167 ― さいごの手紙 ―
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[今朝は手紙がひとつ届いていた。 同封された品を見て、小さく笑う。
生憎、これに合いそうな酒は切らしていた。 手紙を読むのは買い出しのついでにしよう。
山の麓の町に買いに出ると、いつもより人が多く見えた。
恐らく町を出て働きに出ていた人々が故郷に戻ってきているのもあるだろう。
時折顔を出す喫茶店は閉まっているかと思いきや、通常通りの営業をしていた。
今更長年の習慣を止めるのもねえ、と老いた店主は言う。
出された珈琲を一口啜ると煙草に火を点けて、違いない、と男は答えた。]
(7) 2015/09/04(Fri) 15時頃
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[少し離れた席で、見ない顔の女学生が友人らしき相手と久しぶりだねと手を取り合っている。]
「やっぱり死ぬならさ、生まれ育った町がいいよ。 お父さんも、お母さんもいるし。」
[町の若者よりも垢抜けて見える少女は友人にそう言った。]
(8) 2015/09/04(Fri) 15時頃
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(父親の面影…か。)
[先日届いた手紙の言葉を思い出す。
家族を持つことより、孤独を望んだ。 子孫を残すことより、作品を残すことを選んだ。 避難をすることより、変わらぬ日々を欲した。
あの時ああしていたらなんてことは思わない。 何度繰り返したってきっと、同じことをする。]
(9) 2015/09/04(Fri) 15時頃
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「でね、同じ学校の子がさ… 隕石のニュースがあった日だったかな、自殺しちゃって。」
「えっ…?でも、少し分かるかも。 怖いもの。いつ死ぬかわからないのって。 ならいっそ、ってなるのも。」
「んー、そうなのかな…。 噂だといろいろ、聞いたけど理由はわかんないや。 金持ちと結婚するはずだったとかって。 ほんとなら、もったいないよね。」
「えー…いくら金持ちでも、あたしはそういうのやだなあ。 あたしは絶対ね、愛のある結婚をして 子供は男の子1人、女の子2人で… はあ…なんだか言ってたら悲しくなってきた。」
[聞くともなしに耳に入ってくる会話に、ひっかかるものがあった。 一体何故だろう、と男はぼんやり思う。]
(10) 2015/09/04(Fri) 15時半頃
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「ナナホシのラヂオあるじゃない? その日、その子の名前をラヂオで聞いた気がするんだよね。 隕石のニュースですっかり忘れてたけど。 誕生日…だったかなあ、ご結婚ではなかったと思うんだけど おめでとうって言ってたのを覚えてるんだ。」
「…なんだか悲しい話ね。 知らない子の死を悲しんでる場合じゃないけど。 そう考えちゃうことが、悲しい。」
[すん、と鼻をすする音がして、死ぬまでにやりたいことリストの話に話題は移っていた。
男は煙草の火を灰皿で揉み消すと、目を閉じる。
やりたいことリストの消化に出かける少女達が席を立ち、 カランとドアベルが鳴る音に目を開けた時には、珈琲は冷め切っていた。]
(11) 2015/09/04(Fri) 16時頃
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TO.ヌマタロウさん
ヌマタロウさんから聞く怪奇の話は妙に怖かったなとよく覚えてるよ。 懐かしいな、あれはきっと川の亡霊が足を引いたんだ。 未だにそう思っている。
僕の本は難しいことなんてないよ。 きっとヌマタロウさんでもね。 あの頃と同じ、子どもみたいな空想を書いているだけだから。
流星群の日は、たくさんの人と同じものを見たってわかって 僕は一人ではないのだなと思えた。
だから不思議と、怖くないのかもしれない。
(-8) 2015/09/04(Fri) 20時半頃
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星と川に挨拶に行くならば、 美味しい魚をありがとうと僕からも伝えておいてほしいところだけど…
もう、この手紙は君の手には渡らないのかな。 そんな気が少し、している。
自分自身が落ち着いているのが不思議な気持ちと、 こうして懐かしい話を、これからの話を、本の感想を聞けなくなるのはやっぱり寂しい気持ちはあるのだけど。
偶然か奇跡か、必然か、全てに感謝しながら終わりを待つのは 悪くないかな。
フランク
追伸 最近は空ばかりみているけれど、下を見てお洒落な猫を探すのも日課にしよう。
(-9) 2015/09/04(Fri) 20時半頃
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[喫茶店で手紙を読みながら返事を書いてみたが 何故かもうその手紙は、送り主には届かない。
そんな気がしていた。
帰り道、酒を買って小屋に戻ると一匹の猫が目について]
なあ、贈り物を齧ったのは君かい?
[声をかけると猫は振り返り、にゃあ、と小さく鳴いた。 手にした手紙から良い匂いでもするのか夜道を小さな足音がついてくる。
男はそれを気に止めず、小さな来訪者が家に入ると扉を閉めずに 椅子に腰掛けた。]
猫は好きだよ。自由だからね。
[いつか手紙に書いた言葉を呟くと、酒を開けた。]
(16) 2015/09/04(Fri) 21時頃
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[テーブルの上の小さな客は、遠慮も知らない様子で千切って差し出した干物を食べている。
その様子を眺めながら、酒を一口、二口。
猫座も探してみようかと、そんなことを思った。]
(17) 2015/09/04(Fri) 21時頃
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…君は、幸せ?
[隕石が落ちてくることなど知らない獣に問いかける。 ちらりとこちらを一瞥して、また魚を食む彼の代わりにグラスに落とす言葉。]
僕は…幸せだよ。多分、きっとね。
[自ら一人を選んだ男は、一人を寂しいとは思わなかった。
だけれど誰かに忘れられることが、 自分がいた証を示せないことは、怖かった。
それはずっとずっと、長い間。]
(18) 2015/09/04(Fri) 21時半頃
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[もしも家族がいたら もしも娘がいたら もしもいつでも会える場所に友人がいたら もしも少女の決意を知り得たら
全部の可能性は原稿用紙の中に仕舞って。
誰も読むことはない、一人の男の物語を書きながら、男は静かに待つ。
猫は食事を終えると机の上に乗り、原稿用紙の上で丸くなった。
ふ、と息を吐いて筆を置く。
明日もまた、晴れるだろうか。
窓から夜空を見上げて新しい星座を探した。]
(22) 2015/09/04(Fri) 23時半頃
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/* 夜が、明ける…。
皆様、お疲れ様です。
(-16) 2015/09/05(Sat) 00時頃
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