人狼議事


160 東京村

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【人】 樫の樹の子ら リツ

[激情に駆られて飛び出した街は、夜ということを差し引いても驚くほど静まり返っていた。
エンジン音のひとつもたてず、タクシーが滑るようにすれ違った。
運転席には誰もいない。かろうじて、バックミラーの中にスーツを着た運転手の姿が見えただけだ。
車が動いているから、運転手がいるのか、運転手がいるから車が走るのか、どちらが本当なのか、こちらにいる俺にはなにもわからない。
当事者には、『あちら側とこちら側』どちらが本当の自分なのかなんて、わからない。
見えざる神の手に……この場合、あちら側の自分にか? ……操られるようにして、音のない東京を走る]

(97) 2015/06/11(Thu) 00時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

[目的地はわかっている。
騎士として俺に出来ることは、姫の元に向かうことだけだった。

騎士としての俺自身の本能が、世界に向けて言葉を呟く。
俺にはこれだけだった。これでしか自分言葉を呟いて来なかった。

『アイリスは人を呪ったりしない。姫は苦しんでいるだけだ』

鏡の向こう側とこちら側とを、囁きが繋ぐ。
きっとウェブの海にはあちらもこちらもない。囁きがあるだけだ。
だから、騎士の俺はひたすらそれを発信する。姫の名誉を守るために]

(102) 2015/06/11(Thu) 00時頃

【人】 樫の樹の子ら リツ

[夜の新宿駅アルタ前交差点には、人は一人もいない。『この時間にしては』ではなく、ここには最初から誰もいない。

その花の片隅に、学生証が落ちていた。
それを見てはじめて、俺は姫の名前を知った。


その時、向こう側の自分が焦燥にかられた面持ちで鏡を覗きこんだ。
俺の体が映っては邪魔だろうと体を反らす。
向こうの俺が息を飲んだ。
無様に口許に手を当てて、嗚咽とともに胃の中のものを吐き出した。
だから、俺はその顔に拳を叩き込んだ。
アルタ前にあるこの花と同じように、鏡に写った俺が砕けた]**

(110) 2015/06/11(Thu) 00時半頃

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