248 冷たい校舎村6
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/* レンタローの全力ピッチャー返し的な返事を見る度に 乃歌ちゃんは真っ赤になって膝から崩れ落ちてるし 私は何年か前の恋人と見る雪は特別に見える云々を 素で言いそうだよなレンタローくんって思ってるとこある
(-18) 2018/08/30(Thu) 13時頃
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/* 眩しい 好き
(-19) 2018/08/30(Thu) 13時頃
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/* あ、好き
(-30) 2018/08/30(Thu) 21時半頃
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―回想:断片のその後―
[『自業自得だろ』と兄は言った。
掴みかかって、乃歌は吠えた。頬がずきずきと痛む。 掴まれた腕が、切りつけられた首筋が悲鳴を上げた。
ぐすぐすとべそをかく妹を振り払って、 兄はただ罵倒を繰り返すだけだ。 やれ危機管理だの、責任能力だのまくし立てる兄の言葉は 乃歌には全く届かない。それが全うな正論だとしても。
悪いのはあの男の筈なのに、 何故怒られなければいけないのだろう。 何故、乃歌の方が責められているのだろう。
フローリングの床にぽたぽたと涙が落ちる。 早く逃げたい。乃歌に考えられたのはそれだけだった。]
(+27) 2018/08/30(Thu) 22時頃
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[沈黙が落ち、暫しリビングに響いていたのは すすり泣く乃歌の声だけだった。
兄が溜息を吐く音、ぐしゃりと髪をかき上げる音。 それから、ぱしゃり、と シャッターの音がした気がした。*]
(+28) 2018/08/30(Thu) 22時頃
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―自室―
[暗い部屋の毛布の上で乃歌は目を覚ます。 血の気の引いた顔、がちがちと震える歯で 目覚めの良さが如何かは明白だった。
首元に手を遣る。 痛みも息苦しさもないことに安堵して 乃歌は枕元のスマホに手を伸ばした。
夢、だったのだろうか。 そう思いながら、手に取ったスマホには いくつかの通知が届いていた。]
(+29) 2018/08/30(Thu) 22時頃
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[どうやら、いくつかメールが届いているらしい。 夜子からのものに、安藤に、それから。
順番に確かめようとして、一番に開いたのは、 一番上にあった母からのメールだった。
『電話ください』とだけの簡素な文に気圧されて、 おっかなびっくり、電話帳アプリを開く。 少しの呼び出し音の後、聞こえて来た母の声は 予想に反して、酷く狼狽しているようなものだった。]
(+30) 2018/08/30(Thu) 22時頃
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[そう、あれは昨日の話だ。 学校からの帰り道で、 警察を名乗る男二人に呼び止められた乃歌は 彼らの静止を無視して逃げ出した。
母曰く、それは少し前に捕まった 不審な男についての捜査をしていた警官だったらしい。
あの文化祭の日、肩に怪我を負った男は 近くで警察に呼び止められたらしい。 鞄の中には、血が付いた鋏と 明らかに盗撮と思しき写真が入っていたものだから、 そのまま、警察に取り調べを受けることになった。
その男が持っていた写真に写っていたのが ほかでもない乃歌だった。そういうわけだ。]
(+31) 2018/08/30(Thu) 22時頃
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[そこまで話を聞いて、 へなへなと乃歌はベッドに倒れ込んだ。
あの男が既に捕まっている。 それをいきなり突きつけられても、正直頭が追い付かない。
母の声は続く。 警察に乃歌のことを相談したのは、他ならぬ兄らしい。
妹が暴行を受けたと警察に相談したこと。 目撃情報を探して、写真を片手に 知り合いや探偵に捜査をお願いしていたこと。 そうして、捕まっていた男の犯行の全容を 明らかにしたらしいと母は語った。]
(+35) 2018/08/30(Thu) 22時半頃
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[そこまで聞いて、乃歌は大きくため息を吐いた。]
……そっかー……。
[そういえばアイツ、一応は弁護士だったなぁ、とか。 先輩や知り合いが検事や警察だとか自慢してたなぁ。とか 今更ながらに乃歌は思う。全く、兄に興味がなかったのだ。
近く、乃歌にも話を聞きたいとのことだった。 母の真剣な声に、少し考えて、 そして、乃歌はややあって頷いた。]
(+36) 2018/08/30(Thu) 22時半頃
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[悪い男は捕まって罰を受けました。おわり。 なんて都合のいい話にはならないのだろう。 それだけはなんとなく理解出来た。]
(+37) 2018/08/30(Thu) 22時半頃
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……わかった。 また後でかけ直すね。
[電話を切る。乃歌は大きく息を吸い込んで、 深い、深いため息を吐いた。
あの男が捕まっていると聞いても、 喜びは湧き上がってこなかった。むしろ――。 夢の中、目の前に広がった赤色を思い出して、 布団の中でごろんと寝返りをうつ。
思い出すだけで、手が震える。 全てから、逃げ出したいとすら思ってしまう。]
(+38) 2018/08/30(Thu) 22時半頃
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[正当防衛にだって限度がある。 乃歌が男を傷つけたこともまた事実だ。
そしてまた、男が恐ろしいからといって、 誰彼構わず憎悪や敵意を向けていたということも 帳消しになんて出来やしない。
なら、どうすればよかったのだろう。 考えたところで、やっぱり答えなんて出ないのだ。]
(+39) 2018/08/30(Thu) 22時半頃
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[目を閉じて、もう一度眠ろうとして。 思い出したように、もう一度スマートフォンを手に取った。
届いていた見覚えのある“遺書”に、 夜子や黄楊、安藤といった、 見覚えのある面子からの知らせに 正直、乃歌は少しだけ迷った。 行きたくないと思った自分がどこかにいた。
けれど、結局は布団を飛び出して、 夜の中、病院へと走り出すことになったと思う。 いつだったか、寒そうと評された 橙色のパーカーを羽織る。
一枚の手紙を鞄に入れて、 乃歌は、深呼吸をひとつ。巣を飛び出した。*]
(+40) 2018/08/30(Thu) 22時半頃
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/* ハイスペック兄貴になってしまった…… 男嫌いのトドメ刺しつつ乃歌を助けてくれるのも また兄貴だったっていうのがね やりたかったんだよね
(-41) 2018/08/30(Thu) 22時半頃
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