138 神無月に風邪が流行る村
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―朝・自宅― [目覚ましを止めて時計の時間を見る。 昨日同様、妙に慌ただしい朝の騒音少しだけ伸びをした。]
昨日より゛ば、ま゛じみだい。
[一昨日から体調は悪かったが、昨日はついにキッチンで倒れてしまった。 食事が丁度出来上がったところでぶっ倒れたお陰で、母は料理を作ることはなかったが…。]
げぉっ!げほっ! 騒がしいのはキッチンの方か…母さん、まさか料理を作ってるんじゃ…。
[足元は少し覚束ないものの、昨日丸一日眠っていたお陰で少しはマシだ。]
(+1) 2014/11/05(Wed) 23時頃
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母さん、まさが、料理を…げほっ、げほっ!
[そう言ってキッチンを覗いてみる。
案の定…母がキッチンに立っている。 自分と目が合えば、あはは、と乾いた笑いと共に、流しに視線を移してた。]
母さん、おねがいだから、僕と一緒に暮らしている間はキッチンに立たないで……。
[凄く切実な声で音を漏らした。 キッチンの流しからは、妙な異臭…そして、炊飯釜すりきり一杯の米。 …何故か泡立って見えるのは気のせいだろうか? 微妙に異臭に紛れて、米から香ってくる洗剤の臭いはかがなかった事にしたい。]
(嘘だ。風邪で僕の鼻がおかしくなっているに違いない。 あの米から洗剤の香りがするなんて、きっと風邪で鼻がおかしくなっているんだ。)
[そんな風に思い込む。泡立っているそれはきっと幻覚だ。]
(+2) 2014/11/05(Wed) 23時頃
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母さ…げほっ、げほっ! もし僕の風邪を悪化させたいなら、キッチンにいるのは正しいけど、僕の事を思っているならお願いだからキッチンには立たないで…。
[異常に頭が痛くなってきたのは、風邪のせいか、はたまた母のいたキッチンの現状のせいか…。 結局母をキッチンから追い出して、それからキッチンの惨状に溜息を漏らした。]
うん、これを片付けるのは風邪が治ってからにしよう。 とりあえず母さんの朝食を作るか…。
[そう言って冷蔵庫から卵とハムを取り出す。 パンをトースターに突っ込んで、それからもう一度炊飯釜を見つめた。]
母さん、もしかして、朝はお米が良かった?
[そう声をかけると、パンがいいと言葉に首を傾げた。]
(じゃあなんでお米を炊こうとしたんだろ…?)
[その疑問はとりあえず今は朝食だけ急いで作ってしまうことにした。 ハムエッグとトーストにバターを塗って母に差し出した。]
(+3) 2014/11/05(Wed) 23時頃
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[母の食事だけ準備して冷凍庫から氷嚢を取り出す。 体温計を脇に挟みながらスポーツドリンクとコップを持って自室に戻ろうとして。]
母さん、お昼と夕飯は外でお願いね。 僕は…帰りにゼリーでもまとめて買っておいて。 ご飯食べる気はあんまししないから…。
[そう言って自室に戻って布団に座り込むと同時、ピピピッという音が響いた。]
38度8分…中途半端な…どうせなら上がり切ってくれた方がまだ…。
[そう言って布団に倒れこむ。 39度を超えると逆に頭が麻痺してマシになる体質。 逆に38度後半くらいだと、中途半端に辛くなる気がする。 まさしく病は気から…という奴だ。]
気持ち悪…あったまいて…。
[再び布団に潜り込むと瞼を閉じる。 家事も録り溜めしているアニメもあるのに、やる気力は全く出なかった。]
(+4) 2014/11/05(Wed) 23時頃
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