167 ― さいごの手紙 ―
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[空は青々と輝く。 あの光を隠して全てを無かった風な顔をするような、 甘っちょろい雲は、どこにも見えなかった。
それでも翁は時折、それを仰ぎ見る。 近付く定めと見つめ合う]
………はぁ。 遠ェがね、みなもとは。
[昇れば昇るほど、川沿いの岩たちは鋭さと大きさを増し 丸一日歩いていた筈だが、振り返ってみればまだ 自分の知る風景の形がまだまだ目視できる距離にある。
腰を落として、手頃な岩に座り込む。 魚箱を下ろして蓋を開き、その中から本を取り出した。 丁寧にカバーのかけられた、新品の、一冊。
開いてから、気付いた。 栞の先にはもう、あと数ページしか残っていなかったこと]
(+3) 2015/09/04(Fri) 22時半頃
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…俺ぁ本ば読めるにんげんだったのだなぁ。
[一人の行軍。 休み休みの手慰みに読み進めていたそれが 不思議とすいすい読めたのは、状況のせいだろうか。 それとも、読めないと思い込んでいただけで 実際は読書人の才覚があったのか。 はたまた、彼の筆遣いの洗練されたことだったか。
––––終わりの始まりのあの日、私は何を思って…]
綺麗だったものなぁ。
[もう一度、空を仰ぐ。 執拗に、何度も、何度も、空を仰ぎみる]
(+5) 2015/09/04(Fri) 23時頃
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あ。
[読み終えてから、気付いた]
……上巻だったんが、これ。
[名前を見て、そのままの流れで会計に持ち込んで。 そのまま熟練の書店員の–––シャッター通りの中で店を開いていた奇特な––––手によって 迅速に包まれてしまっていたから、見逃していた。
下巻は、もしかしたら買いそびれていたのだろうか。 今から道を戻ろうにも遅い。
だがこれはこれで、良い気がした]
(+6) 2015/09/04(Fri) 23時頃
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こん男のいのちは、まだ続いていくんがね。
[フィクションの中の世界でも、『先』を感じられるなら。 例え孤独な、たったひとりのにんげんでも。
現状を思う。 ひょっとしたら真逆なのだろうか、なんて笑った。 光の先はきっと存在せず、それでも世界にはまだ 同じ空気を飲んでいるものたちが、居るのだなんて。]
……ッと、とと…
[不意にくるぶしを、冷えた感触が撫でる。 ああ、潮が追い付いてきたのか。 肩を竦めて立ち上がって、岩の上へ登りあがり、
もう一度、空を眺めて。 何分間か、眺めて。 ひとつ、深呼吸して。 先へと急ぐ。]
(+7) 2015/09/04(Fri) 23時頃
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