198 冷たい校舎村4
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─ 8時50分:3-1教室 ─
[ 丁度パンを食べ終わったころ。 遥が近づいてきては話しかけてくる。>>9
俺の推測はぴょんぴょんと、飛び回っては皆の耳に入っているらしい。 精神世界って、……待っていたその言葉の続きはチャイム>>#0によって掻き消される。
遥に向けていた視線を、思わず上へ向ける。 8時50分を指す時計。 可笑しい、夜は鳴るはずがない、のに。 眉を顰めては、何だろうなって、遥に問いかけようとした、時。
鈍く、重い音が聞こえた。>>#2
なんだ、今度は何が起こったんだ。 本日二回目のチャイム。 一回目で閉じ込められたのなら、二回目で解放してくれはしないか。 なんてことは無理だと、何となく分かっちゃいるけれど。 ]
(69) 2016/09/17(Sat) 04時頃
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待て遥、俺も行くから。
[ 目の前に居た彼女の、その肩が跳ねていた事。>>12 見逃すことが出来る程、俺の目は悪くない。
慶太と>>15、清花と>>17、零と>>18。 さゆりは行くと言っただろうか。 とにかく教室に残ると言ったひな子>>25と様子を伺っているような純>>28を置いて、俺は彼女に着いて行くことにした。
そういえば、一度目のチャイムが鳴った後教室を出てはいなかった。 扉を開けて廊下の景色は見たし、J-POPは鳴りやまないし、食べ物の匂いも感じたけれど。 文化祭の風景に入り込むことに、何故か俺は少し緊張した。 ]
(70) 2016/09/17(Sat) 04時半頃
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─ →二階廊下 ─
[ 本当に文化祭の日みたいだ、と思う。 期待と、不安と、興奮が詰まった、あの日。 きらきらと輝く装飾は、生徒たちのはしゃぎ声を思い出させる。
ただ飾り付けられた教室にも廊下にも、俺達以外の人間は居ない。 自分のクラスの宣伝に回る馬頭も、喫茶店の中のメイドも。 ただ、俺達だけの足音が響く。 賑やかで、明るいのに、そのことに言いようの無い物寂しさを感じた。
これが、ホストの作った世界、なのだろうか。
既に歩き回っていた皆とは違い、周囲を見渡しながら。 先陣を切る遥とは逆、一番後ろをゆっくりと歩く。 だから、“それ”に気付くのは、少々遅かった。 ]
(71) 2016/09/17(Sat) 04時半頃
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─ 二階廊下 階段付近 ─ [ あ、血の臭いがする。 その場所に近づいた時、そう思った。
一般的に、血の臭いを鉄の臭いと表現することが有る。 勿論、そのことは知っているけれど。 茅原臨にとって、血の臭いは血の臭いでしかない。 ハッキリとした血液の馨が、広がっていた。
それを見た時、人が死んでいるのかと思った。 けれど直ぐ、マネキンだと分かった。 つるりとした白い肌は、蛍光灯の光をよく反射する。 そしてその白を際立たせるように、臭いの原因だろう、頭部から流れ出ているのは赤。
現実感の無い光景のなか、ふわりとした思考で考える。 ]
これがさっきの音の正体っつーこと、かな。
[ 投げ掛けた声は、きっと他の皆より、静かな色をしていた。 ]
(72) 2016/09/17(Sat) 04時半頃
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[ 清花の声>>30で、俺は漸くマネキンが治に酷似していることに気づいた。 一度気付いてしまえば、何故今まで気づかなかったと不思議に思う程。 その髪型も、体格も、──右手に握るネックウォーマーでさえ。 今日ともに校舎に入った、須賀治の、それ。 パッと見て思い浮かばないなんて、俺案外この状況飲み込めてねえのかも。
遥の腕をつかむ清花>>29と、不安げな慶太を撫でる零>>34。 俺は何となく、その様子を見ている。
このマネキンが、治なのだろうか。 状況的に、そう思える、けれど。 よく、分からない。 錆びついたような思考回路は、上手く回らない。
マネキンに近寄る零に続く。 そうして、それを見下ろす。 近くで見ればより一層、治に似ているように見えた。 ]
(73) 2016/09/17(Sat) 04時半頃
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治、……お前、死んだの。
[ 駆け寄ってくる足音>>44に掻き消された呟きは、一番傍に居た零にさえ聞こえたかどうか。
来たのは哲哉と、もしかしたら朱莉、で。 ただ俺はそちらも見れずに、考え込んでいた。
此処が治の精神世界でないとして、他者の精神世界で死んだ人間はどうなるのだろうか。 現実でも、死んでしまうんじゃないだろうか。 資料には何て書いてあっただろうか。 思い出せない、分からない。 もしかしたら──取り返しのつかないことになっているのかもしれない。
今になって、少しだけ、手が震え始めた。 けれど。 ]
あ、
[ 見つめていたマネキンに上着が掛けられて>>46、それも止まる。 ]
(74) 2016/09/17(Sat) 04時半頃
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[ ごーほーむ。>>47俺達は犬か。 いつもならそう笑ってみせたのに、今は流石に無理。
トントンと進んでいく零と哲哉の会話を耳に入れながらも。 上着から、上着をかけられたマネキンから、目が離せない。 教室に戻ろうと言うけれど、正直此処から離れたくない。
なあ、だってこれが治だったら。 傘の下、赤い鼻をネックウォーマーに重ねて笑った治なら。 置いていくなんて、酷くねえか。
たまらなくなって、傍にしゃがむ。 具合が悪いとか、気持ちが悪いとか、そういうのじゃなくて。 少しでも近くに居たい、みたいな、そんな感じ。
だから、零の提案>>52には同意したし、哲哉の言葉>>64には割り込んで。 ]
……俺、が、運ぶの手伝う。
[ うわ、声、震えた。ダセえ。 ]
(75) 2016/09/17(Sat) 04時半頃
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[ 別に、目の前の風景に体調が優れなくなったわけでは無い。 ただちょっと、動揺してしまっているだけで。 だからマネキンを運ぶのも、多分平気、だと思う。
自分のダサさを自覚したら、頭も少し覚めたし。 教室に行って、残ってるヤツラに状況を説明する必要も、あるよな。 今はちゃんと考えられる。 ]
体育館か。 まー階段近いし、行けるっちゃ行けるな。
[ 今度は震えなかった声。 立ち上がって、零の方を見やるけれど。 コイツのこと、何処に運んでやりましょうか。 ]**
(76) 2016/09/17(Sat) 04時半頃
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/* パソコンの更新が終わらなくてこんな時間に…って思ったけど、まあいつもと変わらないね! みんなの重い話読むの楽しいです。
(-18) 2016/09/17(Sat) 04時半頃
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─ 回想:三歩進んで二歩下がる ─
……なんっだそれ。
[ 口説き文句かよ、阿保か、と。 文脈的には全く違うとは分かっているけど、“綺麗な顔”>>400とかいうワードは中々、だ。 そんな台詞言えちゃうなんて、お前やっぱ役者向いてんじゃねーの。 俺は呆れたような顔をしていた、と思う。 ]
ふーん。 でも、まあ、必要にされたいとか頼りたいとか。 確かに寒いけど、人間としては当たり前の欲求じゃね?
[ 誰だって持っている筈のそれ。 逃げるように一歩下がる零に、ただいつもの世間話のように告げる。
なんだっけ、その辺の勉強はしていないから、覚えていないけど。 ナントカの五段階欲求、だかなんだか。 ピラミッド型の図を頭の中、思い浮かべる。 ]
(123) 2016/09/17(Sat) 14時半頃
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悩んでやるよ、ダチだし。
[ あくまで軽く口にしては笑って、見下ろす瞳の奥を見つめる。 笑みが移るように零の口角が上がって>>403。 けれど放たれた言葉は、条件付き。 ]
……つれねーな。
[ ハアと息を吐きながら、肩を竦めて、諦めるように一歩下がる。 クソ真面目っぷりはクラスに知れ渡ってる訳で、そんな俺がサボるなんて行動を自分から言い出せるかっつー話。 相談口には自分から来ちゃくれないらしい。>>404 ]
髪崩れるからやめろって。 つーか、こういうのは女子にやれよバカ。
[ 素直に撫でられては、また呆れたように笑って。 ]
(124) 2016/09/17(Sat) 14時半頃
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[ 頭へ伸ばされる手に、身構える事も、眼を強く瞑ることもしない。 零は、零の手は俺を殴らない、理解している。 此処は学校で、安全な場所。 そもそも、顔を殴られることは滅多に無いのだし。 ]
まー、気が向いたらいつでもご相談を?
[ 全部一人で受け止めてたら壊れるって、それはお前の事じゃねーの。 頼る先無きゃ困るんだろ。 いっそ責める口調で、零の深部を暴くことを望むような言葉が。 喉まで出かかっては、飲み込む。
すっかりいつもの顔をした零。 俺も普段通りの顔をして、返す。 “俺が頼れば、零も頼ってくれるかもしれない”。 表面上しか受け取れない俺の脳内に、そんな発想は思い浮かびもしない。 ]*
(125) 2016/09/17(Sat) 14時半頃
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─ 現在:二階廊下 階段付近 ─
[ 零が頭を持ってくれるようだから、俺は足側に回る。 未だ血液の流れる其方を受け持ってくれた気遣いは、分からなかった。
無理しないでと言う遥>>89と、気を付けてと言う慶太>>104。 それぞれに、当たり前、と、了解の言葉を返して。 そのまま足を持とうとするけれど。 ]
な、朱莉!
[ 逃げるように行ってしまった彼女>>100に意識が逸れる。 朱莉の事だから、何の意図もなしに此の場を去った訳では無いだろうけれど。 片付けるって、何をだ。 マネキンと朱莉の逃げた方向を、交互に見やる。 いや、多分、マネキンを移動させてからでも大丈夫、な筈。 ]
(135) 2016/09/17(Sat) 16時頃
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いや、俺は平気。 朱莉も気になるけど、先にマネキン持って行こう。
[ 零の声>>114には、そう答えて。 治と同じ格好をした、その足首を掴む。 触った感覚も、重さも、人のそれとは違うけれど。 ]
ん。そう、信じとく。
[ “死んでない”。 その言葉は胸の内、じわじわと滲んでいく。
半ば無意識に呟いた言葉は零には届いてしまったようで。 治は死んだのか、死んでいないのか。 これは治なのか、ただのマネキンなのか。 ぐるり、回る思考に、いったん打ち止めを。
そうして、俺は零と治、のようなマネキンと、廊下を後にする。 ]
(136) 2016/09/17(Sat) 16時頃
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─ 体育館 ─
[ 誰も居ない階段を、下りていく。 着いた一階の廊下にも、文化祭の装飾。 場違いな懐かしさが湧き上がる。 ]
鏡、ねえんだっけか。
[ 落とされた呟き>>115に、先程純が言っていたことを思い出す。
鏡。 ガシャン、と脳内で音がする。 案外簡単に割れる、それ。 粉々になっちゃったら、片付けるのが面倒なんだよな。 硝子と同じで、気を付けて触ってるつもりでも、いつの間に指先が切れてしまうし。 ]
(137) 2016/09/17(Sat) 16時頃
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ちょっと持ってて。
[ 零に頼んでから、マネキンの足を下して、扉を開ける。 広がった体育館の様子はどんな様子だったか。
ただ、どんな光景だったにせよ。 再び足を持って移動して、人目のつかない場所にマネキンを横たわらせたとき。 遺体安置所みてえ。 あまりにも不謹慎な思考回路が、混じる。 ]
……さーね。
[ 何がどうなっているのか>>117は、俺も、分からない。 人の居ない閉じ込められたのは此れが誰かの精神世界だからで、一瞬にして文化祭の装飾が施されたのはホストの意識の反映だとして。 ──なら、このマネキンは? ]
(138) 2016/09/17(Sat) 16時頃
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……俺らのこと、 恨んでるのかもな。
[ 楽しくなかった、文化祭を見せつけて。
本当は楽しかったのではないかと、考えているクラスメイトもいる事を俺は知らなかったけれど。 それを聞いたとしても、俺の考えは変わらなかっただろうし。 だって、死ぬ、その時くらいは。 嘘をつきたくはない、んじゃないだろうか。 ]
閉じ込めて、……殺してしまいたい位、 憎んでる、とか。
[ 一緒に死んでくれ、と何方がマシなのだろうか。 怒りを覗かせる零の声>>118とは違って、沈んだ声を出す。 ]
(139) 2016/09/17(Sat) 16時頃
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一緒に死んでやることは流石に出来ねえな。
[ 横たわる治のようなマネキン。 治だったら、どう答えるんだろう。 無機質なそれは口を閉じたままで、聞くことは出来ない。
“死んでくれ”。 言われる姿を想像する。 例えば今傍にいる零にとか、治にとか。 遥に、慶太に、清花に、哲哉に、朱莉に……教室に居る純、さゆり、ひな子。 その姿は次々に変わっていき、最後、思い浮かべたのは──。 ]
……出来ない、よな。
[ 繰り返し呟いた言葉。 一回目のそれよりも、自信の無い声を溢した。 ]**
(140) 2016/09/17(Sat) 16時頃
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血を流したマネキンが、 治に似ていると気付いて酷く動揺してしまったのは。
母も、父も、……弟も。
俺はまだ無くしていなくて。 喪ったことが無いから。
何かを失うって、こんなにも怖いことなのか。**
(144) 2016/09/17(Sat) 16時頃
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/* 凄く寝てた(真顔)
ウワー頼ってと言ってもらえた…目標にしてたから良かった…設定特盛男のくせにわりとそれだけで悩み解決する…ありがとう零…でも飯離脱するごめん…
(-27) 2016/09/17(Sat) 19時頃
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─ 回想:ともだち ─
なんでもねーよ。
[ まるでわかっちゃいない口調>>156に、手を振って受け流す。 零って女子勘違いさせてんじゃねーの。 何て予想は外れてた、らしいけど。>>0:191 ]
別に? 委員長も親の期待に応えるためにやってるし。
[ “そういうの”、承認欲求のことだと思って答える。 これだけじゃ望んでやってないみたいかなと思って、まー楽しいけど、と付け足す。
まとめ役とか、リーダーとか。 進んで受け持ってきたけれど、いろんな奴と絡めるのは実際楽しい。 別に嫌々やっている訳では無い。 ]
(214) 2016/09/17(Sat) 23時半頃
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慶太の所為って……距離感可笑しくね?お前ら。 いや、幼馴染ってそんなもんなの?
[ 俺には居ないからよく分からないけれど。 それにしてもどうなの、とは思って疑問。
そうして続く雑談は、いつまで伸びて行ったのか。 進んで下がっては少しずつ縮まる距離。 俺は割とクラスメイト全員友達、みたいに思っている節があるけれど、クラスの中でもよく話す友達という認識に変わっていった。
頼ってくれと言ったことも、サボったらなと言われたことも、覚えてはいた。 けれど、“よく話す友達”以上にはならない存在。
誑かす言葉は、ただサボりを誘うものだったのか。 それとも、……遠回しのSOSだったのか。 目まぐるしい日常の中、思いつく事は出来なかった。 ]*
(215) 2016/09/17(Sat) 23時半頃
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─ 現在:体育館 ─
[ 鏡に思い入れがあるやつ、か。 零の話>>159を聞いて、考える。
零、とか、鏡の前でしょっちゅう純に練習させられていたし。 この文化祭の装飾からして考えると、思い入れは無くは無いんじゃないか。 無理やり大変な練習をさせられて、“楽しくなかった”とか。 いや、その点では、純も同じ、か。 でも練習は、そんなに無理をするようなものではなかった筈だ。 なら違う?分からないな。
先はホストを見つけてどうするのか、と言っていたけれど。 このマネキンが出てきた今、事情は変わった。 見つけなければいけない、気がする。
そう考えていたのだから、よく通る声で言葉>>160を突き刺されたとき、 ]
(216) 2016/09/17(Sat) 23時半頃
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──っ、
[ 酷く、動揺した。 かち合った瞳の見つめる視線を、離す事は出来ない。 ただ恐れるように、一歩後ずさる。
死ねるの?と聞かれて……死ねる、と思った。 零に、言われただけで、こんなにも衝動的に。 こんなにも死にたくなるなんて、知らなかった。分からなかった。
“ただの友達”に言われて此れなら、──もし本当に弟に言われたのなら。 俺は、……きっと。 いや、でも言われていない筈だ。そんな記憶は無い。 けれど、此処は精神世界。 鏡を消し去れるように、自分の辛い記憶も消し去れるなら?
死んでいない、自信はあった。 その自信が、今、揺らいだ。 ]
(217) 2016/09/17(Sat) 23時半頃
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[ 全部、失くなる、と零は言う。>>161
失うのは、怖かった。 マネキンは、このマネキンは、治のように思えて仕方が無くて。 こうして話してる今も、誰かが体育館に駆け込んできて。 治が居たよ、マネキンは悪戯だったよ、と話しかけてくれることを何処かで期待している。
けれど広い体育館には零と俺の声しか響かない。 誰かが駆け込んでくる足音は聞こえない。
ホストも、俺達は失ってしまうのだろうか。 失う怖さを知ってしまえば、誰かも知らないその人の、手を、肩を、掴んでしまいたくて仕方が無かった。 ]
(218) 2016/09/17(Sat) 23時半頃
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[ 体育館に響く声>>162を頭の中で繰り返す。 探して、尋ねればいい。 逃げるなら、追えばいい。 俺を頼りにすればいい。 だから、──零たちを頼る? ]
……はあ? [ それはまるで、異界の言葉のように思えた。 だって、皆を頼るなんて、そんなこと。 ]
(219) 2016/09/17(Sat) 23時半頃
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[ ──思い浮かぶことも無かったんだ。
だから素っ頓狂で間の抜けた声を上げたのを、どうか許してほしい。 ]
う、わ。
[ 手を伸ばされて、髪を乱されて。 沈んでいた思考はいつもの調子に戻る。 やめろバカ、って言いながら、零の手を払って。 気付く。お前、手、震えてんじゃん。 ]
……零達の事頼るとか、考えたことも無かった。
[ 可能ならその手首を掴んで、そうして呟く。 思考の端にも存在しなかった選択肢。 その選択肢を与えられた今でも、選ぶのかと言われたら。 ]
(220) 2016/09/17(Sat) 23時半頃
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頼るって、難しいな。
[ 心の底からそう思う。
過去自分を頼って相談してくれた友人たち。 どれ程の勇気をもって俺に打ち明けたのだろう。 俺はちゃんとその不安に対する程の価値を、応えられたのだろうか。 自信が無かった。でも。だからこそ。 ]
……なあ零、こっから出られたら 明日の授業、サボってやるよ。
[ だからお前も頼れ、と言外に告げて。 ニヤリ、口角を上げて、その瞳を見つめては笑う。 何なら今からサボっても良い。 授業が無いのだから、何をサボればいいのか分からないが。 ]
(221) 2016/09/17(Sat) 23時半頃
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[ チャイムが鳴って、閉じ込められて。 この状況が理解しがたいのは変わらない。
けれど、失う恐ろしさを知り。 頼るという選択肢を知り。
俺はこの冷たい校舎に ほんの少しだけ感謝し始めた。 ]*
(222) 2016/09/17(Sat) 23時半頃
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/* はにかむ零が可愛くてでもバカみたいにが怖い(好き)
なんかもう皆煮詰まってきて、あああ他人を頼ってもいいんだぜと声を大にして言いたい…! 一人で悩むことなんてないんだぞ…もっと相談していこう…清花の悩みだってちっぽけじゃないじゃん…しんどいじゃん…!?
(-60) 2016/09/18(Sun) 01時半頃
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