169 きみがおとなになるまえに
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[薫るブロンドが通り過ぎ。 ちいさなせかいを確りと閉じれば。 屋敷の中は静寂に満ち。
廊下を進み、学者の部屋。其の扉の前で彼女は灰玉を上げる。>>2:224
小さな意思の滲む確かな口調に、学者は一度碧を合わせて。 然し言葉は交わさずに、静かに部屋の扉を開けた。]
(32) 2015/09/19(Sat) 17時半頃
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[少女のおやすみ、が背中に届き>>2:225。
──おやすみ、と言い忘れた事に気が付いた。
少しばかりの後悔を覚えながら、後ろ手に扉を閉じてしまって。
"おとな"に、なってきた。と、思う。 己で考え、意思を持ち。 友人と共に人生を歩む。そうやって、そうやって普通に成長して。 少女から女性になった、彼女は。きっと、
其処で、学者は何時も思考をやめてしまう。]
(33) 2015/09/19(Sat) 17時半頃
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[ 其れはもう、Aureliaではなく、 ]
[ María、なのだ、と。 ]
(34) 2015/09/19(Sat) 17時半頃
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[灰玉の眼、ブロンドはもう少し燻んだ色だった。 強い意思と、皮肉な笑顔を浮かべて、 ずっとずっと、世界の隅を知ったその小さな身体は生命の神秘を宿していた。
『おとこのかたって、なんでこう、面倒なのかしら。』 『恥とかそういうものはすべておんなに押し付けるくせにね。』
未だに、"めんどう"なおとこなんだ。 扉に背を預けて、ため息ひとつ。]
(39) 2015/09/19(Sat) 17時半頃
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[夜は、更け。]
(40) 2015/09/19(Sat) 18時頃
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[次の朝。 安楽椅子に重く重く腰を預けて懐中時計を開く男が一人。
こつり、こつりと革靴で床を叩く、その足は明らかな苛立ちを見せている。秒針よりも少し早く、
こつ、 こつ、
数分の遅刻も秒針を追いながらでは長くも感じるもので、待ち遠しい朝告げ鳥の声。 靴の音に混じって。
軋ませて立ち上がり、扉を開けるまで、普段よりもずっと早く。 整ったリボン、其方には触れずに、]
乙女には準備が必要だったかね?
[と、開口一番。懐中時計を厭味に見せながら。 嗚呼何て面倒なおとな!]
(41) 2015/09/19(Sat) 18時頃
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─ キネーン・教会 ─
[そんな、何時も寄りも少しだけばたついた、朝の風景。 馬車に乗って、図書館に寄って。 然して、教会まで。
ステンドグラスからは虹の光が落ち、磔刑の神の御子と囲む使徒達が象られ。──其処には本当は、Mariaが居る筈だ。 光と、祭壇からは眼を離して。
司祭は深々と頭を下げ、そしておとなのおはなし。 思惑と、欺瞞と。]
(42) 2015/09/19(Sat) 18時半頃
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[デ・トーレスの名は。 キネーンの端っこ、正教会に於いて重く大きい。 たった一言の文章でさえ、彼等にとっては大きな意味を持ってしまう。
まるで、"神"の言葉かのように。 色々捏ねくり回されて、思っても無い解釈を投げられるのも、屡々。 最大限の注意をして、最小限の言葉を、記す必要がある。
正直労力のわりに合わないので、何時も先伸ばしに先伸ばして居る。
さて、目の前のへりくだった、信用ならない──聖職者に信用できる人間なんてひとつまみ居たら良いくらいだが。そう、己を含めて信用できるとは思わない──笑顔で話す司祭には、人良く接しつつ。 欲しい内容を書き留めて。]
(49) 2015/09/19(Sat) 21時半頃
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[ふと、司祭が背後に視線を向けたのを、学者もまた、追う。 後ろには、ちょこんと座り、ステンドグラスを見上げる聖女が居る。 恐らくは、修道女が彼女に声をかけたから、司祭も気になったのだろう。
──大きくなりましたね、と、彼もまた言う。 此方から、修道女の表情は伺い知れない。
──オーレリアさんを、未だ養女とされませんか。
必ず、必ず問われることだった。 時を止めない家長、そして家柄を知る者は、"後継ぎ"を確かめる。 彼女は、おんなだから。 家の為、という大義名分があるだけで、身売りと変わらない方法が赦されるのだから、おとなは、美しくない。]
──…彼女は、こどもですから。
[未だ、]
(55) 2015/09/19(Sat) 22時頃
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─否、 この世の中、血筋を継ぎ続けるなんて無理なのですから、
[神秘の力を宿すおとこもおんなも、一握りなのだから、]
もう逸そ、家柄なんて要らない。 ───そう思われませんか?
[極、普通に。 笑顔さえ浮かべて、聖女を眺めながら。 ぽつりと、投げ掛けて。
結果、狼狽える司祭に、冗談ですよ、と変わらぬ表情で言う。
学者は、養子らしい。何処か其も良い家柄で生まれた男児、其を買い取った後継ぎ。 どうせ、遠い昔に血筋なんて途絶えてしまっているのだから。
それでも名字が重いのは、過去からの遺産であり枷だった。]
(60) 2015/09/19(Sat) 22時頃
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[未だ、焦りを隠しきれない司祭の肩を軽く叩いた後、修道女と聖女の元へ。
嗚呼、そうだ。此処は"帰ることができる"場所では、有る、けれど。 "居るべき"場所ではない。]
──オーレリア。
[純潔の聖女の名を。
異教徒との婚約を拒否し、拷問の末に純潔のまま死した、その逸話の為に聖人とされ、 "結婚の拒否"を名の一つの意味として持つ、彼女の名を、呼んで。
さ迷う灰は、学者に向くか、それとも。]
(61) 2015/09/19(Sat) 22時頃
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[背後から追い付いた司祭は、後ろ手に持っていた封筒を、学者に押し付けた。
─此度の感謝です、と。 明らかに媚びた顔で。 この司祭はこんな顔で説教しているんだろうか、ほんの少しの呆れも有りながら。中身は見ずに、受け取った。
なんて、教育に悪いおとなたちだろう。 大人になることを祈り、其の先を見る司祭と、 こどもはこどものままで、鑑賞されよと思う修道女と、
そのどっちも認めきれない保護者であるはずの、己と。]
(69) 2015/09/19(Sat) 22時半頃
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[ ───聖女様は、今、おいくつで?
修道女の言葉。恐らくは話題接ぎであったのだろう、けれど。 其に丁度良く被せたのは、けして偶然ではなかった。 立ち上がり、顔を向ける聖女は、安堵したような、そんな表情。 昨日の、こどものおしゃべりには、無かった、緊張の糸。
何時か、知らなければいけない─かも、しれない。教会のこと。 血筋のこと。──過去の、聖女のこと。 彼女には、矢張、未だ、─もう時間も無いと言うのに、未だ。早い気がしてしまって。 少しでも触れさせようと連れてきた、意思が揺れる。]
(78) 2015/09/19(Sat) 23時頃
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[仕事用に貼り付けた笑み、それでいて他を蔑む瞳に、僅かに映ったろう其。まるで気づいたかの様に問う聖女に。]
──改めて、貴女も大きくなったのだな、と、思いまして。
[仕事用の、外向きともまた違う感情の乗らない口調で、そうして嘘をつく。 また、遥か遠く空の向こうの、聖女からの叱咤がきこえる。]
行きましょうか、オーレリア。 何処かで休憩するのも、良いですね。
[封筒と荷物を持たない手、右手は一度手を取ろうと伸ばしかけ、何故か急に、触れてはいけないような、そんな予感のもと、結局手持ち無沙汰に揺らしたまま、教会を、出ようと。
恐らく近くには、エスペラル──勧めたホテルがある。 手の内の封筒、この重さに。 ホテルにこのままおいてこようか、と。 新しい友人へのおもてなしなのか、それとも金の厄介払いの思い付きの様な思考を、して。]
(79) 2015/09/19(Sat) 23時半頃
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[……其処で、学者は。 聖女が背中を向けるのを、何処か麻痺してしまった思考で追っていて、危機感も、罪悪感も、否処かオーレリアの見開かれた灰玉、其の意味さえ考えず。 最早凝り固まった老人の其のように、司祭に腰も折らずに去る意思を告げ。丁寧に頭を下げる司祭を見れば、漸く。
────漸く聖女の背中を追う。 開かれる、教会の大きな、二枚扉。 灯りを窓に頼った、薄明るい教会内に射し込む昼過ぎの太陽は、嗚呼、ずっと明るくて。 眩しくさえ、有る。]
(100) 2015/09/20(Sun) 02時半頃
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[聖女が軽いステップを踏んで、外へと駆けるのを、遠い世界の出来事の様に思える。 教会の、扉の内。此方を振り向いた聖女と、眼が合って。
彼女の姿は、逆光に黒く、黒く、 其なのに、表情まで鮮明に、
気丈な瞳と、プラチナブロンド、咎める様な、悲しげな、其れは。]
(101) 2015/09/20(Sun) 02時半頃
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[ 嗚呼、私は。 ]
[ 未だ此の境界から1歩も出られていない。 ]
(102) 2015/09/20(Sun) 02時半頃
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[ 足が、止まる。 後1歩で、教会の敷地から出る。そんな所で。
遥か遠く、遠くの空。風切り音。]
(103) 2015/09/20(Sun) 02時半頃
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『もう、わたしの前でそんな顔みせないでちょうだい。』
『貴方、今泣いてるの、ご存知?』
『ね、もう、私にうそをつかないで。』
[──やくそく。]
["聖女"は微笑った。]
(104) 2015/09/20(Sun) 02時半頃
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[遠い、遠い昔のやくそく。 彼女は、"彼女"で、ない、のに。
怒られたこどものように、言葉も何も忘れてしまって、茫然と、只。
嗚呼、其の頬には一筋、遠い昔に忘れてしまった筈の物が、通ったろうか。生暖かい体温が、過ぎていく。]
(105) 2015/09/20(Sun) 03時頃
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[くしゃりと、ゆがんだ聖女の顔。 漸く、弾かれたよう、彼女に追い縋り、
人目も憚らず、そう未だ教会の扉も閉めぬまま、掻き懐こうと手を伸ばしかけ、
其よりも前に、急な行動のせいか、 歳を経た身体が付いて来ず、 足が、縺れて。 視界が下がる。
だいぶ無様に、転んだ気がした。 嗚呼でもそんなことよりも、もっとたいせつなことがあって、]
────、っ、 …ごめん、なさい。
(106) 2015/09/20(Sun) 03時頃
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[あの時も、同じ様に謝ったんだ。 こどものように、細い腰に手を回して。
謝るなんてことを知らなかった若い男に、此の言葉を教えたのは、彼女だった。]
(107) 2015/09/20(Sun) 03時頃
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[背後から駆ける足音がする。 それは、そうだ。扉が開いている。
緩慢に立ち上がり、先ず最初にしたことは。 気まずさと、気恥ずかしさとが、隠しきれないこどもの顔で、 力いっぱい二枚扉を引いて、閉めること、だった。
伸ばされるおとなの手は、もう見えない。]
(108) 2015/09/20(Sun) 03時頃
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─ 遡り。─ [こどもの時分。たった50年の昔。]
[少年は自我の無い頃、デ・トーレスの息子になった。 奇跡的に生まれた子、祝福は家の繁栄の為。 政略的に"売られた"に等しい少年には、結局、拠り所何て一つしかなかった。
ヒトの、子は。 先ず保護者がいる前提で育つ。 性格も、嗜好も、結局は保護者に依存して。
毎日神に祈り、 "長男"として、学問と、所作と、家柄についてこの小さな世界で得てきた。新しい価値観何て、そう、それから20年して漸く出逢った。 その頃にはもう、"聖職者"が出来上がっていて、同時に長男であったから、常に勝者で居た。]
(122) 2015/09/20(Sun) 14時半頃
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[こどもらしい時なんて、あったんだろうか。
駆け回ることも、大きな声で笑うことも、ともだちなんて存在も無く、信じられないおとなに囲まれて、己の身を護るための術だけを身に付けて。 嗚呼、恐らくは、こどもじゃなかったんだろう、其の時から。
こどものまま時を止めるなんて、そんな選択肢も与えられなかったのだから。]
(123) 2015/09/20(Sun) 14時半頃
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[男がショーのこどもたちを観るとき、彼等彼女等の苦悩も勿論、有るのだろうと知りながら、其れでも、一時だけ。
──こどものままで居られることに、羨望する。
成長を望まれなかったこどもたちに、喩え其がパトロンと言われる存在であったとしても、保護者が居るこどもたちに。
そんなショー帰りであったのを、記憶している。 一通りの"遊び"に、飽きてきた頃だった。 そろそろ時を止める薬を、使うことになりそうな頃。 Maríaに、出逢ったのは、一番、"転びやすい"時期だった。
新しいもの、珍しいもの、──危険なもの。 そういうものに、心惹かれる、若い頃。]
(124) 2015/09/20(Sun) 14時半頃
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[分かりやすく嵌り込んで、とうとう二人で逃げ出して。 それでも家の手の内からは逃げ切れず、1度は郊外の屋敷に追い出された。
──仕方ない、たったひとり、長男だったから。 家としても放逐しきれず、微妙な扱いだったんだろう。
其処で漸く、男はこどもだった。 だってMaríaは母だったから、泣いたり、笑ったり、そして謝ったりしたのは、漸く、30にも届く頃。 恋し人であって、保護者だった。迷惑ながら。
──そんな彼女を、唐突に失って、親離れもできなかった子は、途方に暮れるばかり。 家は都合良く、『病弱なおんなを看取るという徳を積んだ』だなんて言って縁を引き戻して。]
(125) 2015/09/20(Sun) 14時半頃
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─ 11年前 ─ [此も偶然の出会いだったと記憶に残る。]
[時を止める選択を、強いられる頃だ、もう。 若しくは男児を買って、育てる必要に駆られる。
家に縛るための、記憶にない過去の自分を探して、ちょっと家柄の良い子達の、写真を見ていた。──そう、売り込んでくるんだ、物のように。 みんなみんな、赤ん坊といって良い子達。自我もなく、親の顔も知らないまま彼等は商品として並ぶ。大体は、おとこのこだった。
其処に、一枚。 後から聞く話、紛れ込んでいたらしいおんなのこ。 名もないその子は、別に家柄が良いわけではなくて、他の子より少しだけ大きかった。其れでも、未だ記憶に親は居ないみたいだけれど。 グレィの瞳に、プラチナブロンド。 嗚呼彼女に、聖女に、良く似て。]
(128) 2015/09/20(Sun) 15時頃
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─ 引き戻し、 ─
[地を踏む音、軽く軽く、羽の有るような。 ──先生、そうやって呼ぶのは、"彼女"ではない。 オーレリア、だけ。
教会の敷地、また戻ってきた聖女。 扉を閉めきれば一度瞳を閉じて、嗚呼其の頃には流れる物はない。 碧を開けば押し隠すのに馴れた、無駄に経験だけを積んだ男の瞳がある。 只、嗚呼、どうしても。こども染みた縋るような色だけは、何処かに有る。
視線を落とせば聖女の灰がある。ワンピースを翻し、つま先立ちで"先生"を伺う彼女は、確かに、確かにオーレリアだった。]
(129) 2015/09/20(Sun) 15時頃
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[ Maríaでは、けして、無い。 ]
(-20) 2015/09/20(Sun) 15時頃
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