162 冷たい校舎村3-1
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―朝:教室―
はぁ!?
[チャイムと同時に目が覚めて、見回した教室。 目が合った途端の言葉>>8に、素っ頓狂な声を上げて、彼をまじまじと見た。
確かに、彼がホストの可能性を捨てていた訳ではない。 それでもやはり意外、だとか、何でお前が、とか。言いたい事は山ほどあるのに、言葉が上手く出てこない。]
……な、何で。
[辛うじて出てきたのは、そんな間抜けな呟き。 どうとでも取れるような問いかけに、彼の答えはあっただろうか。**]
(9) 2015/06/28(Sun) 00時半頃
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き、キャベツ……いや、うん?
[飛び出した単語>>12を、思わず復唱してしまって。 口に出してみても間抜けな響きだ。まさかそんなことはあるまい。 否定も肯定も出来ずに、適当な相槌を打つしかなく。
続けられた言葉には、流石に真面目な顔に戻って。]
なら、さ。 今からでも……。
[楽しめばいいじゃん、なんて言葉は、尻すぼみになって。 そんな風に口ごもってしまったのは、多分、まだ頭が混乱しているせい。
秋野とは、中学からの友人で、それなりに親しいつもりで。 けれど、彼がこの空間を作り上げたホストで、この空間に自分たちを呼び寄せる程に、何かを思い悩んでるなんて、正直なところ、全く思いもしなかった。 ……いや、知ろうとしていなかったのかもしれない。
あぁもう、やっぱり、情けない。そう思う。 何を言えば良いのかも分からずに、友人の顔を見上げて。けれど、言葉を発する事はできずに。]
(44) 2015/06/28(Sun) 17時頃
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……え、あ、うん。
[そんな時、そそくさと立ち上がった彼>>32に、流石に素っ頓狂な声を上げる事はなく。ただ、突拍子もないとは思った。 扉に手を掛けた彼を見送ろうとして――けれど、何故だろう。その背>>32を追ってしまったのは。
多分、この世界に来てからの、幾度目かの既視感。背を向けて駆け出した秋野と、追えずに立ち尽くしている自分の姿。
置いていかれる、と、感じたのは、虫の知らせとかいう奴だろうか。
咄嗟に、扉に駆け寄って、教室を飛び出す。 案の定、というべきか、駆けて行く彼が向かう先は、真逆の――階段の方向で。]
このっ……!!
[馬鹿野郎、そっちじゃねぇぞ、と。叫ぶよりも先に、足は彼の背を追いかける。 教室に居たであろうふたりに、声をかける余裕もなく、走る。
遅くもない、けれど、速くもない速度で、廊下を、階段を、駆け上がって。 階上に向かうその背を、ただひたすらに追う。]
(45) 2015/06/28(Sun) 17時頃
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[そうして、階段を登って。 最上階で、その足は止まる。
先程まではお化け屋敷だったそこに、鮮やかさは欠片もない。 辛うじて、学校の様相は保っている、と思う。
けれど、教室の中も、廊下も、まるで嵐が来たかのように、ぐちゃぐちゃと荒れ果てている。>>38 窓ガラスはその形を成していないし、整然と並んでいるはずの机も然り。 ぞわり、と、寒気がしたのは、窓ガラスから吹き抜ける秋風のせいだろうか。
その光景に、呆然と立ち尽くして。 しかし、それも数秒のこと。 窓ガラスの破片を踏みつけながら、廊下を駆けて、秋野の姿を追った。**]
(46) 2015/06/28(Sun) 17時半頃
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[――この校舎は、ホストの精神世界。 水瀬から聞いた話>>233が頭を過る。
鮮やかな装飾に彩られていた筈の場所は、まるで嵐が去った後のように荒れ果てていて。 どちらが、本当の姿なんだろう、とか。そんなことを頭の隅で思う。
ぼんやりとした仮面に、ずっとこういうものを隠していたのか、とか。自分は気付いてやることは出来なかったのかなぁ、とか。 今更、出来る事なんてあるのか、とか。馬鹿な考えばかりが渦巻いて。
あぁ、でも、それは後回し。 先にやるべきことは、ひとつだけ。
足を止めようとする後悔や諦めを振り払って、がしゃがしゃと硝子の破片を踏み鳴らす。 廊下の向こう、階段を駆け上がって、屋上の扉に手を伸ばした。]
(56) 2015/06/28(Sun) 22時半頃
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―屋上―
[ざぁ、と風が吹き付ける。 吸い込まれそうな青空。けれど、その中に立ち尽くす友人の視線は、遥か下を見つめていた。>>55
駆け上がれそうなフェンス、そこにかかる手。そして、彼の様子。 何故だろうか。次に起こりそうな出来事が、嫌って程にわかってしまって、息を飲む。]
秋野。
[校舎を駆けて、上がりきった息を整えることもせずに、彼を、き、と睨みつける。一歩、踏み出す。
彼の考えている馬鹿な事なんて知ったこっちゃない。そんな顔で、彼に向かって手を伸ばした。]
帰ろう。
[同情だとか、説得だとか。そんなことより先に出てきた言葉を、彼に投げつける。 あぁ、畜生。こんな状況で上手い言葉も言えやしない自分が恨めしい。*]
(57) 2015/06/28(Sun) 22時半頃
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/* 秋野との回想を回しそこねたまま最終日だよ! 今出すとなんか卑怯な気がするというかごにょり
(-35) 2015/06/28(Sun) 22時半頃
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/* SANチェックしたい気分……24 那由多は65で
(-44) 2015/06/28(Sun) 23時半頃
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/* 秋野マジで帰ってくれるの!?トドメさしそうで怖いから誰か!!助けて!!へるぷみー!!!!
(-46) 2015/06/29(Mon) 00時半頃
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だからって、謝りもせずにこのまま居なくなるつもりかよ。 そっちの方が皆よっぽどイヤだっての。
[彼から投げられた、毒の混じったような、吐き捨てるような言葉>>58に、顔を顰めて、こちらも負けじと言い返す。
ここで引き下がってしまったら、きっと、彼は。拳を握り締めて、秋野の姿を見据える。]
ここで全部綺麗さっぱり解決出来るなんて思ってねぇよ。 帰って、そっからちゃんと向き合おうとかも思わねぇのかよ、お前は。
[>>59歪んだ笑みに、かっとなって、甘ったれんな、と吐き捨てたくなったのは、ぐっと堪えて。 はぁ、と息を吐く。ふつふつと煮えたぎる嫌な気持ち達を、押し殺す。]
(60) 2015/06/29(Mon) 01時半頃
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[それでも、流石に。 最後の問>>59だけは、言葉に詰まって。
答えなんて、決まってる。 けれど、きっと、彼にとってはそうじゃない。 悲しいかな、自分の悩みと重ねてしまった答えは、喉に貼りついたかのように、出て来てくれずに。]
……ねーよ、そんな自信。
[辛うじて絞り出した本心は、吹き付ける風の音にすらかき消されそうな程で。 あぁ、やっぱり情けないなぁ。と。そう思ってしまった。**]
(61) 2015/06/29(Mon) 01時半頃
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お前の方がよっぽど馬鹿だろ。 もう少し俺らを信じろ、馬鹿。
[返ってきた言葉>>67には、オウム返しのようにそう返す。自分も大概ガキらしい。 あぁ、多分、案外信頼されていなかったらしい事が、悔しいのかもしれない。投げつける言葉がキツくなる前に、自ら口を噤む。
言いたいことは山ほどあるし、なんなら一発殴ってやりたいとすら思う。 けれど、七尾が、殆ど自分の言いたい事を言ってくれた。>>72>>73>>74
なら、自分が今言うべきことは、やるべきことは、ひとつだけ。]
……ほら、帰るぞ。 皆、待ってる。
[もう一度、彼に手を差し出す。 それ以上のカッコイイ言葉は帆北たちに任せておこう。 きっと、自分が言うよりずっと説得力がある。**]
(76) 2015/06/29(Mon) 16時半頃
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……んじゃ、帰るか。
[力任せに握られた指先>>78が地味に痛い。 けれど、振り払うことはせずに、踵を返す。
聞こえた感謝の声には、小さく笑って。それ、皆に言えよ、と軽い調子で返した。]
……捜すか。二人とも。
[帆北>>82の言葉に頷いて、歩き出す。 朝から見当たらなかった辺りで、薄々気になってはいた。多分、二人は先に帰っているのだろう、と見当をつける。
出来ることなら穏やかな帰り方をしていて欲しい、なんて思う辺り、相馬のマネキンに与えられた傷は深いのかもしれない。それに関しては誰かを責めるつもりは毛頭ないのだけれど、ただ、衝撃的だったという話。
彼らを探すために、屋上から校舎に足を踏み入れる。 握られた手を、離すことはしない。**]
(83) 2015/06/29(Mon) 21時頃
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[見つけた2人のマネキンは、無傷かどうかはさて置き、どちらも安らかな顔をしていたようで。 良かった、と息を吐いて、そうして、目の前の―離した手をマネキンに重ねた友人>>88を見遣る。
――いやぁ、微笑ましい。素直に思う。 にやりと意味有りげに笑って、けれど、敢えてからかうような真似はしない。馬に蹴られて死にたくはない。]
……じゃあ、そろそろ帰るか?
[そう言いつつ、足を向けるのは昇降口の方向。異論がないようなら、歩き出す。 手は離れたけれど、もう、心配はしていなかった。*]
(91) 2015/06/29(Mon) 23時頃
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―昇降口―
[昇降口の扉は、まるで何もなかったみたいに、いとも容易く開いて。 そうして、その向こうに足を踏み入れる。
扉の向こうの世界はどこか不透明で、何があるかも分からない。 けれど、ためらうことなく、その世界に飛び込んで。
――暗転**]
(99) 2015/06/30(Tue) 00時頃
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