278 冷たい校舎村8
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はのんに1人が投票した。
ジェルマンに9人が投票した。
ジェルマンは村人の手により処刑された。
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千早! 今日がお前の命日だ!
2020/06/18(Thu) 00時頃
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
千早が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、アトレイユ、タツミ、レイ、セイカ、マナ、はのん、レン、ココアの8名。
キーンコーンカーンコーン…………
(#0) 2020/06/18(Thu) 00時頃
──午前8時50分
寝ても覚めても窓の外は果てしなく白く、
嵐のように吹きすさぶ風が雪を運ぶ。
同じ一日を繰り返すだけの校舎にも、
ささやかな陽の光が朝を知らせるだろう。
規則正しく三度目のチャイムは響き渡り、
おはよう、君たちはまた新たな今日を迎えた。
(#1) 2020/06/18(Thu) 00時頃
そしてまた、チャイムが鳴るとき、
消えた仲間が二人、現れた人形が二つ。
喜多仲郁斗と早未千夏が見当たらない。
(#2) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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[夢を望んで夢に怯える黄色い羊が、虚構の世界から消える。
わたしからは一方通行だったけど、 できるだけ、いつも見ていました。
君の夢の中を覗いて、ありったけの鳩を散らして装飾できたなら、 気を紛らわすお手伝いができたのでしょうか。 わかんないけど(笑)]
(*0) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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[虚空を見つめてただ歩く空色の豹が、虚構の世界から消える。
文化祭もどきを一緒に歩いたの、楽しかったね。 やっぱりわたしには人間の女の子にしか見えなかったけど、 あなたが人間じゃないのなら、人間じゃないもの同士、友達でいれたらいいなって。 ……そう思いたかったけど、傲慢すぎたかな。]
(*1) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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[火の色をじっと見つめていた。]
(0) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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[今夜は母親が用事で出かけるから、 適当に夕飯を作って食べてーと言われていた。
ああ、じゃあ、今日にしよう。 ふと思いついたようにそう考えた。
キッチンを締め切って、通気口や、穴という穴をテープで塞いで、 鍋を火にかけてスープを煮込み、換気扇もつけずにじっと待つ。]
(1) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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[楽に死ねる方法なんて、調べるのも億劫だ。 このご時世、簡単に死ねやしないし、 どう考えても死ねる方法は痛そうなのや、屍骸が大変なことになりそうなのばかり。 だからもう考えても仕方なくて、できそうな時にやるしかないのだ。
鍋がしゅーしゅーと音を立てる。 火の色を見つめる。
ガスの炎の色は青。綺麗な青。 それは酸素が供給されている証拠。]
(2) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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[……最期に何か、やっておくことはあったっけ。 ああ、そうだ、みんなにご挨拶しないと。
スマホを開いて文章を打ち込む。 ごめんなさい。たくさん謝って、そして、 わたしからのお願いを、図々しくも打ち込んで、 遺言のメールはできあがった。>>1:1
「みんなとの文化祭の思い出は」 「本当にかけがえのないものでした」 「どうか、それだけは信じて欲しかったので」]
(3) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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[……信じて、くれる、かなぁ。]
(4) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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[それさえ信じてくれれば、もう後は何もいらないや。]
(5) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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[……青い炎に、徐々に赤色が混じる。 それは不完全燃焼を起こしている色。 混ざり合っても、紫色にはならない。
じっと見つめる。 鍋の中のスープは暴れている。コンソメの香りが濃くなってきた。 湯気がわあっと吹き出していて、なんだか蒸し暑くて、 少しずつ、手足の末端が痺れてきた気がする。
ああ、どうやら上手くいきそう。 書き上げたメールを一斉送信。それじゃあ、さよなら。]
(6) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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[瞬く間に痺れは全身に回り、頭がぼうっとして、 それで、ええと——記憶が、途切れる。]
(7) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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[——少しして、帰宅した母親がキッチンの扉を開いた。
一酸化炭素中毒。 葉野紫織が救急車で運ばれていく時点で、まだ息はあった。 助かる見込みは五分五分とのこと。
室内の通気口が全て塞がれていたことから、 警察の調査では自殺未遂と断定。]
(8) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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— 校舎の変化 —
[新たに増えた4階と5階の更に上に、階段が伸びる。
校舎の6階。増え続ける虚構。 そこは5階を更に複写した構造になっているが、 コピーの精度は更に落ちていて、 廊下は微妙に傾いていて、教室の部屋も四角ではなく、歪に曲がっている。
そしてもちろん、天井や壁には赤いインクが染みている。]
(9) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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[がらん、がらん、がらん……。 階段の上から、空っぽの鍋が転がり落ちてくる。
それは上階から落ちてきたかのように、 階段の段差に、点々とコンソメスープの痕跡を残している。]
(10) 2020/06/18(Thu) 00時頃
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