181 アイスソード伝記
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[鼠と娘が佇む凍土の地に、ひっそりと失せたものたちがいた]
(*45) 2016/01/24(Sun) 05時半頃
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[時は遡ること400年も昔のこと――973年。 歴史の余白たる彼らの一篇の結論を述べると、 決死作戦は実を結ばなかった。
何もかもが遅すぎたのだ]
(*46) 2016/01/24(Sun) 05時半頃
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[973年 ウィリディス領]
はやく、逃げてっ
[領内に忍び込んでいたミツボシがアウァールス兵の前に躍り出る。斥候の役割を知りながら、かつて門戸を開けてやさしく受け入れてくれたウィリディスの人々を彼女は見捨てることが出来なかった]
(*47) 2016/01/24(Sun) 05時半頃
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…すまないアンタレス。 ミツボシを連れて戻る。
[いつでも黙ってついてきた寡黙な工兵が搾り出すような声を出したのは、遅すぎたミツボシからの合図。旋風を纏わせた空への一矢を見て。 ほどけるように風が失せたのは持ち手の命が失せたからだ。
戦場を駆ける小隊の馬群から一頭が行く先を逸れた。 ライジの馬の蹄の音が全速力で遠ざかるのをアンタレスの背が聞く]
(*48) 2016/01/24(Sun) 05時半頃
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[重い蹄の音を連れ息を狂わせた馬が戦場を駆ける。
アウァールスの騎兵を追い抜きざま馬上の男が長剣を振えば、滑らかな弧を描いて後方に飛んだ。血の飛沫さえ追い抜いて最前線を目指す男の髪が赤く乱れた。
前線の空で上がる焔と氷の澄んだ剣戟が止んでいた。 一時静まり返った戦場の行方はここからでは見通すことができない。
ライジは戻ってこなかった。 背後で何度も撤退の光が上がった。
引くか進むかその決断にひとときの迷いもなく、男は馬の横腹を蹴る――]
(*49) 2016/01/24(Sun) 05時半頃
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[そして白は全てを呑みこんだ]
(*50) 2016/01/24(Sun) 05時半頃
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[974年
極寒の地の際を踏む足音がある。 あの大寒波の折、山の中腹に居たことを幸いとし、薄皮一枚凍らせて命からがら逃げ延びたラッシードとエスペラントだ。
一瞬にして平野を飲み込んだ凍土は未だその範囲を広げているらしい。 この際さえも幾日もたたず白の領土の一部となるだろう。 凍りついたページに何かを熱心に書き付けているエスペラントを横目に、分厚い手袋に包まれたラッシードの手が凍土へばらばらと野花を撒いた]
何も変わっちゃいねーよ。 俺たちは犬死だ。
[あの時、撤退の合図を無視して進んだ男は、 糸さえ通らぬ針の穴の先に何を見ていたのだろうか。
だが、そんなものは、より大きな力の前には無意味だ。 アウァールスの領主が死んだ今でも故郷の鎖は解かれない。 この山を越えて凍てついた平原の色を見ることすら叶わない]
(*51) 2016/01/24(Sun) 05時半頃
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お前らに、俺の気持ちなんか分かるかよ。
[吐き捨てるラッシードの赤剥れの頬を寒風が横切る。 今夜はアルビオンの死の欠片が風に運ばれ麓に降るだろう]
(*52) 2016/01/24(Sun) 05時半頃
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[翌年、ラッシードは故郷を離れた。 エスペラントはしばらくアイスソードが生んだ極寒の地にて研究を続けたが、やがて次なる研究対象を求め旅立った。
かくして973年の彼らの一遍は人知れず幕を下ろす**]
(*53) 2016/01/24(Sun) 05時半頃
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誤表記訂正
× エスペラントはしばらくアイスソードが生んだ極寒の地にて研究を続けたが
○ エスペラントはしばらくアイスソードが生んだ極寒の地の周辺に留まり研究を続けたが
(-29) 2016/01/24(Sun) 09時半頃
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■西暦1347年
アルビオンの白き山を遠く臨むノルデンラーデンの地。 圧政に苦しむ下級労働者たちは水面下で反乱を企てていた。夜毎密やかに行われた会談を、「真夜中の農園」と言う。**
(79) 2016/01/24(Sun) 09時半頃
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[ ―― ]
(*119) 2016/01/25(Mon) 05時半頃
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[正史に残らぬ鼠の戦争のその隙間。 とある下級労働者たちの真夜中の会談に彼らの名が再び浮かび上がる。
西暦1351年、夏。それは真夜中の農園でのこと]
(*120) 2016/01/25(Mon) 05時半頃
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「だめだ、モーリスたちと連絡がとれねえ。 南の領は流行り病で壊滅だ」
「モンドはどうだ」 「あっちはまだ無事だが足止めを食ってる」 「まだ領地の中だ」
「警邏が増えた」「尾行けられてないか」 「ワットが捕まった」 「首吊り峠にまた…」
「ただの一振りでもいい、エアさえありゃあ――」
「門が閉ざされた。手形が必要になったらしい」 「もう他所と連絡もとれやしねえ」「どうする」 「どうする」「中央への直訴も水の泡だ」「どうする」
(*121) 2016/01/25(Mon) 05時半頃
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[まくらな闇の中に男たちの潜めた声がある。
ここはノルデンラーデンの街の外れの古びた貯蔵庫。 鍵の管理を任されている農民も、真夜中の農園の一員だった。 今宵も領主の目を盗み秘密の会談が開かれる]
(*122) 2016/01/25(Mon) 05時半頃
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――おい、ミツボシはどうした。
[今まで囁きに混じらなかった男の声がした。 寡黙とはいえいつまでも混じらぬ声にひとつ問いを投げる]
「 …、 」
[静まり返った闇の中で誰かが何かを窺う気配を見せた。 そしてひどく歯切れ悪く、言いにくそうに。
今朝方、腐った川に捨てられていたのだと告げた。
曰く、ワット一家を逃がしに向かったのだと――]
(*123) 2016/01/25(Mon) 05時半頃
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くそ g ん むぐ !!!!!
[感情とともに吐き出した男の声を、ずんぐりとした手が慌てて覆った]
…………。
[口を塞がれたままぎろりと睨み付けるが、ずんぐりとした影も引かない。 睨み合うこと数秒。男が鋭く小さく首を振った。手が退く。 男は息を雑に吐き、くたびれたハンチング帽を脱いでわしわしと髪を混ぜ、目深に被りなおす]
(*124) 2016/01/25(Mon) 05時半頃
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いいか、俺たちはもう限界だ。
…ブレンダのところの赤子は飢え死にだ。 乳も出やがらねえ。
鍬のひとつも握れねえ奴らの家は俺たちの墓より上等だ。
おい、ランタンを貸せ。
…。
…ライジ。 ランタンだ。
[ライジと呼んだ影の手からランタンを取る。 灯りが照らし出すのは貯蔵庫に詰まれた食料だ。 薄汚れてぼろを着た男たちの姿も浮かび上がる]
(*125) 2016/01/25(Mon) 05時半頃
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ここにあるもんは全部ピゲルの野郎のもんだ。 俺たちに鍵をもたせてんのもそいつを見せ付けるためだ。
次はなけなしの自由か? 上等じゃねえか。
(*126) 2016/01/25(Mon) 05時半頃
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――反乱だ。
(*127) 2016/01/25(Mon) 05時半頃
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[言って赤毛の男が麻袋のひとつから麦を掴んだその拍子]
っ ――― てぇ
[徐に麦の粒ごと腕を勢いよく払いのけた。 何かが柱にぶつかる鈍い音と小さな悲鳴が重なる。 灯りを巡らせ見ればつぶれた鼠が一匹落ちていた]
ちっ ねずみか。
[舌打ちひとつ。 噛まれた手を振り顔を顰めたが、すぐに仲間に向き直る]
(*128) 2016/01/25(Mon) 05時半頃
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東のケヴィンに連絡を取る。 夜明けにゃ決行だ。 エアがねえなら鍬を手にとるまでだ。
ハデにやりゃ門は手薄になるだろうよ。
ラッドはモンドに伝えてそのまま同行してくれ。 センセイも連れてきな。 首尾よくエアを外で手にいれられた時に必要だ。 事が済んだら、好きなだけピゲルのエアでも研究するといいさ。
おら、解散だ。
今夜は指を咥える必要はねえ。 好きなだけもってけ、家族にたらふく食わせてやれよ。
[鍵番の農奴――アンタレスはランタンを消すと貯蔵庫の扉を開け放すと、鼠の噛み跡のある指先で回した鍵を夜へ放り投げた]
(*129) 2016/01/25(Mon) 05時半頃
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[西暦1351年の夏の夜明け。
真夜中の農園と呼ばれた男たちは小規模な反乱を同時に起こし、後に反乱の主導者たるモンド・タイラーを中央に向かわせることに成功した。 直後に起こる大鼠害からもタイラーは守られることになる**]
(*130) 2016/01/25(Mon) 05時半頃
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