96 【飛び入り募集】たびびとのまち
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いつか、……そうだね、いつか。 望まなくとも、その時は来てしまうんだろうね。
[そう言って、ロバートは伏し目がちに、笑ってみせた。 彼は知っている。それは、いつか、だなんて悠長なものではないことを。]
お兄さん、そうか。 ……そうか…。
[クラリッサは兄の話を続けた。死んだら、兄に会えるのだ。と笑った。
……ロバートに、クラリッサを留める言葉は無い。 妻が居なくなった後、ぽっかりと空いた穴は、塞がらなかった。穴を埋めるように、ふらふらと、さ迷うように街から街を歩いた。 彼女の居ない世界は、ロバートにはまるで、色彩を無くしたようで。 クラリッサも、同じ想いなのだろうか。
死すれば、鮮やかだったその世界が戻るとは、到底思えない。だけど、それを止める術も、論拠も、彼は持ちえない。]
(9) 2013/09/23(Mon) 01時半頃
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……おかしく、おかしくなんて、ないさ。 おかしくなんて。ちっとも。
でも、君がお手伝いに来なくなったら。 ……私は、寂しいよ。
[そう、きっと彼女はおかしくなんてないのだ。かつての自分と、似たようなものなのだ。 彼女が居なくなったら寂しい、だなんて、結局は自分のエゴでしかなくて。単に、誰かが自分を覚えていて欲しいだけなのかもしれなくて。 彼女が美しい世界を望むのならば、止める理由は何処にある?
何ひとつ言うことができず、そっと、彼女の元を離れ、さっと直したワンピースを取って帰る。]
……ほら、これで直ったから。 ご覧なさい。これで全部元通りだ。
[彼女にワンピースを確認してもらうと、そのまま立ち去る彼女を見送った。 いつもの手伝いのお礼に、もちろんお代は無しだ。
ぱたん、と仕立て屋の扉が閉まっても、ロバートは暫くの間、その場から動けないでいた。]
(10) 2013/09/23(Mon) 01時半頃
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[暫くの間、そのままぼんやりと立ちすくんだ。
我に返り、ばたばたと仕事に戻ったのは、少ししてからだっただろうか。
クラリッサの笑顔と裏腹なその言葉が焼き付いて、どうにも仕事も手につかず、パピヨンから預かった手袋の補修をなんとか終わらせたのはお昼過ぎ。
それから、朝の残りで適当に作ったサンドイッチを食べて、仕事を再開したのはもう少し後。
そして、先程まで踏めていたはずの愛用ミシンが踏めないことに気づいたのも、そのころ。]**
(13) 2013/09/23(Mon) 02時頃
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[最初に店じまいを決意したのは、今から20年以上も前のこと。 この街にたどり着くよりもずっと昔、潮風香る港町で、今よりほんの少し大きな仕立て屋を営んでいたころだった。
目を患い、請け負った仕事をこなすことが困難になった。視力は悪くなるばかりで、いずれ失明するだろう、と医者は言ったが、それでも仕事を続けた。 周りは、口を揃えて言った。 「じいさん、もう引退したらどうだい?」 ロバートは頑なに耳を塞いだ。長年続けた、仕立て屋としてのプライド。完全に仕事ができなくなるまで、絶対に店は閉めるまいと。
そんな彼に変化が起きたのは、医師に失明までの猶予期間の宣告を受けて、暫くしてからであった。
朝起きると、霞の向こうの輪郭のみの世界は、再びはっきりと自分の目の前に現れていて。 驚いて、いい年をして柄にもなく、はしゃいで妻を呼んでみせた。 医者には「奇跡だ」と言われた。自らの身に降りかかった思わぬ幸運を、伴侶と喜び合った。
その「奇跡」の為に、彼女の居ない世界で、こんな姿で生きることになるなんて、当時は思いもしなかっただろう。 そして今、再び店じまいを悩むことになることも。]
(55) 2013/09/23(Mon) 23時半頃
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[入り口の扉に掛けられた札を裏返し、店を出た。 “close” 小さな札は、店主の不在を告げる。
簡素な木でできたものだ。机も椅子も、高さを変えることぐらいは簡単だろう。ヘクターに頼めば、きっとすぐに手直しして貰えるだろう。なんせ、昨日約束をしたばかりだ。
そうして直して貰えれば、きっとまた暫くは、こうして仕立て屋を続けられる。 嗚呼、ヘクターの家は何処であったか。 老いぼれた、否、混乱した頭では、咄嗟に思い出すことができず。 ただただ、街並みを小走りに進む。人々が話す声が聞こえた。]
『バーのピアニストが亡くなったそうだ』 『サイモンが、食堂で……』
[気づけば、駆け出していた。 軽い身体は、いくら走っても息切れなんて、しない。
街の人々の声から逃げるように、走る。走る。その間にも、歩幅はどんどん小さくなっている気がして。 クラリッサにはきっと、嘘を吐いた。ロバートは、ミシンを踏めなくなることが怖い。 ……死が目前であることを、思い知らされるのが怖い。]
(58) 2013/09/23(Mon) 23時半頃
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[走った。逃げるように走った。 その様子は、死の足音から逃げようとした青年と、似たものであっただろう。
走って、逃げて、でもその差は縮まるばかりな気がして。 どん、と正面から何かにぶつかる。焦るあまり、前を見ていなかった。 そのままつんのめり、よろけて転んだ。わ、とまるで子どもらしい、子どもの声。視界の隅には、>>64人の姿。]
……!すまない、不注意だったよ!
[はっとして起き上がり、ロバートは子どもらしからぬ口調で相手に叫んだ。子どもの身体では、転んだところで大した怪我はない。]
……っと、ホレーショー君か。 ああ、すまない、身体は大丈夫かい?
[その顔が見知った者であったことに、ロバートは安堵し、そして、心配してみせた。 彼の身体が衰弱していることは、ロバートもよく知っているのだ。]
はは、あ……焦っているように見えたかい……?
[焦っている、という彼の言葉に、乾いた笑いでごまかしてみせたが、理由はともかく、きっと気づかれているだろう。]
(70) 2013/09/24(Tue) 00時半頃
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[勘違いとは言えない、というホレーショーの言葉に、はは、と再び乾いた笑いを返す。]
そうか……焦ってた、そうだねえ、焦ってたかもしれないね。焦ることでもないのに。 ああ、かえってぶつかって良かったよ。なんて言うのも変な話だけれど。おかげさまで少し落ち着いた。
[一体何がどういうことなのか、彼にはさっぱりわからないであろうが。
膝を起こす彼を見ながら、また細くなったんじゃあないか、とロバートは思う。]
ホレーショー君は、今からお仕事かい? ……今日は、二人も亡くなったらしいね。 ほんとうに、墓場みたいな街だね、ここは…。
(78) 2013/09/24(Tue) 01時頃
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不満、 ……だったら、こんな所に住み着くはずはないだろう。 馬鹿なことを聞くもんだねえ、君は。
[ホレーショーの言葉に、呆れたように溜め息を吐いてロバートは返す。
そう、自分は最期の場所にとこの地を選んだのだ。跡形もなく消えてしまう自分を、きっと弔ってくれる場所。墓場のまち、きっと、この街ならば。]
まあ、そうだねえ。 ……不安は、あるかもしれないね。
[紅の薔薇の花弁が、男の袖からひらりと落ちる。彼の命を餌に咲く花は、美しい紅。]
ホレーショー君は、この街は好きかい?
[今度は、彼に問い返す。]
(84) 2013/09/24(Tue) 01時半頃
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ああ、そうか…… すまない。私の方こそ、馬鹿な事を聞いたね。
[すっかり、ロバートの頭からは抜け落ちてしまっていた。選べない者達も、この街には居るのだ、と言うことを。
ロバートの病は、ホレーショーの茨とは違い、さほど人目に目立つものではない。長期間同じ街に居座ることさえしなければ、この街でなくても、奇異の目に晒されずとも過ごすことは可能だろう。 選択の余地が、彼にはあった。それだけまだ幸せな方なのだろう、と彼は思う。
自分は、まだ幸福なのだ。皮肉なことだが、この病のお陰で十分なほど生きた。最期の地を、選び取ることもできた。なのに、どうして怖がる必要があろうか?]
こうして、人を見送っているとね。次はいよいよ自分じゃないだろうか、なんてね。
……最近、退化が早くなってきてね。とうとう、ミシンが踏めなくなってしまったんだ。 昔は、「死ぬまでミシンを踏んでやるんだ」、なんて。嫁に口やかましく言ったりしたんだけれど、ね。
(110) 2013/09/24(Tue) 23時半頃
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[そう言って、溜め息を吐いて、笑うと。ふと、ホレーショーを見上げる。]
もうじき、いや、明日かもしれない。 ……私は、戻りきれないところまで戻って、居なくなってしまうよ。 遺体も何も残らないけれど、それでも君は。 私のことを、弔ってくれるかな?
(111) 2013/09/24(Tue) 23時半頃
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/* >>111 いいとも!!!(お昼休みはウキウキウォッチン
(-18) 2013/09/24(Tue) 23時半頃
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/* ふざけました
(-19) 2013/09/24(Tue) 23時半頃
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[納棺師と別れたあと、ロバートはその小さな足を自分の店へと向ける。 この間まで少し小さかったはずの靴は、歩けばうっかり脱げるくらいの大きさになってしまっていた。
やがて店に帰ると、店の奥からポケットの取れかけたジャケットを持ち出して、いつもの作業机に座る。これが終わったら、夕食にしよう。それから、いつものように、揺り椅子でのんびりと読書を。
ホレーショーと話したおかげか、少し、気持ちの整理をつけられたようだ。 ミシンはもう、足が届かない。机を替えても、きっとすぐ、また届かなくなるのだろう。請け負った仕事をこなせないようなら、仕立て屋はもう店じまいだ。 それでもまだ、今までに請け負った仕事は残っている。それぐらいならば、手縫いでなんとかこなすことはできるだろう。 請け負った仕事を投げ出すなんて、彼にはできるはずがない。死ぬまで店を閉じるものかと言ったこの仕事を、できませんと断るなんて、彼のプライドが許すはずはない。
小さな針と細い糸を右手に、依頼主の愛着の籠もったジャケットを左手に。ちくちくと、彼は丹誠込めて縫い続ける。
少し意固地なベテラン仕立て屋の、誇りを込めた最後のお仕事。]
(120) 2013/09/25(Wed) 00時半頃
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/* 要約:投票してくれてもいいよ的な死亡フラグのあのあれ 若者よりジジイが先逝こう #逝こう
(-21) 2013/09/25(Wed) 00時半頃
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/* そして投票に困るのが自分 うーん、死亡フラグいちばん強いの誰ですかね
(-23) 2013/09/25(Wed) 01時頃
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