273 魔性の病院【R18ペア】
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[ 黍炉から直接に注がれた魔力はたちまち効果をもたらしていた。 血を飲まされるより効率がいいことも明白だった。]
もう 動ける。
[ 目標が果たされたのだから、解放されていいはずだと声を落とす。 もとより、望んでこの方法で魔力を回復したかったわけではない。
もっとも、足りているかといえば、否であるのは認めざるを得ないだろう。 手首を押さえ込まれて、振り解くことすらできない。 心も、体も、まだ辛い。]
(*59) 2019/12/15(Sun) 17時頃
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[ それに黍炉もまた、これで終わりにするつもりはないようだった。 欲望を見抜く囁きに、体温は沸き立つ。]
ダメだ、 そんなのは関係ない──!
[ 淫魔の業など習得する必要はないと突っぱねる。 けれど、再び中を掻き乱されてしまえば、防御はあえなく突き崩された。]
(*60) 2019/12/15(Sun) 17時頃
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[ 結合部から淫猥な音が響く。 身体に力が戻るにつれ、感度も良くなったのか、 先ほどよりも鮮烈な刺激を、よりダイレクトに読み取ってしまう。]
ひ、 っあ…!
[ 狂おしい劣情に見舞われ、あられもない姿勢に担ぎあげられたまま、 蹴りつけることもできない爪先が、反り返って痙攣した。*]
(*61) 2019/12/15(Sun) 17時頃
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[ 意志とは無関係に、身体は黍炉を迎え入れる度に柔軟になってゆく。 もっと深く、と誘う言葉に反応したのは警戒でもあり、期待でもあった。]
──… うっ
[ 不意に、隘路を満たしていたものが引き戻される。 関門を抜ける瞬間にひときわ大きな快感を残して、土産にしていった。 とはいえ、展開が読めない。
これで仕舞いなのか。
ようやく自由になったというのに、どこか後ろ髪を引かれている自分がいる。]
(*64) 2019/12/15(Sun) 18時頃
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[ 躊躇いつつ目を合わせたとたんに、手際良くうつ伏せにさせられる。 そして与えられたのは掌ではなく、命令の言葉だった。
できるか、と問われれば否はない。 回復の程度を確かめたいのなら、示してやってもいい。
けれど、黍炉の声に含まれたものは甘く剣呑だ。]
膝、を…?
[ 指示に従いはしよう。 けれど、動きは緩慢なものだった。*]
(*65) 2019/12/15(Sun) 18時頃
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[ 尻を叩かれ、目を瞠った。 これまで、親にもそんな仕打ちを受けたことはない。
痛みというほどのものはなく、響いた音が引き締まった肌を質感を伝える。
繰り返されるうち、不意にこれも愛撫なのだと察した。 現に身体は、次の打擲を待ち受けて熱い。]
──… 、
[ 血と精によって、彼につながれた命だということを魂で理解する。]
(*67) 2019/12/15(Sun) 19時頃
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すれば、いいのだろう。
[ 声にならない息をついて、腕の間に顔を伏せ、腰を上げて見せる。 止めさせるには彼の命令に従う他ないと割り切った態で、その実、葛藤と渇望に身を焦がしていた。*]
(*68) 2019/12/15(Sun) 19時頃
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[ 黍炉が語るのが自分のことだとは思えない。
そんな風に認められて喜べるものか。
彼に求められるのは、きっと心地いいことなのだろうけど── やはり、自分がふさわしいと思うべきではない。]
…早く、
[ 済ませろ、とも、欲しい、とも続けずに、腰を突き出す。 殊勝な態度など知るものか。]
(*72) 2019/12/15(Sun) 21時頃
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[ あくまでも悠然と、黍炉は事を進める。 言葉で煽り、先触れを与え、じっくりと味わう。
これまでとは違う角度で深く抉られ、背筋が漣立った。]
う、 ぐ… っん
[ 仰臥の時とは異なり、自力で身体を支えていなければならない分、縋りつくように締め付けてしまうのがわかる。 血が頭に下がってきて、むやみと活動的になっていた。
このまま貪ってしまいたいような、衝動。*]
(*73) 2019/12/15(Sun) 21時頃
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[ 奥深くまで激しく貫かれ、視界が滲んだ。 抜き差しされる動きに息が重なり、声が快楽に染まる。]
く…、 は、 っあ、 あ…
[ 腰だけでなく、身体ごと揺らされて寝台が軋む。
どうにかなってしまいそう、だ。
そんな惑乱の渦中にあったものを、黍炉の動きが緩やかになってゆくのに気づいて、熱に浮かされたように呻く。]
(*75) 2019/12/15(Sun) 21時半頃
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どうし て
[ 望むように、なんて。
倒れ込んで休みたい。 そうしようと考えているはずなのに、惰性のように腰が揺れる。
自分がどれだけ動けるのか確かめるように、その動きは次第に大胆になった。
こんなに回復している。
疲れ切っているのに、まだ動きたい。 ほら、見せてやる── *]
(*76) 2019/12/15(Sun) 21時半頃
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[ 双方が同時に動けば、生じる刺激は予想もつかず、甘やかに狂おしく疾駆した。 時折、挟まれる黍炉の言葉が欲望の行く先を導く。]
や… あ 、
[ 胸の突起を弄ばれ、官能の頂に押し上げられる。]
(*80) 2019/12/15(Sun) 23時頃
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[ 意図せず枕の下に潜り込んだ手が、隠しておいたナイフを見出した。 柄を握れば、しっくりと手になじむ。 異郷の地で懐かしいものと出会ったような安堵を覚える。
二人が出会って起こす快楽の奔流に呑まれそうになりながらも、舵をとる瞬間は自分でいられた。]
黍炉 、 一緒に ──
[ 恐れず、待ち受ける器と化した自分を開き、迎え入れる。]
(*81) 2019/12/15(Sun) 23時頃
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あ、 …──っ ああ… ああ!
[ 法悦が訪れた瞬間、シコウの体は悦びの経絡に沿ってプレシャスオパールの輝きを宿した。
シコウ自身も見たことのない、光景。*]
(*82) 2019/12/15(Sun) 23時頃
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− 魔界/魔侯爵領 −
[ その頃、魔侯爵の居城に戻った捜索隊は、刃先の欠けた黒槍と数多のファイアオパールを差し出し、「第四息は戦死されたと思われます」と報告していた。*]
(11) 2019/12/15(Sun) 23時頃
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