219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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ニッキー君。 君は、パートナーのこと、信頼できそうって思う?
[桐生が建物の中に消え、赤い靴と共に戻ってくるまでの6分の間、 沈黙を追い払うようにして、死神は口を開く。 その最中に問うたのは、靴を求めて建物に消え、後に赤い靴を持ってくることになる少年のこと。
どちらにせよ、今日は初日、と。 少年から答えがあったなら、そっか、と。軽い相槌を打って、 死神はカプチーノを啜っただろう。*]
(@153) 2017/06/14(Wed) 23時頃
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[かしゃり。 突然向けられたカメラ>>454の、その画面に見えた死神は、 多分、ぽかん、と呆けたような表情をしていた。
子供のように、にぃ、と笑う顔と、去っていく足音>>456で、漸く我に返って。
深いため息を吐きながら、顔を覆って、その場にしゃがみ込んだことだろうと思う。 なんというか、こういった不意打ちには少々弱いのだ、この死神。]
(@157) 2017/06/14(Wed) 23時半頃
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[けれどね。腕に埋めていた顔を、もぞもぞと上げて。 そうして、駅の往来を眺める。 少々上背のある男が、突然しゃがみ込んだとて、 こちらに目線を向けるものは、誰一人としていない。
死神だって、参加者と同じUGの住人だ。 写真に写ってしまえば、それこそ心霊写真なわけで。
あぁ、それでも、もしかしたら、なんて。 淡い期待をしてしまうのは、気の迷いか何かだろうね。*]
(@159) 2017/06/14(Wed) 23時半頃
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おかえり。 ……っと、大丈夫?
[深呼吸で心を静めた数分後、見計らったかのように戻ってきた姿>>435に、 死神は、ゆるぅく手を振り、 彼の後ろ―昨日以来の姿(今はおひとりさまらしい)>>448に気付いて、 その手が、ぴたり、と、止まった。
振っていた手は、目つきの悪い青年への手招きに変わる。]
それ、見せてごらん。 ……藤宮くん、ちょっと待ってね。
[ミッションを達成したらしい青年に一言断って、 その後ろに手招きをしたらば、さて、彼はこちらへ来てくれただろうか。 あぁ、勿論、危害を加えるような真似はしませんよ。*]
(@165) 2017/06/14(Wed) 23時半頃
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[>>499彼の了解を得さえすれば、僕は断りを入れたのち、その腕に触れる。 そうすれば、きっと、彼を苦しめていた痛みは、 まるで、夢であったかのように“なくなって”しまうだろう。]
どうだい? 魔法みたいだろう。サイキックだけどね。
[そうやって、得意げに笑う死神の腕―― 桐生の怪我があった箇所に滲み始めた、赤。
ぼた、と、地面に落ちる血を、 或いは、穏やかな笑みを崩さない死神を見て、 彼らはどんな反応をしたかな。
何にせよ、僕は、何でもない調子で、 ポケットからガーゼと包帯を取り出して、傷口に巻き付けていく。止血は大事だ。]
(@171) 2017/06/15(Thu) 00時頃
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あぁ、そうそう。
[自らの治療をしながら、 僕は思い出したように彼らの方へ顔を向けた。]
君たち参加者が負った怪我はね、次の日には治るんだよ。 知ってたかい?
けど、死んだら流石に終わりだから、怪我は程々にね。
[今度からは気を付けるんだよ。 そう告げる死神は、肉を裂かれた痛みに呻くことなどせず、 唯々、穏やかに笑っている。*]
(@172) 2017/06/15(Thu) 00時頃
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[そうして、死神は、 先程までと変わらない調子で、今度は和服の青年の方へと向き直った。
大変お待たせしました、サブミッションの採点です。]
写真は撮ってきた? 見せてもらってもいいかな?
[彼から見たサイガワラは、どんな色をしているのか。 少し期待のこもった眼差しを和服の青年へ向けたのだが、さて。*]
(@173) 2017/06/15(Thu) 00時半頃
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あぁ、気にしないで。 死神も明日になれば治るんじゃないかな。
[他の面子に関しては、そうなのかもしれないけれど、 聞いたことがないので、なんとも。 だから、曖昧なことしか言えないわけだ。]
もらったものは、簡単にはあげられないみたいでね。 気持ちだけ受け取っておくよ。ありがとう。
[差し伸べられた手>>536には、苦笑と礼を返す。 そうして、あわあわと狼狽する様子と、その末に下げられた頭>>519に、 僕は再度手を振って、彼を安心させるように、笑みを浮かべたのだった。]
(@184) 2017/06/15(Thu) 01時頃
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あぁ、これはすごい。
[写真の中、写っていた『サイガワラ』の風景>>541に、 死神はひゅうと口笛を吹いた。 ともすれば、流行の最先端であるこの街とは、一番縁遠いとも思える姿。 けれども、これは確かにこの街に存在しているのだ。]
この街は、流行りばかり追いかけてるけど。 こういったものが今も残っているっていうのは、少し、安心する。
[ぽつ、と呟いた言葉に重なったのは、自分の姿が消えた雑誌のこと。 流行から取り残されれば、あとは飲まれ、忘れられるだけ。 それは、この街に於いての真理には違いない。
けれど、この場所のように。 時間を止めて、ただ昔のように在る場所も、悪くない。そう思う。 慈しまれているであろうことは、周りの植木などを見れば良く分かる。]
(@189) 2017/06/15(Thu) 01時半頃
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うん、合格。 100点をあげよう。
[そうして、結果を告げると共に、彼の方へ青いバッジをひとつ、ほうり投げる。
>>542あぁ、カメラ?そんなの気にしないよ。 これ、もらってもいいよね?
そんなふうに、一応、彼に許可を求めたのち、 写真を眺めて、僕はもう一度、息を吐いた。**]
(@191) 2017/06/15(Thu) 01時半頃
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―回想:1st Day/Mey-F前にて―
[――「明日くらいまでは、平和なんじゃない?」 カフェモカを片手に笑う同胞の呟き>>@25に、僕は大仰に息を吐いた。 平和な時間というのは重要だが、退屈であることに変わりはない。]
さっさと、面白くなればいいのにね。
[けれども、これも必要な時間なのだ。 舌先に広がるカフェラテの苦みと甘みに、死神は頬を緩ませる。
ここに来る前と同じ。 終わりというものは、いつだって唐突で、残酷で、非情だ。
けれども、終わりまでの日々が輝かしいほど、その影は増す。
あぁ、簡潔に言おう。 厚い信頼を切り裂いた裏切りは、心に深い傷を残す。 つまりは、そういうこと。]
(@195) 2017/06/15(Thu) 01時半頃
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[ねぇ、君はどう思う?と。 もしかしたら、隣の彼女に聞いてみたことがあるかもしれないね。
それって、とても魅力的なことだと思わないかい?と。**]
(@196) 2017/06/15(Thu) 01時半頃
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