229 観用少年
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[返すのは、そう言われてはっとする。 そんなつもりは毛頭ない。それは本当だ。 けれど、今の電話が何か分かっているのなら、 そう思うのも無理はないだろう]
ばーか、そういうことじゃないっての。 今までとなんも変わらねぇ。
まーたしかに?妹ちゃんが間違えたらしいけど。 お前を家に置いとくのはそのままだし。 返す気もねぇから、心配するな。
[彼の頭をわしゃりと撫でて離す。 これも、この三日で増えた癖のようなものだ。
会社で聞いた話では、彼という人形は なかなかすごい人形であることが分かった。 勿論、愛玩人形であるが故に聞くことは悪いことも多いが。 この少年については、少しずつだが理解はしていた。 そしてその一つである、愛情がなければいけないということも]
(2) 2017/10/07(Sat) 00時半頃
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[つまりは、いくら口で言おうとも彼は恐れているのだろう。 捨てられることを、手放されることを。
もしそうじゃなかったとしても、関係ない。 そんな思いはもうさせない。 きっかけはどうであれ、そう決めたのだ。
捨てられるのは、一度でたくさん。 彼が今まで幾度となく返品されていたことなど 知る由もなかったから、ただそれを想う。
それは、どこか自分と似たような――そんな気がして]*
(3) 2017/10/07(Sat) 00時半頃
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/* わっかりにくいデレだなぁ!(歓喜) くっそ好き。
(-3) 2017/10/07(Sat) 01時頃
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俺は鈍くさいが、妹ちゃんはそんなことないぜ? 教えた方が悪かったんだろ。
[思わず彼の言葉に言い返してしまうのは、 妹を言葉だけでも貶されるのがあまり好ましくないからだろう。 俺のことは好きなだけ言っていいけど、と付け足す。
なんにせよ、その答えで少しは楽になればいい。 彼が手放されると考えなくなれば、それでいい。
自分は人の気持ちを慮ることは苦手だ。 だからこうして、どうにか安心させたいと そう思って言葉を紡ぐしかできない]
(12) 2017/10/07(Sat) 10時頃
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……だーから、名前で呼べっての。 なんだ?
[自分が一人だった時にはなかった食事。 温かくて、美味しい食事。 そしてそれは、一人で食べるものじゃない。
そのことが、知らず知らずのうちに心を安らげていた。
彼の作るだし巻き卵が好きだった。 丁度いい味の濃さの、味噌汁も。 これだって、妹の"間違い"がなければ手に入らなかった]
帰りは多分……いつも通りだな。 定時で上がれりゃもう少し早いだろうが。
[生憎と、定時で上がれるほど暇ではなかった。 そこまで遅くなんねーと思う、と告げて まだ朝だというのに彼の夕食が楽しみだと笑った]*
(13) 2017/10/07(Sat) 10時頃
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/* 早く帰ってこいって良いよね。
(-7) 2017/10/07(Sat) 16時半頃
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[彼の言葉にはもうだいぶ慣れた。 オッサンと呼ばれても、一応は呼べというものの、 それは何となく恒例化したやり取りのようなもので。
だから、ふとした瞬間に聞こえる言葉に>>24 ついつい頬を緩めてしまう。
今日はカレーが食いたい気分と、珍しく洋食をリクエストして。 手早く食事を終えれば、ごちそうさまと手を合わせた]
ん、今日も美味かった。 ありがとな、いってきます。
[手を伸ばしてわしゃわしゃと頭を撫でれば、 彼の返事を聞く前に慌ただしく家を出た]
(47) 2017/10/07(Sat) 19時半頃
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[――――そして、時が経って現在夜の12時。 いや、もはや深夜と呼んで差し支えないだろう。
自分はまだ、会社に居た]
だー、もう…!なんでこういう時に限って!
[今日は早く帰りたかったのに。 夕食が楽しみだと、そう話したのが遠い昔のようだ。 部下の一人が、手痛い失敗をやらかした。 こちらの監督不行き届きもあったのだろうが。 それにしたって、許されるような失敗ではなかった。
おかげで進めていた実験は白紙に戻り。 今必死にそれのやり直しを図っているところだった。
今行っている実験の結果報告だって迫っているというのに。 最悪の一言だった]
(48) 2017/10/07(Sat) 19時半頃
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[当分家には帰れない。 帰る時間さえ惜しい。
そしてそれを連絡する暇もないほどに手が空かない。
この調子ならば、帰れるまでは早くても三日。 家に残した彼が頭にちらついて、苛立たしげに机を叩いた]*
(49) 2017/10/07(Sat) 19時半頃
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/* うろうろしてんのくっそいいなぁ。 こう、いいなぁ!!! (語彙力の欠如)
(-13) 2017/10/07(Sat) 20時半頃
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[――――この部屋に戻るのは、いつぶりだろう。
そう、三日。三日ぶりだ。 出来うる限りの速さで仕事を片付けた。 実験を間に合うところまで持って行って……後を任せた。 自分がこれほど働くことに、研究室の人間も驚いていた。 ……それくらいには、彼が自分の頭を占めていたのだろう。
これだけ誰かを想うなんて、きっと……アイツ以来だろう]
(75) 2017/10/07(Sat) 20時半頃
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ただいま。
……オスカー?
[疲労困憊。眠気も限界。 それでも頭にあるのは、少年のことだった。
ただいまと言った言葉に返事はない。罵倒もない。 家に入れば、ソファーで眠る彼を見た。
心配と、安堵と。 それがごちゃ混ぜになって、彼の元へと歩み寄る。 オスカーと、もう一度名前を呼んで。 彼が目を開けたのならば、もう一度ただいまと告げただろう。 もし眠ったままならば、彼の横に座り込んでそのまま眠ったか]*
(76) 2017/10/07(Sat) 20時半頃
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/* あー、好き。ツボついてきてるよね。 流石古都さん!
(-14) 2017/10/07(Sat) 21時頃
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[いらないなら、その言葉に目を見開いた。 家を空けた三日。 彼はいったい何を考えて過ごしていたのだろうか。 そしてそう思った瞬間、言葉が弾けた]
……っ、いらないなんて、思ってねぇよ! 悪かった。研究が長引いてっつーか、部下が失敗して。 家に帰る暇もなかった。
でも多分、今までにないくらい働いて、 一番早く帰ってきた。
――――お前のために、帰らなきゃって、思った。
[だからいらないだなんてそんなこと、ないんだと。 勢いを失った言葉でぽつりと零すように告げた]
(82) 2017/10/07(Sat) 21時頃
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[彼が何をしたらいいのか分からないというのなら、 こちらの方がどうすればいいのか分からないのだ。 今の彼がいつもと違うのは分かる。 けれど、何を必要としているのか分からない。
放り投げてあった説明書。 読むのでさえ嫌だったのに、それを慌てて引っ張り出す。 ページを捲って、"少年"について知る。 疲れで頭がうまく働いていないのが分かった。 それでも何かしなければいけないと、そんな風に思った]
……愛情?
[ふと目に入った単語は、それ。 愛情を注ぐって、どうすりゃいいの? ますますわからなくなる]
(83) 2017/10/07(Sat) 21時頃
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オスカー……俺、どうすればいいんだ。 教えて、お前が元気になる方法。
[伸ばされて届かなかったその手を握って、 懇願するように彼に問い掛ける。 読んでも分からない。どうしたらいいか分からない。 だから教えてくれって]*
(84) 2017/10/07(Sat) 21時頃
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/* うーあー、アレか?職場に連れて行けばいいのか?! [錯乱]
(-16) 2017/10/07(Sat) 21時半頃
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あー、あー? なんだ、よくわかんねぇけど!
別に忘れなくていいっつの! 口は悪くても料理が出来て、家事も出来て。 大人しくないお前がいいんだよ!
それが忘れらんないからって俺が困ることはない。 言ったろ、別に俺好みに育てたいわけじゃないんだって。
他の奴らと俺は違うんだよ。
[今の彼だから、ダメというわけではないのに。 イマイチ噛み合わない会話に焦燥する。
彼があまりに人間らしいから。 知識を持っていないことすらわかっていない。 だからこのズレは、それを理解しない限り解消されない]
(99) 2017/10/07(Sat) 22時頃
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仕事があるから、置いて行かないってのは難しい。 それは悪いと思ってる。
でも生活するためには、俺も働かなきゃいけねーし。 不測の事態で今回みたいなことにもなる。
だから、ここに絶対何が何でも帰るって約束する。
[それじゃだめか、と恐る恐る聞いて。 本能的に、だろうか。彼をぎゅっと抱き締めた]*
(100) 2017/10/07(Sat) 22時頃
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/* くっそ、好き。
(-18) 2017/10/07(Sat) 22時頃
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はぁ?! んな、携帯がいくらすると思って……
あー……、分かった。お前子どもケータイな。 それならなんとかなりそう。
[携帯、と言われて思わず目を剥く。 そりゃあ金持ちならばまだしも。 自分が二台分の金を払うのはなかなかに痛い。
けれど、確かに今回の件も考えると 何かしら連絡をとれるものはあった方がいい。 悩んだ末、子どもケータイならなんとかなるかと 算段を付けて、それを彼に買い与えることにした]
(108) 2017/10/07(Sat) 22時頃
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あ?……そうだな。寝てないし、眠い。 早く帰るために超がんばったしな。 こんな寝ないで頑張ったの初めてだわ。
――……だから、そうだな。 一緒に寝てくれっと嬉しいわ。 できれば、俺が起きるまではな。
[いい?と彼の方を微笑ましげに見て問い掛ける。 彼の良い返答を聞いたのなら、彼を抱き上げて 重いとか言いながらも、ベッドへと一緒に倒れ込んで。
抱き枕にしたまま、おやすみと呟いて目を閉じた]*
(109) 2017/10/07(Sat) 22時頃
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[誤解のないように言っておくと、 自分にとって寝るとは睡眠である。 それ以上の意味などなくて、それ以外の意味もない。
オスカーは飯を作ったり、掃除をしたり。 そればかりを求めていたからということもあり、 そのこと以外は何もしていなかった。
だから忘れていたのだ。 彼が本来、愛玩人形であるということを]
(118) 2017/10/07(Sat) 23時頃
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……は、え?
[ぱちり、と目を瞬かせる。 疲労困憊の体は彼にいいようにされて。 仰向けへとひっくり返されても理解が追いつかない。
分かるのは、自分は彼に両手首を掴まれたまま、 キスしていいかと聞かれていることである]
いや、えー………………。
[ここで断れば、彼がまた先程のようになってしまうのだろうか。 そんな懸念もあって、なんとなく断りきれなくて。 いいよ、と小さく小さく呟くような声で許可を出した]*
(-20) 2017/10/07(Sat) 23時頃
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ん……、
[彼の声に従って、ゆっくり目を閉じる。 撫でる手が、" "を思い出させる。 けれど合わさった唇は、思っていたよりもずっと柔らかかった。
久しぶりの、誰かとの触れ合い。 何年ご無沙汰だっただろうか。
あの日彼に心を奪われてしまってから、 誰とも深い関係になろうとしなくなった。 なのにこんなあっさり、今は。
彼のキスは嘘偽りなく上手かった。 そういう風に仕込まれていたのだろう。 つい、その甘い口付けに夢中になって 気付けばもっと欲しがるように口を薄く開いていた。
……救えない、自嘲気味にそう思った。 どうせ彼のことなんて、抱けやしないのに]*
(-36) 2017/10/08(Sun) 08時頃
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/* ※まだ抱く方だと思っています。
(-35) 2017/10/08(Sun) 08時頃
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は、……ん、
[口の中を舌でなぞられると、どこでも気持ちがいい。 口内がそれほど敏感だということはなかったはずだが、 あの男にされていたときも、そういえば善かったような気がする。
……知らず知らずのうちに、記憶を辿る。 そしてそれに気が付いてはっとする。 目の前の少年は決して彼ではないのに、と。
唇が離れると伝う銀の糸。 目を開けて、ぼんやりと彼を見る]
(-44) 2017/10/08(Sun) 10時半頃
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大丈夫だけど……あー、もう。 そんな顔するなって。
[不安そうにこちらを見つめる瞳に苦笑して、微笑む。 訳が分からないのはそのままだけれど、 彼が愛玩道具であることも考えると 要はそういうことなのだろう]
ちょ、そっちは……っ、
[しかし、彼の手が下へ伸びると流石に慌てた声を出す。 溜まっているのかと聞かれれば、確かに抜いたのは 随分と前だと思うけれど、まだ混乱の方が大きくて 反応以前の問題である。 とりあえず、聞きたいのは――――]
(-45) 2017/10/08(Sun) 10時半頃
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えーと、……ヤるの?
[その一点のみである]*
(-46) 2017/10/08(Sun) 10時半頃
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[嫌がることは出来ない、という言葉とは裏腹に 彼の手は動く、動く。
言ってることとやってる事が違うじゃねぇか!と 突っ込みたい気持ちは山々なのだが、 なんとなく分かったことがある。
この少年は、分からないことが多い]
あ、ん……っ、ちょ、手を止め、ろ…って! ヤるってのは、今してるやつで、だな。
だから、その……っ、ぁ、は、
[喋りたいのに、うまく喋れない。 快楽が先にきて、口から声が零れ落ちる。
気持ちいいかと言われれば、もちろん気持ちがいい。 立ち上がった熱は明らかにそれを示している。 彼の技も、巧みでいいところをついてくる]
(-49) 2017/10/08(Sun) 11時半頃
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