206 “ J ” the Phantom thief
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[私のドレスは、深海に星が散りばめられたもの。私の髪留めは、空から降ったお星様を模したもの。光を浴びたならば、キラリと目をひくでだろう。けれど、その分私のスカートは短い。足元まである様な漆黒の檻はない。膝を隠すほどの短さは、足へまとわりつくものもなく、動くにはちょうどいい。
かすかな光を捉えられたとしても、構わない。 それならば、捕らえられるより先に、逃げ出せばいい。闇に紛れ動く、しなやかな黒猫の様に。
逃げるのは得意だ。だって、今まで私は、いない人間だったんだから。お父様にもお母様にも、見てもらえない。いない、いらない、子 そんな私を、今更気にとめる人も、いないでしょう?幸いここには、華やかなお花がたくさんある。その中での私なんて、埋もれて見えない葉、なんだから]
(-144) 2017/01/08(Sun) 12時頃
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[「立派なこと」そう言われるのは悪い気はしない。けれど、父の代わりにパーティーに出ただけで立派と言われるなんて、やはりこの見た目では子供に思われるのか]
パーティーに出るだけで立派ならば 貴方だってとても、立派ですよ?
あら、私がいいって言っているんですよ? 確認なんて取らなくてもいいんです。 私だってそんなに畏まって接されるほど 名のある令嬢じゃありませんもの
ただの、宝石商の娘です
[例えば、あちらの薔薇のお嬢様みたいな。口には出さず、首元へ薔薇を咲かせていた女性を思い出す。彼女の様な人であれば、周りが畏まり接するのは当然だろう。]
それはよかった。ただの葉でも華に化けれたみたいで。 あの美しい華達に並べてもらえた事、光栄に思うわ
(199) 2017/01/08(Sun) 13時半頃
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[華に化けた葉は、それでも褒められれば自信が本当に華であるかの様に錯覚する。けれど、このパーティーではそれでいいのだろう。他人が見るのは、本質ではなく外見。そこさえ誤魔化せてしまえば、それでいいのだ]
観察眼は宝石商で大切なものよ 男性というのは、それくらいの余裕がないと 女の尻に敷かれる人生になってしまうわ?
[くつり、笑いを零して。悪戯気に微笑んでみせる]**
(200) 2017/01/08(Sun) 13時半頃
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いいえ、いいのよ けどそうね、ここだから言っちゃうけれど こう見えていっぱいいっぱいなの 本当の商談なんか出ようものなら、倒れてしまうわ
[相手から漏れる笑い声には笑みで返そう。別段気にした様子は見せもせず、弱音とともに緩ませた口元は、背伸びをした華ではなくて。年相応の葉、そのものの笑顔で。 彼の外身も、自分と等しく偽りだなんて事には、気づきもせず。 ゼニーア・ヤニク を視界に移す。]
ええ、こちらこそよろしく、ヤニク 女王様のお導きで貴方に会えた事を、嬉しく思うわ
[グラスを持っていたのなら、カチリと軽い音を立てて祝杯を挙げたのだろうが、生憎今、わたしの両手は空いている。それに、その行為はパーティーから逃げ出した私達には些か窮屈に感じて 右手を差し出せば、握手を求めてみようか]
常に余裕を持って強かであれ、そう教えられたの これはそのための世渡り術の様なものね
(228) 2017/01/08(Sun) 17時頃
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宝石商の目は、とってもいいの 例えば、誰かが被った、偽りの仮面の下をも 覗き見てしまうくらいに─── … ね?
(-166) 2017/01/08(Sun) 17時頃
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なんて、冗談だけど。
[小さく呟いた声は、 私と彼と、見下ろす夜空だけの秘め事]**
(229) 2017/01/08(Sun) 17時頃
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/* イアン、罪作りな男ね
(-173) 2017/01/08(Sun) 18時半頃
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[怪盗が犯行予告を出す理由は何か。これの答えは回答によって様々でだろう。私の場合は、刺激の欲しさ、だろうか。 注目されたい、とも同意義なのかもしれない。お父様もお母様も、私なんて見てくれなかった。だから、誰かに見て欲しかったのだ…
ほら、こう言えば、なんだか可哀想な女の子の御涙頂戴話みたいだ。実際は、そんな可愛らしいものじゃないけれど
私の姿が多種多様に語られ始めたのは、何時だっただろう。軽く変装をする事もあったが、私が大男や、初老の男性なんかになれるはずがない。それらはすべて、面白がった人間たちの、虚像、空想、妄想の産物だ
結局、どれだけ目立ったとしても、みんなが見ているのは、 " 怪盗 J " であって、ただの小娘のミーシャなんて誰も見ることはない。最後まで私を見る事もなく、立ち去った。お父様やお母様のように
私の形なんて、ない]
(-174) 2017/01/08(Sun) 18時半頃
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さて、どうかしら 私なんかよりも舌が達者な方なんて 探せばたくさん居そうよ?
[私の口八丁なんて可愛いものだ。世の中にはもっと、口先だけで人を惑わすものがいる。商売にせよ、恋路にせよ、器用な人はもっとスマートに迅速に、人の心を掴むだろう
振り返る先、感じるのは、毛先から頭皮へ伝わるかすかな揺れ。瞳を細め相手を見やれば、すぐさまに言葉を繋ぐ彼を見る。 こんな、闇にも溶けそうな、ただ黒いだけの髪、触れてもなにも楽しくないだろうに]
あら?それなら、 このパーティーが終わってからもあってくださるの? …… 家のものとしてじゃ、なくてよ
[交わされた一度両手で包んで、首をかしげる。問いかけはほんの好奇心。彼の社交辞令がどこまで続くか、少しだけ試してみたくなったから。 息抜きなのにそんなことして、彼は怒るだろうか]
(278) 2017/01/08(Sun) 21時半頃
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私は、初めから怪盗さんのことを言ったつもりよ それとも他に、 貴方には仮面に隠さないといけないものがあるの?
(-192) 2017/01/08(Sun) 21時半頃
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全ては冗談よ だって、私はただの小娘なんだもの 小娘の戯言に、惑わされちゃダメよ?
休憩場所をありがとう。 貴方も、このパーティーを楽しめますように。
[彼の耳元へ囁きを落とし。くつり、くつり。笑みをこぼせば、ドレスの裾を翻し。制止がなければ、色とりどりの華が咲くパーティー会場へ足を向けるだろう。]**
(279) 2017/01/08(Sun) 21時半頃
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宝石を狙う怪盗も丸裸?
ええ、ええ、そうでしょうね
だってそれは、私だもの
よく知っているに、決まってるわ
(-194) 2017/01/08(Sun) 21時半頃
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[会場へ戻り、華の中へ紛れこむ一輪へ戻ったならば、くるりくるりと回る花々を避けながら。もう一度女王の御前を通る。 囲いをしないそれは、手を伸ばせば届く距離。今すぐにでも取れてしまいそうな、距離。まるで盗ってくれと言うかのようなその赤は、しかし誰も寄せ付けない。 こんなに視線にさらされれば、見えない檻があるようなものだ。
決して手を伸ばしはしない。ただ、近くへ佇むだけ。 ちらりと辺りを見渡せば、薔薇のご息女と大輪のドレスをまとった女中の姿>>263>>276 何かあったみたいだけれど、女中の彼女がいれば私に出る幕などない。もう暫し、女王の御前でパーティーを見守らせてもらおうか]**
(280) 2017/01/08(Sun) 22時頃
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[こんな石ころのために、大きなパーティーを開くだなんて。やはり光り輝く石は、人を惑わせる
赤い、赤いそれは、より深く人を魅了する
あぁ、なんて美しく、輝かしく、 羨ましく嫉ましく憎らしく、憎く憎く憎く
憎く憎く憎く憎く憎く、憎くてしかたない
赤なんだろう]
(-195) 2017/01/08(Sun) 22時頃
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[けれど、それほどまでに憎いからこそ
私は" ソレ "を、欲するのだ
── の代わりに、憎むものがないと
私はきっと、潰れてしまうから]
(-197) 2017/01/08(Sun) 22時頃
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/* 本当にJに私なんかがなってしまってすみませんやで 頑張って盗む、盗む そのためにみんなと絡みたい、目撃されたい… ひぇ、ひぇ。
(-198) 2017/01/08(Sun) 22時半頃
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