199 獣[せんせい]と少女 2
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あのな、ほんと勘弁sアイダダダッ!! 髪!髪 無理矢理引っ張るな、バカっ! 一体何して…ってシチサン?本気かおまえ? いや、いやいや、それはないだろ?!
ひぃぃ、助けて!助けてくれぇワクラバぁ!!
[離れた位置で見守っていた獣に助けを求めるも、>>280 それで少女の進撃を止めることなど、できるはずもなく。
まるで風呂上りかと見紛うばかりに、 綺麗に櫛削られ、撫でつけられてしまった髪。>>220 自分がどういう状態か見えなくとも、大方予想はつく。]
(355) 2016/10/15(Sat) 02時頃
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―それから―
[私が食堂へと戻ったときは、 皆がそれぞれ最後の夜を共に賑やかに過ごしていただろうか。
ホレーショーがマリオと契りを交わしたことを聞けば、 私は、彼がたったひとりの少女を選べたことを喜ばしく思っただろう。
そしてきっと、彼ならば 少女を幸せにすることを私は確信できるから ホレーショーを取り巻く少女らの楽しそうな様子を これで見納めだということを少し寂しく思いながらも眺めて。
ピッパの絵が、描かれた被写体の面々に披露されているのを見て、あの後彼女のやりたいことはできたのかなと、大丈夫、と言った少女の表情を思い出していた。
ヘクターの料理も、少女らの笑い合う声も、 私たちせんせいとのやりとりも、皆が揃っているのは 今日が最後なのだということを思うと、 名残惜しくなるのは仕方のない話。*]
(356) 2016/10/15(Sat) 02時頃
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[その夜、 私は竜であるけれど、メルヤのようには空を飛べないから 少女らが星を見る姿を地上から見上げていた。
いつもは私を見上げる少女らを、 私が見上げているというのは何とも不思議なような、 旅立っていくのを見送るときは、こんな気分なのだろうか。
私がかつての少女を繰り返し思い出す時に 右腕の痛みと共に感じていた名も知らない感情。>>0:620
私はその名前を初めて理解した。
すべての少女がこの先 幸せになることを私は遠い星に願って、瞼を閉じる。
黒の背景に眩い星と少女らの笑顔が瞬いた。**]
(357) 2016/10/15(Sat) 02時頃
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[…案の定、 “綺麗なホレーショーせんせい”は皆に不評だった模様。
少女達にはなんとも形容しがたい微妙な顔をされた後、 (なにげに傷付いたんだぞ!) また元のように、寝癖のままのボサボサ仕様に戻された。]
(358) 2016/10/15(Sat) 02時頃
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[おまえ達は知らないだろうが、 俺がなかなか正体を明かしたがらないのはな、 こういう理由があるからなんだぞ。
この見かけで! 本性は可愛い花を咲かせる木の精だなんて! …そんなの、恥ずかしいに決まってんだろ!!
ぺたん髪に花冠なんて酷い格好、 よもや誰も絵に残したりなんぞしないだろうが。 もし、もしもそんなことがあろうものなら、>>229 …あぁ、俺は何遍でも死ねる気がする。
――俺に桃色なんて、壊滅的に似合わないのだ。]*
(359) 2016/10/15(Sat) 02時頃
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/* 皆魅力的だなあ。
なんだか今回の私のロルはほんと、いろいろダメだな…。 契りはちゃんとがんばらなきゃ…って時間明日一日か。んんん、なんとかもちなおせたらよいのだけど。
(-152) 2016/10/15(Sat) 02時半頃
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[ 祈りを終えれば食堂へ。
まぁるいものが大好きな 白いわんこが作ったのであろう、 ジャムの香りが厨房から漂ってくる。
皆と過ごす最後の晩餐は、 それはそれは賑やかで。 楽しさと、…ほんの少しのさびしさ。 皆の “ 声 ” の中の感情を 拾い上げてはまたひとつ 言霊の獣は肩甲骨に想いを留める。 ピッパとマリオとホレーショーのやり取り。 そこにカリュクスとメルヤも加わって。 皆に手渡されたシルクの刺繍。
ほかの者たちも、そこに居ただろうか。]
(360) 2016/10/15(Sat) 02時半頃
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[ 声を掛けられれば ぽつりぽつりと言葉を返し。 会話が終われば、再びその様子を見守った。
はじめから決まっていた “ おわかれ ”のとき。 いったいどれほどの少女たちが 悩み苦しみ、さびしい思いをしたのだろう。 …それはせんせい達も同じかもしれない。
さびしさと苦しみの 上に咲いた花のような笑顔。 それを見届けることができたなら、 獣はそっと席を立つ。]
(361) 2016/10/15(Sat) 02時半頃
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/* ようし、明日とっくりと殴り合おうじゃないか ワクラバよ (ニタリ (なんかスポーツみたいな気分なってきたぞ (せめてわたしは全力で迎える (全力でだ (今は蠍全力だけども (今日中に蠍への心情はとことんまでつきつめたはず… (明日はてめーのばんだ(JOJO風に
はあああ………ほんと。 せめて愛させてください。むらたてですけど(すいませn
(-153) 2016/10/15(Sat) 02時半頃
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──真夜中・祈りの堂──
[ そうして、只一人
私は君を待っている。
あの時のように君が 私のために歌ってくれるのを。>>1:162 いちばん最後のおやすみなさいを 言ってくれるのを。>>1:539 私の────、 お願いごとを叶えてくれるのを。>>1:763 ]
(362) 2016/10/15(Sat) 02時半頃
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……………… デメテル。
[ 静かに呼んだ君の名。 私は掌に唇を落として目を閉じた。 それは、君が触れた場所。]**
(363) 2016/10/15(Sat) 02時半頃
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/* べすぱの謎の朝軸に触れに行かずに ほんとうによかったとおもっている我
(さすがにもうひっくりかえらねえだろって (だよな? (たのむよ??? もうかんべんだよ????
(-154) 2016/10/15(Sat) 02時半頃
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―朝―
[次の朝、私がまず外へとは向かわず 食堂へと行ったのは、旅立つ少女も今朝くらいは 此処に集まるのではないかという思いから。
テーブルの上には白い四角が並んでいる。>>266
今朝のそれはヘクターのサンドイッチではなく 名前入りのカードだった。
これはカリュクスの字だと私はわかったから、 好きなものがたくさんあって、 特に悪戯の大好きな少女が皆を呼び出す理由は――…
カリュクスの悪戯もこれで見納めかな、と 何となくそんなことを思って、私はその場所へと向かった。
私が緩慢な歩みで其処へ向かう途中だったか 神木の上に白が降るのを見た。]
(364) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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[視線を更に上げると、メルヤの影。 その上には白い小さな影。
星のように落ちてくるそれらがふわりと、 風に乗って私の左の掌の上に落ちた。
少女らは、木の下にいただろうか。 寄り添う獣も共にいたかもしれない。
少女らよりもずっと小さな青い影が メルヤとカリュクスの元へ飛んでいくのが視界に映る。>>348
いってらっしゃいと、手を振る少女は、 今日はもう、昨日、いや、 そのずっと前に口にしていた不安からは 解放されていただろうか。]
(365) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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やりたいことはやりきれたかな。
[私は昨日、あの後も絵を描き続けていただろう少女に そう声をかけた。
まだ私は少女の絵をあの一ページきりしか見ていない。 皆が見せてもらっているのは眺めていたけれど。
見るのは20年後、と言ってしまったので、 なんとなく見せて貰いにはいけなかったりしたのだった。**]
(366) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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/* 軽く闇落ち方向に解放されちゃってるから 若干たちわるいんだよな、朝ピッパ………(遠い目
(-155) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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― 夜深く ―
描けば、描くほど……増える。
ほんとう。 あれも、これも、ぜんぶってなって 瞼の裏がキャンバスになればいいのにって 最近思うんだよ。
[ 目を閉じ、両の人差し指を蟀谷へ。 むむむん……!と呪文を唱えてみても そんな魔法は使えなかった。
描けば描くほど 描けるようになれば 描けるようになるほど。
とても欲深くなってしまった今だけれど ]
(367) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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……さいしょはひとつだけで良かったのに。
[ ぽつ、と落として、表紙をめくった。]
(368) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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[ 物の片付いてしまったアトリエの机に わたしは緩い寝間着で頬杖をつく。
ページと思い出をめくりつつ 話し始めるのは、描いていた当時の昔話で。 馳せる想いは遠くにあるけれど 手に取るように近くにもある、不思議な感覚。]
……ニコせんせ、 なんだかいつも少し悲しい顔してた。
でも微笑うとこんな顔なんだって知って、 とっても嬉しかったんだ。
……でもね、描いても描いても似なくって。
[ ぺらり、ノートをめくれば 同じ角度ばかりのせんせの顔>>0:502。]
(369) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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[ まだまだぜんぜんへたくそで 色をつけるなんて無理、って思ってた頃の絵たち。
ぺらり。 ぺらり。 遅くもなく速くもない 紙の擦れる乾いた音が アトリエに響く。]
わたしがせんせを上手に描けたら、
あの顔がまた見られるかなぁって 思ってたんだ。
[ そうしたらきっと、って思い続けていた。]
(370) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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……でもね、
[ 次々とページを捲っていた手が とあるひとつの前で動きを止め。
中途半端にふくれたページの下からは 黄色い色が、ほんのすこうし見えている。
……わたし、見たんだ。 神木の下で、いろんないろの丸いのを並べて 楽しそうにしていたせんせいのこと。]
エリとお絵描きしてるときのせんせ、 わたしの見たかった顔>>1:232 してたの。
[ 沙羅、とめくれた次の頁にあるのは エリと、せんせいと、白い枝垂れの姿。]
(371) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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[ ノートを捲る手の速度が上がる。 さら、さら、さら、さら。
だってどれも同じ絵だから 長いこと開く必要は、ないでしょう。 ( 色をつけたのは最初の一枚だけですし )
登場人物の姿は何も変わらぬまま ページが進むにつれて ちょっとずつ ちょっとずつ上手くなっていく。
何枚描いたんだろう。 わたしにもわからない。
せんせの微笑みばかりと エリの楽しそうな姿で埋まったノートは そのままパタリと、おしまいを迎えた。]
(372) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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[ ゆらあり、とランプの光が頬を撫でる。 わたしの過去(むかし)が中央でうつろう中へ 季節外れの小虫が吸い込まれ 薄い煤が、ひと筋伸びた。
”こうかい” しないように……?
……後悔はもうずうっとしてた。 でもどうにもできなかったんだもの。
触れたいものに 触れるかわりに 裏表紙の上に片手を滑らせ、 使い古して角が取れたノートを せんせいへと差し出す。
困ったような 笑みを添えて。]
(373) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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……わたしも、 せんせの隣で絵が描きたかった。
[ ないしょにした>>0:929のは、わたしなのに。]
いっしょにかきたいっていえばよかった。
[ だめって言われるわけないってわかってたのに ]
…………でもね、できなかったの。
(374) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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なんでか分からないけど。
言おうとするとむねが痛くなって くるしくて、息ができなくなって
手が震えて……
……手が震えたら、おえかきできないし。
[ てのひらを見つめても 今はもう、震えない。
”それ”が何だったのかもわたしは知らない。 その感情に名前があるなんてことも もう、知りようのない事。
あの時何かが胸に詰まっていた事を思い出せはするのに 呼吸は穏やかなまま、同じ事はおこらない。]
(375) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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[ ノートは受け取って貰えたかどうか。 ”それ”の名を知っていたなら きっとこの場に持って来すらしなかっただろうに。]
……せんせ、もう行っちゃうんでしょう?
[ テーブルのふちを指先でなぞりながら 片付いた部屋を、くるりと歩いて回る。
”誰と” とは、聞かない。 聞かなくても、わかるきがするから。 ]
だから さいごにひとつだけ。
(376) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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………いっしょに、おえかきがしたい。
[ ぱたん、と開いたのは画帖の最後の一頁。
シルクの言葉>>252にドキリとした。 わたしがせんせの画帖に抱えたさみしさと わたしがわたしの画帖に抱えたさみしさを そっくりそのまま言い当てられたのだから。
わたしが皆を描き残した画帖に わたしの姿は シルクが描いてくれた”ピッパ(っぽい)”だけ。
ひとつの画帖にふたりで描いたっていいんだと 気付けたことが、どれだけ嬉しかったか きっと半分もシルクには伝えられなかった気がするけど
わたしが”こうかいしない”ための、最後のお願い。**]
(377) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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/* きもい 喉量で ほんとごめん 蠍
愛なんだ。これぜんぶ愛なんだ。(PLの(いらない 桃脳よーーーー(アンギャー
ワクラバせんせへのおへんじが ちょっと頭のネジ飛びそうで怖いなあ。
(-156) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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/* この下に赤いのがあるのに慣れない
(-157) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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——花と星の悪戯と——
次も暴れて頂いても構いはしませんが、 そうなれば一晩ほど、木に括りつけて差し上げましょう。
[からかうような一言に負けじと悪い顔でつんと指で額を押し。>>336 布が切りにくい話などを聞くと、ああと頷いた後に。]
裁断鋏を使っても物によってコツがいりますから。 布でも切りやすいものを使うか。紙にするか。
ああ、目元に眠気が残ってますね。
[親指で拭ってやりたかったが、背にいるから手も伸ばせず。 そのかわり肩越しに髪を撫でた。>>337]
(378) 2016/10/15(Sat) 03時頃
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