160 東京村
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『え、いやお前…っ 大体、勝手に回るって言ってたのは?』
――『何そのギャグ? 面白くないんだけど。 忘れたなら忘れたっていいなよ。
昨日そっちから聞いてきたくせに』
(128) 2015/06/06(Sat) 03時頃
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『 ――――、 は?』
――『だから、ちゃんと都合合わせるように こっちで調整するからって。 電話で予定聞いてきたじゃない。』
(129) 2015/06/06(Sat) 03時頃
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[…言葉に詰まったように、声が出ない。]
[背筋に寒いものを感じる。 途端、周囲の音が嘘のように聞こえなくなる気がした。]
(130) 2015/06/06(Sat) 03時頃
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――『ほんとお兄ちゃん、そういうの多すぎ。 今までだって……』
[耳の傍の妹の声すらどこか遠い。 握った携帯の感覚すら薄れていく。 彼女の言っている事に全く覚えはなく。
―――きっと僕は、 致命的な危険に気付いていなかった。]
(131) 2015/06/06(Sat) 03時頃
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[僕と「あいつ」の電話番号が繋がっているとして。
…僕が、「あいつ」の会話を盗み聞けるなら。
「あいつ」だって そうじゃないのか? ]
(132) 2015/06/06(Sat) 03時頃
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[昨日の夜みたいに、見逃されることもあると知って どこかで安心していたのだろうか。
―――ネットに書かれたあの記事に、 信用できる部分なんてどこにもなかっただろうに。]
(-54) 2015/06/06(Sat) 03時頃
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――『お兄ちゃん? 聞いてる?』 ――『それで 時間と場所なんだけど、』
『 ―――――ッ い、 いい 』
[詰まった声を、焦ったように無理矢理吐き出す。 指の感覚が無い。気付けば強く握りしめていた。]
(133) 2015/06/06(Sat) 03時頃
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『に、兄ちゃんもちょっと急用入ってさ いつ終わるかわかんないんだ
さっさと別なとこ回ってこい』
――『は…? そのつもりだけど…』
[携帯の画面をちらりと見る。 通話画面の端に、現在時刻が表示されている。
もうそろそろ、13時になるところだった。 『あいり』と会う時間だ。]
(134) 2015/06/06(Sat) 03時頃
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『 っ 揚花、 』
『〜〜〜、ちょっと、… っ 画面、 携帯の画面割っちゃってさ。 ふいに変なとこ 勝手に押しちゃうみたい なんだ
電話代の無駄だから、 だから、俺からの電話は絶対出るな』
『俺からあとで連絡するから』
[携帯を耳から放す。 携帯の奥で妹は何か言っているようだったが、 青年はそれを無視して通話を切った。]
(135) 2015/06/06(Sat) 03時頃
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[――――― 落ち着け、
飛行機が遅れたと言っていた。 時間も揚花の居場所も、 電話だけじゃ今はわからないはずだ。
大丈夫。 揚花は大丈夫……]
(-55) 2015/06/06(Sat) 03時半頃
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[………妹を失ったら。 僕の「日常」はどうなる?
――――――冗談じゃない。]
(-56) 2015/06/06(Sat) 03時半頃
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…………………
[息を深く吸って、吐く。 それを繰り返した。]
[俯いた顔は見えない。
時間はもうすぐ13時になる。 ――――やがて、青年は顔を上げた**]
(136) 2015/06/06(Sat) 03時半頃
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[『あいり』の姿が見えた。>>138 青年は声をかける前に、 じい、と細目の奥で彼女の姿を眺めてから。
急いで店内へ入っていこうとする彼女へ、 彼女が気付くように手を振った]
大平さん 大平さん
[へら、と気の抜けた笑みが浮かんでいる]
や、すいません。 わざわざ来てもらって。
(146) 2015/06/06(Sat) 15時半頃
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[『あいり』に向かってひとつ頭を下げていたところで、 聞いたことのある声がかかる。>>140]
あれ。昨日のお客さんじゃないすか。 こんにちはぁ。 お仕事かなんか、この近くなんですか?
[昨日店で見たときよりも彼女の顔色は良さそうに見えた。 神谷へも頭を一つ下げ、へら、気の抜けた笑みで笑う。 かけた言葉は、呼び止めるというほどのものでもない、実に無難な世間話だ。適当に返して、通り過ぎようと思えば通り過ぎられるだろう。]
[昨日初めて会った風な男女が、店の前で待ち合わせしている。女子高生を連れまわす小汚い男、よりは世間的にまともに見えるだろう。
ただ、『あいり』と彼女が顔見知りだという事を青年が知る由もない。]
(147) 2015/06/06(Sat) 16時頃
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/* うんん あたまがまだねてんなあ
ひなこ来る前に飯くおうねえ
(-60) 2015/06/06(Sat) 16時頃
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いいえぇ、全然す。
[気付かなくて、という彼女へ笑顔のまま首を振る。 店内へ急いで向かおうした彼女へ、 はたと気づいたような声を出した]
あ。 もしかして おなかすいてました? お昼、食べてなかたら。 よかたら、ついでに食べていきます? [一度店内に視線を向けて、『あいり』に視線を戻す。]
(149) 2015/06/06(Sat) 17時頃
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[軽い挨拶だけで済ませた神谷へ、 「またいらしゃてくださいねぇ」、と手を振った後。]
[「そうします」、と答えたひなこ>>150に青年はひとつ頷いた]
そうすか。 そりゃよかた。
[笑顔のまま、青年は店の扉を開けて 彼女を店内へと促した。
見知った店員に手だけ上げて挨拶をして、 そこで彼女の方へ視線を戻す]
(152) 2015/06/06(Sat) 17時半頃
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[………『おなかがすいた』ら。 それが青年が客に「お茶」を渡す示し合わせだ。]
[細い目の奥、舐めるような視線を向ける。
少し膨れた下腹と ―――少女の股の方を見て。
固唾をひとつ飲んで、口を開く。]
――― 化け物に、 薬が効くとも思えないけど。
(153) 2015/06/06(Sat) 17時半頃
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[へらりと笑った顔のまま。 それでも細目の奥は、見定めるような色をしている。]
…なぁんて。冗談す。
先にお渡ししますね、落とし物。 店の裏の方にあるんすけど。
[案内するように、 青年は『あいり』は更に店の奥へと促した。]
(154) 2015/06/06(Sat) 17時半頃
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/* んん 誤字がひどいねえ〜〜〜〜 ねむたいひとなんだねええ〜〜〜
でも今日おちたいんだよねええ〜〜〜
(-62) 2015/06/06(Sat) 17時半頃
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[警戒されているのがわかる。 いいからいいから、大丈夫だから、と、どこに信用を置けというのかもわからない言葉と笑顔で店の奥へと迎え入れる。]
[すれ違った店の従業員は、知り合いだというと示し合わせがあったのだろう。特に何も言ってこなかった。]
…そういえば、 ツテから聞いたんす。
[店の裏口の扉に手をかけながら 『あいり』へと声をかける。 ドアを開けた先は、細く、薄暗い路地だ。 店の裏に置かれたゴミ箱の近くで立ち止まった。]
君。 「大平あいり」じゃないんでしょ。
(157) 2015/06/06(Sat) 18時頃
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/* ひなこ吊り…かな? それにしても襲撃されたい
智恵美がどうくるかな 智恵美首なしっぽいな!とおもってんだけど 役職予想はずすからなあ!わたし!
(-63) 2015/06/06(Sat) 18時半頃
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[謝る彼女へ、ワタヌキのように 「どっちでもよかった」などと許容の言葉を掛けることも、 ましてや許すような言葉をかけることもなかった。
代わりに言葉にしたのは、質問だ。 浮かべた笑顔とかけ離れた、 温かみのない声をしている。]
本物の「大平あいり」は どうした?
[落し物なんて『あいり』を呼び出す為の嘘だ。 『大平あいり』を騙ったのだから、 彼女の話題をちらつかせれば乗ってくるだろうと 踏んでいた。]
(159) 2015/06/06(Sat) 18時半頃
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[手をぐ、と握りしめる。 震えそうになるのを耐えるためだ。 それでも心臓はうるさい程に跳ねまわっている。]
何が目的?
[意識しないと呼吸は荒くなりそうだった。 じわりと、汗が首筋を伝う。
昨日聞いた、電車のブレーキ音のように。 頭のどこかで警鐘が鳴り響いている。]
(160) 2015/06/06(Sat) 18時半頃
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お前は「何」だ?
[首筋から背筋にかけて、 ぞわりと這うような感覚がする。
踏み込みすぎている。 暴走してしまった好奇心へ、警鐘が鳴り続ける]
(161) 2015/06/06(Sat) 18時半頃
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…………
[動揺するような目の前の彼女を、 青年は細い目でじい、と見つめている]
、
[ふいに、ひゅ、と引き攣れるような息が漏れた]
(164) 2015/06/06(Sat) 19時半頃
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[視界に重なるようにぼんやりと浮かんだのは、 彼女の股から流れた血。
昨日鏡に映った、彼女の様子が脳裏に浮かぶ。]
(-69) 2015/06/06(Sat) 19時半頃
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[幻覚じゃないか。 昨日はそうも思っていた。
自分がいかれてしまったのか。
「異常」を楽しむためには、 自分が「平常」である事が大前提だ。 それだけは避けなきゃいけなかったのに。
だが、それも 今は、どうでもいい。
今は、「これ」が何なのか。 確かめたくて仕方が無かった]
(-68) 2015/06/06(Sat) 19時半頃
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[鞄から覗いた目玉に、 身体が固まりそうになる。 どう呼吸をしていたか忘れそうになる。
まるで、昨日の自殺志願者たちのよう。 死を目前としているかのようだった。]
[よせばいいのに。逃げればいいのに もう止まらない。 彼女の持つ鞄へ、手が伸びる]
(-70) 2015/06/06(Sat) 19時半頃
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[涙を浮かべるひなこへ青年の手が伸びる]
[へらへらとしていた印象とはまるで違う、 粗雑な動きは、まるでこれから 彼女に乱暴をふるうようにも見えた]
(165) 2015/06/06(Sat) 19時半頃
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