39 幻想第四次―銀河鉄道2―
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[コトン。何かの拍子に香水瓶が転がります。 瞼がぴくりと動きました。 どうやらうたた寝してしまったよう。 はっと起きれば既に駅は過ぎてしまったようでした。
ぼんやり、夢現な面持ちで幻想的な外を見ているのですが。] 。。。。あら、いけない。
[肩にかけていたショールがありません。 食堂車かどこかにおいて来てしまったのかしら。]
(33) 2011/10/31(Mon) 21時半頃
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[誰かが降りたなんて知りません。 顔すら見たかわからぬままのお二人でしたから。 話を聞くまでは。
ブーケをお見せする前にショールを見つけないと。 手篭にブーケと香水瓶を詰めて、寝台車を急ぎ足で出るのです。]
(36) 2011/10/31(Mon) 21時半頃
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[ぱたぱた車両を早足で抜ける間、 どなたをお見かけしたでしょう? 声をかけられることもありましたでしょう。 うたた寝されている黒い女性や、 先程はお話したいと思っていた朱い外套のお方やその側にいらっしゃる可愛らしいお嬢さん。 まるで、人生でのすれ違いを一時に見ているかのようです。]
(39) 2011/10/31(Mon) 22時頃
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ヨーランダは、オスカーを見かけてにこり。会釈のご挨拶を。
2011/10/31(Mon) 22時頃
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?
[すれ違うオスカーさんには小首も傾げましょう。 けれど、お引き止めするのも申し訳ないことです。
気づかず踏まれてしまう前に、白のショールを拾わなければいけませんから。
二号車に向かえば、お見かけするのはネルさんと車掌さんでした。]
(42) 2011/10/31(Mon) 22時頃
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ご機嫌よう。お勤めお疲れ様です
[車掌さんにも会釈を返します。 さらりと髪が零れました。]
ネルさんもいらしましたのね。 。。まあ、手、怪我でもされましたか?
(44) 2011/10/31(Mon) 22時頃
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そうですの。ススキってアレですか? 駅から採っていらしたのね。車掌さんの魔法なら効きそうです。でも絵描きさんの手ですから、大事になさらないとダメですよ。
[ネルさんへは少し窘める様に語るのです。 そして車掌さんのお申し出にはにこり笑って。]
えぇ、ありがとうございます。 では是非お休みになっていらしてくださいな。 私ともおしゃべりして下さると嬉しいわ。
ところで、私こちらにショールを落としてしまったの。 どこかでおみかけしませんでしたか?
[その問いはお二人へ。]
(47) 2011/10/31(Mon) 22時半頃
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確か、先ほど私そこに座っていて…
[あら、とその席に目をやりますとアルバムを繰っていらした方にも気づくのです。 綺麗なお方。男性でしょうか?]
お話できて嬉しいわ。ヨーランダといいますの。 はじめまして。 貴方とお話できるなら、なくしたショールに感謝しないといけないかしら。
[百合はなくしても薔薇の一枚はまだあるのです。 なので、さして惜しくもないのですが。]
(56) 2011/10/31(Mon) 23時頃
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ないならないでかまいませんの。 もう一枚ありますし。 星の風で飛んでいってしまったのなら、それはそれで素敵だわ。 天の川の風に流れるならショールもきっと幸せよ。
[ネルの言葉ににっこり笑うのです。 そして、ヴェスパタインと名乗った人と、車掌さんのお話を伺うのです。]
蛇使いですの?確か次がそちらの駅でしたわね。 私も出会いと別れはこの列車にのってから思いわかった気分ですのよ。ですから、貴方との出会いも大事にね。
(64) 2011/10/31(Mon) 23時半頃
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[車掌さんをお見送りして、出して頂いた飲み物を一口頂くのです。]
おいしいわ。私も写真、見せて頂ける? あんな綺麗な景色、留めておけるなんて素敵。 是非焼きまして頂きたいものね。
[ひょい、とヴェスパタインさんのアルバムを覗くのでした。]
(75) 2011/11/01(Tue) 00時頃
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[良い香り。これはいったい何の香りでしょう? 曹達の喉越しが、とても心地よいのでした。 ネルさんのオムライスがとてもおいしそう。 そしてネルさんもとても幸せそう。
そういえば列車に乗ってからお菓子とお茶しか頂いていなかったのを思い出します。 次はきっと乗務員さんに作って頂きましょう。]
ねぇ、ヴェスパタインさん。 次の駅でもお写真は撮られますの?
(77) 2011/11/01(Tue) 00時頃
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私の写真?いつでもどうぞ? だけど。。。
[といかけて娘は口をつぐみます。 一期一会の旅行とは、後で懐かしさと一緒に寂しさを思わせるのではないのかしら。
そして、ふと思うのです。 娘は、このあてのない列車に、きっと期待よりも終わりを怖がっているのでしょう。 それは、涙の理由につながると、自身も予想していなかったのです。]
。。。いいえ、いつでも撮ってくださいな。 喜んで写りますよ。
[けれど、それを見せてほしいとは、言わないのでした。]
(80) 2011/11/01(Tue) 00時頃
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では次の駅で是非お願いします。 折角綺麗な場所ですものね。
お帰りになった時、この写真で個展でもされてみたら如何? きっと皆、本物だなんて信じないでしょうけれど。
[帰ったら。どこに、帰るのでしょう? 口にして、娘は言いようのない不安を瞳に幽か、浮かべたのは無自覚です。]
(82) 2011/11/01(Tue) 00時半頃
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喜んでくださることが一番嬉しいですわよね。 私、こんな素敵な写真が見れるなら、 泣いても笑って見せましてよ。
でも。。。素敵な写真、特別にお見せしたいという方はいらっしゃらないの?
[スズランのブーケ。 ランタンの光を点すのは、あの方の為、と思いかけて。。。]
あら、いけない。用事があったのだったわ。
(85) 2011/11/01(Tue) 00時半頃
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ごきげんよう。。。
[いらっしゃったお方にご挨拶します。 またぽ、と頬が薄紅を浮かべますが、流石に今回は逃げたりしません。]
ご挨拶だけでもさせてくださいな。 ヨーランダといいますの。
(88) 2011/11/01(Tue) 01時頃
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えぇ。お知り合いになれて嬉しいですわ。 前々からお話したいと思っておりましたの。
[さてその場で取り留めのない雑談を僅かに交わします。 香るものに、幽かに目を細めて。綺麗な方。大人の女性は素敵。 でも、いつぞやに見た自嘲的だったあのお顔がとても気になるのでしたが、踏み込む場所でもないでしょう。
そして暇を告げ手篭を。。。ブーケを持っていくのです。 部屋を伺い忘れておりましたが、知る方法なんて幾らでもあると思って。
そうして知り当てるかの人のコンパートメント。 コンコン、とノックをして見るのです。]
ヴァンさん?いらっしゃる? 遅くなってごめんなさいませ。
(93) 2011/11/01(Tue) 01時頃
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失礼しますわ。ごめんなさいね、遅くなりました。
[カラリ、ドアを開けて失礼するのです。 手篭の中身はゆれてチリリン、とベルのように鳴りました。]
ランタンをお持ちしましたけども。。。? 何かお考え事でもしてました?
[なんとなく、そんな感じに思えたのですが。]
(95) 2011/11/01(Tue) 01時頃
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。。。夢の貴方は現実では人であるのか蝶でいらっしゃるのか。。 でも、貴方が蝶であるなら、私は現実に花でありたいことだわ。
[勧められるままに座ります。 そ、と指先をその頬に触れたのです。]
「今」私はここにいますよ。それは本当です。 貴方が夢の中にいるなら、せめてその中では寂しくないように、おりますよ。
(98) 2011/11/01(Tue) 01時半頃
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夢は終わるものですから。 いいえ、終わらないものなんてないわ。
[またそっと睫を伏せます。 夢のような世界で、夢を見るようなその仕草。 そして少しだけ身を離しますと、ふわりと笑っていうのです。]
。。。約束です。見て頂きたくて。
[そっと取り出す硝子音を立てる白いスズラン。 きゅるりと香水の瓶を開けますと、 彼にそれを見せるのです。
スズランに一滴、二滴。 見えないほどに透明な水と一緒に流れる星。
スズランに吸い込まれるそれらは、一つ一つ、輪郭のない光を持って。
真珠と硝子は、その光を優しく包みます。]
(101) 2011/11/01(Tue) 01時半頃
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一度、このブーケを。。。
[淡い、優しい光を宿したブーケ。天の川が立ち上る元はこんなけぶる光があったでしょう。
つきり。また、頭痛。このブーケをぬらしていた涙は、 果たして記憶も濡らし、透かしてしまうのでしょうか。
触れられた頬にそっと手を当てると、 静かに目の前の人に身を寄せます。
夢なら夢のままでいてほしいと思いながら、 そっと瞳を閉じるのです。 静かな寝息が聞こえるのは、そう間もない時間でしたが*]
(102) 2011/11/01(Tue) 02時頃
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[ふと目が覚めます。いつの間にか眠ってしまっていたようです。
手が不自由と感じればその筈、ゆるりと握られた先は。]
。。。ヴァンさん。
[寝入り際、彼がしてくれた優しいキスは、夢の中で感じたでしょうか。 さらりと、もう片方の手で薄金色を梳くのでした。]
お可愛らしい寝顔ですね。
[くすり、微笑みが零れます。]
(112) 2011/11/01(Tue) 21時半頃
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[手を名残惜しそうに、けれどするりと離します。
ベッドに腰掛け、暫らくその髪を梳きながら、湖底に見た夢を思い返すのです。。。。]
(114) 2011/11/01(Tue) 21時半頃
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[夢の中、どうして娘は泣いていたのでしょう? どうして、幸せを誓う日に、泣いたのでしょう?
咲くはずだった薬指の花。 咲かずに終わった、あの日のこと。
あぁそう。きっと、私の花は。。。。]
この、ブーケは。。。。一度。。。。
[娘は口をつぐみます。 その面は、さぞ複雑だったことでしょう。 大事なところだけ、モザイクのような、砂嵐のような。]
(120) 2011/11/01(Tue) 22時頃
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[思いに耽っておりますと、目の前のお方がお目覚めのようです。]
おはようございます。眠ってしまってごめんなさい。 でも私はゆっくり寝顔を拝見しましてよ?
[ブーケの灯かりは未だ優しくそこにあります。]
(121) 2011/11/01(Tue) 22時頃
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えぇ。貴方と同じ。 思い出せそうで、思い出せないことですよ。
眠れば思い出せるかと思いましたのに、 可愛いお顔を拝見してましたらまた忘れてしまいました。
ですから、貴方も忘れないように私の顔なんて見てはいけませんよ? [くすりと笑います。そういえば次の駅は、そろそろでしょうか?まだ先でしょうか?]
(127) 2011/11/01(Tue) 22時半頃
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恥ずかしいわ。 あまり見ないで下さいな。
[手で顔を隠そうとしますが意味のないことです。]
。。。未来といっても。私には不安だらけ。 一番近い未来だって、わからないのだもの。
人とは不思議。未来には希望を持つのに、 きっと今その未来を知ってしまったら絶望するのだわ。
[もう一度、さらりと彼の髪を梳きます。]
でも私は過去も知りたい。でなければ今の私がわからない。 幸せを、知る私がわからない。。。
(135) 2011/11/01(Tue) 22時半頃
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当てられますか?あたったら何か差し上げようかしら? それとも何か奢りましょうか? 先ほど、車掌さんが下さった曹達がとてもおいしかったの。
[隣で笑顔を見ると、僅かに頬に紅がさします。]
刺激なんて、何をすれば思い出すのでしょうね。 この列車の果てでそれを知って、そこから。。。 「今」に帰れるのかしら。
この列車の目的は、「さいわい」を探すこと? それとも、過去や未来を探すこと? 貴方は、どちら?
(142) 2011/11/01(Tue) 22時半頃
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欲しいのですか?私の何が。。。
[といいかけて、流石にまた頬に紅薔薇が浮かぶのでした。 伸ばされた手からは逃げられません。 何か、からっぽの頭に妙にカランカランと響くのです。]
貴方を愛して、思い出して。 それが悲しい結果にならなければ、良いのに。
私はそんな未来ですら怖いのだわ。 そんな私が、貴方にどんな勇気をあげられたのかしら。
なら私はどうすれば貴方からそんな勇気がもらえるかしら。 教えてくれますか?
[伸ばされた手に手を添えます。僅かに込める力は離さないでと暗に言うのです。]
(151) 2011/11/01(Tue) 23時頃
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そうって私から言わせるのですね、狡いお方。 私から差し上げるといわなければいけないなんて。
私が怖かったのは、きっと。。。
[娘は、恋を失って泣いたのでしょうか? 愛するものを亡くして、泣いたのでしょうか? それとも。。。。。 全てを知るのは、きっと目の前のスズランだけ。]
。。。。。
[寄せられるものに答えるのは、静かに下りた、 睫の帳だけ。 その未来があたることがなんとなく悔しくて。 だからくちびるから答えは漏れないのでした。
いいえ、柔らかい彼の口元が答えを言わせなかったのかも、知れません。]
(159) 2011/11/01(Tue) 23時半頃
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───。。。。
[やわらかい感触は自分を解かします。 鼓動の音は既に空気に溶けています。 娘は薄らと目を開けました。 褒美を、と聞きとめれば何も答えずにおりましたのは、 なんと答えればよいのかわからずに。 かといって離れるには余りにも名残惜しく。
なので、小さな小さな声で娘はいいました。]
今の、私で、は。。。不足、です か?
[掠れる声には震える声で返すのです。 貴方の隣にいる私では、足りないでしょうか。と。]
(169) 2011/11/01(Tue) 23時半頃
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[娘はもう答える声を持ちません。 小さくうなずくのみに留まります。
けれど、目の前の人の背にそろりと回した手は それこそ望むことと語るよう。
脳裏によぎる記憶は、最初はあいまいに。 そして次第に輪郭を持って。
手を伸ばしても届かなかったその世界は夢の中。 そこにあるのは果たしてなんだったのでしょう。 答えは深い霧の奥。
けれど今は貴方の望むとおりに、と*]
(180) 2011/11/02(Wed) 00時頃
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