251 洋墨と躍れ、心の随に
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―日暮れ前―
……?
[我が父の「幻獣辞典」を手に取り読みふけっていた私は、釈迦の生誕を予言した象について記載されたページに栞代わりの紐を挟み、顔をあげました。
他でもない、私を呼び出した書記官殿>>0:376です。
ただじっと座っているだけで、こちらに話しかける様子もなかったのですが、本を私の目の前に置かれたとあっては顔をあげないわけにはいきませんでした]
この本は、もう小一時間もあれば読み終わります。 無論、読もうと思えば私は宇宙が終わるまででもここに座り続けている事ができるでしょう。 まるで眠りにつくとともに世界を終わらせる事のできるブラフマンの神のように。
(52) 2018/10/10(Wed) 21時半頃
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そういう意味では時間などはいくらあっても足りませんが… 閉館時間ですね。わかりました。 その時までには席を立ちましょう。
あるいはご一緒しても良いのですが。
[確かに私は本の虫ですが、それでも存在理由(レゾンデートル)を無視するほど見境のない亡者ではありません。
背もたれにもたれ、だらりと黒髪を垂らす書記官殿>>0:391を一瞥し、私は再び本に視線を戻しました。 ただし、すぐに机に置かれた別の書物に視線を映しました]
(53) 2018/10/10(Wed) 21時半頃
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なんでしょうね、この本は。見慣れない文字です。 これはお借りしても良いのですか?
[是の意を聴けたなら、本を手に取りました。アカシャの髪と題されているようでしたが、中身を見てみない事にはそれが聖典であるのか、文芸書であるのか、評論であるのか、全く判別は付きません。]
私が力の「一篇」を使ったなら、読み解けるかもしれませんが。
[今この場で目を通しても良いのですが、それを読むのはひとまず後回しにしておきました。]
(54) 2018/10/10(Wed) 21時半頃
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―しばし後―
[紙片は私の肉、洋墨で書かれた文字は私の血液。ですから、私にとって文字とは指でたどるだけでも豊かに脈打ち、内に流れ込んでくるようなものなのです。さして時間もかけず「幻獣辞典」を読み終える頃、書記官殿が立ち上がり>>30、立ち並ぶ背表紙を指で撫でるのを目で追っていました]
こうして人の姿を取ってみると、図書館というのは黴臭く薄暗く、まるで地下墓所(カタコンブ)ですね。であれば書架はさしずめ納骨堂でしょうか。ブックスタンドは柩ぐらいでしょう。
しかし…いかに朽ちて見えようとも、手に取る人間さえいれば私達は読者ごとに異なる姿を取りつつも、その都度生命を取り戻すのですから、面白いものです。
(63) 2018/10/10(Wed) 22時頃
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ところでそろそろ時間なのでは? 私もお供いたしますが。
もしくは、どこに向かうか、何をするか、用命がありましたらそれでも構いませんけれど、書記官殿。
[私は簡潔を好みます。極めてハイパーテキスト的な文学なのです。
数分で語り尽くせる着想を、500ページにわたってくだくだしく話す事は狂気の沙汰に他なりません。父がそう考えた通り、私もそう考えています。
しかし私にも少しばかり人間じみた茶目っ気がないわけではありませんので、やたらに形式ばって恭しく書記官殿の前で一礼してみせました。
それはさながら、ファウスト博士を前にしたメフィストフェレスのようなものだったでしょう*]
(64) 2018/10/10(Wed) 22時頃
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私は現実と幻想の狭間にあって、その境をぼやかしつつ、 浮かび上がる八篇の迷宮によって世界を存分に攪乱してみせましょう。
それは全て、人間に読まれることなく消え去った、もはや空想のバベルの図書館以外のどこにも存在しない書物達へ視線を注ぎ、ただ私の好奇心を満たすがために。
(*9) 2018/10/10(Wed) 22時頃
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―図書館の外―
先程見せていただいた本は…なんでしょうね。随分と内容が凝縮された本のように思われましたが。
[私は書記官殿と連れ立って図書館を出て歩いていました。先ほどの黒い本は、今は書記官殿の片腕の中に納まっています]
圧縮性を最優先に構築された文字体系なのですか?アルファベット数字を一文字に圧し固めたか、あるいは漢字のような表意文字に、さらに複数の意味を持たせたものでしょうか。どちらにせよ、人間の話言葉には極めて不向きです。正に記録のために編み出されたものと言わざるを得ない。 無論、原理的には一本の爪楊枝に一本の線を引くだけで、その位置によって百科事典の記述を全て記録してしまう事もできるわけですが……
(114) 2018/10/11(Thu) 00時半頃
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いえ、話が脱線しました。
[私は論理的ですが、その話はともすれば、己の舵取りの思うに任せず脇にそれていってしまう事もあります。これは父から受け継いだ、悪い癖なのです。しかし、それにも関わらず私の話を聞いてくださる>>87のは有難い、文字通り稀有な事でもあります]
無論私達書物には、人間に手に取る気を起こさせる誘因力があります。しかしそれも、結局は人間のうちなる者にほんの僅か働きかけるだけの事ですから。それを書物の生存本能と表現するのも、一つの解釈ではあるでしょうね。
あなたが私の話などを面白がってくださるなら、いくらでも話はできますが…
(116) 2018/10/11(Thu) 00時半頃
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[そんな、衒学性に淫したような話をどちらかと言えば私の方が一方的に喋りながら (とは言え、私はまだまともな方でしょう。父は初対面の日本人にやおら俳句と俳諧の違いについて尋ねた事もあるそうですから)、 二人して>>87>>89古びた紅絨毯の上を歩き、清浄な夕暮れの風を吸いながら夕陽に背を向けて歩いていると、まばらな人影に交じって、ふと異質なものの気配が存在する事に私は気づき、足を止めました。
彼ら>>49>>98二人の男は、主に傍らの書記官殿に注意を向けているようで、私にはまだ注意を止めていないようでしたが]
(122) 2018/10/11(Thu) 01時頃
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あの方々は私と近いものを感じます。 ……人間ではありませんね? であるならば。あの方々が書記官殿のお呼びになった方なのでしょうか。そうでしたら私、気になるので眠りも飲食もせずに語り明かしたいところなのですが。
[そこまで言って、どうもこれは勝手が違いそうだ、という事に私は気が付きました。抹消された書霊というわけではなさそうです]
……であるならば。あの方々は一体何者なのです?
……それともあれが、書記官殿が私をお呼びになった理由、と言ったところでしょうか?
[無論、呼び出された理由は熟知しています。しかし、それでもこう早速私が力を振う事になるかもしれぬとは、想像だにしていなかったのですが**]
(123) 2018/10/11(Thu) 01時頃
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シュメール文字は無論わかりますが、ヴィンチャ文字ですか? それは存じませんでした。さすがにお詳しいですね。
しかし、私と共に呼び出したのがJ・フレイザーの金枝編ですか。確かに良いチョイスです。文化人類学のみならず、呪術書としても優れた殊色の作品であると聞き及んでいますので。
どうしましょうね。私も書記官殿と同じく、一個の生命としてのあの方には大変な興味があります。また一つ楽しみが増えてしまいました。
(267) 2018/10/11(Thu) 22時頃
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ああ、無論興味はありますよ。世界が参照を許さぬ書物…その在り方についてもね。
[私達はそんな深淵さは覗かせていても他愛もない会話を続けていた>>158>>160のですが、二人の男性…いえ、イデア的には二冊の書物でしょうか。それが私の求める方々でないことを書記官殿の返答>>162から理解しました]
それはまあ、なんと。おそらくそうだろうとは思っておりましたが。 それで私に言葉や言霊でなく、言刃と言弾を交わせとおっしゃる。
持ってないんですよね、私。その辺りの大したものは…
[とは言え、仕方のない事です。私も書記官殿の横に立ち、彼らと対峙しました]
(268) 2018/10/11(Thu) 22時頃
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[彼らも、あまり言葉を交わさずとも私達の正体に気が付いたのでしょう。氷十字の細剣が紡ぎ出されたのは、>>183私が何かを言う前の事でした。
そして、もう一人の紳士は…]
銃ですか。霧が凝縮して言弾となる…… その霧は文明の匂いが些かします。倫敦の瓦斯灯の光を淡く浮かび上がらせる類の霧ですね。 貴方がいかなる方であるかは存じ上げませんが……
[旧時代のリボルバー然とした言弾ですが、無論威力は現実のものとは随分違う事でしょう。グリップに手をかけ、臨戦体勢であるとなっては、無論私も徒手空拳で泰然としてはいられません]
どうしましょうね。それでは……
[ここは思案どころです。何しろ、私はあまり特筆するような言刃も言弾も持ってはいないのですから]
……ふむ。わかりました。
(269) 2018/10/11(Thu) 22時頃
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書記官殿、そちらはお任せいたします。
[もう一人、氷色の細剣を構え凍てつく炎を振う>>266男は書記官殿にお任せする事としました。 それですら手に余るというのなら、いかな洋墨に慣れ親しんだ方と言えど、身一つで世界に干渉するには無謀な、さながら風車に挑むドン・キホーテのようなものでしょう]
ドン・キホーテ。なるほど。 えてして妙案と呼ぶべき天啓が下りましたよ、今私に。
(272) 2018/10/11(Thu) 22時半頃
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そう、ドン・キホーテです。
[私は右手を前に差し出しました。羊皮紙の如き皮膚一枚通した内側で、私に流れる血漿、銀灰色の洋墨が湧きたちます]
私は虚構と現実の狭間に浮かび上がる迷宮。 私の臓器たる私の一篇はすなわち
「ドン・キホーテの著者、ピエール・メナール」。
私という迷宮は、この一篇にて虚構と現実の狭間に立ち上る。
【そうして、私の掌に蟠るのは霧。
ベイカー街221bを擁するロンドンを思わせる 油滴混じりの霧が、徐々に形作るのは、 幾度となく冒険の窮地を救ってきた軍用拳銃。 自動拳銃が幅をきかせる前の、回転式である。】
(273) 2018/10/11(Thu) 22時半頃
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なるほど。これが貴方の言弾ですか。
へえ……私の手には少々大きいですが、なかなか使い込まれた、良い代物であると推察します。 貴方が扱うのであれば、全く馴染むものであるでしょうね。
…それで、どうしますか。貴方と私、これで撃ち合いますか。 それもまた一興ではあるでしょうね。私も足止めぐらいの任は果たせるでしょうし。
[私は自分の手の中に握りこんだ拳銃をしげしげと見つめ、その機能美とも呼ぶべき在り方に溜息を洩らしました。
私の手の中には今や、目の前の彼が手に持つものと寸分違わぬ…というより【本質的には全く同一の】回転拳銃の形をした言弾が握られており、その銃口を彼の方に向けていたのです*]
(274) 2018/10/11(Thu) 22時半頃
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[私は書霊ではありますが、この私という短編集は虎が皮を残すように、死して歴史に名を残す文豪達の作品にはまるで及ばないのです。 ドストエフスキーやシェイクスピアはおろか、ヘミングウェイにだって遠く及びません。 何しろ我が父ボルヘスの読者の数と言ったらヘミングウェイの14041分の1なのですから。
しかし……それは幸運な事でもあったのです。その無名さゆえに、私は大衆に迎合し、その力の純粋性を喪わずにこうしてあるのですから。
私は他と渡り合うほどに明確に強力な言刃や言弾を持ちません。が……]
(336) 2018/10/12(Fri) 00時半頃
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向こうは、随分と派手にやっているようですが。貴方はどうです。 それとも、私を読み解こうとしているのでしょうか。私が今、貴方に対してそうしようとしているように。
[銃口は男に向け引き金に指をかけたまま、私は口を開きました。別に議論を吹っ掛けようというのではありませんでしたが。 そうこうしている間にももう一人と書記官殿は激しく交戦していましたが、書記官殿の黒髪が地に散り>>304、膝を折る>>309に至っては、視線をわずかにそちらに向けました]
……分が悪そうなら一度転進なさいますか。 それであれば、私が殿軍(しんがり)を務めますが。
[私からは一言、そうとだけ申し出たまでです**]
(340) 2018/10/12(Fri) 00時半頃
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