278 冷たい校舎村8
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/* これはひどい。 運動できないの??背が高めなのに????
(-57) 2020/06/20(Sat) 21時頃
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-- 現在/→病院 --
[ 雪は降ってないけど、12月の末らしく寒かった。 風を切って自転車を漕げば、 髪が思いのまま広がってなびくし、 覆われていない顔や指先から体温が奪われる。
さむいなあ、つめたいなあ。 千夏はとっても悲しい。
どうして紫織は自殺を選んだのか。とか。 どうして千夏は精神世界に居られなかったのか。とか。 どうして、どうしてなんでしょうね。 ]
(+25) 2020/06/20(Sat) 21時頃
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[ 他のみんなは、どうしてるかなあ。 とようやく気が付いた。 ]
(+26) 2020/06/20(Sat) 21時頃
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[ 考え事をしていても、 足はきちんとペダルを踏んでいて、 事故に遭うこともなく病院の前へとついた。
自転車を降りて、病院を見上げる。 深夜だというのに明かりがいくつも灯っていて、 どこに紫織がいるのかわからないけど、 どこかで……手術か処置かを為されているのだ。 そう、千夏は思う。 ]
(+27) 2020/06/20(Sat) 21時頃
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[ 自転車を引いて、 置き場へと向かおうと視線を下に向ければ、 自販機の明かりに照らされた人影が見える。
あ。と思った。 見覚えのある二人が生きてて動いてて。 千夏はほっと息を吐いた。 ]
(+28) 2020/06/20(Sat) 21時頃
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[ 二人に声を掛けずに、 千夏は自転車置き場へと向かう。* ]
(+29) 2020/06/20(Sat) 21時頃
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師範棋士 千早は、メモを貼った。
2020/06/20(Sat) 21時頃
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しおりちゃん、やばいね。
[ こんばんは、お元気ですか。>>+23 あたしはそのまま返してしまう。 他に言葉もあまりない。
多分、状況も、自殺したって現実の事実も、 その他、言葉に表せないなにもかもをひっくるめて、 やばい。 ]
(+30) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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[ 現実世界はどうあったって あたしたちに優しくない、って、思いませんか。 ]
(+31) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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―― 少し前 / 踊り場 ――
[死なせねえ、って別れ際の礼一郎の一言が びっくりするくらいに嬉しくて、 俺は一瞬、階段で固まってしまった]
(201) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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[格好良いこと言いすぎ。 敵わねえなって。 結局、いつも通りに歯を見せて笑って、 そのまま踊り場を後にしたんだ]
……心配、かけたんだろうなあ。
[いつか、世間話の延長のように 礼一郎に悩みを話せる日は来るのだろうか]
(202) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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[ あたしはぐるぐる巻きのマフラーに埋もれたまま、 コンポタを持つ喜多仲君のところまで歩む。 うぇいうぇい×ノリが続くまでの挨拶は、 きっとお互い気分じゃないね。
スマイルはタダだし、 これでいいってことにしましょう。 あたしのスマイルは演技指導のいらないもの、 ……だと思います、脚本先生。 少なくとも今はね。まだぎりぎりね。 ]
(+32) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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[女装を始めた詳しいいきさつ。 ……そして、文化祭の後の出来事も。
今ファミレスで駄弁って恋愛話しているように、 大学生や社会人になってから、 安い居酒屋の端っこの席とかでさ。 あの頃はこんな悩みがあってさ。 若かったよなあって。 馬鹿話にできる日が来るのかな]
(203) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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[ 映画とかであるよね、こういうの。 文字だけの話ならいくらでも見られる。作品の一部。 キャラクターや展開を色づけるためのもの。
あたしは特に震えることもなく、 "あと一時間ぐらい経てば終わるんだな"なんて、 エンドロールの瞬間を惜しんで、 チュロス咥えたまんま、眺めていられる。 ]
(+33) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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[おまえとは、 何でも笑い話にできたらいいなあって 俺はそう思っているんだ]
(204) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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[遠い未来のことに思いを馳せて、 そうして我に返る]
まずはここから無事にどう脱出するか、だろ。
[自分に言い聞かせるように言って、 階段を駆け下りたのだった]*
(205) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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―― 現在 / 昇降口 ――
綿津見、なのか。それは。
[誠香の腕に抱えられていたのは、 綿津見によく似たマネキン人形だった。
――マネキンと、交代。>>172
誠香の物言いに、得も言われぬ不安感を覚えた。 交代。やさしい物の見方だ。 けれどホンモノの綿津見がどうなったのか、 俺たちには想像することしか許されない]
(206) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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[ やっぱり終わるのって怖いね。 ]
(+34) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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待て。 こんなときにひとりで教室行くなよ。 危ないだろ。
[思いついたように教室へ毛布を取りに行く 誠香の後を、俺は慌ててついてゆく]
(207) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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[それから。
毛布を取って。 別れの儀式のように黒板に 綿津見へのメッセージを書く>>172誠香を 俺は黙って、見守っていた]
(208) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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[昇降口に戻って、 綿津見だったものに毛布を被せてやる。 人形って寒さを感じるのかな。 俺には、分からなかったけれど]
……そーだな。休憩するか。
[なんだか、どっと疲れてしまった。 俺は誠香の言葉にひとつ、頷くと 購買へと足を進めたのだった]*
(209) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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―― 現在 / 購買 ――
ほい。 今日は俺の奢りで。
[マネキン人形になった綿津見を見て 誠香がショックを受けているのは 火を見るよりも明らかだった。
だから俺は、購買の自販機で あたたか〜いカフェオレ缶を買うと カイロ代わりに誠香の頬にピタってくっつけた]
(210) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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[ あたしはやってもらう分には、そりゃあ。 ありがたく受け取ってしまうにんげんだから、 大人しく解かれましょう。 暖かいよこのマフラー。ヒーローの色です。>>+24
コンポタそのままだね。 これが終わったらゆっくり飲んでください。 あたしはおしるこでも買おうかな。 ]
(+35) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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……なんか、終わるの 怖いなって思って、 そしたら、走っちゃった って、いうか。
[ 何が、とは、言わなかった。 フツーそうだよね、って、言えなかったよ。
いつかあたしが熱弁したうちに、 "この話終わるの嫌だね"って、 そういうものもあったと思うけれど。
なんだろね、あの時みたいに、 外の空気は熱気に包まれてなかったし、 むしろ、寒すぎて、冷たすぎる。 ]
(+36) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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それ。誠香のオススメのやつ。>>0:243 飲んであたたまろうぜ。
[購買のベンチにどかっと座り込む。 俺はブラックの缶コーヒーをぷしゅっと開けて、 一気に口に含んだ。
もう女装してないんだから、 女子が飲みそうなやつ〜とか気にして 飲み物買わなくったっていいだろ]
(211) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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……どんどん、 みんな死んでマネキン人形になってくな。
[ぽとり、と落ちたひと言は 自動販売機の唸る音に、ぶおんと掻き消えた]*
(212) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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[ カンカクテキな感想だと笑いますか。 笑えないかな、こんな状況。
冷たい息を吐きながら呟いて、 すこし、遠く。>>+28 ……ああ、生きてるあの子がいたから、 声はかからなくても、空いている両手を軽く振って、
あたしと喜多仲君、 ふたりぶんの挨拶を送ろう。 ]*
(+37) 2020/06/20(Sat) 21時半頃
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CC レイは、メモを貼った。
2020/06/20(Sat) 21時半頃
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―― 現在:購買 ――
[ 何にしようかと購買で思案する。 漠然と疲れたな、甘いもの飲みたいなと思って、 提案しただけだった ]
わ。 え、いいの?
[ 決めかねている頬に、 温かいカフェオレの缶が触れる。>>210 誠香は目を丸くして、頬に触れている缶を受け取った ]
ありがと。 ……なんか、すっごい昔のことみたい。
[ コンビニでカフェオレを買ったのは、昨日のことなのに。 まるで、遠い昔の思い出のように、 なんだか懐かしくさえ感じてしまう ]
(213) 2020/06/20(Sat) 22時頃
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[ ベンチに並んで座って、 カフェオレの缶を開けた。>>211 温かい。甘い。体に染みていくようだ。 はあっと思わず大きく息を吐き出す ]
……帰った、んだよ。
[ 反論した。>>212 そのはずだ、と思う。そうでなければいけない、と思う。 まななのかと聞かれた時、>>206 そうだよ、こんな綺麗な髪はまなっちだろ、なんて 言ったけれども、 あれは、あくまでもまなによく似たマネキンだ。 まな自身じゃない ]
(214) 2020/06/20(Sat) 22時頃
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あくまでも、想像だけど。 この世界の主は、自殺しようとしてる。 それで、怜の仮説が正しかったとしたら、 ここに来たのは、自殺がよぎっちゃうくらい、 何かを抱えた人だとしたら、さ。
[ 喜多仲のマネキンの前で、ずっと考えていたことを、 ぽつりぽつりと誠香は話す ]
(215) 2020/06/20(Sat) 22時頃
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文化祭の思い出がかけがえのないものだってっていう メッセージに、きっと嘘はないはずだから。 ……だから、さ。 この世界の主は、 みんなには、生きてほしかったんじゃないかな。 この世界で、自分の悩みと向き合って、 悩みを投影したみたいな死に方して、 ……そしたら、本当の、現実の世界では、 悩みを乗り越えて生きていけるんじゃないかって。 この世界の主は、そう思ったんじゃないかな。 ほら、死ぬ気になれば何でもできるとか言うじゃん。 一度本当に死んじゃったら、 もう生きてくしかないじゃない?
[ 楽観的すぎるかなあ。 そう言いながら、誠香はまたカフェオレを飲む。 何でもないことのように言った ]
(216) 2020/06/20(Sat) 22時頃
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