246 とある結社の手記:9
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─ 夜半:自室 ─
[夜更け。東の空が白むよりも幾分か前、やがて明ける空を前に闇が最も深くなる……よりも、少し前。青年は一人、部屋でくたびれた紐に結びつけられた青い石を揺らしていた。
ゆらゆら 、揺れる。 その石の揺れる行方を見つめる顔の表情は暗い。]
……………。
(18) 2018/07/29(Sun) 18時頃
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マリオ、
… ごめん。
(-47) 2018/07/29(Sun) 18時頃
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[ごめん、マリオごめんな。俺っちはじぶんのために、お前を見殺しにしちまうよ。せめてお前が、ずっと勇気ある少年でいられるようにいのるからさ。俺っちきっと忘れないからさ。だから許してくれよな、今まで死んだ人間、肉になった人間、父さん母さんさえももう忘れちゃったけど。
そう忘れないよ多分。たぶんきっと忘れやしない。そうだとも、俺が生き延びるためにぎせいになったばかなこどものなまえを。ねえ、だからいいよな?うん、いいよいいともだいじょうぶ。]
(-48) 2018/07/29(Sun) 18時頃
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[何かを思い悩むように、堪えるように、沈んだ表情で揺れる石を見ていた。暫くじっとそうしていた。やがてどうしようもなく舟をこぎ、眠りについたのは、その後のこと。
寝入ったのが随分と遅かったからか、やっぱり寝起きは悪かった。大きな音がして部屋のドアが開いた時>>0、あまりにびっくりして寝ぼけたピスティオはベッドから見事に転がり落ちた。]
…… へェッ …!? … って!
[ごとん。と、聞くも無残な音と共に転げ落ちる。その傍ら、古びた首飾りもまた床に落ちた。何が起きたのやら咄嗟には分からないまま見遣れば、部屋の入口にへたり込むイヴォンが見える。]
(19) 2018/07/29(Sun) 18時頃
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お、奥様ァ!? へえ、すンませんッ!!!俺っち、 …
………… … ???
[あれ?今は仕事サボって昼寝してたわけじゃなかったよな?]
(20) 2018/07/29(Sun) 18時頃
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あ、あのぅ……。奥様、
[急速に意識が覚醒する。泣き笑いの人の顔を見る。 やっぱり泣いてるんじゃないかなって思う。昨日はみんなから色々言われたし、結社の人も色々言うけど。でもやっぱり奥様は奥様だ。嫌いになんてなれないし、放ってもおけないと思う。
ピスティオは床の上をずりずりとイヴォンの方へ向かおうとして、はたと止まった。素早くきょろきょろと見渡して、枕元から目当ての物を引っ掴んだ。それを老女の頬に、ずいと差し出す。 手にしているのは、ピスティオ自身の手拭いだ。手拭いの中でも多分、一番マシで綺麗なやつだと思う。それを主に差し出しながら、青年は首を傾げた。心配げな色で。]
… お尻ぶつけて、ないっスか?痛くないっス?
[心配そうに眉を下げて問い掛けたのちに、ほんの少し笑みに似た表情を彼女に向けた。]
(21) 2018/07/29(Sun) 18時頃
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………、あの。奥様。おはようございます……。
[そこだけささやかな日常を壊したくないように。続くこの先の不安を知りたくないように、小さな声で朝の挨拶を*告げた。*]
(22) 2018/07/29(Sun) 18時頃
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─ 夜 ─
あれ?スージーの勝ちか。 へえ…おめでとうっス! やっぱり人狼にも、年齢ってあるものなんスかねえ。
[夜半。人狼らの競争に聞こえた声>>*0に、ピスティオは暢気にそんな台詞を返している。それは可愛がってた弟分の死を知らせる言葉だったけど。でも、声はそれに乱れる風を見せなかった。
寂しいとは思う。ちょっと悲しいなとも思う。可哀そうにも思う。けれど自分は悪くない。自分のせいじゃない。仕方ない、仕方なかった。
………「狂人」と。結社に称される青年の精神構造の特殊さは、もしかしたらこの過剰なほどの自己弁護と自己肯定にあるのかも知れなかった。自分のせいじゃない、仕方ない。だって生きるために必要なんだから、と。 結局のところ、どこまでも自己本位である精神は、弟分の死に己の責任を問うことを放棄している。]
(*19) 2018/07/30(Mon) 00時半頃
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マリオはきっと…、 「人間だってバレたから襲われた」っスね。
…ふぁ…、
明日は忙しいなあ。 俺っち、色々びっくりすることばっかりだし…… 寝よ。おやすみっス。
[欠伸交じりにそんな見通しを呟いて。 その後はけたたましく起こされるまで、それはもうぐっすり寝たのだ。*]
(*20) 2018/07/30(Mon) 00時半頃
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─ 朝・自室入口 ─
───── へぇ。
[思いっきり鼻をかんだ手拭いを返されながら、イヴォンと朝の挨拶を交わす。>>27どうもそれは「いつもの」光景のようで……けれど、奇妙に歪なようにも思えた。結果、ひどく間抜けなこたえばかりが返る。]
(94) 2018/07/30(Mon) 00時半頃
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ピスティオは、イヴォンに返された手拭いを、ぐしゃりと丸めてポケットに突っ込んだ。
2018/07/30(Mon) 00時半頃
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え、
…… マリオ、が?
[ただ。平穏はすぐに破られることになる。 マリオが喰われた。>>28 その意味がすぐには分からない。いや、分かっていたのだ。幾らとぼけた青年にも。圧倒的な血の臭い、葬儀のような沈んだ空気。ちらりと見えた部屋の中に広がる赤いいろ────、]
……… っ 、───ひ ……ッ、
(95) 2018/07/30(Mon) 00時半頃
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ピスティオは、がたん。と音を立てて背後の壁に倒れ掛かった。
2018/07/30(Mon) 00時半頃
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[死んでいる。死んでいる死んでいる死んでいるしんでいるしんでいるしんでいるしんでいるしんでいるしんでいるしんでいるしんでいるしんでいるしんで………
… ああ、うつろな 目だ。 ]
(*22) 2018/07/30(Mon) 00時半頃
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うわあッ!!!
[結局サイモンの死体を目にすることはなかったから。実際に死んでいるのを見るのは、これが初めてだった。腰を抜かしたように壁を背にへたり込みながら、がたがたと震えて少しでも遠ざかろうと足が床を空しく蹴る。
イヴォンの哄笑>>28も耳に響くことはなかった。 青年の目はただ、マリオだった「モノ」を凝視している。]
……な、なんで ───…
(96) 2018/07/30(Mon) 00時半頃
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[当たり前だ]
(-108) 2018/07/30(Mon) 00時半頃
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お、俺っちが ひ、ひとだって、 い、いっちまった から 、
だ、だ だから、 ……?
(97) 2018/07/30(Mon) 00時半頃
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[そう考えるんだろう?ほんとうの「占い師」は。 ああ、血の臭いだ。気分が悪くなるような血の臭いだ。]
(*23) 2018/07/30(Mon) 00時半頃
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…………っ
[それ以上は、もう無理だった。 込み上げる吐き気を手で押さえるようにして、どうにか視線を逸らす。そうして壁を頼りに、よろと立ち上がった。弟分の最後の顔を見ることは、どうしても出来なかった。*]
(98) 2018/07/30(Mon) 00時半頃
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はーー……
俺っち、どうしてもあの匂いだけは、 ダメなんだよなあ…。
生臭くない?
[だから「肉」を運ぶときには、ルパートにはきちんと梱包をして貰っていたものだけど。感覚の違いをぼやく嘆きが、一つ零れた。]
(*24) 2018/07/30(Mon) 00時半頃
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/* あ、霊が先?ですか?ってなりつつ、なんかもう ささーっと判定もどき出しちゃおうかなーーー?
場を動かしてしまいたさ。せっかち(
(-112) 2018/07/30(Mon) 01時頃
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まったくだぜ。 う〜〜〜ん、そうだよなあ………
だってほら、ルパートさんだって強烈なドブの臭いとか嫌いだろ?
[人狼と人間では、幾ら声が通じようとも味覚も感覚もまるで違う。”くさい”とは思わないらしいルパートに、考えながら例を挙げた。それなりであり、その程度でもあった。]
(*28) 2018/07/30(Mon) 01時半頃
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─ ロビー ─
[結局ロビーに行く前に、暫く洗面台と仲良くする羽目になってしまった。やや暫くそうしていたから、ロビーに赴いた頃には既に多くの人が集まっていただろう。
そこで、もうひとつの「死」を知った。 無情にも連れていかれるワンダの姿に。]
……え。なに。本気かよ。 え?いや。処刑とかって冗談、だろ?
ワンダさんは人間かも… 、…
[落ち着きなく辺りを見渡して呟く声に力はない。追い縋るだけの勇気もない。そうかも知れない。違うかも知れない。分からない。
結局、ピスティオには迷うように彼女の背を見送ることしか出来なかった。かける言葉は思いつかなかった。]
(106) 2018/07/30(Mon) 01時半頃
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……へ???面白いかい?
そうだなあ。あまり変わらないんじゃないかな? だって臭いし。汚いし。 あまり触りたくないってところまで一緒っス。
流したくはないけど──…、うん。 流れてる分には関係ないしさ。
[笑い声には少し不思議そうに、あっさりとしたこたえが返った。]
(*31) 2018/07/30(Mon) 01時半頃
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[ロビーでは既にイヴォンと、その周辺で会話が交わされているようだった。先ほどよりも落ち着いて見える主の姿にほっと息を零しす。
けれど。その中に見えた一つの顔に、ピスティオの表情は硬くなった。口をややへの字に結びながら硬い表情のまま、ユージンへも視線を流す。彼との問答が、ふと頭を過った。]
(109) 2018/07/30(Mon) 01時半頃
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─ 回想>>2:326>>2:327 ─
人狼?人狼かあ……、
[うーん。と、問いに少し唸る。 そうして真面目な顔で頷いた。]
こわいよ。
こわい。だって俺っち、死にたくねえもん。
[最初の問いには、自分なりに考えた理由を添えてこたえて。続く問いに少し難し気な顔をした。]
(110) 2018/07/30(Mon) 01時半頃
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………へぇ?
[次の問い。「いつもどおりで」との問い>>2:327には、その意図を取りかねて首が傾いだ。ううん?と目が少しくるりと回る。]
俺っちの体調は「いつも通り」っス。 ノアが一緒でも関係ないっス …… ??
[心配されたのかなあ。と、胸元をトントンとしてみせながら返す。やがてどうやら違うと分かれば、やや間抜けな表情で後ろ頭を掻いたものだが───。]
(112) 2018/07/30(Mon) 01時半頃
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─ ロビー・現在 ─
[いつも通りで、いつも通りでは決してない。 青年の振る舞いはひとつの解をユージンに与えるだろうか。知らぬまま、ゆっくりとその顔を見遣る。
そうして彼の視線の先を追い、少し眉を下げた。分かりやすく困惑の色が面に浮かぶ。]
あー…のさ。えっと……、 俺っち、後の方がいい か、なあ?
[占いの話をした方がいいと思っていたが、妙な流れだ。ここで口を挟んでしまっていいものだかどうか、思い迷う様子でおずおずと辺りの様子を窺った。**]
(113) 2018/07/30(Mon) 01時半頃
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あれ??? 今日は俺っちが格好良く、モンドさんは人狼だー!って告発する日だよな?
なんで変な雰囲気になってるっス??
[さっぱり良く分からなくて、首が傾いだ。*]
(*34) 2018/07/30(Mon) 02時頃
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/* ロイエかわいい
(-116) 2018/07/30(Mon) 02時頃
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─ ロビー ─
……ん。
[何故イヴォンが頑なに口を噤むのかは良く分からない。ひょっとしたら自分が口を開くことは、彼女の企みを挫くことなるのかも知れなかったけど。]
俺っちさあ。……もし占い結果が人間なら。 人間だったらちょっと言いたくないって思っちまった。
だってマリオがさ、 …助ける つもり、だったのに、俺っち、 俺っちのせいで ……、…。
、でも。 今日は、違うから。
(119) 2018/07/30(Mon) 02時頃
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ピスティオは、一度落ち着こうと深呼吸をした。
2018/07/30(Mon) 02時頃
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───── モンドさん。
[ひとつ、名を呼ぶ。]
(120) 2018/07/30(Mon) 02時頃
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