218 あした、ぼくはきみになる
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─ →学校 ─
[ 俺が学校に着く時間は、それなりに早い。 だって、朝練があるからね。
校門をくぐって、部室に入る前に、 窓ガラスの反射で映る自分を見ながら 風で乱れた髪を軽く整え直す。
どうせ、この後動くんだから、 すぐ ぐちゃぐちゃになるんだけどさ。 一種の習慣。───…… 癖、なのかも。 ]
おはようございます。
[ 爽やかに入室…の筈が。 開けた瞬間、顔面めがけてナニカが飛んでくる それを慌てて取ったものだから……… ]
(!0) 2017/06/04(Sun) 08時頃
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( あ、 早速乱れてる )
[ ちらり 、と自分の髪の心配をする。 一方、ボールの発射台。という名の先輩は ]
『 明野!!!お前まぁた補習引っかかったって!? いい加減勉強なんとかしろって言ってんだろ! 』
[ と、宣うていらっしゃる。 ]
先輩、世の中には何ともならないこともあるんです。 例えば、一学生である俺には、 他国の戦争が止められないように……
[ なんて、冗談で返してみれば、 次は凍らせたペットボトルが飛んできた。 躱せたからいいけど、 躱せない人だったら、今頃鼻血ものですよ? ]
( うわ、想像しただけで、ダサいし痛い。 )
(!1) 2017/06/04(Sun) 08時頃
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部活の時はバスケの事だけ考えましょう 先輩だって、進路の話されたらいやでしょう?
[ そう進言してみましたところ、 タオルの攻撃が飛んで参りまして これは、正解の発言だったみたいだ。 ]
『 まぁ、そうだけどさ。 2年生にとって、スタメンとかにも響くし この夏の間に何とかしろよ? 俺たちも安心して引退できないからさ 』
[ だってさ。それは確かに、一理ある。 今、俺たち2年生はスタメン争い真っ只中 不利な要素は、減らしたほうがいいよね。 ]
(!2) 2017/06/04(Sun) 08時頃
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( でも、応援されるなら もっと可愛い子に応援されたいなぁ。 )
[ 例えば、通学路で猫と戯れる、 柔らかい方言を使う女の子とか。 短い髪を揺らしながら、 グラウンドを駆ける部活女子とか。
少なくとも、後輩に鈍器を投げつける 先輩なんかより、よっぽど頑張れそうだ。 ]
(!3) 2017/06/04(Sun) 08時頃
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[ なんて、ぼんやり考えながら部活に勤しめば、 先輩のパスが、顔面に当たった。
赤くなった額と鼻を冷やしながら、 自分の教室に行けば、友達に笑われる。 第一印象なんてあったもんじゃあないよね…。 ]**
(!4) 2017/06/04(Sun) 08時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2017/06/04(Sun) 08時頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2017/06/04(Sun) 08時半頃
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/* 頭起こして、ばぁか……… すみません………
(-2) 2017/06/04(Sun) 08時半頃
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─ 方言の彼女 ─
[ 朝練に行く途中の通学路で、 地面すれすれに顔を寄せながら、 方言で猫に話しかける同じ学校の人。
そんな人を見つけたら、 覚えてしまうのは仕方のないことだと思う。 しかも、部活の先輩の知り合いのようで>>!18
挨拶をしているところを見かけたから ]
(!19) 2017/06/04(Sun) 19時半頃
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あの人、先輩の知り合いですか?
[ 何の気なしに訪ねてみれば、 先輩がクラスでの事なんかを話すものだから 自然と彼女のことを知ってしまう。 偶然? いや、もしかしたら、 彼女を通学路で見かけたのは必然だったのかも
なんて、運命的に言ってみたり。 ちょっと、青春の香りがするたろう? ]
(!20) 2017/06/04(Sun) 19時半頃
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[ そのさらり、 と揺れる髪を初めて近くで見たのは 先輩に連れられて、俺の参考書を買うために、と 無理やり連れて行かれた本屋だった。 ]
『 入部 眞琴 』
[ 聞いてないのに、先輩が名前を教えてくれた。 それが、多分ちゃんとした初対面だったはず? ]*
(!21) 2017/06/04(Sun) 19時半頃
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─ 教室 ─
[ 真っ赤な鼻を友達に笑われながら 手で隠そうかと思ったら、 前方から来た人間に追い打ちをくらう。>>!17 ]
これも努力の賜物だよ 先輩からの期待のこもった激励って所かな
[ 「 ほら、俺ってエース候補だから 」 赤っ鼻のせいでこれ以上 赤っ恥をかくのはごめんだから、 冗談の1つでも行ってみようとしたのに…… ]
つ ッ─── めたぁ!?!
[ 口から出たのは、なんとも情けない声。 けど、その冷たさは嫌じゃあないね。 ]
(!22) 2017/06/04(Sun) 19時半頃
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大会があるからこそ、 こんな鼻になっても頑張ってるんだよ。
そっちも大会あるんだよね。 調子はどう?
[ 振り返って奇襲者をみれば、 ぺらぺらのノートや教科書をしまう姿。>>!18 ペットボトルは冷たいけれど、 俺の鼻を気遣ってくれる彼女の心は温かく感じる
気遣ってるかは俺の勝手な決めつけだけど。 口に出さない人間の心なんてわからないんだから ポジティブに捉えるのが一番だよね。
俺が赤鼻のトナカイなら 彼女はプレゼントをくれたサンタさんかな? ]*
(!23) 2017/06/04(Sun) 19時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2017/06/04(Sun) 19時半頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2017/06/04(Sun) 23時半頃
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[ 趣味や夢に対して強い反対があったわけでもない。 田舎から引っ越してきたわけでもないし。 親が有名人なわけでもないし。 俺の人生は、極々平凡。
( そもそも、俺はまだ夢が決まっていない。 )
色の見え方も他人と同じで。 自分の才能に挫折したこともなく。 男の子が女の子になることもなくて。 無理やり自分を押し込んだりもしていない。 ]
(!39) 2017/06/05(Mon) 00時頃
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[ よく言えば平和。 悪く言えば…… つまらない?
欲を言えば、もう少しスリリングな思いがしたい。 あぁ、でも ──… 面倒はいやだなぁ。
俺って人間は、いつもそう 宙ぶらりんの、中途半端。 父さんや母さんの言葉に反抗しないのも 決められたレールを進んでいくだけなのも
それを楽だと思ったから。 ( 脱線する勇気を、持っていないから。 )
かっこ悪いって思う…? 俺は、情けないって思うよ。 ]
(!40) 2017/06/05(Mon) 00時頃
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[ バスケをしたいと思ったのは、 別に、ボールを持てば人一倍目立つとか。 ゴールを決めたら、自分がかっこいいとか。 そういう、一個人の華に惹かれたんじゃない。
ただ…ボールを持って、仲間たちとゴールへ繋ぐ そんな絆が、姿が。羨ましいと思ったから。 皆で、勝利を喜ぶほうが嬉しいんじゃないかって そう思ってしまったから。
実際に1年やってみた感想としては、 先輩は俺の扱いが雑だし。 走り回って髪も乱れるし。 汗かきまくって格好もつかないし。 思っていた青春スポーツとは、とょっと違った。
少なくとも、顔面でボールを受け止める ……… なんで計画は、なかったはずなんだよね。 ]
(!41) 2017/06/05(Mon) 00時頃
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[ ただ、 もし、もしもの話。
天と地がひっくり返ったり、 地と海がひぅくり返ったりして、 俺が俺じゃない俺になったとしたら。
敷かれたレールから飛び上がって、 空を駆ける鳥みたいに。 バスケットゴールよりもっともっと高く コートの端から端までより、 もっと、うんと、ずっと遠く。
そんな場所に行けたのならば、 俺は、もっと違う俺になったりするのかな。
夢と、希望と、ほんの少しの不安に溢れた そんな、素敵な……──── ]*
(!42) 2017/06/05(Mon) 00時頃
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─ 教室 ─
[ 机に頬杖をつく姿は、 お淑やか、穏やか、女性的。 そんなものからは離れているけれど。 女子特有の「男子不可侵の壁」がないように思える ]
最後の見せ場、ね。 七尾はやさしいなぁ… 俺なら、先輩の出番でももぎ取るよ。 だって、2年生の俺にとっての大会は 今回だけ。 一生で一度きりだし。
[ 一度、先輩の前で行った時は 生意気だって額を指ではじかれたっけ。 でも。俺は間違えた事は言っていないと思うよ。 ]
(!43) 2017/06/05(Mon) 00時頃
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[ 彼女の足が速いのは知っている。 部活の合間に、陸上部を見た事があるから。 確かに速い、速いけど───
他の人の走りとは、何か違う?
そう思ったんだ。 その原因が、先輩への遠慮なのかなって 今の彼女の話を聞いて、思ったよ。>>!34
そういう気遣いができるのって、 凄いなぁって思う。 俺は、自分だって活躍したいって思うから。 ]
(!44) 2017/06/05(Mon) 00時頃
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[ 半分の嘘にも、正しい答えにも。 ましてや、俺へのいい印象があるなんて、>>!35 エスパーじゃあないし気づけるはず、ないよなぁ。]
(!45) 2017/06/05(Mon) 00時半頃
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あぁ……花火ね。 うちでも誰か言ってたっけな。
俺は…そうだな。先輩からの激励もあるし 先生からの愛もあるからなぁ でも、花火っていうんだから夜だよね? それなら、少しはいけるかも。
[ もし、まだ少し陽のある間ならば、 俺はこの校舎の窓から、 どんぱら 、 どんぱら 、
開いては散る花を見ることになるのだろう ]
まぁ……独りで見る花火なんて、 虚しいだけだろうけどさ。
七尾はどうするの? 浴衣とか着る?
(!46) 2017/06/05(Mon) 00時半頃
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[ 部活の人たち? 聞こえた声によると、 彼女だとか、告白だとか。
青春の輝かしい1ページを刻むみたいだよ。
黒歴史になってしまえ なぁんて、 これっぽっちも、雀の涙ほども、 思っていない…… 本当さ。 ]*
(!47) 2017/06/05(Mon) 00時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2017/06/05(Mon) 00時半頃
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/* んん、何言ってるのなわかんない感じになむた いつものことだけも。 七尾はごめんね」、ごめんねー。かわいいすき
土鈴くんとどうやってからも
(-33) 2017/06/05(Mon) 00時半頃
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─ 教室 ─
俺の額を弾いた先輩基準になるなら、 七尾はとっても優しいいい子だよ、きっとね。 うんうん、それにさ。 先輩たちの最後の試合って事は、 先輩達と試合に出れる最後の機会ってことだし。
成績はさ ほら。 内申点でどうにか… できる、はず
[ プリントをぐしゃりぐしゃりと、 丸めたことを思い出してから。 語尾は一気に下がり調子。
でも、でもだよ? ほら 俺ってば "いい子"だからさ。 きっと大丈夫って、頷いてみせる。 ]
(!69) 2017/06/05(Mon) 11時頃
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浴衣、俺に見せびらかしてくれてもいいんだよ? 花火が見れなかったとしても、
代わりの華が見れたなら、 夏を満喫した気分になれるしさ。
[ ちょっと、格好つけすぎ? でも、冗談めかして言ったなら、 笑って済ませてくれるかな。 ]
(!70) 2017/06/05(Mon) 11時頃
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[ 夏といえば浴衣。初詣には着物。 女の子って、窮屈だよね。 ]
でも、手間がかかるのはそうかもね。 思う存分動けないし、お洒落って大変だ。
目の前のかわいい女の子が頷いてくれるなら、 俺も寂しい花火から抜け出せそうだなぁー
……… なんて、だめ かな?
[ 俺は女の子じゃあないけど、 可愛く小首を傾げて、お願いしてみよう。
そうこうしていたら先生も来るわけで、 俺は、訳のわからない黒板の文字に、 顔をしかめることになる。 ]**
(!71) 2017/06/05(Mon) 11時頃
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[ その授業中、 うっかりすっかり頭が沈んで。
夢なんか無いのに、夢の世界へ旅立った 俺の頭を、先生の丸めた教科書が、
ぱ こ ん ───
いい音を奏でたりしていた。 今日は1日、格好のつかない厄日みたいだね? ]**
(!72) 2017/06/05(Mon) 11時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2017/06/05(Mon) 11時半頃
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─ ある本屋さんでの1ページ ─
[ はじめは無理やり連れて行かれた本屋。 けど、参考書のオススメを聞くがてら、 店が暇なら、宿題のわからない場所を 入間さんに聞くこともあったっけ。
始め、あまりにもまじまじと見られるもんだから。 『 何か、付いてますか? 』 なんて、聞いてみたりした。 埃とかついてたら、かっこ悪いでしょ? ]
(!77) 2017/06/05(Mon) 13時頃
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[ 運命なんて物は、 きっとその時にならないとわからないもので、 知りたくない運命なんてものは、 知ってしまった頃にはことが起こってしまって、 もう手遅れなんだよね? って俺の考え。
けど、もし。運命が先読みできるなら。 参考書を探しに、無理やり連れてこられるなんて、 そんな格好悪い初対面を、 変えることもできたのかもしれないね。 ]**
(!78) 2017/06/05(Mon) 13時頃
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─ 本屋に通う、男の話 ─
[ そしてこれは、そんな本屋さんで見かけた、 ある1人の男の人の話。 もちろん、話したこともない、俺視点の話だから。 話す全てが真実ではないと思うよ。 ]
(!79) 2017/06/05(Mon) 13時頃
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[ 名前は確か、土鈴 流。 土鈴 時人さんの息子さん。 美術部の子が、言ってたよ。
俺は絵とかあまりわからないから、 とりあえず、凄い人の息子なんだって認識。 それ以前に、絵をかけるだけで 誰の息子とか関係なく、凄いって思うけどね。
俺…?俺はね 猫を描いたら、怖いって言われた 『ある意味 画伯』らしいよ? 失礼だよね。 まぁ、人間には得て不得手があるものでして、 俺はたまたま絵が不得手だったんだろう。 ]
(!80) 2017/06/05(Mon) 13時頃
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( 親譲りの才能……? )
[ 絵にそんなものってあるのかな? 俺の母さんの描く猫は可愛かった。 父さんの描く車も、不恰好だったけど、 それでもちゃんと、 車 だったから。 絵の才能は受継ぎ形式じゃ無いんじゃ無いかな。
それに、こう言うワードってさ 漫画とか小説の中だったら、地雷って言うよね
もちろん、土鈴さんと面識なんてあるはずも無いから 俺が今思ったことが、彼にばれることも無い。
ふい、 と視線をそらせば 元どおり、本屋に通う街人AとB。 彼の記憶に、俺なんか映りもしないだろうさ。 ]**
(!81) 2017/06/05(Mon) 13時頃
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