167 ― さいごの手紙 ―
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[道沿いに行けばトタン屋根がぱたぱた鳴る小さな郵便局。 そこに郵便物を頼んでから、帰りは川沿いを歩く事にした。
めぼしい場所を探すと、頷いて。 ぱしゃぱしゃと歩いて川の中へ。 履物の裾が濡れるが、いつもの事だ。 膝くらいまでの深さの地点まで歩くと、 遠巻きに様子を見ていた鷺が飛び立った。
透き通った水が皮膚と骨を冷やしながら流れていく。 これもまた、煩くはない。 馴染みのある、自分にとっても血液の様な場所。
途中ではりだした岩などにぶつかって、割れたりしないように。 けれど、そのまま海に流れてしまわぬように。 ほどほどの流れを読めるところまで読むと、 懐から取り出した瓶を、そっとそこに浮かべて、手を離す。
徒歩の様な速度から、駆け足の速度へ。 消えていく赤を、満足げに見送ってから、翁は岸へと戻る]
(4) 2015/09/02(Wed) 00時半頃
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[ねぐら近くの地点まで川沿いを歩く頃、 空は夕暮れの少し前だった。 普段よく顔をみる釣り仲間たちがあちら側の岸に集まり、 何やら話している様だった]
…………んー。
[挨拶でもしてから帰ろうかと思ったが、足を止めた。 やつらの、空気が、不穏だ。 空を見上げたり、地を向いたり、囁いたり、怒鳴ったり、 肩を乱暴に掴んだり。]
…獲物でも鷺に横取りされたんかねぇ?
[どちらにしろ、好ましい空気では無かった。 煩い…いつも以上に耳が震える、そんな、尖った声。
生活リズムが夜釣りになりかけていたから、 今日もそうしようかと思っていたけれど。 あの様子じゃ夜中まで妙な喧嘩を続けているのかもしれない]
(5) 2015/09/02(Wed) 00時半頃
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[長年やってる釣り人には、少し気難しいもんが多いと 翁は知っている–––––自分も含めて、だ。 あんな空気が上流にある状況じゃ、 別のショバでもやりたくはないものだ。
今日はもう、家に居よう。 あの高揚と、静寂と、煌めきの余韻を持ったままに。 ふ、と息を吐いてからいつもの道へと戻る翁は、 青空に輝くそれに、その時は気付く事なんてなかったのだ。
生きとし生けるものどもに、翌朝が来る。 山奥にも林にも、ラヂオの電波が来る。 世界に、おわりが、やって来る。]
(6) 2015/09/02(Wed) 00時半頃
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/* 明日落ちかぁ。〆どうするかなー 少なくともシェルターに入る翁では無い ザックさんにお手紙送れるうちに送りたい精神なのだけれど
あとヒナちゃんが可愛い だるっとまろやかにぽぅっと 悲観した若人が身投げした死体が川流れしてくる そんな描写をしたかった脳内ほんのり世紀末期もあったのですけど 予定変更っ ちょっと様子見しつつ路線変えてくっ
(-0) 2015/09/02(Wed) 00時半頃
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[ 叩き壊されたラヂオがあった。
昨日、仲間達が集まっていた辺りだ。 翁はそれを見下ろして、黙っている。 手には釣竿がある。
辺りは静まり返っている。 釣り人も、川遊びの子も、 鳥達も。
空を仰いで、青の中に輝く白い点を見る。 するりと何処からともなく飛び出してきた黒猫が、 釣り上げられ、砂利の上に放り出された『イワシ』が 踊り跳ねるのに、じゃれ付いていた。
川から、微かに潮の匂いがする]
(35) 2015/09/02(Wed) 20時半頃
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[翁と猫と、水位の上がった川の中。 無音で遡っていく、大量の魚影。 人、鳥、蝉、昨日まで騒がしかったそれらが ごっそりと、根こそぎに、欠けた川は、]
………煩ェ、なあ。 だろう、おめさん。
[何を感じ取ったのだろう。 ぴくり、と耳を動かして何処か彼方を じぃっと見上げる猫の首元に、 またメモが挟まっていた事に気が付いたのは、 踊り狂っていたイワシがしこたま食い荒らされてから。]
(36) 2015/09/02(Wed) 21時頃
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[抱き上げてからメモを取り上げ、そっと開き。 一行目に、ほんの少しだけ、口元が緩んでしまった]
なあ。こげに魚共も、鳥共も、 とち狂い出しとるのに…おめさんは相変わらずだなぁ。
おめさんは、今までどんなもんば見てきたげ?
[人の家に、勝手に入り込む肝っ玉の猫。 何もわかっていないのだろうか、 全て悟ってしまっているのだろうか。
ただ、きらきら光る鱗の破片を歯に付けて ニャアと鳴くそいつには、恐怖心が一つも無い様に見える]
…そげが。 何ば起ころうと、今迄有ったこたぁひっぐりかえらねぇ。
[釣竿を引き上げる。 魚箱を閉じる。そして、目を閉じて。]
(42) 2015/09/02(Wed) 21時半頃
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[竿を引く瞬間の閃光。 飛沫の中に躍り上がる銀色の腹、虹色の背。 龍のような黒いうねり。その暴れる脈動。 煌めくしなやかな一本線。 果ての存在に触れる夜の様なインキの青。 釣り上げた獲物を手に笑う少女の喉。 何処か成熟した筆記の、軽やかな跳ね。 皺くちゃの手を握る湿ったちいちゃなもの。 天の河をそっくり映す、足元の流れ。
瞼の裏に、幾つもの星が燃え、光り、駆けて、 消えるのを、見た。数えた。 数え切れない数を、数えた
高揚という、燃え上がる静寂の数を。
便箋を懐から取り出し、筆を走らせる。 文字の尾は長く、文章は短く。 それが答え方として、おあつらえむきだと、感じたから]
(43) 2015/09/02(Wed) 22時頃
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下らねェ騒音どもの狭間に 何度も 何度も 何瞬も 数え切れんほどに それを見るため 呼吸していたさ
(-26) 2015/09/02(Wed) 22時頃
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ほりゃ。おめさんもおれに構っとらんで。 …挨拶しで来い。
[猫の首にそれを挟めば、汚れたままの花畑が揺れる。 額を軽く掻き撫でて促すが、暫くは離れようとせず。 こちらが立ち上がってやっと、猫は何処かへ駆けて行く]
おしめぇなんだ、体のあるうぢにな。
[一人きりになった川辺でぽつりと呟く。 朝方、ラヂオを聞いた時は馬鹿げた夢でも見ているのかと思っていた。 されども十数年、通い続けた川の変わりようを目の当たりにすれば、それはもう、噛んで含めて教えられるよりも、理解は容易い。
己の敬愛する川が、こうも変われば、 嫌でもわからざるを得ない。 それは非常に胸を砕かれるような、引き裂かれるような事ではあるのだけれど、 –––––––鼓膜の破れそうなほどの真実なのだけれど、
諦めと受け入れが早いのは。 元より、老い先短いと自覚していたからかもしれない]
(45) 2015/09/02(Wed) 22時頃
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[家の前、石畳の傍の、新しいポスト。 幾らか吹っ切れた心持ちがあったのもその地点までだった。一瞬で水底に引き摺り込んだのは、
シェルターの当選を知らせる、消印の無い葉書。
誤送なら良かった。 だがその宛先はどこをどう読んでも、自分のもの。 悪戯ならまだ顔を顰めるだけで済んだ。 だがシェルター住所や登録番号、抽選参加料の領収証明、 ご立派で複雑な四角い判子まで推されている。 応募した記憶なんてこれっぽちも無い。 何処かに居る、自分を心遣う誰かが応募したか、 自分の住所を知る誰かがそれを利用する形で複数応募したのか–––]
……。
[ああ、そうか。 後者の可能性に気づいた瞬間、ぴりりと頭に電流が走る 自分以外の者達は…まだ、生きたいのだ。きっと。 他の人間を利用してまでも。]
(47) 2015/09/02(Wed) 23時頃
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………そう決まった訳でもねぇ、が…。
[親しい人間が気を遣って応募したのであれば、 それを報告する手紙の一通くらいあるのが妥当ではないか。 それとも、深層真理的に自分は実は酷く動揺していて、 疑心暗鬼に陥っているのだろうか。
暫く葉書を手に立ち止まっていると、 ふわり、と緑色が舞ったのが見えた気がした。
まるで森の奥の影を長方形に切り取った様な、深い緑色。 まごうことなく、封筒だ。これにも心当たりは無い。 だが、不穏な気配も、嫌な感じもしない、 されども知らぬ存ぜぬ、Rの字。
惹かれるがままに指先が封を破る。 どこか薄っぺらいような、頼りない便箋が顔を出した。 風で飛ばされては大変だとそれを持ったまま、よたよたと玄関先へ駆ける。………世界に滅亡が近づいていようと、扉の不機嫌さは相変わらずだったけれども]
(49) 2015/09/02(Wed) 23時頃
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………ん、ん…んんん!?
[いつも以上に静かな部屋の中。 文机の側の灯をつけ、座り込んで封筒の中を検めると、 …便箋が……そして、自分の文字が出てきて思わず腰を抜かしかける]
こりゃ…こないだに、割れもん包んだ…
[折り畳まれた紙を開くと、確かにこの手で写した黒いシルエット。 シェルターの葉書のことなんて忘れ、律儀な文面を読みながら頷く。裏を返せば、これまたきっちりと几帳面な字だ。
目をなんどもなんどもしばたかせ、 真っ黒なシルエットと見比べながら。
まず手が伸びたのは、筆ではなくて、引き出しの奥。]
(52) 2015/09/02(Wed) 23時半頃
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[丁寧に糊付けされた、細長い茶色い封筒。 底にはころりとした膨らみ。装飾の無い、シンプルな金色の指輪が同封されているのだ。]
Ralph殿
初めましてだ 落し物をわざわざ送ゥてくれて感謝する 捨てる神いりゃ拾う神居ると 昔親父が言ってたものだ 私は此れを 無くなってもいいもンだと持ち出した だがおめさんに拾われてテーチョーに送り返されてみっと …冷静に 新鮮に 見返す機会になったなァ
もう一度書く 有難う
私も良く物を拾う 此処に書いてあるみたぐ 魚共の飲ンだのもだが 釣竿に掛かるブーツだの軍手だの 近頃は塵の様に思ってたが 誰か捨てたり落としたりした奴いるのだな 当たり前のことだのにな 指輪見つげだ時にゃ気付いてた事だのに
(-48) 2015/09/02(Wed) 23時半頃
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だが私ャ持ち主を知らね 返す事も出来ね 持ち主をしらねぇがこそ 急に湧いてきた様に錯覚しちまうのがね
隕石のやっこさんも 落とした誰かが今頃泣いとるんがね 若しかしたら ゴミ箱に入れ損ねたんかもな 不可思議なものは 持て余すなあ 持て余す
もし これが もういらねぇと捨てられた指輪ならな 私もこりゃいらねえ 孫娘にも大きい 私にも合わん ブーツだの軍手だのはまだ花瓶や肥やしに出来るが 此れの処分は如何にも困る
(-50) 2015/09/02(Wed) 23時半頃
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だからおめさんに預けよう 私の落し物を拾った おめさんの手に
持て余したものは どぉ処理すりゃいいんだろうがね
ヌマタロウ
[魚拓と同じ質感の紙の上。 どこか迷い迷い、考えながら書かれた筆の文字は 時々鼠を飲んだ蛇か何かのように膨れたり、縮んだりしていた]
(-51) 2015/09/02(Wed) 23時半頃
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[ラヂオの音量を小さめに絞り、ノイズを流しながら。 時々ぴたりと筆先を止め、時にはするする糸を引くように。 少し長めの手紙を書き終える頃。
おじいさま、双眼鏡、という音声が届いて、顔を上げる。 あの日、双眼鏡を孫や親戚に買い与えたおじいさん、なんて それこそ『星の数の様に』たくさん居ただろう。 別の誰かなのかもしれないけれど、 あのこの事を思い出し、湿った筆先を景気良く叩き拭う。
それから快活な青年の声が、 若干動揺にもぐったようなノイズに吹き出した。 …不慣れな、勝手のわからぬままに書いた手紙だったからか。 少し珍妙な解釈をされていたらしい?
いや、若しかしたら寝ぼけた頭で書いたから? それともうっかり、忘れているだけで?]
(57) 2015/09/03(Thu) 00時頃
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あれがユーフォならええんがちぅことがねぇ。
[ 窓を開き空を見上げれば、夕焼けに強く輝く白。 昨日よりも大きくなっているのだろうか。
頭を振って、郵便局へ歩く。 郵便屋は働いているのか、わからないけれど、
手紙を綴る間は、平穏で居られるのだ。]
(58) 2015/09/03(Thu) 00時頃
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