84 ― 手紙 ―
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[ひどく安心するような声音で、肯定の返事がなされる。幾度も聞いた、カバンの留め具が閉じられる音がする。 それだけで男がどれほど心落ち着いたのか、改めて言葉にする必要なはいだろう。繰り返された日常の一端、ウェーズリーという郵便屋にかけた信頼は、それほどまでのものであった。 けれど安心などというものは、波打ちもしないアイアンブルーから掬い取るには難しい感情ではあった。
看護士も退出した個人部屋で男は一人、眼を開き、変わりもしない眼前の真白に視線を止めた。郵便屋にぶしつけな言葉を浴びせた後悔も、謝罪を逃した悔恨も、どうしようもない空虚感もすべて、両腕を縛る真白の内に見出すように、ただじっと見つめ続け。]
(+3) 2013/05/27(Mon) 02時半頃
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―― 翌朝:病棟個室 ――
[拘束の外され、けれど白に覆われた両腕のまま、男は病室にいた。 彼は随分と落ち着いているように思われた。それもそのはずだ。一種の諦念を抱えてこそいれ、男に抵抗する意志など欠片も持ち合わせていなかった。仮に両足が自由であれば脱走という懸念があったけれど、現実として、彼の片足はギブスに覆われている。]
[男は身を起こし、自分の荷物へ視線をやった。 看護士に頼んで出させた手帳と、愛用のペンと、それから便箋が彼の目の前に広げられている。]
(+4) 2013/05/27(Mon) 02時半頃
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[開かれた手帳の前にも、彼はほぼ無表情であった。 自らが記した文字列を紺青だけで追い、赤裸々に紡がれた感情の一片を――その先に起こることを知らない、闇雲な期待を感じさせる言葉を眺め。けれど何も感情を表さず、読み終わらせた。
彼自身が出した手紙を思う。 本来ならば。舞台のあるはずであった****についたら、郵便の転送手続を行うはずだった。であれば、郵便物は自室にたまるばかりであろうか。本人に渡らなかった手紙として、郵便局にとどまるのかもしれない。]
――……花屋にも、迷惑をかけた。 あれで金額が足りればいいが。
[彼は、花屋が最初の一通目の時点で花束を用意していてくれたことを知らなかった。もしかしたら、無人の部屋の郵便ポストに入れられた花束が、ゆっくりと枯れていくのを待つばかりかもしれない。二つの紺青を静かに寄せ、無意識に生まれ落つ連想を、身動きもできず枯れるばかりの花束からの連想を遮る。]
(+5) 2013/05/27(Mon) 04時頃
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[枯れいくばかりだろうか。 もしかしたら、と過った懸念は連想を産む。徐々に湧き上がる連想は歯止めを知らず、止そうと思えば思うほど思考のあちらこちらで芽吹き始める。脳が窒息していくような、そんな不快極まりない不可視の首縄に囚われた感覚に、男はきつく瞼を降ろした。]
――……仮に、そうだとしても。 やらなければならない、ことがある。 きちんと言葉を、今度こそ、の、謝罪を。
[胸中に沈み込んだ鉛を吐出すことは出来ない。のろのろとした動作で腕をあげかけ、その先端の、真白いギブスを改めて視界に入れた。]
(+6) 2013/05/27(Mon) 04時頃
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[筆をとることはおろか、プレイングカードのデックでさえ掴めない、ただの棒の先端とでも言うべき腕を見。
男は微かに口を開き、噤む。「つかめないのか」そう小さく繰り返したのち、徐に彼は筆を咥えた。 キャップさえ空いていないペンを、口のみを使って筆記具に昇格させるのは聊か無謀な挑戦であった。それでも彼の病室内には芝悪の間、エナメル質と硬質なものがぶつかる音が響く**]
(+7) 2013/05/27(Mon) 04時半頃
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