273 魔性の病院【R18ペア】
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[ 何やら心得顔で黍炉は理を説く。 魔物が天の力を語るのはお門違いではないか。 そもそも説明すれば続けていいというものでもない。]
──…っ
[ 湯より冷たい指が皮膚の最も薄い部分を握る。 物怖じしないその所作は手慣れているとすら感じられた。 意識のない間も同じようにされたのだろうか。 回復に向かっていると、彼は言っていたけれども。]
(*21) 2019/12/12(Thu) 11時頃
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[ 粘性のない湯の中で撫でさすられ、皮膚同士の摩擦を感じる。 あまり繰り返すと痛むかも知れなかったが、刺激にはなるのだろう。 熱が集まって充溢していくのがわかる。 生理的な反応、だ。]
おれは、
[ かろうじて声を揺らさないようにしながら、言葉を紡ぎ出した。]
(*22) 2019/12/12(Thu) 11時頃
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また動けるようになりたい。 …そのために必要だというなら甘んじて受け入れる。
[ 唇を噛み締める。 この施療は不本意であるが、黍炉を信じる、と。*]
(*23) 2019/12/12(Thu) 11時頃
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[ 今日の施術は済んだようで、身体を洗おうと言われる。]
看護人はいないのか?
[ 病院と聞いたが、まだ誰の姿も見ていなかった。 誤解されないうちに言い添えておく。]
別に…おまえにしてもらいたくないという意味ではない。
(*27) 2019/12/12(Thu) 16時頃
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[ 彼には死人すら蘇らせる能力があるのは承知していたし、 なんらかの気概をもってこうしているというのはわかる。]
ただ、おまえは一軍の将であり、城主でもあるのだろう。
[ こんなことまでさせるのは畏れ多いと言ってもいい。]
(*28) 2019/12/12(Thu) 16時頃
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[ 動けない患者用の寝椅子に移され、泡で肌を覆われる。 彼の手を煩わせている上、ただじっとしているのももったいなかったので、少しでもリハビリになればと、指先で寝椅子を掴んで、身体を浮かそうとしてみたりする。
湯の中のようにはいかないが、少しばかり持ち上げることができた。 やはり鍛錬は重要だ。]
…っ う?!
[ 黍炉に任せきりにしていたら、不意に電流めいたものが背筋を駆け抜けて、変な声が出る。]
(*29) 2019/12/12(Thu) 16時頃
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なに、 を!
[ 身体の上で繰り広げられている光景に思わず声を掠れさせた。 淫美に舌を翻らせて微笑む黍炉は紛れもなく愉しげだ。]
無用だ。
[ 治療に関係のないことをするなと、視線をきつくして毅然と告げた。 感情の揺れが肌に石鹸の泡にも似た遊色を浮かび上がらせる。*]
(*30) 2019/12/12(Thu) 16時半頃
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[ 黍炉は優しげな口調で、したいことをしているのだと言うが、二重の意味で、それに甘えてはいけないと自戒する。 ひとつには、自分のことは自分で管理すべきだという考えゆえであり、 もうひとつは、彼のしたいことのうちに、「シコウを手に入れる」が含まれているのを聞いているからであった。
今しがたの行為を鑑みても、不穏極まりない。
母由来の能力は極力、出さないようにしているはずなのに、彼に影響を及ぼしてしまったのかと戸惑いもする。]
(*34) 2019/12/12(Thu) 21時頃
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嫌いだ。
[ 肌に触れたままの問いかけには簡潔に答えた。 黍炉のような立場にある男が、母の侍女たちのような真似をするのを苦々しくさえ思う。
治療の一環だと言われ、顔をしかめた。]
そこは最後でいい。
(*35) 2019/12/12(Thu) 21時頃
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[ と、腰の裏側へと彼の指が潜り込む。 圧をかけられ押し入られるような違和感。
前方ほど直裁な性感帯ではないから、悲鳴が爆ぜるようなことはなかった。 むずむずとした落ち着かなさに首を振る。]
それより、 手 を、 動かし──て
[ 片手なりと機能が回復すれば、自分でできることは飛躍的に増えるのだからとアピールする。*]
(*36) 2019/12/12(Thu) 21時半頃
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