84 ― 手紙 ―
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― 昨日のこと ― [例のジョージ少年から手紙が来た日は、 言葉通りに立ち寄ってくれた郵便屋に返事を渡して。
結局、一晩中まんじりともしなかった。 仕方なしに夜遅くまで論文集を読んでいたせいで、 朝からひどい顔をしていたに相違ない。]
――もしも本当に、僕とアマンダの子だったなら。
[それは、彼女が傍に居たころによく夢見たこと。 彼女譲りの豊かな栗色の髪に、薔薇のような頬。
彼女が居なくなる一週間前に「一緒に暮らそう」の一言を言えたなら、何か変わっていただろうか。]
(2) 2013/05/28(Tue) 02時頃
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[けれども、その可能性がそう高くないのも分かっていた。 「君のパパの万年筆は僕のものではない」と書けなかったのは、 そうしたら、もう手紙が来なくなるような気がして。
親にも内緒で出す手紙なら、複雑な事情があるのだろう。 そう思って、一緒にポストカードを同封したはみたが――
『先生、大丈夫ですか』
前列の学生のいぶかしげな声。 そのときに漸く、己が教壇に立っていることに思い至る有様だ。]
すみません、少し……立ちくらみがして。
[以後、淡々と続けたつもり……だったが、板書を五回は間違えた。その日の講義のゴシップが、学生の格好のランチの友になったのは言うまでもない。]
(3) 2013/05/28(Tue) 02時頃
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― 自宅 ― [昨夜は、手紙の差出人を眺めながら、寝台の引力に負けた。
朝起きて眠気覚ましのコーヒーを沸かしがてら、 シチュー鍋に向かう母親の背中へ声をかけてみる。]
母さん。 もしも僕に隠し子がいたら、どうします。
[彼女は目をまるくして振り向く。あらあら、いるの?]
いえ、……例えばの話です。
[思案げに目を伏せる息子に頓着せず、彼女はシチュー鍋をかき混ぜる仕事に戻った。うーん、としばし首をかしげて。]
(10) 2013/05/28(Tue) 22時半頃
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[『そうねえ。吃驚仰天するでしょうけれど、 孫の顔を見られるのは悪くないかもしれないね。
だってこのままじゃ見込みが薄そうじゃないの』
彼女は、呑気に笑う。]
そうか……そうですね。
[つられて笑みをこぼしたそんな折、表からした声に]
ああ、郵便屋さん。今日もご苦労様です。
[数通の手紙を受け取って、自室に戻ることにした]
(13) 2013/05/28(Tue) 22時半頃
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[まずは、昨日の手紙。 住所間違いの返送の礼のようだった。]
随分と律儀だな。…ふむ、K大学の卒業生。
[コーヒーを一口。 大学からそれなりに近い住所のようだから、そういうこともあろう…とは思っていたが。
さすがに「ミナカタ」の名前を見つけたときは、盛大に噎せた。]
ミナカタの教え子か……! ふふ、矢張り、慕われているのじゃないか。
(14) 2013/05/28(Tue) 22時半頃
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[薄茶色の便箋――弟宛の手紙に目を通す。 仕舞いまで読み終え、笑みをこぼした。
くまの絵本が好きだというのは、嘘ではない。 好みの違う弟と自分が共通して好きだった、数少ない一冊。]
……ジェフリーさんらしいな。
[仕事で扱う作家は苗字で呼ぶが、親しみを込めてそう呼んだ。
人となりは、手紙と作品で知っているだけだ。 けれども、文章から滲む誠実さと最後の一行の朗らかさは、彼の小説に出てきた少年少女たちを思い起こさせる。そういうところをジョージ少年も気に入っているのだろうか…とふと思う。]
(16) 2013/05/28(Tue) 22時半頃
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[一瞬、「嘘」というのはどの部分だろう……と考え込むが]
いや、きっと無粋かな、それは。 書かれていることを信じることにしましょう。
[きっと、そうすることで幸せになれる嘘なのだろうから。
返信不要の文字を見て、机の引き出しに丁寧に仕舞って。 閉める前に、そっと]
貴方の新作に、いつか出会えるように。
(17) 2013/05/28(Tue) 22時半頃
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[もう一通、弟宛。 ギターを弾く猫の絵に、眉尻を下げた。]
形が変わっても、絆は消えない……か。
[しばし考えて、ボールペンを取る。 彼女からの問いかけには、家にいたころの弟がよく言っていたことを思い出しながら。]
(22) 2013/05/28(Tue) 23時半頃
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レティーシャへ。
今日は、三年前に作ったバラードを歌いました。 一人で歌うのは、とてもいい気持ちだよ! 知らない人たちの中で、俺が誰でもないみたいで。
7人きょうだいなんて予想外だ。びっくり。 俺の母さんなんて、男二人でも手一杯だってよく言うよ。
確かに似てるかもしれない、君のお姉さんとうちの兄貴。 きょうだいの一番上だとそうなるのかも。 もしかしたら、俺と君みたいに友達になれたりしてね?
(-20) 2013/05/28(Tue) 23時半頃
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離れても絆は残る……か。ほんとに、そうだといい。 実は俺、ちょっとした事情で兄弟と離れるかもしれなくて。 それでも、彼は俺のことを覚えていてくれるのかな。
それじゃあ、また!
セシル・マクガイヤー
追伸: かわいい絵に、路上演奏と同じタイミングで君が聖歌を歌っていることもあるのかも…なんて想像してみました。俺、昔からよく手紙をくれた人や友達のことを思って歌ってるんだよ。
(-21) 2013/05/29(Wed) 00時頃
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ポーチェへ。
まずは、ありがとう。
それから、本当に驚きました。 そう思ってくれることは、とても嬉しい。僕は必ずしも最良の先生ではなかったが、君にとっては良い導き手であれたのでしょう。
君は待たせないと言ったけれど――僕は、君が大人になるまで待ちたいと思います。 君の気持ちがほんとうのものでないと思っているわけではありません。ただ、世間を見て、たくさんの人やものと関わって、それから判断するべきだと――そう思う。 (数年後には、僕が「はげ」になっているかもしれないしね。)
そのときにも気持ちが変わっていなかったなら、もう一度聞かせてください。
(-27) 2013/05/29(Wed) 00時頃
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