、ずる賢いだとか、仲間が多いだとか、 何か取り柄が無いと生きて行けないのだ。 ワルにはなれず、賢くもなく、群れを作らない、このホレーショーみたいな奴は、 利用され貪られるだけなのだ]
[>>21硬い足音が通り過ぎていく。 他者に施す余裕などないくせに何をしているのかと、 まるで嗤われている気がして、勝手に気まずい思いをする。 冷えた手をポケットに戻して、身を丸めるように歩き出した]
[チラと横目で見れば、浮浪者はスパム缶を抱きしめていた。 それでいい。路地で窺う痩せたチビガキだって、この町では油断ならぬハイエナだ]
(22) 2014/01/18(Sat) 14時半頃
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[寒さと北風に追い立てられるように路地を歩く足どりは早い。 両手をポケットに深く押し込んで、 更に中で拳を作って熱を逃がすまいと努める。
途中、冷たい空気に乗る香ばしい匂い>>8に鼻をひくつかせた。 時折利用するパン屋のラインナップはごくごく平凡なものだ。 ただ、たまに前衛的なパンが並ぶ。 口に入れてしまえば一緒だし、面白いので時々買う。
今日はあるだろうか。 手土産代わりに持っていこうかと考えて、 ……嫌味しか返されそうにないので、止めた。]
(23) 2014/01/18(Sat) 15時頃
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(……この人は小先生か?)
[前を歩くトレンチコートを窺う。 物盗りと誤解を与えぬよう、ゆるりと歩けば、背は少しずつ離れて行く。
「ロン先生」の後釜に、しれっと居座るこの男が、ホレーショーはあまり好きではなかった。 ……別に何かをされたわけではない。 ないのだが、 何か「ロン先生」の店と評判だけうまいこと持ち逃げして涼しい顔をしているような、 そんなイメージを一方的に抱いていた。 ホレーショーは、賢くて要領の良い奴は嫌いだった。
だから、心の中では先代と区別して、「小先生」と呼んだりしていた]
(24) 2014/01/18(Sat) 15時頃
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>>24 どう見てもやつあたりです。 本当にありg(ry
(-8) 2014/01/18(Sat) 15時頃
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[後ろを歩く足音が少しずつ離れ、鞄を提げる手から力を弱める。 こちらが相手を覚えているかに関らず、この数年でハウリンの裏通りに暮らす大抵のクズ野郎には顔が知られている。それこそ、年中潰し合いをしているギャングから、根を深く張り巡らせたマフィアの幹部に到るまで。
といって、いずれ引ったくり被害に遭わないという保証があるはずもない]
[病院から、ブラックマーケットに寄って医院まで。 パンとお茶でも買って帰るかと思考をめぐらせたところで、路上でゴミ箱を漁っていた浮浪者がこちらを振り返り、 声をかけられた]
…
[歩みを緩めて、目を細める。 さっきの物乞いの浮浪者もこいつも、見分けがつかない。あるいは同じ人間かもしれないと思う。 似たように薄汚れて、似たように凍えて餓えた存在]
(25) 2014/01/18(Sat) 15時頃
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[「ロン先生」と呼ぶ男の親しげな調子で、治療したことがあるらしいと検討はついたが、 さて誰だったか。
思い出す努力をするよりも無視する方が面倒がない。 そのまま通り過ぎようとすると、浮浪者の喉が掠れた音を立てた。続いて響く乾いた咳に]
…ああ、
[カチと頭の中で歯車がはまる。 顔も声も忘れても、咳の音を聞けば思い出す]
──相変わらず調子悪いみたいだな
(26) 2014/01/18(Sat) 15時半頃
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[煙草を唇から離した。 浮浪者の笑顔へ、微笑を返し歩み寄る。 咳をする背中に手のひらを当てれば、薄い上着ごしに伝わる呼吸]
風邪でも引いたら、発作で死ぬ前にうちに来いよ 患者なら歓迎する
[喘息の治療は金がかかる。 予防管理ができるほど通院するくらいなら、誰だって屋根と壁のある寝床とまともな食事を優先するだろう。
浮浪者に食べ物や現金を施す心など欠片も持ち合わせていないが、死なずに医院まで辿り着けるように、とは思う。 鞄から一つ新品の吸入器を取り出して男の手に握らせた]
使い方は覚えてるか? ──ああ、やる。どうせ期限切れをタダで貰って来た。まだしばらくは使えるから心配しなくていい
(27) 2014/01/18(Sat) 16時頃
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[二言、三言。 ほんの僅かに会話を交わして]
じゃあな
[追い払うように指を振って、煙草を咥え直した。
甘い煙を吸えば、目の前の男が患者から他人へ切り替わる。 さっさと踵を返して道を歩き出す頃には咳のことも、声を掛けられたことも思考の外]
(28) 2014/01/18(Sat) 16時頃
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[目的地へ近づく道半ば。 浮浪者と話すコート姿の声>>26が聞こえた。 フードの陰から見れば、ロン医院の現主がいる。 懐事情と健康体のために己が世話になる事はまだないが、 評判と顔くらいは知っていた。]
評判どおりだなぁ。
[“「患者に」優しい”と評判に文言がつくくらいだ。 慈善家のような行動>>27を起こした直後、 一瞬で浮浪者から興味を失ったように立ち去る姿>>28は この街によく即している。
忍ぶように喉を鳴らして、置き去りにされた浮浪者を見る。 彼は受け取った吸入器を奪われまいと懐にしまいこみ、 そそくさと裏路地の奥へと消えていった。]
(29) 2014/01/18(Sat) 16時頃
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[寂れた路地を、一つのビニール袋を片手に歩む。 日が昇っている時間というのは、普通バーテンダーにとっては活動時間外だろう。 だが生憎ショートスリーパーであるが故に、睡眠時間よりこうして起きている時間の方が多かった。
陽が沈みかければ勤務先であるバー「アンダー」へ向かう。 しかし、まだまだ天高くに在る時間はあまり足が進まない。 理由をあげるなら、店周りの環境。 ストリップ劇場やら娼館やらが近くにあるというのは、仕方ない事だろう。 それでもどうしたって、自然と踵を返したくなるというものだった。
それをマスターに打ち明けた時、呆れながらもこれでもかという程に大笑いされたのは、今でも忘れない]
(30) 2014/01/18(Sat) 16時半頃
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― 茶茶 ―
[片手は上着のポケットに入れたまま扉を開き、 垂れ下がる布を躊躇なく体で押しのけて中へと入った。
外気が遮断された室内には、 青臭さとは違う草の匂いが満ちている。 甘さと苦さと、何十種類もの香りが混ざり合った独特の空気。
最初こそ匂いに酔っていたが、今ではそんな事もなく。]
外、めちゃくちゃさみぃのなー。 お茶ぁ。あったかいの。
[家主の姿>>2に横柄な口ぶりで告げる。 その返答がどうであれ、すでに手は机の上の菓子に伸びていた。
この応対、債権者と債務者間でのやり取りである。**]
(31) 2014/01/18(Sat) 16時半頃
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[寒さのあまり小さく息を吐けば、白く染まり霧散して消える。 使い古したコートを着直して、路地を進む。
カウンターで幾度か喋った事がある顔を見れば、会釈と共に何か言葉を交わしたか。 バーテンダーは接客業。 接客能力が求められるのは、店の中だけとは限らない。
ホスピタリティ−精神をこの路地裏で掲げたって、身を滅ぼすだけかもしれない。 実際ろくでもない客の割合の方が多いだろう。 それでも、店の評判を態々悪くする事もない。 場面や客に合わせて柔軟に対応していけばいい。 それだけの事だった]
(32) 2014/01/18(Sat) 16時半頃
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先生はサイモンに会いたかったのに、 俺が余計なことしちまったぽいw ごめんなしあw
(-9) 2014/01/18(Sat) 16時半頃
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[道を曲がって、別な路地へ入れば、 自然に先生の背と別れた。 よそ者には迷路のようなスラムも、ここで生まれて育ったホレーショーには庭同然だ。 最も、住人すら夜中には一人では歩きたがらないような物騒な庭を、 庭と呼んでいいのならだが。
犬まで痩せた道は、けれども冬の方がまだマシだ。 寒さは腐臭を、少しは凍らせてくれる]
(33) 2014/01/18(Sat) 17時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2014/01/18(Sat) 17時頃
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/* はい、よろしくお願いします(ねむい) 少女漫画的展開しかおもいついてませんしおすし…
あと苗字考えてて 1.ブレッド→パンじゃねーか… 2.ブラン→クリーム玄米ブランかよ… っていうNGがありましてですね
(-10) 2014/01/18(Sat) 17時頃
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― パン屋前 ―
[ガレット・デ・ロワのウィンドー内を眺めながら、短くなって来た煙草を味わった。 フィルターを詰めない両切りに巻いているからもあるが、基本的にスロースモーカーなので一本が長い。店内で喫煙せずに路上で喫いきるのは、モラルというよりはただの癖]
[鞄を逆手に持ち替えて、寒風にかじかむ指をコートのポケットに突っ込む。 小さめのバゲットを買うか、日持ちするライ麦パンにするか。 そういえばピーナッツクリームを切らしていたかもしれない]
(34) 2014/01/18(Sat) 17時頃
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―雀荘―
アタシの勝ちよ。
[指先で摘み上げた麻雀牌を手に冷たい表情のまま女は微笑った。 下卑た笑みを浮かべながら値踏みするように女を眺めていた初老の男の表情が変わる。]
ロン。
[女の発する声はどこか寂しげで。静かな室内に凛と響き渡った。
カタカタカタ。
軽快な音を立てて女の前に在った麻雀牌が対局者に見えるように開かれる。]
タンヤオ、ドラ三。 一万二千。
[涼しい声で言うと、女は台座に乗せられていた金を人差し指と中指で摘まむ。]
(35) 2014/01/18(Sat) 17時半頃
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毎度。
[冷やりとした空気がその場に流れた。 瞬きをする間ほどの時、閉口した初老の男は、はっと我に返ると女に掴みかかる]
………なにするのよ。
[女の鋭い眼光がじろりと男を責めるように射抜く。 「インチキだ!イカサマだ!」 そう騒ぎ立てる初老の男性に、対局していた残りの二人と店主。 それに、女を良く知る常連客の数名はやれやれと苦笑いを浮かべる。
麻雀はギャンブルだ。
玄人ですら、素人に敗北する事がある。運の要素を強く含んだ遊戯。 初老の男もそれは理解していた。 だが、たしかに女は最初に配られた牌を見たときに渋い顔をしていた筈だ。 「認めるか!」 尚も男は騒ぎ立てる。その姿を見て女はため息をついて言った]
(36) 2014/01/18(Sat) 17時半頃
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勝負は時の運。 今回はアタシが愛された。それだけのことでしょう? 分かったらその手を離して。
[ぐ、と男が押し黙った瞬間。どす、と鈍い音がして男の眼前の光景が変わった。 女が、男を蹴り飛ばしたのだ。女は靴のカカトを男の心臓あたりにぐいぐいと押し付けながら]
これ以上グダグダいうなら潰すわ。
[言ったその言葉の冷たさや如何ほどか。男は後ずさり、端役の下っ端よろしく「覚えてやがれ」と月並みな言葉を残して去って行った]
………捨て台詞も三流だわ。
[呆れたように零した女は、いいぞと囃し立てる常連客を一瞥すると店主に小銭を渡して、カウンターの隅へと移動した。考える事は、あと一人二人ふっかけて荒稼ぎしようか、それとも店仕舞しようか、そんなこと]
(37) 2014/01/18(Sat) 17時半頃
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