158 Anotherday for "wolves"
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─ ジョスランの家 ─
[そろそろ日が昇り、文句なしの朝 空は晴れ、雲は白く流れて行く 昨日の騒ぎが嘘の様 そんな気が全く起きなかったのは
幼馴染みの家の屋根上 そして、その上空を鴉の群れが 舞い飛び止まり、カァとやけによく通る 甲高い声で鳴いていたから]
…ジョス、いるのか?
[恐る恐る扉を開けて、中に入る──]
(102) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[床に伏せったまま、 着いてゆく気もなく。
――― 警戒していた相手だというのに まったくの無防備を晒したままで、 耳だけを立て、戸が閉じるのを聞いただろうか。
そのまま 数分。 ばたり、糸が切れたようにまた、沈んで。 …… 今度は、深く水面に鎮めぬまま、 ちょっと機嫌悪そうに むすり。 ]
… 鴉が喚くから、目が冴えたじゃないか。
(103) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[諦観か現実逃避か。
瞳は閉じたまま 心臓だけが早く、駆けて…――]
[能弁な彼女が語る声を聞く>>78>>79
オーレリアを、マーゴットを、スティーブンを。 語る彼女の声色は朗らかで高らかで。
何故とか、どうしてとか、
胸にわく気持ちに蓋をして。]
(104) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[蒼の明滅を、繰り返し。 窓硝子に、ぱちり。 エンジェル・ブルーを添わせれば、 二日ぶりに 明で止まる。
この『儀式』も。 ―― もう、ほとんど、 意味を成していなかったけれど。]
[ 膝を立てるように、身を起こして。 家主が居なくなったあと、
ぎゃあぎゃあ 啼く、 不吉な鳥たちを窓越しにみあげた。 ]
(105) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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すべての悪夢の始まり…―― オーレリアお姉ちゃんと同じように。 見殺しにしたマーゴと。 仲間の手を借りて仇を取った先生と。
同じ目を合わせようとしてるのかな……。
[でも、どこか、その言葉は…――
話を聞きつけた村人に、 その犯行を彼女のもの 思いこませようとするような口ぶりだ
とさすがの少女も勘付いて。]
(-151) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[死にたくない。
でも、もう生きていたくもない。]
[その二つの天秤が ぐらり ぐらりと その吊り棒を揺らす。]
(106) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[ドキドキと大きな鼓動に触れるように その冷えた手を添えられたのはその時で>>79
思わず視界を開いて、彼女を映す。]
[そのいびつな微笑みを捉える。]
(107) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[だから、微笑みとともに、 大きく聞こえた声の後に囁かれる言葉に
彼女の真意を感じて。]
[ただ、その時は守ってくれてるのだと そう思ったのだけれど…――]
(-152) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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/*
先に襲撃落としててもよかったかな、と寝る前に思ったんだが やっぱ見てからでよかった。ちょっと齟齬りそうなところがあった。
(-153) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[重さを増した天秤が均衡を崩して、大きく吊り棒が傾く。]
たっ…助けて…ッ!!! 誰か…誰かぁっ!!!!
[弱り切ったわたしの声を 聞いてくれる人はいたのでしょうか。]
(108) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[わたしは持ちうる限りの声で 叫んだ。]
(-154) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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/*いやあ、ラディスの演出に震えて、ちょっとたぎっちゃったよねー。
(-155) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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─ 4日目・宿屋裏手 ─
[暗い森をスティーブンと抜けて後、 男の姿は、淡く生前の姿を模した形で見慣れた宿の傍にある。 裂かれた喉から滴っていた血は、今は止まっている。
ただ、男の輪郭は淡々としたまま、 短い間昔日の姿を戻していた頭髪も再び白く薄くなっている。 どうやら、この場に在るにはそれが相応しいようだった。 心を映すということなのだろう]
メアリー、…グレッグ。
[村に入った男が真っ先に探したのは、この二人だ。 もっとも気がかりな名を求め、生前の我が家へ向かう。 そこには幾つかの人の気配があるようだった。 ゆらり、幽霊はそちらへと漂う]
(+49) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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グレッグ………!?
[そこで目にしたものは、 獣の姿でクラリッサに襲い掛かる甥の姿だ>>4:315 それに、男は信じられないといった様子で目を見開いた。
愛娘の悲鳴が響く>>4:321 咄嗟に、甥に向かって腕を伸ばした]
────…グレッグ!
(+50) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[必死に伸ばした腕も指先も、彼を通り抜けて行く。 分かっている。 分かっていて尚、手を伸ばさずにはいられなかった。
すり抜けると同時、耳が彼の唸りを間近に聞いた。 甥の瞳を、そこだけは姿変わっても変わらぬものを間近に見る。 必死に、懸命な目をその場に見た]
( …ああ、)
[その瞬間、分かったと思った。 この”息子”の想いを、確かに聞いたと思った]
(+51) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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/*しかしフラグは弱い()
わたしはまだ、死を諦めていないぞおっ。
(-156) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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やめろ、グレッグ…!
[それでも尚、訴えてしまうのは、 彼もまた”大切なもの”であったから。 大切な家族、かわいい子どもであったから]
やめろ………!
(+52) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[彼の耳に訴えが届くことはない。 獣の低い悲鳴、そして衝撃があって振り返った。 小さな狼が、グレッグの足に噛り付いている>>4:342
娘だった。 必死に彼を引き止めようとする姿に、男の顔が歪んだ。 大切なもの。大切な子どもたち。 二人を、二人とも守ってやりたかったのに]
(+53) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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――― … あーァ、
やっぱり 鴉のところなんざ 泊まるもんじゃあ、ないねえ。
[ 嘲るよう、 ―― 寂寞から逃げるみたいに、 苦手な相手のうちでさえ泊まりこんで。
からから 烏にわらうよで、 とおい響きが返ってくるのは、
猫自身に、だった。 ]
(109) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[顔を上げれば、立ち竦む娘の姿が見えている>>+24 先に言葉交わした彼女に今は声を掛けることなく、 ただ視線が交わる一瞬に、男の顔はくしゃりと歪む]
グレッグ…!
[サイラスの足が、甥の首目掛けて蹴り込まれた>>4:349 庇っても、邪魔のしようはなかった。 男の蹴りは何の抵抗もなく、狼の首元に突き刺さる。 痛みを受ける顔で、鋭い獣の悲鳴>>4:352を近く聞く]
(+54) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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…──お前は、
[どうして。を、男は紡がない。 そんなことは痛いほどに分かっていた。 彼がこのようなことをする理由は一つしか浮かばない]
(+55) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[愛娘の”裏切り”を知った時。 彼女が人の血の匂いを纏わせて帰ってきたあの日。 間違いなく、この娘を庇ってやろうと心に誓った。
”裏切りもの”らは仲間と呼ぶ以外を信じない。 けれど男は同時に、甥も守ろうと心に決めていた。 結局のところ裏切りだろうとそうじゃなかろうと、 大切なものが守られればそれで良かった。
従妹に向け、兄と振舞う心優しい甥だった。 最後に森に向かう時、 この子らが一緒に居てくれればいいなとそれだけ思った。
託される方はたまったものじゃないだろうけど、 彼が居てくれるなら、メアリーはきっと大丈夫だ。 そして同じく娘が居れば、 グレッグもきっと大丈夫だと…そう、思っていたのに]
(-157) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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( ─── こんな、お前が犠牲を払う遣り方なんて、
けっして 望んではいなかった ───… )
(-158) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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っ、ばかな……
[俯いて、それ以上の言葉は出なかった。 ベネットの、サイラスの声が聞こえる。 グレッグがサイラスの下に押さえつけられる。
やめてくれと叫びだしたかった。 実体があるならば、彼を殴り倒してでも甥を逃がしたかった。 彼らは決して見逃しはしないだろう。
”怪しきは罰せよ”と。
自らの例を引くまでもなく、投票を始めた時──いや、 族長が教会に皆を集めた時から、決まっていたのだから]
(+56) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[メアリーとラディスラヴァの声が聞こえる。 聞きながらも積極的に声を向けぬのは、 情がわきすぎぬように、という考え。 守れなかった過去が守りたいと思う相手を 極力増やさぬように歯止めをかけるから。 それでも、耳を傾け時折言葉を交わす、それだけで ルパートのいう“味方”たちに情を重ねてしまっている。]
(*10) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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グレッグ、
[獣姿を解こうとしない甥の傍らに幽霊が座り込む。 サイラスを突き飛ばし駆け来た娘>>4:358に目を向けた]
メアリー、
[必死に敵意を剥き出す娘の姿に、辛い表情で眉が寄る]
二人とも………
( … すまない。 )
[守ってやれない子どもたちに頭を垂れ、 共に抱き寄せるように一瞬二人へと額を寄せて]
(+57) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[そうして、無残に連れて行かれる甥を見送るのだ。 それを止める力は、命を落とした男にはない。
愚かしい話じゃないか。 結局、旧い友を苦しめその手を汚させ我侭に、 けれど少しは彼らの守りの為にと死を望んだ先がこの有様だ。
とはいえ仮に生きてこの場にいたとしても、 恐らくグレッグに加勢しただろうなという程度で、 たかが一人一匹の力で抗ったとて、何も変わらなかったかも知れないけれど]
(+58) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[甥の命が奪われる場に、男は立ち会うことはしなかった。 その代わりに、彼が傍に居れない代わりに、 意識を失い地に崩れ落ちた娘の傍>>4:373に寄り添った。
大丈夫と言ってやる声も、撫でる手も持たないけど。 涙で濡れた頬を見つめて傍らに居た]
…────、
[命のまたひとつ消える気配>>18 それを命なき者の鋭敏さで感じて、男は顔を持ち上げる。 遠く虚空に人狼の、音なき悲痛な声が*木霊する*]
(+59) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[ 指と、指を、重ね合わせ。 ――― 背伸び、ひとつ。
弾けるように、 外円をなぞるよに、
腕を、振り下ろす。 ]
[ まだ、すこし眠気ののこるまなこで。 濡れ羽色の睫毛の湿りを拭って、
がらり。
硝子を開けたなら、 玄関からじゃあなく、 また 猫のよに 窓から抜け出て。 ぴたん と 最初からなにもいなかったよに。
――― 外へ、 逃げてゆく。 ]
(110) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[扉から差し込む光に照らされた幼馴染みは 無言で紅い池の上に横たわっていた]
おい、何だよ…これ
[白い肌の喉元に咬み傷 胸から腹まで裂けた肉は潰れた石榴 金の髪は血に塗れ赤黒く
だが、鉄の臭いが混じる生臭さに やはり肉なのだと理解する
心の臓がある位置は肉が抉られ そこだけ、ぽっかりと空いた状態 四肢や頭部が無傷な分 その空がやけに目に止まって痛々しい
暫く言葉が出ず、どれ程立ち尽くしていたか]
(111) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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