32 【Deathland〜minus appleU】
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フィリップ……、落ちろ!!
2011/06/26(Sun) 00時頃
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[振り向く。 けれども、謝罪の言葉は出なかった。
代わりに向ける、あまりに冷たい笑み。]
(0) 2011/06/26(Sun) 00時頃
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[喰い殺されるフィリップを一瞥し、もう一度だけ地面を蹴る。
どさりと、倒れるように城門の中へ転がり込んだ。]
(1) 2011/06/26(Sun) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/06/26(Sun) 00時頃
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…くっ。
[起き上がろうとして、ずきりと足首が痛んだ。 深く噛まれた傷口からは、じわりと血が広がって…]
フィリップ…は……。
[俯いて、首を横に振った。]
(5) 2011/06/26(Sun) 00時頃
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そう、間に合わなかったんだよ。
[本当は違う。見殺しにした。 いや、狼の群れに放りこんで、殺してしまったようなものだ。
けれどそこに、一抹の寂しさはあれど、罪悪感は無かった。 悲劇がまた、物語を紡ぐ原動力になれば良い、と。]
(*1) 2011/06/26(Sun) 00時半頃
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明之進は、懐に収めた紅薔薇が、熱を持つのを感じた。4
2011/06/26(Sun) 00時半頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/06/26(Sun) 00時半頃
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僕、逃げるのに必死で……。 悲鳴、聞こえたんだ。でも…
[助けられなかった、では無く、見殺しにした。 いや、むしろ囮に差し出したようなもの。
どの道…邪魔をされる前にと思っていたのだし…]
(10) 2011/06/26(Sun) 00時半頃
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…あぁ。 ケイトも…かなり弱ってたみたい、だから…
[ドナルドに触れられて、砂時計に穴が空いていたのかどうかは分からないけれど、 限界が近付いているのは、なんとなく見えていた。]
きっと、ここまで必死に逃げた分で、力尽きたのかも…
(16) 2011/06/26(Sun) 00時半頃
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…消えちゃったの? さっきまで、あんなに居たのに。
[開いた門の向こうはあまりに静かで、何事もなかったかのよう。 けれど、足首に残ったままの痛みと、道の途中で倒れた血濡れの姿だけが、惨状の痕跡を残したままだ。]
(23) 2011/06/26(Sun) 01時頃
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[最初の生贄は、死神に首を狩られて…
裸の王様は虚飾のままで死に、 アリスは夢の国から帰ってきませんでした。
眠り姫は荊棘に抱かれ、永遠の夢の中へ、
マッチ売りは燃え尽き、妹は兄からはぐれ、 赤い靴は死ぬまで踊り続けて、白雪姫はガラスの棺に眠ります。 白鳥は夜明けに飛び立つこと無く、 哀れ赤ずきんは、狼に食べられて…──
これでいいんだよね?と問うように城を見上げた。]
(31) 2011/06/26(Sun) 01時半頃
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…死なないよ。 死ぬもんか。
[死なないでと手を握ってくれたのは、お祖母様だったか。 必要なのは当主の血と、亡くした彼女の息子の影だったとしても。
酷く傷口は痛むけど、死ぬわけにはいかなかった。 例え、何を犠牲にするとしても。**]
(52) 2011/06/26(Sun) 11時半頃
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…いえ、大丈夫。行きましょう?
[足は痛むけれど、直接的な治癒の力は無い。 せいぜい、痛みを紛らせる程度。 負荷がかからないよう庇いながら、俯いて彼らの後を進んだ。]
…せんせい?
[聞こえた笛の音に惹かれるように、そちらへ。]
(77) 2011/06/26(Sun) 19時頃
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ちょっと、噛まれちゃった。 痛いけど…大丈夫。
[本来なら立っているのもやっとだろうけれど、羽のように身体を軽くして漸く歩いている。 無理をしていないはずもないのに、大丈夫だと淡く笑っていた。]
(*5) 2011/06/26(Sun) 19時頃
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明之進は、自分が手にした分は、自分のところにある。
2011/06/26(Sun) 19時頃
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[輝く紅い薔薇を、胸元に抱きしめて…]
せんせい、また楽しいお話…たくさんしてよ。 …あの頃、みたいに。
[蕾綻ぶように、わらった。]
(81) 2011/06/26(Sun) 19時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/06/26(Sun) 19時頃
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[幼かったその日。
せんせいは命の恩人で、 せんせいは神様で、 せんせいは魔法使い。 なんでも出来ちゃうすごい人。
心に残ったのは、崇拝にも似た絶対の信頼。
楽しくナイ?と聞かれて首を横に振る。]
せんせいは、どんな続きが見たいの?
(97) 2011/06/26(Sun) 21時半頃
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大丈夫、ですよ。
[傷の状態は、とても大丈夫じゃない程なのに、 そんな風にチルチルに答える。
触れられたら、小さく呻いて顔を顰めてしまう。]
(98) 2011/06/26(Sun) 21時半頃
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…どうしたの?
折角せんせいが来てくれたのに。
(*7) 2011/06/26(Sun) 21時半頃
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新しい物語を初めから…
[瞳と心臓に突き刺さった悪魔の鏡の欠片は、きっと生まれつき。 自ら雪の女王についていった少年のように、 連れていってもらえるのなら、きっと…
あぁ、せんせいは…そのお姫様を目覚めさせる王子様を作りたかったのかな? 胸に手を当てて、そんなことを思った。]
(105) 2011/06/26(Sun) 22時頃
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…うん、これでもう一つ…だね。
[テッドに差し出した欠片は、小さなおつかい用のカゴになる。 そのカゴへ入るのは、おばあさまへ届けるための大事な葡萄酒。]
じゃ、あと二つ?
(113) 2011/06/26(Sun) 22時頃
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明之進は、違った。後三つだった。
2011/06/26(Sun) 22時半頃
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ここで、終わり?
[終わりなら、もう要らないなら、その先は…
口元をわずかに歪めた。]
(125) 2011/06/26(Sun) 23時頃
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[消えた道化師を、静かに見送る。]
続き、やらなきゃね。 ゲームはまだ、終わらないみたい。
[それは鍵探しだけでなく、命をかけて行うモノの方も… 痛む片足を引きずって、歩き出す。]
(143) 2011/06/27(Mon) 00時頃
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あ、待ってチルチル。
[きっと階段は無理だから、エレベーターに乗り込む姿を呼び止めようとした。]
(147) 2011/06/27(Mon) 00時頃
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明之進は、そういえば、紅薔薇持ったままだった。42、38
2011/06/27(Mon) 00時頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/06/27(Mon) 00時半頃
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[動き出したエレベーターの中、ずきり…と胸に灯る痛み。]
…ぁ………。
[ぎゅう、と胸を押さえて、壁に背を預けるように座り込む。 遠ざかる意識を繋ぎとめようと握りしめた手に、力は入らなかった。]
(155) 2011/06/27(Mon) 00時半頃
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…ちょっと、くるしい…かも。
[かけられた声に返す言葉は絶え絶えで、ひどく顔色が悪かっただろう。
持っているのかと問われて、小さくうなづいた。]
(157) 2011/06/27(Mon) 00時半頃
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[触れれば、心音は酷く弱いと知れるだろう。
持たないと自分でもわかる。 皮肉にも、自分の力は蝕まれると同時に精度を増していたから。]
死ぬ、もんか…
[無理矢理に自分のバイタルモニターを弄るけれども、 それは一時しのぎ。長くなど持たないと分かりきっている。]
(160) 2011/06/27(Mon) 00時半頃
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…死にたくない。死にたくないよ。
[彼の腕の中で冷えていく身体を、それでも無理やり焚き付け燃やす。 そのひとつひとつが、命を削っていくと分かっているのに。]
僕は、父さんみたいに死にたく、ない。
(*11) 2011/06/27(Mon) 00時半頃
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[命削り、その身体を蝕みながら、力を強めていく紅い鍵。 それが次第に深く体に沁みていくことを、知らなかった。
震える手が、孤高の紅い薔薇を取り落とす。
少しでも気を抜けば意識は遠くなりそうで、ぎゅうと襟元を強く握りしめた。]
(163) 2011/06/27(Mon) 01時頃
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[テッドの声には小さくうなづくも…
華奢で脆弱なこの身体には、もう……**]
(166) 2011/06/27(Mon) 01時頃
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……綺麗…。
[眼下に広がる光のパレードは、幼い頃に一度だけ… たった一度だけ逢えた、父さんの思い出。
もう、ぼんやりとしか見えないけれど、それをじっと見つめていた。**]
(179) 2011/06/27(Mon) 01時半頃
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[幾度も闇に落ち、夢と現を彷徨う意識。 身体が弱るのと反比例するかのように力が増しているのがわかる。
世界の根底に、今なら手が届く。 きっとどんな奇跡だろうと起こすことが出来るだろう。 心臓は、あと一度しか、持たないと分かっているけれど。]
…せんせい、
[うわごとのように、呟く。]
ズレてしまったなら、また最初から…あそ、ぶ?
[全て白紙に戻すことすら、今なら出来る。 もしかしたらこんな風に、幾度もやり直してきたのかもしれないけれど、 それを知るてだては…今はきっと無い。
ただひとつ、わかるのは… もう一度、力を使えば、この心臓は必ず…壊れて動かなくなる、事。]
(216) 2011/06/27(Mon) 14時半頃
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明之進は、小さく呻いて、薄く目を開けた。
2011/06/27(Mon) 22時頃
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…何ここ…、お化け屋敷…?
[あたりを見回して、ぼんやりした口調で問う。
昔行った遊園地にもお化け屋敷があって… でも、あまりビックリしちゃいけないから、入れなかった。 そんな思い出を、ふと思い出す。]
…ごめん、なんか…いっぱい迷惑かけて。 君は、大丈夫…?
(253) 2011/06/27(Mon) 22時半頃
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