181 アイスソード伝記
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[とある金貸しの蔵の書物にも記されない遠い一篇がここにある]
(*9) 2016/01/25(Mon) 17時頃
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[――1351年 反乱前夜。 真夜中の農園の者たちは思い思いの夜を過ごした]
んだよ、お前らそれしか持ってこねえのかよ。
[開け放った食料庫から手ぶらで来た赤毛の男が悪態をついた。 誰からともなく集まった男たちは ノルデンラーデンの川のほとりに腰を下ろし、 割っても湯気のたたぬパン一欠けと一瓶の酒を回して口にする。
眺める川面の濁った色さえ夜の黒に塗りつぶされる。 立ち込める悪臭こそがノルデンラーデンの川の証。
死んだ鼠が浮かぶようになるもっと昔の話。 ここはもう少しましな匂いがした。 まだ、小さいミツボシが猫を追いかけて遊んでいた頃の話だ]
(*10) 2016/01/25(Mon) 17時頃
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「終わりってあるのか」
[酒に塗れた口元を拭ってラッシードがぼやいた]
さあな。
[アンタレスがパンの欠片の欠片を川面に千切って投げる]
「…、」
[ライジは黙って酒瓶の中身を川に零してから口を付ける]
(*11) 2016/01/25(Mon) 17時頃
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先のことなんざ、わからねぇ。 前に進むか止めるか。そんだけだ。
[パンのくずさえなくなる頃、男たちは腰をあげる。 空になった瓶にライジは擦り切れたリボンを詰め封をする。 いつかお守りだと彼の手首にリボンを巻いた娘はもう居ない。
川に向かって放り投げた瓶はとぷりと音をたてて水に落ちた]
(*12) 2016/01/25(Mon) 17時半頃
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なあ、センセイよ。
[別れ際、赤毛の男が年齢不詳の研究者に声をかける。 奇妙な縁から出会った研究者は彼らと目的を異にしていたが、 なんのかんのと数年行動を共にしていた。今も、何も言わずとも隣に佇む]
あんは何の為にエアの研究なんかしてるんだ。
[アンタレスの問いに研究者は分厚い眼鏡を指で押し上げた]
「…ふむ。好奇心というものだよ。
遥か昔に唐突として現れ、人類史の隣人たる彼らが。 何を成し何を想いどこに至るのか。実に興味深い」
[物好きだ。と、アンタレスの吐息が笑う]
(*13) 2016/01/25(Mon) 17時半頃
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「”物”好きとはなかなかうまいことを言う。
ピゲル公のエアには未だお目にかかれずではあるが―― 君たちと過ごす時間はなかなかに悪くないものだったよ。
人間というのものも、実に興味深い。
君はなぜいまさらそんな問いをするのかね?」
ん。
あぁ…、好奇心ってやつだよ。
[わしわしと髪を混ぜ一度そっぽを向いてから、研究者に手を差し出す。 じゃあ、またな。と、短い別れの言葉と握手。
研究者と共に領内から脱出する予定のラッシードが、 死ぬなよと何度も念を押すから笑って尻を蹴り飛ばした]
(*14) 2016/01/25(Mon) 17時半頃
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[川べりに男たちの姿はもうない。
とぷり、とぷん。
酒の残り香を抱いた瓶は下流へ浮いては沈みを繰り返す。 そのうち川の流れに呑まれてそれきり浮かんでこなかった]
(*15) 2016/01/25(Mon) 17時半頃
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(*16) 2016/01/25(Mon) 17時半頃
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ゴホッ
雨が、 止まねえなぁ…
[どこへ行こうというのか。ひとり、路地裏を歩く影がある。 やつれた男は窪んだ眼窩に瞳だけを滾らせたまま雨の路地に倒れこんだ。
1351年。 主導者なき反乱は大鼠害の嘆きに影を潜め、 街は富める者も貧しき者も等しく死に包まれた。
再び反乱の御旗が上がることを見ることのなかった男の目が、最期に映したのは横倒しの風景。
ぱしゃぱしゃと小さな波紋を足元に作り横切る太った鼠の姿。
夏の終わりのことである**]
(*17) 2016/01/25(Mon) 17時半頃
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<< エアとは単なる道具なのか >>
<< それとも >>
その議論がなされる遥か昔より
《魔法使い》と呼ばれるものたちがいた。
武器の持ち手としてよりは、 エアの力を引き出すことに長けていた者の総称だ。
モッリス平和条約以前の戦時下において 各国の軍に属した彼らは、 影の立役者として一財を築き上げていった。
(61) 2016/01/25(Mon) 23時頃
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■西暦2000年
[平和条約以降、《魔法使い》たちは経済に台頭した。 学園都市アモルにファーストフードを展開する エスペラント財閥もそのひとつだ。
いらっしゃいませ。
エッペンバーガーにようこそ! ご注文はおきまりですか? 放課後の学生たちの明るい喧騒に包まれる店内。 今日も黒髪の店員はにこにこと愛想が好い**]
(62) 2016/01/25(Mon) 23時頃
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[西暦2000年 学園都市 市街地。
正月明けから作業着姿の清掃員たちは 昼休みの休憩に並んでベンチに腰掛けている。 空は快晴。鳥がぴよぴよと囀る暢気なランチタイム。
連れ立って通りを歩く少年少女の姿に、 初々しいねえとアンタレスがつぶやいた]
ところで、ライジ。またそれか。
「…ああ」
飽きねえな。
「うん」
[エッペンバーガーを頬張ったままこくりとライジが頷く。 正月早々ごちそうさまだと言いたげなアンタレスが三角パックの牛乳をちゅぅーと吸った]
(*25) 2016/01/25(Mon) 23時半頃
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[その脇で
〜♪
♪♪♪ 〜〜 ♪
ラッシードの小型デバイスからぴこぴこした音楽が流れる。 彼が熱心に除く小窓にはwetubeの画面が映し出されている。 やや頭が痛くなりそうな楽曲は、エアアイドルユニットS&Tの新曲だ。
恋はぴこぴこ あなたが触れて はじめて知った いとしい気持ち 後生(殺生)お願いだから このままずっと 結ばれてたいの Pi Pi Pi ♪
Pi Pi Piのあたりでラッシードの体が左右に揺れた。 おおかた振りつけのイメトレでもしているのだろう。 巨体がゆさゆさシュパッと踊る様はそろそろ勘弁願いたい]
(*26) 2016/01/25(Mon) 23時半頃
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まあ、しかし。
…平和だな。
[牛乳パックのストローを噛んだまま 赤毛の男は空に向かってぐぐっと伸びをする。 次いで取り出した報告用の端末に 1300異常なし と打ち込んだ**]
(*27) 2016/01/25(Mon) 23時半頃
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[学園都市の日常は変わらない。
0800異常なし 1300異常なし 2000異常なし
日毎送る報告文にアイスソード確認や、 2002年ミーム治療の一文が増えたところで何も変わらない。
ファーストフードの店員に、街の清掃員に。 扮した彼らの正体はエスペラント財閥の監査員だ。
この街におけるエアの動向や出現を監査する任にあたっている。
規則はひとつ。干渉することなかれ。
次なる別の任務に学園都市を後にするまで、 彼らの日常もまた平穏のまま変わらずにいた。
学園都市での彼らの話は 一篇にもならないささやかな日常*]
(*69) 2016/01/27(Wed) 01時頃
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