128 終世に降る雨/ツイノセニフルアメ
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[カサリ、と足元の葉が音を立てる。 二人が振り返るのが先か、駆け出すのが先か。
もう背丈も纏う服も変わったというのに。 子供のように抱き締めあうその姿は、昔のままのようで。]
―――……っ、
[今にも泣き出しそうな顔で。 手を伸ばし、銀糸が流れ落ちるその背中に触れ。 服を握りしめれば、背中に額を押し付けて温もりを確認する。
それは幼い頃。 余所見をする兄に構ってと強請る時のように。]
(249) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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セシル……?
[どうしたの?と出しかけていた声は空気を震わせ音になる事は無い。 ただ不安そうに、彼を見つめる。
……どのくらいそうして居ただろうか。未だに雨は止まない。 セシルも自分も随分と水を含んでしまっている。 動くのには問題は無いが、少し重い気がして。 彼が何を考えこんでいるのかは、何を言いかけたのかは少しくらいは分かる気がする。 セシルの反応を見る限り、私も彼も無傷でいられるような場所から落ちたのでは無いというくらいの事は簡単に想像がついた。 しかし、いつまでもこうしている訳にも行かない。 どうしようかと辺りを見渡したその時。 ふと、何かに気がつきセシルの袖を軽く引く。]
ねぇ、あれって………
[女が指した先にあるのは、二階建ての館。]
(250) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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[>>245男の自覚する以上に、今まで張りつめた糸が切れていたらしい。 向き直った男性はポンチョの下に何かを隠し持っているようだ。 >>244クラリッサはそれを警戒するように男の一歩前に出る。 己のしたのと同様に彼が男の事を見分している事は感じ取った。]
――貴方が此処の住民なら、情報が貰えると有難い。 此処は何処か、貴方は知っていますか?
[彼の言葉からは、情報は拾えない。 彼はどう答えたか。
彼らから情報を得られれば、一礼して感謝の言葉を告げ。 対価代わりに気付けば此処にいたのだと情報を落とす。詳しい事情は告げないが。
得られずとも、邪魔をした事を詫び。 クラリッサを促して洋館の方へ向かおうと。]
(251) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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レイも…、ヴェス兄様も……、 二人とも、よかった……よかった…。
[兄の背に回された、主の手にもそっと触れ。 ぎゅ、と指先を握り。安堵の息を吐き出した。
何がどうなっているのか。 ここがどこかすらわからないが。 ただ、今ここにある二人の温もりに喜びを感じるまま。]
(252) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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―洋館・1Fエントランス―
[先刻会った二人と数言、会話を交わしたが一緒に連れ立ったか。目的地は同じようなので近くにはいただろう。
扉を開けると広々としたエントランスに出た。見てくれから結構大きそうな建物だろうとは思ったが、中に入ると増してそう感じる。
入口で雫を落としていると少し先からぺたぺたと固いものと柔らかいものがぶつかる音がする。]
…?
[少し先に視線をあげると変な女がぺったりぺったり軽やかだけれども変てこなステップでこちらに近寄ってくる。>>133
ニコニコにたり。三日月よりも若い月のように、口は歪に嗤うけども深く俯いているのでその目は窺えない。 不気味な女…いや、大きく広げられた胸元は痩せこけていて、男か女かも見分けがつかない。腕や足も間接が大きく出っ張っていて見るからに貧相だ。]
この館の人間か。
[尋ねた言葉に返事はあったのか。あったとしても的を得ないものだっただろう。]
(253) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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/* 皆さん、大丈夫ですか…。
(-179) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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/* 二人の抱擁の邪魔してごめんなさい。
樹の影から二人を見つけて、 (まさか…そんな……っ) とあらぬ誤解をして、 そっと館へ走り去るというパターンを想像しましたが 踏み止まりました。
(-180) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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―現在・???―
ここは……?
[――意識を、失っていたのだろう。 いつもの夢見の如く、先程までは、狭間の場所にいた。 光とも闇ともつかぬ空間を揺蕩う中で、誰かに名を呼ばれたような気がして。>>210
その温もりに引き寄せられるよう薄らと目蓋を持ちあげれば、 そこには見慣れた執事の姿が。>>212]
ハワード……?
[何故だろう。傷一つなく、意識もこんなにも鮮明で。 死んだはずが、こうして今を迎えている不思議。
……そうして一つ、得心する。]
(254) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
2014/07/12(Sat) 23時半頃
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―回想・最期の刻―
……ジェフ。良い名前ね。 ありがとう、…パティって呼んでくれて。
[自国の民は、どんなに頼み込んだとて決してそうは呼んでくれないから。>>70 愛称を口にしてくれたのは、友人となった証のような気がして。
握手ののちクラリッサへ出される指令には少し驚くも、これが彼の国の力なのだろうと。 ほどなくして彼女から声が上がれば>>80、一つ頷いてハワードを見上げた。>>95]
(255) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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魔力の消耗が激しいけど、大丈夫、動けそうよ。 ごめんなさい、力になれなくて……貴方に任せるわ。お願い。
[すっと構えられた二振りの刀はまるで十字のよう。>>97 それは恐らく、あちら側に伝わる風習の一つなのだろう。
……嗚呼、しかしここはカルバリの丘。 されこうべに刻まれる十字は不吉を呼ぶか未来を拓くか。
されど刹那過る不安も、常と変わらぬ笑顔に勇気付けられ。強く頷きを返した。]
(256) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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[クラリッサに先導され、前後を護られるようにして館内を駆ける。
元よりお淑やかとは言い難い性格、遠乗りに出たりと同世代の者より活発ではあれど。 長く走れば息も切れ、慣れぬ戦場の空気に言葉もなくす。
……いつかの夢によく似たそれ。
それは、戦地へ向かう新米兵の視点であったろうものと酷似していて。 決して知らないはずではないのに、想像以上の光景に目を背けたくなる。]
(257) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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― 少し前 道中 ―
確かにそうですね、興味は引かれます。 ですがやはり不便では、と思ってしまいますね。
[知らない場所はわくわくします。 もっと色々眺めて見たい、そうも思いますが一方で機能性も考えてしまいます。]
この状況からもどれたら、マスターも少し休まれてはどうでしょうか? 私も美味しい紅茶の入れ方勉強しておきますので。
[確かにここのところマスターはずっと忙しそうでした。 それも今回の会議が終わるまで、と思っていましたがもはやそれどころではない状況です。…先生に紅茶を習うこともできませんでした。
またマスターと何処かへ行けたらな、ちらりとそんなことが過ぎりながら提案しました。]
(258) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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[加えてかかる呪詛の圧力。 心身共に疲弊しきったところへ、遭遇したのはアシストスーツを着た集団>>86]
………っ!!
[咄嗟のことに反応もできず、ハワードがそれらを倒すのをただ見つめ>>109 促し>>110>>128を得てようやく、足を動かすことができた。]
ごめんなさい…私……
[息も切れ切れに、紡いだ一言。 されど見上げたジェフの様子がおかしいことに気付いて>>142]
(259) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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[…は悠然とした姿勢を崩さない主に奥歯を噛みしめた]
礼儀?人を閉じ込めておいて、タダで働かそうとする奴に払うもんじゃないね。 手伝ってやるもんかよ。
[…は男をみていた。助けを求めてもがく姿が棺へ押し込められるそのときまで。]
/*主様、逃がしてみるって選択肢はNGでしょうか*/
(@9) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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ジェフ……?
[天井に銃を向ける様子を訝しみ、敵集団から気がそれた。 はっと向き直るも、既に死の弾丸は放たれた後。>>145]
――自分を庇おうと腕を伸ばすハワードの姿が視界に入る。]
(260) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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――だめ。来てはだめ、このままでは貴方が……
(-181) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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[それとほぼ同時、落ちる落雷に飲まれ。
ひどくゆっくりと、白い光に黒い影がひらひらと舞うのが、視界の隅に映った。
僅かな時…心とは裏腹に、咄嗟に伸ばした腕が触れたのは――]*
(261) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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―現在・ハワードの腕の中で―
[……死後の世界とは斯くも昏いものか。 黒に近い濃灰が空を覆い、降りしきる雨は止む気配さえない。
ひどく漠然とだが、死とは穏やかなものだと思っていた。 されども冷たい世界に放り出されて――嗚呼、これが報いだというのなら。
セレソ・ヴァストークの歴史を惨劇へと導いた者への罰であろうか。 ただ、救いたかっただけなのに。切った舵は逆だったはずのに。]
(262) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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[力を持ちながらにして、その使い方を誤った。 導き手の権威は地に落ち、声はもう誰にも届くことはないだろう。
船は2つの勢力を擁しながら、雨風吹き付ける嵐の中をただ闇雲に進み続ける。 船員同士互いに傷つけあい、海へと引き摺り降ろし、命預けるはずの船すら壊す。
その終焉へ向かう苦しみを今一度呼び寄せた本人が、安穏と時を終えて良いはずがないのだ。 船が沈むまで――2国の戦火が大陸を焼き尽くすその日まで、同じように苦しむ運命でも課せられたのだろう。]
(263) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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[雨音に混じりカサリと葉が鳴る。 ゆる、と音した方に顔を向ければ 駆け寄るヨーランダの姿>>249がみえた。]
…………ラン。
[そっと彼女の名を呼んで、再会を喜ぶ声>>252にゆるく頷く。]
キミも此処に来ていたんだね。
[ヴェスパタインの背にまわした手へと触れるは彼女の繊細な手指。 ぬくもりは記憶するものと変わらずあたたかく、安堵する。]
(264) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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/*乙乙ですケロ。 墓落ちした時に地下の状況がぱっと分からないってPL視点不便だよねえ…表が優先だけれどもー と思って質問飛ばしておりました。 のんびり参りましょう。我ら見学人故!*/
(-182) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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[しかしあろうことか、 このような最果てと思しき地にまでハワードを連れてきてしまった。 自分で意識していたより強いその執着に、思わず苦笑する。
――尤も、彼がそれを拒むことはないのだろうけれど>>212。
それでも、]
(-183) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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[ここは死後の世界なのか、それならば自分は、お嬢は、死んだのか。 その考えが男の背筋を凍らせる。 ぞくりと背中を駆け上がる悪寒。
…いや、普通に寒いのだが。
止まりかける思考を呼び戻したのは、やはりお嬢だった。 促されるままに、その指さす先を見て…]
…これは…
[折しも彼らの目の前に現れた漆黒の蝶が、彼らを誘うように舞い踊る。 …どう考えても、誘われているとみるべきだろう。 怪しいなんてもんじゃぁないが。
ちらり、とお嬢を眺めやれば、まったくの濡れ鼠… 思わず、つい、と視線を逸らしたのは許してほしい。 誤魔化すように咳払いを一つして。]
…雨宿りくらいには、なるか?
(265) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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[人を疑うことを知らないのか、リスクを冒してでも現状を究明したいのか。
だが、残念ながら俺はお人よしではない。誰が好き好んで親切心で情報をひけらかすものか。
言葉を続ける男>>251に]
残念ながら俺もここがどこなのか知らない…。 …あんた、故郷<くに>はどこだい?
新婚旅行なら、もっと場所を選んだほうが良かったな。
[女を一瞥してから冗談を掛ける。 この状況で女が前に出るのは、変だ。女の方が腕っ節が強いのだろうか…。
しばらく腹の探り合いをしたかもしれないが、相手が先を急ぐなら止めないだろう。獣の従者が何か問いかけようとしたなら、必要以上に制止を掛けることもなく静観しているだろう。]
(266) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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[しかし今は、暗き物思いを払拭するように声をかけてくれる執事>>213に小さく感謝する。]
……ありがとう。ハワード。 そうね、このままここにいては風邪を引きそう。 どなたの屋敷かわからないけれど、あそこへ助けを求めましょう。
[雨を凌ぐために持たされた一葉>>213、 自分とハワードの両方がその陰に隠れるよう、なるべく身を寄せて。 不安げに洋館を見つめる。]
(267) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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/*そろそろサイモン殿は墓落ち時間ですので時間的に無理そうかなあと…*/
承知いたしました、主様。
[幾度も使った返答と、礼儀正しいお辞儀を一つ。]
(@10) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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今日墓落ちするのはサイモン殿でしたな。 デモンストレーションには良いように思われますなあ。 本番は日をまたいでからになりますが…さてはて。
(-184) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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[……疲れ果てていた。 何もかもが、徒労に終わった。
ハワードは命があったことを喜んでいたが>>212、 恐らくここはもう、現世ではないだろう。
もう、辞めてしまってもいいだろうか。 ――神託を司る神子、聖パトリツィアであることを。
…嗚呼、それならば。 幼い頃熱を出した時のように、こうして彼の腕に甘えたとて許されるだろうか。
痛い辛いと泣いたあの日と同じく、その胸に顔を埋めて一言、]
(-185) 2014/07/12(Sat) 23時半頃
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……今、貴方が一緒にいてくれて、本当によかった。
(-186) 2014/07/13(Sun) 00時頃
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[……そのくぐもった声は雨音に掻き消され、 当人にもよく聞こえないほどだったけれど。]*
(-187) 2014/07/13(Sun) 00時頃
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