97 wicked ROSE 【ハジマリの五線譜】
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[レクイエムが聴こえる]
……、
[楽人《チェレスタ》は、《奏者》を失い、すなわちその存在は、すでに「イディオ」でなくただの楽器《チェレスタ》だった。 ゆらぁり、ゆら、と聖堂十字の角にその身を揺らしている。]
……――――
[《キズナ》も《調律》も失い、喉を傷つけた楽器は、もはや天使の声《チェレスタ》として何も歌っていない。]
(13) 2013/10/04(Fri) 03時頃
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[意識のどこか遠くで、音を聞いている。 高く響く、音波にも似た鎮魂歌。天空より降る降る、嘆きの歌。 抗うアリア、力強くも荒くはなく、音波を和らげる。 聖堂自身の壁、天井、茨、蔦、何もかもから、かすかな震えとなったパイプオルガンすらも聞き。 複雑に混じり合った音律は、わずかな不安を招いた。]
[きし、と十字架が軋む]
(20) 2013/10/04(Fri) 03時半頃
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[軋む十字架が、案外と粘りを持っていたのか、それとも体鳴楽器ゆえの軽い身体が十字架への負担を減らしたのか、どちらか。 アルトが屋根を登りチェレスタに触れるまで、不安定に浮いたままの身体はまだそこにあった。]
……――、
[しかし、どう動けばいいのかわからない。 下手に降りようとすれば折れるだろうし、そもそも動くだけの気力ももう少ない。
ただそこに、吊り下がっているだけの存在。]
(29) 2013/10/04(Fri) 04時頃
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Help《たすけて》、
[嗄れた、痛む喉で。 がさがさに掠れた歌を、ほんの一語だけ歌う。]
(30) 2013/10/04(Fri) 04時頃
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[伸ばされた腕を、見下ろす。 足が掴めるかどうか、くらいの高さまでしか伸びてこない腕。 吊られている、という状況は、手足が自由であるにも関わらず、それ以上動けはしない。
目一杯にチェレスタも腕を伸ばす。 みしり、めき、ぎし、ぎぎぎぎぎ。
限界をとうの昔に超えていた十字架が、ついにスータンどめとしての役目を終え、チェレスタは中空に放り出された。]
[再び
*落ちる*]
(32) 2013/10/04(Fri) 04時半頃
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/* あ? もしかして、最終日? まじ? うそ いやアルトさんとオルガニストさんが師弟で全力の復活劇を見せてくれるんだろ? そうだろ?? そして無事に死にたい おいしく食べられたい 寝返って裏切って盾になって死にたい でもあれだな やっぱ作ってきた設定がちょっと生存向きすぎて序盤でなかなか死ねん感じだわ それとも鱗じゃなくてはじめからどっちかにぺたっとくっつけば言えたのかな ああそれだと言えた気もするかな
何にせよ早いうちにやろう! エピには持ち込まない! Yes!
(-19) 2013/10/04(Fri) 04時半頃
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[落ちる。 かかる重力。強い風の圧力に、瞬間意識が飛んだ。 叫び声。何かに抱きとめられる感覚。少しだけ頬が濡れた。 楽器《チェレスタ》は、壊れなかった。]
……ァ ルト……?
[薄く目を開けて、細い声が名を呼んだ。]
(60) 2013/10/04(Fri) 22時頃
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なか な いで、
[ゆるりと指を伸ばす。目尻の濡れたものを拭う。]
なかないで。
[代わりのように、チェレスタの頬が濡れた。]
(61) 2013/10/04(Fri) 22時頃
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アルト――
ぼくを 調律《なお》して
[おそらくは、彼が音域天使《メロディ・レンジェル》――アルトである限り、その調律《キズナ》は結ばれることなかっただろうが。 同時に《指揮存在》を有する彼ならば、あるいは可能性のあること。
それを知りうるだけの知識も、見識もないが、本能が囁くようだった。]
(62) 2013/10/04(Fri) 22時頃
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アルトでたりないなら、オルガニストも、"セシル"も。 ぼくを、調律《なお》して、
[言葉ははっきりとしているが、嗄れたノイズだらけの音。 絞りだす。決意、覚悟。それとも……自覚。]
――――さいごまで、うたいたいんだ
(63) 2013/10/04(Fri) 22時頃
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ばか、じゃないよ。
[つん、と拗ねる子供のように、唇を尖らせる。 それから弱く笑うのは、はじめに彼と出会った時の無知な無垢よりかは、ほんの僅かにだけ大人びた顔。]
アルトがないたらやだから、ぼくがなくの。 アルトのやなのも、こわいも、いたいも、くるしいも、ぼくが"表す"。
[それも、楽器だ。哀しい歌を悲しく歌う。悲しみを代わりに表出する。]
(68) 2013/10/04(Fri) 22時半頃
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だいじょうぶ、ケガなら、だいじょうぶ。
[休養をとるべきの指示には、首を振った。 今が休む時でないのは、わかる。 それに、不完全だったとはいえ、ぶつりと切れた《キズナ》。 このままなら、この体に残された時間も。]
……できなくても、やる。 やってみなくちゃ、わからない、でしょ?
[そう言ったのは、いくらも前ではないはずなのに。 繰り返したら、切なかった。]
(69) 2013/10/04(Fri) 22時半頃
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[降りられるか聞かれて、ぐっと目元を拭って強く頷いた。 蔓とアルトを掴む手は、意志の力を持っている。]
(70) 2013/10/04(Fri) 22時半頃
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/* >>71 行ってもいいんだからやめてwwwwwwwww 行っちゃうよ!!!!!wwwwwwwwwwwwwwww
(-51) 2013/10/04(Fri) 23時頃
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みんなで。
[アルトの手を取る。鎖の光が、眩しく、眩しい。]
[耳に届く、鎮魂歌の音は優しい。 ふらりと、その音に負けずにいられるのは、今目の前にアルトがいてくれるから。]
[ひとりなら、きっと、立っていられなかった。]
(83) 2013/10/04(Fri) 23時頃
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っ……!!
[《未調律》の身体には、鈴の音は毒。 きんと響く音波に、耳を劈かれるようで、アルトに縋る手も離して咄嗟に耳を塞ぐ。
それが災いか、聖堂の壁が崩れる音を、聞き損ねた。 すぐ傍の壁が、がらりと。]
(84) 2013/10/04(Fri) 23時半頃
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――せかいは、
[安息で満ちている。 喜びで、祈りで、満ちている。 まずは脳《あたま》で。その意味を、響きを、理解して。]
せかいは、よろこびで、みちている。
[ほろり、ほろり、静かに歌い出す。 嗄れていた声で、けれど歌ううち、やわらかな色を帯びる。]
(89) 2013/10/04(Fri) 23時半頃
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[踏みしめた大地。随分遠かった気がした。 それでも、不安は襲い来る度溶けていたから、今はもう泣かない。]
イー……シュ、
[その名は、記憶の中には片翼の持ち主だとは刻まれていなくて。 けれど一時でもその片翼を借り受けた身、その《音》が聴こえる。]
(111) 2013/10/05(Sat) 00時半頃
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[喜びを感じたのは、単なる気のせいだろうか。 その考えを否定するように、ゆるく頭を振る。]
Live《生きて》
[ほんの短く歌った歌は、嗄れ声も回復して、声《ヴォイス》の力得る蔦の方へ作用する。 《増幅》の力。声《ヴォイス》自体も増幅しながら、聖堂を包む蔦の生命力を強めていく。
崩壊を免れる、大聖堂。それは"希望"にすら思える姿。]
(113) 2013/10/05(Sat) 00時半頃
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[オルガニストに横槍入れるアルトの後ろ、足は少し竦んだ。 僅かとはいえ調律を得て、大人びた思考は、その場に入ることを躊躇わせる。]
[蔦葉の影で、あまり見覚えのない白鼠を視線で追いかけるだけ]
(116) 2013/10/05(Sat) 00時半頃
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[アルトの視線に、おずおずとした窺いの目線が向けられる。 会話の内容も理解の範疇を超えていて、入り込める気がしていない。]
……"セシル"、いたいの。
[声を出せたのは、その一言だけ。 まだ"アスラン"という存在すら、明確に認識していないチェレスタの、惑うような声。]
(132) 2013/10/05(Sat) 01時半頃
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/* まって! めっちゃおいていかれてるwwwwwwwww まってwwwwwww
(-59) 2013/10/05(Sat) 02時頃
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[鼠が幾つも幾つも知らない言葉を並べ立てて、くるりと丸まるまで。 一部始終を見ていたチェレスタは、彼の眠りを話の終わりと理解する。]
……"セシル"、いたい、の?
[改めて、問いかける。 聖堂内に踏み入る勇気なくとも、安否は気にかかっていた。]
(140) 2013/10/05(Sat) 02時頃
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ほんとう?
"セシル"も……ぼくを、奏でてくれる、のかな。
[目覚める、と聞けば、安堵したように力を抜いて笑って。 一歩、一歩、聖堂の中にようやく入ってくる。 アルトの表情は難しく見えたが、今の現状心底から安堵するなどというのは無理なのだろうと、そう解釈した。]
(146) 2013/10/05(Sat) 03時頃
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――――ぼく、うたう、から。
だから、一緒にいてくれたら、うれしいんだ。
[アルトが抱えたままでいる身体に、そっと頬を寄せる。 ぬくもり、鼓動、それらが生を伝えてくるのに、笑う。]
……やらなきゃ、でしょ。 みんな。
(147) 2013/10/05(Sat) 03時頃
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……アルト。 さいごまで、ぼくを調律《なお》して。
これがぼくのさいごだから、さいごまで。
[目覚めない身体を包み抱くアルトに、静かに告げる。 半ばまで調律された声は、まだ細くはあったが、小夜曲のきら星のようなまたたきを伴って。]
――――それから、
(152) 2013/10/05(Sat) 11時半頃
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Call my name《なまえをよんで》
[アルトの指に、手に、自分の指を手を絡める。 繋がりあう、右の手。鎖に縛られない、彼自身の手。 きゅ、と握って、身を寄せた。]
(153) 2013/10/05(Sat) 11時半頃
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[触れ合う、繋がる、共鳴《シンクロ》する。 深層意識の共有。チェレスタ自身が知り得ない、ほんとうの名前《キーコード》
奔流のような、あたたかく静かな、切ない記憶。 髪をなでてくれる、居場所を整えてくれる、――傍にいた老女に死が訪れるまで。 チェレスタを構成する欠片が、断片が、アルトの意識に流れ込む。 その中に、気を抜けば聞き逃してしまいそうな中に、必ずあるはずだ。]
『あなたのお名前は――――』
(154) 2013/10/05(Sat) 11時半頃
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『至上の天空《セレスト》』
(-63) 2013/10/05(Sat) 11時半頃
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[チェレスタはアルトの手を握ったまま、ほんのりとはにかんでいる**]
(155) 2013/10/05(Sat) 12時頃
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