19 【minus apple 〜 僕の心臓は僕を壊す】
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[“ひとではないもの” それについて言及しようとしたとき、 耳を擽るのは、――――信仰するものの声]
ドクトル―――…、!
[どくり。
煩いほどに、鳴る。 言葉が襲い来る、試練のように炎のように断罪のように告発のように]
っ、
[凭れていた壁から背を離したとき、電気が落ちた。]
(30) 2010/09/19(Sun) 00時半頃
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ヴェスパタインは、銀帯びた紺の眼を見開いた。手を伸ばす―――62
2010/09/19(Sun) 00時半頃
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殺す
なんて
[かみさまなんて。 かみさまなんていない。 かみさま、どうしてかみさまかみさま――――]
……貴方が救ったいのちに、 ドクトル、どうして!!
[あらげた声に、セラがビクリと震えた。 がたん、と手を机につく。
息が詰まる――――]
(34) 2010/09/19(Sun) 01時頃
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ヴェスパタインは、唇を噛み、手探り進む。セラは足元ついてくる――62
2010/09/19(Sun) 01時頃
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―食堂から廊下―
…スティーブン…?
[呼び掛けが耳を掠める。 混乱に混乱が、塗り重ねられる。]
…っ、どういうことだ…
[壁を伝う手が、緩く握りしめられた。 ちらつくのは虚ろな標本の、眼。
――――にぁ。
猫は、何かに呼応するように啼いた。]
(62) 2010/09/19(Sun) 01時半頃
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―1F廊下―
[電気が不意に復旧する。 セラが忙しなく瞳孔を動かし、 猫の瞳であたりをきょろきょろと見た。]
……、っ……
[眩しげに目を眇め、 銀冠を戴いたような髪をかき上げて、 視界を確りさせようとする。
ドクトルのホログラムは、どこにもない。]
(110) 2010/09/19(Sun) 02時半頃
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―1F廊下― [遊ぼうね
――遊ぼうね>>@4
記憶と重なるやさしげなこえ。 大きくなれば、いつか、大きくなれば。 救われた命に、かの医師はヨハネにとって 神も同然の存在となった。]
……、ドクトル……
[“お気に入り”以外は死んでよいという。 崩落、どうして、どうして。]
どうして。
[思考は毀れて音になる。背後、食堂から出てきたらしきピートが近づいてくる>>112]
(115) 2010/09/19(Sun) 02時半頃
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―1F廊下ー [余程顔が青白かったのか。 一応声をかけてきたピートは “サイモンを探す”という。
――ほんとうにどうでもいいんだ。>>1:@29
わらう、わらう、狂っているようでいて そのくせ胸のうちにするりと入り込むような ドクトルの声が思い出される。]
……―― いないのか
[――なので、サイモン君は殺していいんだよ?>>@0 険しい顔に、なる。 セラは啼いた。か細く、何処かへ届けるように啼いた。]
(118) 2010/09/19(Sun) 02時半頃
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―1F廊下― [ピートのほか、リンダらもサイモンを探すという。 「くろいあくま」とおびえきっていた男。 今更になって、それが誰であったのか はっきりと思い出せる。
――にぁ。 小さな鼻をひくつかせて、 セラはまたひとつ啼いた。尻尾がぴんと、立っている]
…、……――
[探せば、探せば。ドクトルに辿り着けるだろうか。 漂うは濃い、血のにおい。 迷わず、そちらへ向け歩き出した。 セラもまた――その横を駆けていく。]
(137) 2010/09/19(Sun) 03時頃
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―ロビー―
[後から誰が追いかけてきていたろうか。 呼び掛けがあっても、 答えることはできなかった。
そこに在ったのは、朱。 朱、あか、あか―――砕けた骸]
…、――――サ、
[サイモン、とは声にならない。 冒涜的と謂ってよいそのすがた。 暗い眼が、どこも視ていない。
―――甲高い悲鳴が聞こえた。]
(212) 2010/09/19(Sun) 12時半頃
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―【2日目夕方】ロビー―
――――、…
[セラが広がる赤に 鼻先を近付ける。 そのさまはいっそ無邪気でアンバランスだ。
―――これはなに?
と、ヨハネを見上げた。 くるり、金の眸に強ばった顔が映る。]
……、何で
[かみさまなんかいない。かみさまなんか。 かみは、
――――ロザリオを握る手に銀が滲んだ{5}]
(239) 2010/09/19(Sun) 14時半頃
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―【2日目夕方〜夜】ロビー―
――――、…
[祈りを、と。 ヤニクの言葉に、 滴る銀まとわりつき落ちる ロザリオを更にきつく握った。 尖る先が、手のひらを貫いている。 痛みはある 痛みは、ある。]
―――…ドクトル…
[主よ、と呟くときと似た抑揚で、 その名を呼んだ。 答えなど返るはずも、ない]
(277) 2010/09/19(Sun) 20時頃
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[呼び掛けには頷き程度は返したろう。 けれど心ここに有らずと謂っていい様子であり。]
…―――――
[足元にすり寄るセラは か細く啼いた。 夜の色、見えれば僅かに顔をあげもしたか。
今後のことを話し合うと 謂われた場所から離れ、 トニーが神を罵倒しながら掘った墓の側へ赴いた。]
(279) 2010/09/19(Sun) 20時頃
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―【2日目夜】墓の側―
…――――――
[暫くの間は、沈黙している。 やがて薄い唇を開いて紡ぐのは、 静かな祈りの言葉だった。 後を追いかけてきたセラは 少し離れて座る。]
…… …Requiescant in pace
[安らかに眠れ。 眠れるはずなどないのに、 己の信仰は神《ドクトル》に傾いていたのに。
かみさまなんかいない。
いつかの言葉が、今の言葉が ひび割れた世界を穿ち崩す。]
(284) 2010/09/19(Sun) 20時半頃
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―【2日目夜】墓の側―
[猫と普通に会話する トニーの方は見ずに、 握りしめたロザリオが 突き破った皮膚からぱたり、と落ちた銀の血ひとしずく。]
…… ―――
[それ、は。一瞬。 落ちた違が燐光帯びて、 銀色の―――熱のない焔になる。 花のように咲いて、捧げられ、散った。
眸を閉じていたため己では気づかなかったのか。 視線を感じ、トニーへ向けた眸は銀ちらつく紺。 反らしはしなかったが、微かに眉を寄せた。]
(298) 2010/09/19(Sun) 21時頃
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……問題ない。
[イアンへはそう答え。 墓から食堂へ戻るものたちの中では一番遅くその場を立ち去る。 強く握りしめすぎたせいで ロザリオや爪が刺さり裂けた手のひらで首筋に触れた。
――――思うは、かみさまのよこがお。]
………かみさま、
[呟きは見上げていたセラだけが聞いていたか。
明るい光の下で、 トニーやヤニクを見ればその姿がおかしなことに漸く気づいつ怪訝そうな顔をしたろう。]
(299) 2010/09/19(Sun) 21時半頃
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――【2日目夜】→食堂へ―
[イアンが振り返り 問いを再び投げ掛けようと ヨハネは頑なに問題ない、と告げるのみ。]
…… 向かってる
[抑揚少なにラルフに答え。 セラを傷のないほうの手で掬い上げれば微かなさかなの匂い。]
…?
[次にラルフが視界に入ったときは、 何故か彼は伸びていた。 怪訝そうに眉を寄せる。
何処からか煙草のにおいがした。]
(320) 2010/09/19(Sun) 22時半頃
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――【2日目夜】食堂付近廊下―
[人気少ない廊下で、 ロザリオが突き刺さる程に握っていた掌を見下ろす。
爪痕。 ロザリオが裂いた傷。 痛みはある。 だが同時に目視できる速さで 傷は癒えていく。 ―――人では有り得ない。 眉をきつく寄せ、拳を握りしめた。
―――まるで物語の聖人に訪れた奇蹟、だが。]
(329) 2010/09/19(Sun) 23時頃
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ヴェスパタインは、顔を上げれば、ナユタと眼が合うか。
2010/09/19(Sun) 23時頃
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――【2日目夜】食堂付近廊下―
[ナユタの紺青の眸、見返し。 もう一度自分の手に視線を落とした]
―――――、 …… Beatus vir qui suffert tentationem, (試練に耐えうる者は幸いなり)
[掌は、僅かな痕を残して元通りに。 崩れすぎた基盤の上で、 いっそ取り乱すこともできないまま在る。]
“どの程度までなら” “耐えられるのか”
[聞いたものはその意味を理解するだろうか。 しかし漂う濃厚なあまい匂いに半眼。 セラも鼻をひくつかす。]
(341) 2010/09/19(Sun) 23時半頃
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― 食堂の前廊下 ― っ、…
[手をひっくり返されて、咄嗟に手を退こうとして 失敗した。傷痕は未だ在り。 渋い顔を見れば、罰が悪そうな表情を浮かべ眼を逸らした。]
……―― …言葉通りだ。
[恐らくは。冠を頂くような銀を纏わせた 変質させられた血は、死をも退けるだろう。 己の 中心が 本能的にそう伝える。 其れを確かめるために 己を裂く――つもりで]
…… かみさまは 在った ろう
[かみさま。かみさま。己の立つ基盤となった絶対の神。 なぜ神の名を呼ぶのか。]
(371) 2010/09/20(Mon) 00時頃
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―【2日目夜】食堂付近廊下―
[甘ったるいにおいにあてられたように 額を手で覆った。ここは菓子屋か。 にぁ。セラが啼いた。]
…ん
[首だけを動かせばラルフの顔が見える。]
……
すごいにおいだ。
[ぽつり、謂った。 随分何も食べていない気がするが 食欲が、あまりわいてこない。 それが副作用かどうかは、わからない。]
(374) 2010/09/20(Mon) 00時頃
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―【2日目夜】食堂付近廊下―
……猫のためとは、なんだ。
[セラが啼いた。]
……。いや、……入れないことはなかろう、 ……?……
[>>363 貸し、とはどういうことなのだか。 道をあけながら猫と同じように ラルフを見た。]
(383) 2010/09/20(Mon) 00時頃
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―【2日目夜】食堂付近廊下― [>>389ラルフの言葉には そうか、と頷く。
部屋の中からはロビンはじめ、 様々な声が聞こえる。急かす様に猫が啼いた。 片手で咽喉元を撫でる。]
……。
[食堂に入るべきか、と。 ナユタが眼を瞠るのにはほんの少し瞼を下ろし]
……――おれは 、 …っ、
[制する様に続いた言葉に唇を引き結んだ。 睨むような眼を、見かえす色は――微かに揺れた。]
(402) 2010/09/20(Mon) 00時半頃
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―【2日目夜】食堂付近廊下―
[かみさま。かみさま。今意識が 内側に向きすぎているのは、己も分かっていた。 ――黙す。かみさまへの信仰は、]
犬派か、……ライカだったか
[呟きナユタを一度見てから、 扉に手をかけて食堂に踏み込んだ。 窓が開け放たれ、ひやりとした空気が 流れ込んできていた。
ヤニクに振られるローストビーフに セラは反応してテーブルの上に乗る。]
…こら
[――何だかんだで飼い主のように面倒を見るようには、なっている。]
(409) 2010/09/20(Mon) 00時半頃
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―食堂―
[――ナユタの声にならない声は、聞き取れず。>>415 いつだったか、酷く気まずくなった日の事を思う。 信仰が揺らぐのは 生きてきた基盤の、揺らぐこと。
にぁ とセラは暢気に肉を食べてご満悦である。]
ドクトルの… いらっしゃるの か。
…… あれから部屋に帰ってないからな。 …… …、…
[ヤニクに普通に返事をしてから 猫の言葉が分かるような様子に>>417 怪訝そうに眉を寄せてからトニーを見
ホログラムにドクトルの姿が見えれば息を飲んで注視した。 ――鳴り響く 警報。]
(436) 2010/09/20(Mon) 01時頃
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…… ――
[――絶句する。]
っ、…
[ホログラムは、消えかかるか。 ――どうしてだ。 未だ、断ち切られずに表情が歪む。 だが揺らいでいる暇などありはしなかった。
猫は本能的に危機を察知したのか―― ロビンの方を一瞥してから 一つ 啼き。
ヨハネの肩に飛び乗った。]
(453) 2010/09/20(Mon) 01時頃
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……ペラジー だったか。 ……未だ部屋にいるのではないか。
[階段のほうに顔を向ける。 思考を働かせねば、 働かせていたほうが――余計な己の深層を覗き込まずに済む。 揺らぐ 信仰の、己の柱の部分が――]
何人上に向かった。連れ戻さないと。 っ、リンダ、 ……ナユタ!!
[駆ける者、追いかけるものの名を引き止めるように呼んだ。]
(459) 2010/09/20(Mon) 01時頃
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―食堂→外へ―
……莫迦野郎……!
[呟いた言葉が入院当時の荒さになる。]
早く来い!
[熱が上がっているのか、緩慢な動作のベネットと ヨーランダの腕を掴む。引きずるようにでも 食堂から出て行くつもりだ。]
暢気な音と共に流れる館内放送に 眉を寄せた。
――嗚呼、だが。あれは確かに助けようともしている、矛盾。]
(478) 2010/09/20(Mon) 01時半頃
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ヴェスパタインは、爆発音に眼を見開く。
2010/09/20(Mon) 01時半頃
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/* wwwww把握した!
(-75) 2010/09/20(Mon) 01時半頃
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―食堂→―
っち……!何してる…!!
[キャサリンが機械を開けようとしているのを見>>485 手伝えといわれれば渋い顔をしながら手を貸した。]
――……走れ!
[玄関へと駆けるキャサリンを 言葉で後押しする。]
(494) 2010/09/20(Mon) 01時半頃
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―1階―
…急げ。
[>>489支えたヨーランダは大丈夫そうではある。 ベネットが彼女の手を退くならば其方に任せ、 ノックスにも早く逃げるよう伝えた。 彼ならば常のマイペースさでいっそ落ち着き 場を乗り切ったかも知れぬ。
後、キャサリンとの一件を経て>>494 玄関へと向かった。多数上へ向かった者たちのうち 未だ戻らぬものが多い。アナウンスが流れる。>>#15
焦りが胸の裡を引っ掻いた。]
(506) 2010/09/20(Mon) 01時半頃
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―建物外― [>>499 キャサリンに名を口にされれば頷き。]
……無茶をする
[苦言とも取れる言葉、 吐き気を堪えるような様子には一つ瞬き]
……無理をしない程度に急いで離れろ。
残ったものは連れて出る。 急げ。
[ケイトの声が重なる。>>510 促すように港のほうを指差す。]
(515) 2010/09/20(Mon) 01時半頃
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