241 The wonderful world -7days of KYRIE-
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──3rd day/中央エリア──
[ いちご横丁の門での見事な立ち回りに、 ぱちぱちと控えめに拍手をした覚えがある。
しかし、それと同じ頃合いに 掌のタイマーがかき消え、 もしやこれはと警戒した矢先──案の定、 ニーナの意識は遠のいていった。
そして今、目の前の1を見上げ、 本日のミッション内容を確認したところ。
1.スクランブル交差点 2.イザナタワー99 3.兄間薬品 4.甘味処 あん屋 5.キリエ駅 ]
(107) 2018/05/17(Thu) 22時半頃
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[ すぐ側には姿はなかったが、 脳内に響くパートナーの声>>38。
ミッションに目を通したとき、 ──ああ、バナナストアか と、 思い浮かんだニーナであった。
マブスラに縁遠いレディとは違って、 ニーナにとっては馴染み深いものであった。
……どうしてだろう。]
(108) 2018/05/17(Thu) 22時半頃
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……ああ、よく遊んでいたよ バナナストアで大会があったりして──、
私は小さい頃から背が高かったから 同級生たちの間で勝てたのは、 きっと、”上から”見下ろして バッジの位置関係を把握できたからだろうけど
[ 商店街の子どもたちはマブスラがお好き。 ほんの数年前まで、ニーナは子どもたちと この遊びにも興じていたものだけれど、
同じ学校に通っているはずのジリヤには 縁遠かったはずのその遊びが、 どうしてニーナには馴染み深いのか、 それは今も分からないまんま。]
(109) 2018/05/17(Thu) 23時頃
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──じゃあ、そっちは任せたよ 私も、……そうだな、心当たりを
[ 雑踏を行き交う言葉の数々>>#9を ニーナは拾いながら、歩いて──、 ふと、足を止めた。]
…………鎧龍王X?
[ 嘘でしょ、と目を丸くする。 激レアじゃん、とも呟いて、 到底王子様然とはしていなかったけれど、 隣にジリヤはいないんだもの。
ほんの少し、反射で言葉を発しただけだ。]
(110) 2018/05/17(Thu) 23時頃
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[ すぐさま、ジリヤにテレパシーを送る。]
……ジリヤ! どうも、霊園のほうで鎧龍王X……、 ええっと、とても珍しくて強いバッジなんだが それを野犬が咥えているらしい
私は一旦、そっちに向かってみるよ 何かあったら、こうやって連絡をくれ
[ 言うなり、足は南に向かって──*]
(111) 2018/05/17(Thu) 23時頃
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──南エリア:御沙霊園──
[ ニーナは一人で駆けた。足には自信があった。 野犬、という言葉には少しの不安もあったが、 もしもそれがふつうの生き物でなく、 ノイズとしての野犬ならば、きっと 野犬というからには純白の毛並みなどでなく、 ニーナひとりでも、相手にできるだろうと。
そんな目論見で、 激レアバッジに目がくらんだニーナは 漏れ聞こえた声の通り、 まっすぐに墓地奥の森へと向かう。*]
(112) 2018/05/17(Thu) 23時頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2018/05/17(Thu) 23時頃
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──南エリア:御沙霊園 奥──
……野犬 っていうと 何かでおびき寄せればいいんだろうか
[ 独り言だった。ニーナはひとりでそこにいた。
もっぱらの懸念は、野犬というのが 本当にただの動物なのか、ってことで もしそうなら、サイキックって効くのかなあ、 効いたとしても、怪我をさせるのは忍びないなと
思考は巡りながら、周囲の様子を探っていた。 もちろん、片手には小太刀くらいの剣を握り締め。]
(129) 2018/05/17(Thu) 23時半頃
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……自分のバッジ、持ってればよかったなあ
[ ──と、呟く。
生憎、一部の参加者のように、 愛用のバッジを持ち歩いている、ことはなかった。
だって、”お嬢様の世界”に、マブスラなんてないし、 ましてや王子様には必要ない。バッジだなんて。
3年前なら、ちゃんとポケットに入っていたのに。 商店街のチビたちが、大人げない大人に コテンパンにされてぎゃんぎゃん泣きついてきたとき、 ニーナは代わりに”仇討ち”をしてやったもんだった。]
(130) 2018/05/17(Thu) 23時半頃
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[ 野犬相手に立ち回る自信なら、 正直、あった。だからひとりで来た。
最悪、その犬がRGの存在で サイキックが使えなかったとしても、 相手をする自信は、それなりに。
昼間だからか、曜日の都合か 霊園はとても静かで、人気がない。
その奥側にある森の中を歩き回り、 ふと、気が付いた気配は、野犬のものでなく どうやら他の参加者のものだった>>127。
──そんな折、ふと響いたパートナーの声。*]
(140) 2018/05/17(Thu) 23時半頃
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──なるほど、話はわかったよ
前回のミッションの様子からして、 メインのお題をクリアして手に入る バッジはひとつと思っておいたほうがいい
──けれど、今日のミッションをクリアしなければ 私たちもろとも、全員ゲームオーバー
それなら、プラスマイナスゼロだとしても ミッションの成功を優先してもいいかもしれない
……武力行使や物理的な話でなく、 マスターに”お黙りいただける”のなら、 それがベストではあるけれど *
(-52) 2018/05/17(Thu) 23時半頃
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──南エリア/御沙霊園──
[ パートナーからのテレパシーに 自分の考えを正直に返して──、
……不安がなかったかといえば嘘になるが、 頼れるパートナーたるジリヤを信じよう。 ……と、ニーナは思った。
そんな途中作業をこなしながらも、 奥へ奥へと進んだ先で、ニーナは犬を見た。 おかしなタトゥーも入っていない、 ただの見窄らしい……可哀相な犬だ、とニーナは思う。]
──やあ、犬くん その口に咥えているバッジ、もらえやしないかなあ
[ 犬に話しかけるなんて馬鹿だって? なに、友好的な姿勢を示したまでさ。]
(145) 2018/05/17(Thu) 23時半頃
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[ ──けれど、そうも都合よく このゲームが進んでいくわけがない。
そうっと、視線を低く、脅かさないように。
野生の動物を相手にする心得は踏んだつもりで、 ニーナは静かに野良犬>>#11へと歩み寄った。
歩み寄った──のだけれど、 刹那、ただの痩せぎすの野良犬に見えた生き物は、 その姿をたちまち変えて、 ニーナの前に立ちはだかる。
ニーナは跳んだ、後方に。 その”犬”が、容赦なく牙歯を剥いたものだから。]
(147) 2018/05/17(Thu) 23時半頃
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……成る程、そういうこと
[ ──と、ニーナはひとり呟いて、 視線を逸らさずに、武器を構える。
……犬科は目を逸らすと格下認定されると いつだったか、聞いたことがあった。
ようく、その生き物の姿を観察して、 全身に走っている緑の筋が面倒だと思った。
毛並みは灰色──白も混じって、良いとは言えない。 その上、走る線も斬りやすい色ではない。
また、バッジのことを思うと──、 万が一にでも、逃してはならない。]
(148) 2018/05/17(Thu) 23時半頃
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[ ……じりじりと睨み合った結果、 ニーナは思った。鼻っ面を狙ってやろう。
いくら色の混じった犬っころだって、 鼻先は黒々と光っていた、ちょうど良い。
サイズの大きい個体なら、 その分、小さいはずの的も大きいということで──、]
── っと !
[ 考え事をしていたのがいけない。 こちらより先に動いたノイズに、 ニーナは慌てて横っ飛びに避けた。
身体も大きいが、動きも速いんだもんなあ、と ニーナは思って、目を逸らさぬよう様子を伺う。]
(152) 2018/05/17(Thu) 23時半頃
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[ ……的は決まったのだ。 あとはすこうし、じっとしていてくれれば 狙いを定めて、鼻っ面から真っ二つにしてやるのに。*]
(153) 2018/05/17(Thu) 23時半頃
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[ ──ひとの、声がして>>164、
ニーナは首を動かさないまま、 眼球の動きだけで、声の主を追った。]
──ああ、消防士さん
[ ……そういえば、前回のミッション中 彼らの名前を聞くのを忘れたなあ、 と、思いもしたけれど、一旦後回しだ。]
(167) 2018/05/18(Fri) 00時頃
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貴方達も、バッジが目当てで? この狼が咥えているんですけど──やっ ……ううん、やっぱりキレが悪いなあ
[ 狼の毛並みは、一般的に白に近い灰。
眼の良いニーナはカウンターが得意なはずなのに、 刃を叩き込んでもどうにも通りづらく、 攻撃は当たれど、決定打にならない状況。
向こうからの攻撃を、あの手この手で躱し、 ( この際、スカートがどうとかはしたないとか ニーナには一切関係のないことであった ) 時折、試すように刃を振り下ろしニーナは言う。]
(171) 2018/05/18(Fri) 00時頃
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……そうだ、お兄さん方 ほんのすこぅし、怯ませるなりなんなり、 あの獣、動きを鈍らせられないかな
ほんの少し、隙さえあれば、 刃を叩き込む自信はあるんだけど
……なんせ、的が小さいんで
[ 不遜な物言いで、ニーナは少し笑った。 白く光る刀身は、ニーナの動きに合わせて伸び、縮む。*]
(172) 2018/05/18(Fri) 00時頃
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[ ふ っと出てきた白い男>>176に、 驚かなかったといえば嘘になる。
けれど平静を装って、 ニーナはちらりと視線を向けた。]
──へえ、そう なら、遠慮なくモノはいただくけど
[ すうっと、周囲の気温が下がった気がする。
きっとそれは間違いではなく、 ぴしり、と瞬間、狼はその動きを止めた。]
(180) 2018/05/18(Fri) 00時半頃
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[ 転倒注意、という忠告>>177を受けて、 ニーナはそのとき駆け出していた。
──ご心配なく。 仮にも王子様の端くれなのだ。 滑って転ぶ、なんて無様な真似はしない。
……というより、 ニーナの知っている ”自分の良いところ”って、 見た目以外には、そういうところだったのだ。
ぐしゅ、みたいな音をさせて、 ニーナはローファーで凍った地面を駆けた。]
(181) 2018/05/18(Fri) 00時半頃
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[ 摩擦もあってないような感覚の中で、 ニーナは一歩を大きく、あえて突っ切るように ……バランスを取る、自信もまたあったのだ。]
──助かったよ、お兄さん!
[ あと少し、というところで、 地面を蹴って跳ぶには流石に滑ったから、
ニーナは勢いをつけたそのまま、 ローファーの淵で、滑り込むように獣の元へ。
短く、太く作った剣を逆手に握りしめ、 ”すぐそこ”って言えるタイミングで、
その身体に突っ込む──或いは潜り込むように その黒々とした鼻っ面に、刃を突き立てた。]
(182) 2018/05/18(Fri) 00時半頃
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[ ……豆腐を切るみたい、ってのは あんまりな感想なんだろうけれど、
本当に、影みたいな濃い黒色を、 この刃はあっさりと通り抜けるようなのだ。
鼻っ面から裂かれちゃあ、 獣も無事じゃあいられまい。
さくりと食い込んだ刃をとっかかりに、 ニーナは体重をかけるみたいに、 思い切り刃を押し込んだんだけれど。]
(183) 2018/05/18(Fri) 00時半頃
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── さあ、伸びろ
[ そして、ニーナは小さく呟いた。 鼻っ面に食い込んだ白い刀身が、 一体どこまで伸び、どこまで食い込むのか。
その面に埋もれているのだから、 判断のしようもないけれど。
……顔面に、食い込む刃物があって尚、 死なないのなら、ゾンビと呼ぼう。
”ふつうの”生き物でない以上、 そういう可能性も、ゼロじゃあないけど。]
(185) 2018/05/18(Fri) 00時半頃
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[ ……これでもダメなら、ひとまず飛び退こう。 と、ニーナが淡々と思ったのは、 多分、頼もしい氷と炎の援軍のおかげだろう。**]
(188) 2018/05/18(Fri) 00時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2018/05/18(Fri) 00時半頃
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うっわあ、ホントに鎧龍王Xだ……!
[ 霊園奥の静かな森の一角、 ニーナは向かい合っていた獣が ただの黒色に変わり果てる>>#14と同時に、 ニーナは地面に落ちたバッジを拾った。
拾って、声を上げた。子どもみたく。
森の木々の間から差す僅かな光に そのバッジをかざして模様を確認したり、 模様をそうっと指先でなぞったり。
そんな動作をひとしきり経たのち、 はっと、自分以外の存在を思い出し、 ぎょっとした表情で、顔を上げた。
たぶん、ぎょっとするべきは 男の二人組のほうだった。]
(256) 2018/05/18(Fri) 12時頃
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………………後援、ありがとう
[ ニーナは微笑もうとしたけれど、 気まずくって視線は逸れてくようだ。
黒髪の男の申し出>>235はありがたいが、 本当にそれでいいのだろうか、と ニーナは思った。考えて、でも──、]
いいのか? こっちも命が掛かってるんで、 そう言われちゃ、遠慮しないけど
[ 手の中、入手したバッジを握りしめ、 ニーナはもう一度、男たちを見やった。]
(257) 2018/05/18(Fri) 12時頃
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[ 掌のタイマーにちらりと視線を落とす。 まだ、目指す数値には程遠く、 ニーナは悟った。ここで問答してる場合じゃない。]
……わかった、これはもらっておく 恩にきるよ、また後ほど、ショップで……かな?
[ 口調を元どおりにしたって、 猫を被りきれてるかなんて、わからないが。]
それじゃ、私はもう少し "戦えるように"してくるよ
[ ひらり、軽やかにその場を立ち去る。 なんせニーナの腹は空っぽだ。*]
(258) 2018/05/18(Fri) 12時頃
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──東エリアへ──
[ 急ぎ足で、ニーナは先を進む。
……制限時間は90分。 狂戦士とやらをとっ捕まえ、 対戦にこぎつけて試合を終えるまでに 30分間使ったとして、
1時間でバッジレベルを96以上に、 というのは、なかなか無茶である。 ……と、パートナーと手分けしてまで 駆け回っているニーナは考えて。
入手したバッジについて、 パートナーに念を送る。]
(265) 2018/05/18(Fri) 12時半頃
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──ジリヤ? 今、南から東に向かってる 実は、鎧龍王X……………いや、 すごく強いバッジを手に入れたんだ
ただ、時間がもうないから あとはもう手段は選ばず──、
[ テレパシーなんて慣れてないから、 声に出てしまっているのはご愛嬌。
……そう、マブスラが小学校で大流行してたころ、 改造バッジが流行ったのを思い出した。
それは商店街の子どもだけの特権で、 金物屋や家具職人の兄ちゃんが、 面白半分でバッジを改造してくれた。 ──ってだけの話だったんだけれど!]
(266) 2018/05/18(Fri) 12時半頃
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[ それがある日、関係のない同級生が 改造バッジを持ってきたときの衝撃といったら!
ニーナは悟った。 バッジを改造する人間は、 どうやら他にもいるらしい。
そして、漏れ聞こえてきた噂>>#13。 これしかない、とニーナは思った。 正規ではない手段に頼るのは 騎士道に反するとも過ぎったが、 ニーナは別に騎士でもなかった。]
(268) 2018/05/18(Fri) 12時半頃
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