118 冷たい校舎村【R15】
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…どーいたしまして。
[横たえられる平根だったマネキンに、一度静かに眼を閉じ、そして開く。堀井の言葉には頷いて、教室へ戻ろうと足を向けた]
千景、見つかったかな。
[戻っていたらいいと思いながら、腕時計を見る。 時刻は8時を過ぎようとしているところだった]
(168) 2014/04/15(Tue) 23時半頃
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…そう、だな。 行かせてやっても、いいんじゃないか。
あいつはきっと、ここに残っても、無理して笑うだけだろうし。
[きっと、俺達ではあいつの心は癒せない。 古川が傍にいないと、だめなのだろう。 だから、あいつが古川の元に行きたいのなら。行かせてやった方が良い気がした]
(-75) 2014/04/15(Tue) 23時半頃
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『この世界は時が止まっている。ただ現在だけの世界。俺が望んだ、未来がない世界。本当は外の世界に何か出たくないんでしょ?だって外に出たら、時が進んでしまう。俺の時間も、進んでしまう』
そんな訳ないだろ!皆が順番に居なくなる世界なんて…!
『嘘つき』
[少年はニタリと口を三日月型に歪めながら厭らしく微笑んだ]
『俺はここに来た時思ったよ。由良に触れられる度に。あぁこのまま時が止まれば良いって。由良とずっと一緒に居たいって。だから俺、積極的に帰る方法探さなかったもん。良いじゃん、皆でずっとここに居ようよ。俺はこの現象を起こした犯人に感謝すらしただろ?』
してない!ふざけんな!いい加減な事言うなよ!!こんな所もう嫌だ……っ、帰してよ……!
『でもそれってさ』
[耳の奥、鼓膜に直接声が響く]
『由良が死んでしまったからだろう?』
(169) 2014/04/15(Tue) 23時半頃
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[腕に持っていた本が、バサリと音を立てて床に落ちた。両目から流れる涙は何故か氷水のように冷たい。呆然とした表情ではらはらと涙を零す…に、少年は問いかける]
『ねえ、由良に会いたい?』
[最早条件反射だけで首を縦に振るその様子を見て、少年は再びクスクスと笑う。そして良い方法を用意したよ、と囁くと…を図書室の中央へと引っ張って行く。
いつの間に用意されていたのか、そこには天井から吊るされた一本の縄と、一つの椅子。
これにどういう意味があるのか、…だってわかっている。自然と体は恐怖を思い出す。あれだけ自分が嫌っていた、死への恐怖だ。
…の背中を少年は柔らかく押した。由良に会いたいんでしょ、と。 …はその言葉を聞くとガタガタと震えながらも、躊躇いなくその椅子に立ち、首に縄をかけた]
(170) 2014/04/15(Tue) 23時半頃
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俺は…お前となら 共犯になってもいいと思っている
[神崎をまっすぐ見てほほ笑んだ 前髪の隙間から覗く瞳の色は 海を思わす淡いブルー]
(-76) 2014/04/15(Tue) 23時半頃
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[ふと、扉がノックされる音が聞こえた気がする。それに、夏野と玲斗の声も。 二人の声に、…は少しだけほっと息を吐いた。
憎まれ口ばかり叩いていたけど、いつも率直に自分の文章への意見を言ってくれた夏野。 どこか壁を作りながらも、いつも自分を気にかけてくれた優しい玲斗。
…は、二人とも大好きだった。 最後の時に、孤独を感じさせないでくれてありがとう。
ふと横を見下ろすと、あれほど厭らしく笑っていた千景の姿をした少年は、今やとても優しい笑顔でその様子を見ている。その笑顔はどこか由良を思い出させて。 あぁ、これでやっと君に会いに行ける]
……夏野、玲斗、それにみんなも。 ごめんね。どうか、みんなは無事に帰れますように。
[橘千景は震える膝に目一杯力を入れて、椅子を蹴った。苦しみは、一瞬だった]
(171) 2014/04/15(Tue) 23時半頃
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[友人たちがその…の姿を見つけるのはいつの事になるだろうか。 図書室の真ん中、まるでマリオネットのように天井から吊るされた白いマネキン。 そのマネキンと一緒に本のページが一枚天井から吊るされていた。 もし本に詳しい者がいたら、そのページに書かれた言葉を見て気付くかもしれない。
それは橘千景が以前好きだと言っていた、とある小説の一説だと。]
[さあ、切符をしっかり持っておいで。 お前はもう夢の鉄道の中でなしに本当の世界の火やはげしい波の中を大股にまっすぐあるいて行かなければいけない。 天の川のなかでたった一つのほんとうのその切符を決しておまえはなくしてはいけない。]
(172) 2014/04/15(Tue) 23時半頃
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[神崎の返事に静かに頷く]
なら、行こう… 慌てなくてもいい
[もし、間に合わないにしても そこに行かなくては、いけない そんな気がして、彼を促す]
(173) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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共犯、か… 八城に責められたらさ、一緒に怒られてくれんの?
[冗談交じりにそう言い返して、笑った。 なんでだろうな。こんな状況なのに、なんだか嬉しく思った]
(-77) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/04/16(Wed) 00時頃
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…ああ、行くか。
[急がなければ、図書館に着く前にチャイムは鳴り終わってしまうかもしれないが、急ぎはしなかった。 だって、あいつが古川の元に行きたがっているなら。見送るのが、優しさではないのか。 でも、例え橘がここを去ったとしても、ちゃんと、見届けなければいけない。 そう思って、久住と共に、図書館へと歩き出した。]
(174) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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そうだな… 無理して笑うのはつらい それを見てる方は…もっと、つらい
[自分は無力なのだと まざまざと見せつけられているようで]
多分、鞍馬も… それから、神崎…お前もだろ?
(-78) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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/* 皆がこっち来るたびおかえりって言いそうになるのはきっとここ(墓下)に居る時間が長いから
(-79) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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― シャワールーム ―
[真っ先に鏡が、私の姿が視界に入ってくる。 包帯を巻いた手を叩きつけた。 鏡はびくともしないで白い私を映し出す。 包帯から血がにじむ。]
…。
[表情を変えないでシャワーの蛇口をひねる。 水が私を濡らしていく。 手から、腕から、同時に血が流れ出す。 しみる。
しばらくそのままお湯を浴びていた。]
(175) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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[どれほど時間が経っただろう。 白い湯気が辺りを包む。 白い私は溶けてしまう。
それでもお湯を浴び続ける。]
(176) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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[それほど時間は経っていない。 白い湯気が形を変える。 ぐるぐるぐる形を変える。
そして現れた人達は。]
何しに来たのお姉ちゃん? もういらないよ。
[姉が私を包もうとする。 それを私は振り払った。 白い湯気が形を変える。]
(177) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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櫻子も何しに来たの? 添い寝ももう必要ないから。
[櫻子が私一緒に寝ようと誘ってくる。 それも私は振り払う。 白い湯気が形を変える。]
(178) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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[『お前も』と言われて、一瞬、無理して「笑う」方か、それとも、「笑うのを見ている」方か、分からなかった。いや、どっちも、だろうか。どれにしても、答えは同じ。]
…ああ、俺も、辛いよ。
(-80) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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智明君も何しに来たの? もう智明君はお兄ちゃんじゃない。
[智明が私の頭を撫でようとする。 それも私は振り払う。 白い湯気はゆらりとゆれる。]
(179) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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もう何にもいらないよ。 私は、大丈夫だから。
[静かに私は宣言する。 そしていつもの鐘がなる。 白い私はどこかへ溶けた。]
(180) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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[それから、ゆっくり真っ直ぐ 図書室へ向かった
ギリギリ時間は間に合ったか
扉をノックして橘に声をかける それは彼に聞こえただろうか
出るように促すもその様子はなく 扉を開けて入ると 旅立とうとしてる姿を目の当たりにする>>171
止めようと動き出すがもう刻限は真近 そして、無情にもチャイムが鳴った]
(181) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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― シャワールーム ―
[そこには純白のマネキンがシャワーを浴びている。
その手には血の滲んだ包帯、そこから血があふれている。 その腕には2本の赤い線、そこから血があふれている。
マネキン被っていた純白の鬘が投げれ落ちて排水口を閉ざす。 床は血の海になっていた。]
(182) 2014/04/16(Wed) 00時頃
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