208 【突発百合RP】10年目のラブレター
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─ 蒼白の捜しモノ ─
[それにしても、頭が重い…。 しゃっきりするために、とりあえず顔でも洗いに行こう。 そして、髪をキュッと結べば、 いつものように目も覚めるに違いない。
忘れ物をしたら面倒なので 共同の洗面所に持っていくものを確認していく。]
眼鏡OK、タオルOK、ブラシとゴムもOK、碧い石…
……………あれ?
[唯一つの宝物が見当たらないことに 強い不安を覚える。
自宅では、手にしたまま眠るから、と さっきまで寝ていた布団を 隈なく探してみたものの…無い。]
(9) 2017/02/02(Thu) 01時半頃
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んんん? おかしいな…?
[昨日着ていた服のポケット、鞄の中…。 無い、を確かめる度に、鼓動が速くなっていく。 部屋の中の、ありそうなところを 手当たり次第に探してみたものの見つからない。]
な、…んで? まさか、失くしちゃった、とか…?
[血の気が引いていくのが分かる。 二日酔いなんかの比ではないほど、気持ち悪い。]
(10) 2017/02/02(Thu) 01時半頃
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─ 午後:寮の自室 ─
[寮母室に落し物がなかったか尋ねに行ったり、 自分が行ったと記憶しているところを あちらこちら探したが、全て徒労に終わった。
大きくため息を付きながら部屋へ戻ると 机の上に大小の紙片。]
なんだろう…?
[小さい方には、見覚えのある懐かしい字体で 『香取先輩から』と書かれていた。>>2:160 こんな少しのことでも、 私のためにしてくれたと思うと嬉しくて、 くたびれた心に、ほんのり英気が戻る。]
(11) 2017/02/02(Thu) 01時半頃
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[>>2:158 もう1つの、折りたたまれてる紙片を開くと 優しくて大らかな雰囲気の文字が並んでいた。 その印象に違わず、文章もとても丁寧で、腰が低い。
何かイベントの折に、ご相伴に預かったので 香取先輩の料理の腕が素晴らしいことは知っていたが 人となりに触れたのは、これが初めて。]
とても良い人、だな。
[その真摯さに応えたいけれど…と思いながら筆を執る。]
(12) 2017/02/02(Thu) 01時半頃
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『香取先輩
お便り有難うございます。 香取先輩がお尋ねの 今木さんのお菓子の好みについてなのですが 残念ながら私は存じあげておりません。 お力になれず、申し訳ありません。
ただ、今木さんと仲が良かった芦屋さんなら、 知っている可能性があるので もしよかったら訊いてみてください。
重石 瑠璃
追伸:もしいつか機会があれば、 お菓子の作り方を教わってみたいです。』
(13) 2017/02/02(Thu) 01時半頃
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[最後の一文は、悩みながらも入れてみた。 いつかの機会が来るかどうかは分からないけれど…。
几帳面に角を合わせて折りたたむと 書面にあった部屋へ向かい、 ドアの隙間から、ついと滑りこませた。]*
(14) 2017/02/02(Thu) 01時半頃
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/* 確定しちゃったあとで気付く 「お相伴」だった、と。
こんな言葉の綺麗な方ばかりの中で、お恥ずかしい。 すみません。すみませんっ。
(-9) 2017/02/02(Thu) 02時頃
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助手 ゲイルは、メモを貼った。
2017/02/02(Thu) 02時頃
助手 ゲイルは、メモを貼った。
2017/02/02(Thu) 03時頃
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─ 蒼白の捜しモノA ─
[香取先輩へ手紙を届けるまで 少しは紛れていた気持ちが 暇になったことで、また不安に占領されていく。
記憶の抜けている時間に 寮の外へ出た可能性まで考えて 敷地の広さを思い浮かべて呆然としてしまった。]
外では落としてないと思うけど…
[そう思いつつも、扉を開ける。 懐かしい風景の中を地面を視線でなぞりながら 何処へともなく歩いていると 風に乗って、聞こえてくる発生練習。>>2:162
声のする方を見上げると 屋上に小さく、その姿を認めることができた。]
(38) 2017/02/02(Thu) 17時頃
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[じっと見つめても 視線が合っているのかさえ分からない距離。
───とても、遠い。
その姿に向かって告白する。]
ごめんね。
青い石、失くしちゃったみたい。
[さらりと言ったつもりなのに 音に出したら、それが真実なのだと深く刺さって、 目の奥がじわり、とする。]
大切に、する…って、………誓ったのに、な
(39) 2017/02/02(Thu) 17時頃
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─ 回想:言い伝えの恋文 ─
[王子様に関する噂は、いつも絶えなかった。 好意と、やっかみと、憧れと、羨望とで 驚くほど大げさになっていたり、 デマだったりが、ほとんどだったけど。
ただ、卒業式を前後して流れた 『王子が手紙を渡したらしい』──は、おそらく真実。
その噂を耳にした時、 数日前の部屋の景色が蘇った。
机の周りに少しと、 ゴミ箱の中にたくさんの紙片たち。 なんだか珍しいな…と、疑問に思ったから。]
(40) 2017/02/02(Thu) 17時頃
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[誰に届けられたのか?とか 返事はどうだったのか?とか 知るのが、聞くのが、とても怖かった。
だから、
最後にヒトコトだけ 手紙に託して
そして、───逃げ出した。]
(41) 2017/02/02(Thu) 17時頃
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一生、大切にします。
(-24) 2017/02/02(Thu) 17時頃
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[主語も、述語も、差出人の名前も書かずに。
退寮の準備で、 机の上に積み重ねられていた 教科書や、台本、辞書なんかで出来た山。 その合間に挟み込んだ。
送る予定なのか 捨てる予定なのかも分からない。
もしかしたら、届かなかったかもしれない。
気づかれないまま、 どこかで眠っているのかもしれない。
でも、でも万が一読んでくれていたら]
(42) 2017/02/02(Thu) 17時頃
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[ 私は、嘘ツキになってしまった。 ]*
(43) 2017/02/02(Thu) 17時頃
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─ 幸せの香り ─
[罪悪感に、後悔、喪失感… たくさんのマイナスな感情に搦め捕られて その場から動くことができなくて。 彼女の練習を、遠くからずっと見つめていた。
いつ終わったのかは分からない。 気がついた時には、姿が無くなっていた。 どうやらショックで、ぼーっとしていたらしい。
それから、 重い足取りで、ゆっくりと歩き出す。
校舎の辺りに差し掛かった時、ふいに甘い匂いが漂ってきた。 深く沈んだ心もその香りには癒やされるようで。 静かに近づくと、調理室を窓からこっそり覗きこむ。]
(61) 2017/02/02(Thu) 21時半頃
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[そこには、手際よく調理を進める、先輩が居た。]
わ、………すごい。 なんだか魔法使いみたいだ。
[弟子にしてくださいとは書かなかったが >>13 さっきの手紙の追伸は 社交辞令なんかじゃなくて、かなり本気だったりする。
ずっと。 バレンタインも、ホワイトデーも 見ているだけだった。 正直、とても羨ましかったんだ。
自分の作ったものが食べてもらえて それが、好きな人の体の一部になるなんて どれだけ幸せなことだろう、って。
いつか、そんな機会があったら…、 そんな気持ちを文字に託して書いたもの。]
(62) 2017/02/02(Thu) 21時半頃
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[先輩が作るお菓子に どんな気持ちが込められているのかは 私には分からないけれど。
美味しいって食べてもらうために 頑張っている姿に、なんだか励まされた気がした。
甘くて優しい“幸せの香り”に 後押しされるようにして、私は寮へ歩き出した。
───来た時よりも確かな足取りで。]*
(64) 2017/02/02(Thu) 21時半頃
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助手 ゲイルは、メモを貼った。
2017/02/02(Thu) 21時半頃
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─ 蒼白の捜しモノB ─
[もう1度だけ、探してみよう。 自然とそんな気持ちが湧いてきていた。
無い無いと言って探していたものが 意識を切り替えた途端、 同じ場所から見つかるのは割りと良くあること。]
きっと、ある。
[言霊の力を借りるように呟きながら、部屋の中を探す。 “常識的”な場所だけじゃなくて どうやってそんな隙間に入ったんだ?みたいな奥の奥まで徹底的に。 酔った私が大暴れして スポーンとどこかに投げ飛ばしたり、 大切だからって仕舞いこんだ可能性もゼロじゃない。
ありとあらゆる扉、引き出しを開けてみた。 ベッドの下や壁との間、クローゼットの裏に至るまで。]
(102) 2017/02/03(Fri) 11時頃
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[明かりの届かない細い隙間に 腕を差し込んで、手探りしていた時だった。
コツリ。
指先に触れるもの。 引き寄せて握りこむと、いつもの馴染む感覚。]
あっ、た!
[ふぅぅぅぅ…、と 安堵の息を大きく吐きながら引き寄せて、 胸の前、両手でぎゅうっと包み込んで目を閉じる。
修学旅行の日の「ルーリ。」と呼びかける甘い声。>>2:41 プレゼントしてくれた時の ちょっとヤンチャで悪戯っ子な満面の笑顔。>>2:44 受験の折には、最高のお守りとして私を支えてくれたし。 落ち込んだ時には前に進む勇気もくれた。
(103) 2017/02/03(Fri) 11時頃
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10年分の大切な思い出も 一緒に帰ってきた気がして、胸がいっぱいになる。
「おかえり。」 そう声をかけようとして、そっと掌を開く、と…]
……………??!
[信じられないことが起きていて、驚きで言葉を失った。
確かに、あの宝物と同じ 涙のような雫の形をしているけれど
色が、
星空を溶かしたような青ではなくて、
月の光を集めて作ったような 真珠のような、と喩えていいのか分からないけれど なんともいえない優しい色合いをしていて。]
(104) 2017/02/03(Fri) 11時頃
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[これは、ええと、つまり…、どう言うこと?
『金の斧』という童話があるけれど
その女神様が、突然出てきて 「貴女が落としたのは、この銀の石ですね」と 有無を言わさず、強引に手渡されてしまったような、この衝撃。
女神様、違うんです!
私が落としたのは 深い青で、夜空みたいな色なんです!
いくら王子様との再会が奇跡のようで まるで、おとぎ話のよう…なんて言ったって ここは現実、のはず。
じゃあ、なんで? これは一体…!?]
(105) 2017/02/03(Fri) 11時頃
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[そんな風に大混乱している最中、 聞きなれない音が、鞄の中から響いてきた。
しばらく考えてから、]
あ………、携帯、かな?
[めったに鳴ることのない携帯電話。 これが音を鳴らす時は、緊急の用件が多いので、 慌てて取り出して画面を確認する。
『新着メール:1件』
珍しいな、と思いながらボタンを押し、 差出人の名前を確認して、───固まった。]
(106) 2017/02/03(Fri) 11時頃
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[まばたきを1つ。
じっ、と見つめて、 それから、もう1度 ぱちり。
壊れたんじゃないか? なんて携帯をひっくり返して見たりもして。
けれど、何度瞬いても、 表示される名前はずっと同じで。
(107) 2017/02/03(Fri) 11時頃
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“彼女から、メールが届いたらしい。 しかも、初めて。”
そう認識したら、 心臓が驚くようなスピードで仕事をしだした。 携帯を持つ手も、震えてしまって。
何が書いてあるのか 気になって気になって、早く読みたいのに。
何が書いてあるのか 怖くて、緊張して、ボタンが押せなくて。
ああ、どうしよう、どうしようって。
ようやく、ようやくのことで開封ボタンを押して、
そして、また───固まった。]
(108) 2017/02/03(Fri) 11時半頃
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[>>54 『屋上、10分後』
ぱちぱち、と 瞼を閉じて開いて。
この少ない文字を、何度も、何度も目で追って。
内容が頭に入って、 しっかり理解できるまでに、優に数十秒。
我に返って、猛然と焦り出す。
あーーーーー、もう、もう、 届いてから10分くらい経ってるかもしれない。
何をのろのろしてたんだろう、私っ。
コートを手に取ると、大慌てで飛び出した。]
(109) 2017/02/03(Fri) 11時半頃
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[どこの屋上?…と一瞬 思ったけれど
なんとなく、さっき見かけた 彼女が発声練習をしていた場所な気がして
コートを着る時間も、もったいなくて そのままの姿で駆ける。
たぶん、たぶん、10分には間に合ってない。
瑠璃がその場所に辿り着いた時 彼女の姿は、そこにあっただろうか?]*
(110) 2017/02/03(Fri) 11時半頃
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助手 ゲイルは、メモを貼った。
2017/02/03(Fri) 12時頃
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─ 階段 ─
[息を切らしながら階段を昇る。 一段飛ばしだなんて、いつ以来だろう。
けど、こんなに必死に駆け上がって 実は違う屋上でした、 …なんてことになったら、かなり恥ずかしい。 いや、それよりも何処だろうって探し回ってるうちに 待ちくたびれて帰ってしまったら? 不安になって、そんな気弱なことを考えだした頃。
歌が聴こえてきた。>>114
ああ。彼女の声だ。 …よかった、ここであってる。
優しくて可愛らしい そして、どこか懐かしいメロディが、 くたびれた身体を引っ張りあげてくれるよう。 あと少し!と気合を入れると、一気に昇りきった。]
(125) 2017/02/03(Fri) 17時頃
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─ 屋上 ─
[開け放たれた扉から陽の光が差し込んで、目が眩んだ。 その光の中に、彼女のスラッとした シルエットが浮かびあがって、 影でもやっぱり綺麗だなぁ、と見惚れてしまう。
あ。そうだ。 まずは「遅くなって、ごめんなさい」と言わないと。 そう思うけど、息が整わないし、 喉もカラカラで声は出てこなかった。
目を閉じて、 大きく息を吸って、吐いて…。
ふいに、近くから声がして>>114、ビクリとする。
見上げると、優しい気遣わしげな表情が そこにあったものだから 別のドキドキが始まってしまった。]
(126) 2017/02/03(Fri) 17時頃
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[大丈夫じゃ、ないです。
訳も分からず飛び出してきたけど、 今更ながらに、心臓が飛び出しそうになってます。 一体どんなご用事なんだろう、って。
そういえば、メール。 メールで尋ねればよかったんでしょうか? あ、少し遅れますっていうのも お返事で送っておけば こんなに走って来ることもなかったのかも?
つるつると 緊張で、思考が滑ってしまって 落ち着くとは、ほど遠い状態の自分。]
(128) 2017/02/03(Fri) 17時頃
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[でも、でも。
大切な、相談事とかかもしれない。
青い石ではないけれど どうか力を貸してください…と、手の中の石を握りしめて。
それから、ゆっくり視線をあわせて 大丈夫だよというように、頷いてみせた。]*
(129) 2017/02/03(Fri) 17時頃
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