246 とある結社の手記:9
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[ぇぼ。とくぐもった音がした。流れ出していく血の量が増える。ぐじゅぐじゅにされた腹から覗く赤い塊からも、ぼた ぼた。と固形物を含んだ粘度のあるものが落ちていく。]
[ああ、でも。こんなに死ぬのが苦しいなら。
──オレだって、誰かに。 たすけてほしかった。]
(+18) 2018/08/01(Wed) 03時半頃
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[さらにその後。モンドの話をきいてロイエが言うことには―― ロイエ自身が『霊能者』であったということだ。 またフーバー家、と思うところもないではなかった。 だんだん、眩暈がしてきた。ラルフではないがどこもかしこも嘘の話。 嘘というのが時に身を守るための武器になるとはいえ、……なにも確かなことが分からなくされてしまうことに恐怖する。]
まってくれ――モンド。 リンダお嬢様は、 マリオとワンダが生きているうちに、名乗り出たはずだ。
[そう付け足すが、ロイエが出てきてしまった以上は――もう。 『ただひたすらリンダを守ろうとしている』ように見えてしまうロイエが――盲目的にリンダを守りたい一心で守護者に守らせようと何も言わずに黙っていたなんて――困ったことに、ありそうな話なのである。**]
(143) 2018/08/01(Wed) 03時半頃
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>>8
[ 『また機会があるよ。 じゃぁさあ、 次はラルフから誘ってほしいなー』 ]
[そんな機会は、もうこない。二度と。]
(+19) 2018/08/01(Wed) 03時半頃
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/*
待ってルパートめっちゃええやろ
(-152) 2018/08/01(Wed) 03時半頃
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[暗がりに取り残された男の全身は、まるで赤い泥を塗りたくったように固形ぶつ交じりの汚い湿り方をしていて
いつも飄々と笑っていた口は、 薄く、半開きになったまま、 声を発するでもなく、血と呻きを垂れ流している。]
(+20) 2018/08/01(Wed) 03時半頃
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[ ああ。でもそれも、天罰なんだろうか。
ワンダを殺したことの。イヴォンを殺したことの。]
[── 知らないところで、他人が死んでも。
そんなことは知らないと、 人狼を見逃したことの。]
(+21) 2018/08/01(Wed) 04時頃
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[この村に来る前の話だ。
人狼の襲撃現場に、居合わせたことがある。、
採集に行った森の中で、その死体は、腹をえぐられながらも ──濁った眼で、こちらに首だけを向けていた。
まだ生きていたのか、助けを求めようとしたのか。 喘ぐようにぱくぱくと唇だけが動いた。
死体の上に馬乗りになっている影に気がついたのは、 そのあとのことだったのを、イヤにはっきり覚えている。]
(+22) 2018/08/01(Wed) 04時頃
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宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2018/08/01(Wed) 04時頃
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―少し後・ユージンの部屋―
[ピスティオがユージンに挨拶をしに行くという。(>>127)その誘いには、少し視線を落としてから頷いた。]
さっきはごめんね、邪魔しちゃって。
[階段を登りながら、ピスティオの背中に声をかける。今朝の…イヴォンが連れて行かれる時のことだ。婦人を連れて行かれたくない一心でああしたけれど、余計なことをしたかもしれないと思った。だって、あれが二人の最後の時間になってしまった。]
(144) 2018/08/01(Wed) 04時頃
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[ユージンの部屋につくと、ベッキーが口を開くことはなく、床に手のひらをぺたりと添えて目を閉じ祈るだけ。あとは彼が話し終わるまで。ユージンに語りかけるのをただじっと聞いていた。 彼の嘆きは、自分が怯えていた理由とよく似ていて。(>>131)
あたしも、ピスティオも、多分ユージンも。 この村が、村に住む人達が好きだったんじゃないかな、って思う。
だからユージンは皆で逃げようって、言ってたんだろう。]
結局こんなに汚れちゃうなら、ケチくさいこと言わず逃げとけばよかったよね。
[ごめんね、とは言えず。冗談めかして笑おうとしたけれど、やっぱり涙はこぼれた。 …ピスティオが話し終わると、彼に微笑みかけたつもり。笑えていたかはわからないけど。]
(145) 2018/08/01(Wed) 04時頃
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[死体と、殺した人間。 ───どちらも。 どちらも、知り合いだった。]
[ 『今日はやめるって言ってたのに、どうして来たの』 ]
[真っ赤な口をしたまま、あんまりいつもどおりみたいに話しかけられて、頭が混乱したのを覚えている。
その時も、声が出せなかった。]
(+23) 2018/08/01(Wed) 04時頃
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ピスティオ。
[ピスティオが部屋を出ようとすればそれを呼び止め、 曖昧な柔らかい表情で彼の顔を見据えて話し始める。]
あたし、あんたが人狼だったらよかったのにって思ってる。そしたらあんた、誰も襲わないかもしれないし。 襲ったとして、ほら。 もっと綺麗に食べてくれそうじゃない?残さずさ。 もしいつか、あたしを食べることがあったらそう言う感じでお願い。
パパはおじいちゃんだからおいしくないよ。やめときな。 そんかわりあたしが人狼だったら、一人でピスティオのこと残さず食べてあげる。
…誰が人狼かなんてわかんないけど、少しでも怖くない人がいいなって、思ったわけ。
……ごめんね。こんな話。
[途中、少し気まずげに笑いを漏らしながらも話し終えて、もう一度苦笑して彼を追い越す。ロビーへ向かい階段を降りる頃、彼の部屋のドアが閉まる*音がした。*]
(146) 2018/08/01(Wed) 04時頃
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/* あああああ娘かわいい
(-153) 2018/08/01(Wed) 04時頃
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/* このルパートの怒涛の疑心暗鬼が酸いも甘いも噛み分けた大人のそれって感じがして本当に良いしそれを突きつけるところも言葉を選び抜くところも本当に大人アアアそして当然だけど真剣って感じがして本当に良さ良さパラダイスですわ。 パッパかっこいい。モンドかわいそう
でもぼくモンドがルパートに対してすごく下手に出るところもちょうちょうちょうすきなんだよね。ベッキーはそう言うとこ見てるといいのでまた明日書きましょう・・・
(-154) 2018/08/01(Wed) 04時半頃
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/* ベッキーさんちょっとリンダロイエに対してとピスティオに対してで温度差がえぐすぎるのでどうにか落ち着いて欲しいです
(-155) 2018/08/01(Wed) 04時半頃
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[足がはりついてしまって動けないまま、 またがっていた方が、 口元にはりついていたそれを飲み下すのが見えた。
襲撃者が、淡い栗色の髪を払う。 髪をまとめるスカーフが少し揺れる。 現実感がなかった。
遅れて、殺されるかもしれない。と、思った。
… それで、ぞっとしたのを覚えている。]
(+24) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[ただ、でも。
結論として、そうはならなかった。] [ならな、かった。]
(+25) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[頬を真っ赤に染めている血に、 一滴ぶんだけ。
血を洗い流したように筋が見えた。]
…逃げなよ 『逃げなよ』
[はじめて出せた声は、 相手のそれと被った。]
(+26) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[ハア? と、向こうが先に目を丸くした。 状況がわかっていないと思われたのかもしれなかった。自分だって、襲われるかもしれないということに、こっちが気づいていないと思われたのかもしれなかった。 彼女は、蓮っ葉に小さく噴き出して]
『……今はおなか一杯だから、見逃してあげる』
[それが、これまで。──好きだった、初恋だった彼女の笑顔とまるきり同じで、喉から声が出なくなった。]
(+27) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[── なんで。とか、どうして。とか、 そういうことを何も言えないまま。
じゃあね。と短い別れの言葉ひとつで 彼女は、村の方に戻っていった。]
(+28) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[死んだ友人との間に何があったのか、 詳しくは知らない。
ただ、小さい村だったから、 その事件は大きく騒ぎになって。
でも、野犬のしわざだろうと。
最終的にはそういうことでカタがついた。]
[あんなに、(こんなに)腹を暴かれて 食い散らかされていたのに。]
[助けを求めるような顔で、濁った眼をさらしていたのに。 犯人は捕まらないまま──誰も彼もが、 だんだん彼のことを口にださなくなった。]
(+29) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[それでも、]
[人狼だとかなんだとか、そんな不確かな話で、 村がざわついている間。 通報は、──誰にも、しなかった。]
(+30) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[彼女を、大切に思っていた。 そのせいだったかもしれない。]
[それとも、 あの涙を見てしまったせいか。]
[答えは出ていない。ただ、少し。 少しだけ、──彼女については。 人狼として抱えるものに触れてしまったのが きっと、それがだめだったんだろう。]
(+31) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[彼女は気まぐれなのか、黙っているなら構わないと思ったのか、自分のことを襲うことはないまま、時間だけが過ぎていった。
村の人間には、深くかかわらないようになった。
表面だけ、愛想をよくして。 深いところには、なるべく触れない。
そういう生き方になった。
───そうしてたまに、人がいなくなったと
そんな噂話を聞くようになった。
そうして17になるころには、幼馴染だったうちの片割れのひとりも、いつの間にか村から消えていた。]
(+32) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[多分、──たぶん。彼女は、今でも。 少しばかり泣いたりもしながら、
──人を、食べて生きてるんだろう。]
(+33) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[宿屋の主人に、人間じゃない残念だといわれても、曖昧に、笑うしかできなかったのは。>>3:259
人殺しを見逃した自分だって。 他人の死を許容したって意味では、
人殺しの、同罪だと思ってたからだ。]
(+34) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[──まともじゃないんだ。はじめから。]
(+35) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[人間は嘘を吐く。大事な人を庇う。
他の誰がどこか死んでたって、 そんなのは見てみないふりができる。]
[ ぐゥ と、喉が鳴った。]
[だから、イヴォンの行動にも、 ──自分が真っ先に気づいたんだろう。]
ぅ ぇ
ぶ ァ …ッ
[せりあがる気持ち悪さに、半開きの口が震える。そのまま口は『中身』を吐き戻した。丸めた背中が痙攣する。]
(+36) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[いたい]
[苦しい]
[もう楽になりたい]
[──許して]
[許して、助けて、殺さないで!]
(+37) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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[ああ! だけど、だけどだけどだけど!]
[この痛みは、苦しみは!]
[オレが今まで、 見ないふりをしてきたものだ!]
(+38) 2018/08/01(Wed) 06時頃
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/*あっユージンの部屋にお酒持っていこうかと思ってたけど先を越されてしまった!*/
(-156) 2018/08/01(Wed) 06時半頃
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