人狼議事


181 アイスソード伝記

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【赤】 信徒 オーレリア


 ───… マスター?
 

(*65) 2016/01/23(Sat) 04時半頃

【人】 信徒 オーレリア

[微かに、ほんの微かに、これまで一身であるかのように主人に応えていた剣は、けれどもそこでほんの僅かに問うような響きを持って力の発動に時を要した。]


 "───、はい "

[ただ声を揺らがせども、冷気を湛えはじめるのは、氷の剣としての本能か。白い冷気は主の火傷をそっと撫でながら、くるくると風を巻き、周囲を取り囲むように、急速に空気を冷やした。]

(172) 2016/01/23(Sat) 05時頃

【赤】 薬屋 サイラス

[不思議そうに落ちる響きに、少し、唇の端が上がった。
以前、人の姿をした剣の少女の頭を撫でたようにして、
剣の柄を、ぽんと掌が撫でる。

炎が消えたとはいえ、
槍先に切り裂かれた傷の火傷はそのままだし、
炎に焼かれた皮膚とて無事に戻ってなどいない。

息が早く、浅くなっている自覚があった。
これは恐らく、────助からない怪我であろう、と。
どこか冷静に冷えた頭の片隅に思う。]

(*66) 2016/01/23(Sat) 05時頃

【人】 信徒 オーレリア

[ひゅう。と温度差におきる風が閉ざされゆく空間で鳴き声を上げる。

剣としての本質は、主人の命にただ純粋に応えようと

その力を用いて、静けさを望む主の周囲に
高く、そうして音を遮る厚い氷壁の姿を表した。]

(173) 2016/01/23(Sat) 05時頃

【赤】 信徒 オーレリア

[とん。と黒柄をやわく人の手がたたく。
それは、まるでいつかのような仕草で、]


[とても、こころあたたまることだったはずなのに]

(*67) 2016/01/23(Sat) 05時頃

【赤】 信徒 オーレリア


[どうしてか ざわめきばかりが大きくなる]
 

(*68) 2016/01/23(Sat) 05時頃

【人】 薬屋 サイラス

[兵らがどよめいた。
氷の剣は主の意を受け、急速に冷気を強めていく。
くるくると渦を巻いて冷えた空気は、
すぐに剣とその主人とを取り込み隔離する意図と知れた。

慌てたように、取り縋らんと伸ばした指先が氷に阻まれる。
周囲を拒絶するようにがちりと組み合わされたそれは、
見る間に厚みを増して剣と剣の主を氷の内に閉じ込めた。]

(174) 2016/01/23(Sat) 05時頃

【赤】 信徒 オーレリア


 マスター、…主さま
 

(*69) 2016/01/23(Sat) 05時頃

【人】 薬屋 サイラス

 …、レリィ、

[氷の壁に背を凭れる。
ひんやりと冷たく硬い感触を感じながら、
サイラスは手にした剣に視線を落としていた。]




      ──── 姿が、見たい。


[囁くほどの声が、掠れて零れた。]

(175) 2016/01/23(Sat) 05時頃

【赤】 信徒 オーレリア

[声。いつもよりも、弱い気がしました。]


 ─────。

(*70) 2016/01/23(Sat) 05時頃

【人】 信徒 オーレリア

[氷壁の中の空気は、つくりだされた氷に冷やされて、
しんしんと冷えていた。その中に、黒いスカートがゆれる。]



 …、 ますたー。

[手にされたままの剣は、距離近しいままに、
主人の手をとった少女の姿にとりかわる。
そうしてそのぶんだけ。
ふわりと閉じられた中の空気はゆらいだ。]

(176) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【赤】 信徒 オーレリア


[怪我。 傷、やけど。 
  これまでのどれよりひどい気がしました。]
 

(*71) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【人】 薬屋 サイラス

[剣の娘の姿を瞳に映したサイラスの口元に、
満足げな笑みが浮かんだ。

細い手を取らんと伸ばされた手の甲にも、
炎に焼かれた傷がある。構わず、手を握った。
そうして何かに耐えるように、
彼女の手を握り締めながら顎を上に逸らした。]



  俺は、…───間違えていたか。

[声が僅かくぐもる。]

(177) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【赤】 薬屋 サイラス

[間違えていたのか。

彼女を───この手を離していたのなら。
オーレリアを素直に渡していたなら、結果は或いは違ったか。
ウィリディスは緑の野のまま、妻も子も領民も兵たちも、
死なず平和に笑っていられたか。

自問する。
それは、声にも落ちることなくただ心の裡にのみ、
深く───…深く落とされて]

(*72) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【人】 薬屋 サイラス

[ぐ。と、彼女の手を握る手に力が篭った。
間違えてなどいない、そう思った。

彼女は家族だった。
彼女はウィリデのオーレリアだった。
家族を渡して家族を守る。
そんなことは、滑稽だった。

力が足りなかったのだと思った。
ただ。自分に力が足りなかったのだと。
そう、思った。]

(178) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【人】 薬屋 サイラス


 …   ……、 喉、




              かわいた 、


[息が次第に浅く、弱くなっていく。
かつて何度となく、剣の稽古の合間に発したと同じ言葉は、
今はもう、かつての力強さを失っていて]

(179) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【人】 薬屋 サイラス


 ……、 レリィ、




           " …───、海、"


[唇は微かに形のみをつくる。
音は空気を震わせることなく、思考のみが流れ]

(180) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【秘】 薬屋 サイラス → 信徒 オーレリア

 連れて行けなくて、








            ……  すまない 。

[思考がほろりほろりと、零れていく。
ほろりほろりと、命が零れると同じく緩やかに落ちていく。]

(-18) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【人】 信徒 オーレリア

[仕える主人にかしづくように人の姿をとれば、あの柄に指をまわせないほどちいさな手をしていた青年は、全身あちこち、火傷のいたましい姿で、それでもほんのりと笑みを浮かべた。表情がとりかわり、何かに耐え、そうして、くぐもった声の問いに、首一つ縦にも横にも振らないまま、]



 いいえ。
 
[答えたのは、短く確かな声だった。]

(181) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【赤】 信徒 オーレリア



 いいえ

[それだけは 不安の色に揺れず]

(*73) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【赤】 信徒 オーレリア


 マスターは、なにも、
 ……まちがえてなどいません。
 

(*74) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【赤】 信徒 オーレリア

[もし。もしも。
 何かを間違えた結果がこれだというなら

それは、───… その責は]

(*75) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【人】 薬屋 サイラス


 そう、


               …… か。


[短く確かな否定が返される。
それを受けて浮かんだ微かな笑みに、喜びの色が乗った。
はたりと頬を伝うものがある。
温かな雫が空色の瞳から零れて、喉へと落ちた。]

(182) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【人】 薬屋 サイラス

"レリィ"



    " すまない 、"



[ほろりと、また、欠片が零れた。
先と同じ音、けれど先とは少し色合いを変え。
落としたままに、サイラスは宙に腕を差し伸べる。]


         "  ──── 剣に "

(183) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【人】 薬屋 サイラス

[彼女はウィリデのオーレリアであった。
ウィリデは今、ここで絶えようとしている。
自分亡き後、彼女はアウァールスの手に渡るであろうか。

それは嫌だなと思った。
それくらいならば、ここで縫いとめておきたいと思った。
ウィリデのオーレリア。そのままに。]

 "俺が、死んだら、"


           " 俺を氷に、 閉ざしてくれ "


[───彼女が誰にもとられぬように。
何ひとつ守り切れなかった自分がせめて、彼女だけは守れるように]

(184) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【人】 信徒 オーレリア

[喉が渇いた、と。半ばはうわごとのようにもかつて中庭で特に善く聞いた台詞を、年を経て主は口にする。
されどここに水を汲める井戸はなく借りられるコップはなく、]


 ────、

[ただ、溶かせば水になる刀身だけを
剣は身のうちに常に抱いていてて]

(185) 2016/01/23(Sat) 05時半頃

【人】 信徒 オーレリア

[お借りします。と小さな断りをいれて、
まだぬくもりが残る手を、己が首筋に当てる。

──冷えた氷は、人の体温に溶け
せのびをした少女の白金の髪が、
空色の瞳の上に、薄く影を落とした。

刀身として身のうちにある水は、
透明な水のまま。娘の形をとるだけの、
ただの器から受け渡される水は、
口移しの真似事のように、主の唇を潤した。]

(186) 2016/01/23(Sat) 06時頃

【人】 薬屋 サイラス

[最後に唇を潤してくれた水はひどく美味しく、
心地良い冷ややかさを残して喉の奥を滑り落ちた。

サイラスは黒い柄の剣を再び手にして、また、
穏やかな顔で愛しむように最後に一度その柄を撫でた。

そうして氷の剣を、己が身へと最後の力を以って突き立てた。
刀身が肉の身を切り裂く、なれど血は流れることなく凍りつく。
己が身を凍りつかせる冷気を感じながら、
サイラスの頬は仄かに満足げに笑みを浮かべていた。]

(187) 2016/01/23(Sat) 06時頃

【秘】 薬屋 サイラス → 信徒 オーレリア

レリィ、俺は、



[意識が闇に落ちる寸前、微かに声が囁く。]



   お前といられて、  … 楽しかったよ。
 

(-19) 2016/01/23(Sat) 06時頃

【人】 薬屋 サイラス

■西暦973年

サイラス・ウィリデ死亡。享年26
これより暫く、氷剣「オーレリア」の名は歴史の表舞台より消えることとなる。

(188) 2016/01/23(Sat) 06時頃

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